脱サンデロープスもRS4位でフィニッシュ 〜Wリーグ2023-24 トヨタ自動車×ENEOS〜

富士通デンソーシャンソン相手にgame1で敗れ、連勝したカードでもgame1では苦戦が目立った今シーズンのトヨタ自動車。レギュラーシーズン最終週にして2戦通してこのチームの良さが見られた。

game1では山本選手のファールトラブルを小野寺選手が救い、快勝。game2は連敗を避けたいENEOSの圧に屈したが、見せ場は随所にあり、このカードのゴールアベレージでは上回った。

トヨタ自動車デンソーENEOSと22勝4敗で並び、3チーム間でのゴールアベレージで4位。1位の富士通を含めた4チームの対戦は全て星を分け合い、Wリーグ史上稀に見る大混戦を象徴する結果となった。

 

トヨタ自動車×ENEOSに話を戻す。リバウンド、ルーズボールにとにかく絡んで飛びついたトヨタ自動車ENEOSはローポストの渡嘉敷選手起点のオフェンスを展開してきたが、ヘルプディフェンダーが背後からスティールを狙い、トランジションオフェンスで得点を重ねた。

ハーフコートオフェンスでは安間選手、小野寺選手が常にアタックしディフェンスを中に収縮させる。安間選手はそこをこじ開け自ら得点、小野寺は捌いて45度から3人目が仕掛け、2人のハンドラーがオフェンスで変化を作った。

Wリーグデビューとなったトヨタ紡織戦ではある程度自由に仕事をさせてもらっていた小野寺選手だが、ENEOS戦では川井選手が欠場。チームコンセプトを理解した上でバックアップのハンドラーとして求められるプレーを忠実にこなした。得点0、アシスト2などスタッツ上では目立った活躍はなかったが、彼女の落ち着いたゲームコントロールがなければ3ファールで決して調子も良くない山本を無理させていたことだろう。ENEOSはそこを狙ってくる、game2にも悪影響を与えたかもしれない。。その意味でMVPは小野寺選手。安間選手との2ガードは錯乱作戦になったかもしれない笑

デンソー戦で腰を強打した影響からか本調子とはいえない山本選手も勝負強さは健在。

またgame1では前週好調だった梅木選手を前半から長く起用、前半終了間際のタイムアウト明けオフェンスでは安間、山本、平下、宮下、岡本の5選手によるビッグセンターを置かないラインナップを敷いた。大神体制において1ポゼッションのためのラインナップはあまり見たことない。指揮官の引き出しは増えている(モンデーロHCの下でACをしていたのならもっとやって欲しいが…)

 

game2、ENEOSは出だしで安間選手を潰しにきた(こういうのをブリッツというのでしょうか?)

これでトヨタ自動車は面食らってしまったか。前日はローポストで封じられていた渡嘉敷選手がダイブから得点を量産、解説の中川聴乃氏もお得意のナイス合わせ!を連発していた笑

トヨタ自動車も前半ラスト2分でgame1の良いところが出始め、トランジションオフェンスで追いすがった。

せっかく前半いい形で終われたが、後半の入り方が悪かった。これが全てか。髙田静選手が復帰したものの怪我なのか構想外なのかは分からないが起用できる選手は9人。で何故あんなに強いのか?!

トヨタ自動車がリーグ優勝した2シーズンにおいて皇后杯は優勝している。しかし今シーズンはデンソーが制した。今シーズンリーグ優勝を逃すと無冠、ファイナルは昨シーズンと同一カードになるような気がしてならない。チーム力としてはデンソーの方が上だと思うが…

プレーオフが現行のトーナメントフォーマットになってから初めてQFを戦う、一発勝負に弱い、富士通とも相性良くはないから、トヨタ自動車がファイナルに行けないって説はとりあえず考えない)

 

QFといえばシャンソン化粧品なんですよね…アイシンが上がってこないかな(小声)

 

 

 

奪還へ視界良好 〜Wリーグ2023-24 シャンソン化粧品×トヨタ自動車〜

2試合連続のオーバータイムとなったが、デンソー戦とは違い、40分で勝てる試合を逃した格好だった。4Q残り3:30ほどのところでソハナ選手が攻守でビッグプレー、FTも決めて8点差。もうひと押し欲しかったが、4Q終了まで得点なし。シャンソン化粧品のラッキーなシュートもあったが、鷹のはし選手のスティールからの得点が痛かった。

オーバータイムはですね…サッカーでもそうだと思いますが、そりゃ追いついたほうが勝ちますよ(統計とってないけど笑)

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この試合に関しては45分トータルでトヨタ自動車のディフェンスは良かったと思うが、3Q以降の知名選手の活躍ぶりを褒めるしかないです!最後の3ptシュートはウチェ選手を一番ケアするのは当然で、正直お手上げ…

ロケットスタートを切るも、1Qの間で差詰められて、最後競り負ける皇后杯と同じパターンではあったが、岡本選手、田中選手の活躍は大収穫である。

 

スコア、内容諸々含めて今シーズンベストゲームではないだろうか(相変わらずのサンデロープスだが苦笑)

game1で3ptシュート4本を含む16ptの岡本選手がgame2ではインサイドで8pt。2試合合計でアシスト、ブロックをともに3記録するなどまさにどこでもトアな活躍ぶりだった。梅沢選手の非帯同もありプレータイムが伸びた田中選手はトヨタ紡織戦、デンソー戦でも仕事人ぶりを示しているが、シャンソン化粧品戦ではオフェンスでの貢献度も上がってきた。プレータイムは短いながらも出場すれば爪痕を残す小野寺選手含めアーリーエントリー選手がどんどんとフィットしてきている。

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後半は安間選手が前半のスコアラーぶりから一転して巧みにコントロールし、オフェンスを構築。泥臭くペイントアタックでシュートファールを奪いFT、ミスマッチを突いてのソハナ選手、岡本選手らがイージーシュート。

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中断明けソハナ選手がどんどん調子を上げているのはプレーオフに向けて頼もしい限り。さらには3ptシュート攻勢で圧倒した。

大神HCの采配にも変化が見られた。川井選手の負傷、山本選手の不調はあったが、3Qで多くのラインナップを試した。中でも直前で3ptシュートを決めるなど調子が良かった平下選手を下げざるを得なくなったとき(コンタクトレンズが外れた?)に前半出番がなかった梅木選手を送り込んだ判断が光った。それまでは三浦選手が3番ポジションの二番手。オフボールでのディフェンス面を考えての起用だと推測しているが、この時間帯は得点が欲しい・攻勢を掛けたいと考えたのだろう。そして梅木選手は起用に応えて3ptシュートを2本沈めた。平下選手も4Q開始で戻り、岡本選手とのコンビで3ptシュートを決めるなどこの試合13ptの活躍だった。

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※ソハナ選手(梅沢選手)と田中選手の併用で岡本選手(宮下選手)を3番ポジションに置く、岡本選手と宮下選手を併用してビッグセンターを置かないスモールラインナップも見てみたいが、さすがに今シーズンは試す機会がないだろう(苦笑)プレーオフでこれらを秘策として出してくれたらビッグリスペクト!

 

そして20点以上差がついた残り2分ほどで古木選手がデビュー。さらには中断明け初出場となる横山選手、パレイ選手もコートイン。この2選手によりピックアンドロールからの得点で仕上げた。

プレータイムに恵まれず悔しい気持ちを持っていたのだろう。試合終了後横山選手、パレイ選手は大粒の涙を浮かべ、チームメートは奮闘を労っていた。

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勝負の世界、プロの世界であり実力と結果でしか判断されない。才能があってもポテンシャルがあっても人気があっても関係ない。練習で示した実力により起用され、試合で結果を残せば起用され続ける。大神HCの起用法は保守的であり、下位チームとの対戦が続いた序盤戦でもっとベンチメンバーを起用して欲しかった面はあるが、彼女なりのポリシーみたいなものがあるのだろう。

出番が少ない選手も色んな思いを抱えて日々取り組んでいるだろうし、横山選手やパレイ選手のあの姿を見て、常時試合に出ている選手たちはより責任を背負ってプレーしてくれるに違いない。試合後の光景を見ていて、奪還へ視界良好と思えた。

しかし川井選手の負傷は心配である。game2の前半終了間際に右足首を酷く捻り、後半は足を椅子に伸ばして座っている状態だった。
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無理は禁物だが、フロアリーダー不在でプレーオフは想像できない…3週間後、いや出来れば4週間後に武蔵野の森で笑顔の彼女が見たい。勿論試合中のコート上で!
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シャンソン戦2試合合計で8ptに留まり、gameでは4Q全く出場しなかった山本選手も気掛かりだが、他の選手が調子良く点差も離れたので出場しなかっただけと思うことにしておく…!

 

チーム内の心配材料だけでなく、他チームもコワイ…あの強い強いデンソーに10点差以上つけて勝利したENEOS。台所事情が苦しい中で岡本彩也花選手の完全復活は脅威でしかない。game2も2Q以降ENEOSが優位に試合を進めたが、皇后杯優勝で呪縛から解き放たれたデンソーが大逆転勝利を挙げ、このカードも星を分け合った。

また富士通も町田選手が完全復調した模様。

トヨタ紡織はチームケミストリーが完成していないようで優勝となると厳しいかもしれないが、QFで当たると怖い存在。

私がWリーグを見始めた頃はENEOSの一強状態だったが、今シーズンは私のファン歴の中では最も混戦。というかENEOS1強の前は長くENEOSシャンソンの2強なので、Wリーグ以前も含めた日本女子バスケリーグ史上稀に見る混戦なのかもしれない。

2チーム以上が同じ勝率の場合は、下記の順序で順位を決定する。
・当該チーム間での対戦試合の勝率
・当該チーム間での対戦試合のゴールアベレージ
・リーグ戦での全試合のゴールアベレージ

 

となると4チームが22勝4敗で並び、1位デンソー、2位富士通トヨタ自動車ENEOSは3位もしくは4位。

どのチームも当然2位以上を狙いたいが、怪我抱えてる選手を強行起用したり無理するのは本末転倒。2位以上は2週間試合が空く。一発勝負でトヨタ紡織シャンソン化粧品は難敵だが、試合間隔としてはベターで勝ち上がった勢いでセミファイナルに臨めるのはむしろメリットではないか。セミファイナルも当然強敵で3戦目決着濃厚、ファイナルも同様であり総力戦であり、コーチングスタッフの腕の見せ所である。
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クライマックスに向けて 〜Wリーグ2023-24 優勝争い〜

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第11週を以てプレーオフに出場する8チームが決まった。来シーズンから2部制が導入されるが、この8チームがプレミア(1部)に参戦することも同時に決定となる。

あと2週4試合ある中で決まってしまったのは率直に残念というか物足りないというか…

 

やたらテンション高いですけど、吉田選手も仰ってるようにあくまでスタートラインに立ったにすぎない。

18-19シーズンで準優勝するなど毎シーズンプレーオフに出場していた三菱電機は今シーズン髙田HCに交代したが、引退した西岡さんの穴はあまりにも大きくインサイドが安定せず成績が伸びなかった。萩原HC体制で3シーズン目となる東京羽田は戦力充実も中軸が定まらなかった。実績ある大卒選手を多く獲得した秋田は練習環境も整え今シーズンに臨んだが、企業チーム相手には前線止まり。山梨、新潟とも星を分け合い、順位を上げられなかった。

一方で近年HCの交代が続いていたアイシンは梅嵜HCが続投。吉田選手、野口選手とパリ五輪最終予選にも出場した実力者たちが加入し、チーム力を上げた。7〜10位を争うことが予想された東京羽田、三菱電機との対戦で共に連勝。序盤戦でサバイバルの優位に立った。

もっと早く本気を出せば宮下選手、梅木選手や三間選手、江良選手とか移籍しなかったと思うが、皆青より赤が好きなんだろう。

リーグ変革のシーズンに向けて照準を合わせた会社、チーム、選手は立派だが、一方で6位以上のチームに1勝たりとも出来ていないのは紛れもない事実。皇后杯含め富士通との対戦ではあと一歩のところまでいった。ENEOS戦では見せ場は作った。しかしそこまで…トヨタ自動車シャンソン化粧品トヨタ紡織との対戦では見事なまでの完敗だった。

上位6チームとの対戦ではシャンソン化粧品からの1勝に留まった日立ハイテク、フューチャー(2部)に回る6チーム含め茨の道が待ち構えている。関わる人すべてがチーム存続の危機、プレーする場がなくなるという意識を持たないとやがて業界全体の衰退となってしまうのではないか。

 

さて優勝争いに話題を移す。

優勝するのはトヨタ自動車デンソーだと思っている。ENEOSトヨタ自動車が優勝下2シーズンに続き怪我人が続出、富士通はどうも優勝するにはワンパンチ欠けると思っていて…

レギュラーシーズンの順位争いが例年以上に大混戦。1〜4位の確定は最終戦までもつれ込みそうだが、一発勝負に弱いトヨタ自動車が第1シード(2位以上)を逃すと非常に危険。3位だとQFでトヨタ紡織と対戦する可能性がある。東藤選手や北村選手が山本選手のマークについても他のポジション含めミスマッチは起きないというかトヨタ紡織が優位ですらある。レギュラーシーズンでは2試合とも辛くも勝利しているが、そこは奇才ルーカス・モンデーロ。

シャンソン化粧品ENEOS相手に1つずつは勝って、かつENEOSには得失点差で劣らない。そして厳しい戦いの中でもベンチメンバーの底上げを図り、デンソーに対抗できる戦力にしていく。これが2週4試合のミッションだろう。

 

デンソー×トヨタ自動車のファイナルが見られることは願っている。そのカードでgame3までいったら刈谷とか豊田で開催してもらえないでしょうか笑

超満員下での頂上決戦② 〜Wリーグ2023-24 トヨタ自動車×デンソーgame2〜

前日を記録を塗り替える4,800人以上の大入りとなった試合。試合運営に携わったトヨタ自動車デンソー両者の社員、岡崎市バスケットボール協会の方々の集客への努力があったのだろう。Wリーグレギュラーシーズンでは珍しいマッチスポンサーも岡崎信用金庫など地元の6社がついた。パリ五輪出場権獲得も追い風となったはずだ。

各方面の尽力が報われる大熱戦は今後にも繋がる貴重な成功体験となることだろう。私もそんなgame2を観に行きたかった…苦笑

 

前日の完敗を受けてトヨタ自動車の変化は自分が理解できる範囲だと

  1. スクリーナー宮下
  2. スリー絶対打たせない
  3. ガードのリバウンド参加

game1では山本選手が篠原選手に完敗した格好だったが、game2では宮下選手が黒子に徹し、山本選手の得点を演出。立ち上がりで3ptシュートを決められると彼女もチームも乗っていける。ズレを作れると無敵・世界のYAMAMOTOだが、それでも篠原選手はファイトオーバーしてくる。前半で4ファール。

※ファールを取ってくれるのはいいが、篠原選手荒くてヒヤヒヤしますね…アンスポーツマンライクファウルではないが、審判のコントロールが必要になってくるかも…

今度は篠原選手をベンチに追いやり、平賀選手や渡部選手が山本選手のマークについていたが、どうしても強度は下がってしまう。

それでもトヨタ自動車のペースにはならないのが訓練されたチームの強さである。トヨタ自動車の3ptシュートを絶対に打たせないディフェンスはかなり良かったと思うが、それでもgame1を上回る得点ペースと3ptシュート成功率で前半をリードして折り返した。

髙田選手は人間であるが、進化具合がエゲツない。正直フィジカルは落ちてると思うし、元々スピードがあるタイプではないとはいえ瞬発力勝負に持ち込まれると脆さが出てしまうこともある。しかしそれを上回る駆け引きや読み、間合いなど経験に裏打ちされたプレーでインサイドを制圧する。さらには今シーズン3pt女王になりそうなくらいシュートが入る。#長身ながらアウトサイドシュートが得意なシューターの完成形である。

ひまわり選手のバスケットカウントもトヨタ自動車のウィークポイントを突いた素晴らしいプレーだった。

3Qはソハナ選手が理不尽なディープツーを決めるなど得点を量産。4ファールの篠原選手投入、一度ベンチに下げた髙田選手もすぐに戻す、PG本川選手など目まぐるしくラインナップを変えるも改善できず。ファストブレイクからソハナ選手が決め6点差となり、デンソータイムアウト

タイムアウト明けで木村選手が3ptシュートを決めるなどトヨタ自動車のペースにさせないどころか自分たちに手繰り寄せるデンソーの強さは圧巻。しかしそこに立ちはだかったのが世界のYAMAMOTOである。

それでも4Qはデンソーペースで進んでいった。トヨタ自動車タイムアウトを挟んでのひまわり選手の5連続得点。あんなにプルアップシュート上手い選手でしたっけ?!そもそもガツガツ得点狙いにいく選手でもなかったのに…(あのパーマにはプルアップシュートが上手くなる魔法が含まれているのだろうか笑笑)

来シーズンはマイヤマモトとともに欧州に活躍の場を移すべき!

 

残り2分で6点差、相手が相手だけに万事休すかと思ってしまったが、トヨタ自動車、というかマイヤマモトがここから這い上がった。

デンソーはオフェンスでボールを大切にしすぎた・ターンオーバーをしない意識が強すぎた感はあったが、ディフェンスとしては完璧だった。それでも山本選手は相手も誰でくるのか分かりきってる中で決めてくる。もちろん宮下選手や梅沢選手のスクリーンやスペースを広げる動きも素晴らしかったが、託されて決めるのがエースの仕事である。白熱の好ゲームにオプションがついた。この試合の観客は幸せ者だ、私もこの場に居たかった(しつこい)

タフな試合を演出しつつも危険なプレーやラストマンシチュエーションではアンスポーツマンライクファウルを取るなど的確なジャッジが光った審判団だったが、オーバータイムでは前週の豊橋会場のような軽さになってしまっていたように思う…審判も2連戦、疲労はある…

笛を味方につけたのはトヨタ自動車だったが、残り2分を切ったところで馬瓜選手のレイアップシュートは明らかに時間内で、これは不運で済ませてはいけない。検証と再発防止策が必要である。Wリーグは女子のトップカテゴリーなので、男子のBリーグ1部同様に全試合でビデオ判定を導入するべきではないか。

ただ個人的には試合トータルで、シーズントータルでジャッジによる幸運・不運のバランスは取られるものだと思っていて、実際3Qで山本選手は明らかに触っていないのにデンソーのポゼッションになったり、オーバータイムではポジション争いで髙田選手が腕を絡ませてるのに山本選手のファールを取られるシーンもあった。

これがスポーツだと思うし、トヨタ自動車の2シーズン連続ホームでデンソーに連敗できないという気持ちの強さもあったと思う。ガードの安間選手、山本選手でオフェンスリバウンドが計11。この数字が表しているのではないか。

こうして戦いに終止符が打たれた。試合終了後両チームの選手たちがコートを一周して声援に応える時間があるが、負けたデンソーだけでなくトヨタ自動車の選手も満面の笑みが出るまで少し時間がかかった。ここに激闘感が現れていた。

MVPは文句無しで山本選手!だが宮下選手も褒め称えられる活躍だったと思う。ファールゲーム中のFTでの1ptに留まるも40分以上出場したことが欠かせない存在である証明だろう。

負けて強しな感を示したデンソー、2戦先勝方式のセミファイナルやファイナルで対戦したら勝てる気がしないが、トヨタ自動車としては川井選手を欠く中で1勝出来たことをプラスに捉えられる。一方で後半〜OTはほぼ6人で戦い、山本選手と根性で勝った感も否めない。

 

と偉そうに語ってますが、山本選手が「浜松で待ってまーす」と言ってたので、ハンバーグ食べに行きますwサンデロープス感あるなで、そろそろサタデーもスッキリとした試合を観たいですね!

 

デンソー戦に関しては語り切りましたが、残り2週4試合とプレーオフについて別トピックで更に語りたいと思います。それでは…

 

超満員下での頂上決戦① 〜Wリーグ2023-24 トヨタ自動車×デンソーgame1〜

会場の立地的にも頂上決戦という表現がピッタリです笑

それはさておき…

4,500人を超える大観衆、Wリーグのレギュラーシーズンにおける最多入場者数を東京や神奈川ではなく愛知の山奥(?)で達成出来たことは素晴らしい。それだけにもっと接戦なら良かったが…スコアだけ見るとアイシン×デンソーみたいなので

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兎にも角にもデンソーのディフェンスが堅守すぎました(頭痛が痛い的な←)

山本選手が篠原選手の密着マークに遭い、全くと言っていいほど仕事出来ず…むしろファールトラブルでベンチへ追いやられました。。。

山本選手が体力を有り余らせてるはずだから前半6点差くらいで折り返せば何とでもなると思ったら14点差。3Q終わりで一桁点差なら望みあると思ったら21点差…

はいさすがに終了でしたねΩ\ζ°)3Q半ばの今野選手の連続得点がダメージ大きいように見えました…

※前週の三菱電機戦では2戦とも点差がついたにも関わらず計10分ほどしか出てなかったが、強敵相手に照準合わせてきましたね…

大一番を任せられる選手数の差、チームの総合力の差が浮き彫りになったgame1だった。山本選手を封じられると強引な単騎アタックでターンオーバー、戦術宮下で食らいつく(こともできなかった)トヨタ自動車に対してデンソーは多士済々。

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本川選手やひまわり選手がハンドラーを務めるビッグラインナップはどうにも対処出来なかった。データ分析班もお手上げだったのではないだろうか…

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チームとしての積み上げの差、要は継続は力なりである。

この試合での収穫は川井監督の頼もしさ。
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連携が噛み合っていない時はサッとアーリーエントリー選手のもとに駆け寄り、そのプレーの良くなかったところとかを言っていた(と思う)3Q後のインターバルでは点差が開いてしまった中でコーチ陣が作戦会議をしている少しの時間を使って、選手たちに喝を入れていた(たぶん)

試合に出られなくても彼女が帯同している意味を感じたし、この姿勢がgame2に、プレーオフに繋がっていくと思った。

 

そして髙田真希は人間だった、サイボーグではなかった(と隣席の方が仰ってました笑)ことが最大の収穫。点差が離れて気が緩んだのかまだまだトヨタ自動車は怖いと思ってビビっていたのかは分からないが、FTを2本連続で落とすとは驚いた。

髙田選手が人間ならばデンソーにも隙はあるはず。そう思うと翌日に向けてポジティブになれた土曜日の夕方であった。
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DESTINATION TO PARIS 〜なでしこジャパンパリ五輪出場権獲得〜

3日前まで第1戦の開催地が決まらない、すったもんだの末に気候の違いや移動距離の長さなど負担の大きいサウジアラビア開催が決まった。昨夏のW杯でも活躍した宮沢選手、猶本選手が負傷で招集を見送られ、遠藤選手は直前の所属チームでの試合で負傷し北川選手に変更と左サイドの危機。ホームでの第2戦はピッチコンディションの悪さばかり話題になる国立競技場、ロングボール主体の攻撃が想定されフィジカルコンタクトも強い北朝鮮に味方するのではないかとの評が多かった。

逆風吹きまくる中で第1戦はアウェー扱いの試合で引き分けなので結果としては悪くなかったが、攻撃はまるで機能しなかった。ボールを保持できる相手だと想定して4-3-3システムで臨んだと想像できるが、後ろから組み立てられず、熊谷選手がディフェンスラインに吸収され、長谷川選手、長野選手も引いてボールを受けることが多く持ち味を出せなかった。右からは何度か攻めの形を作れたが、左は懸念されていた通り…本職CBの古賀選手と本職CFの植木選手の急造ラインなので致し方なしではあるが…中嶋選手の個の力で打開しようとするも決定機は作り出せず。熊谷キャプテンを下げて18歳谷川選手の投入で光は見えかけたが、スコアレスドロー

 

迎えた運命の2戦目はW杯での基本布陣だった3-4-2-1へ変更。1戦目で途中交代し世代交代を主張する有識者もいたが(私もどうするか気になっていた)熊谷選手はディフェンスラインの中央へ。左サイドには北川選手、上野選手とWEリーグで結果を出している選手を抜擢した。 とはいえ2選手とも池田体制下では(おそらく)公式戦初出場であり博打に近かったが、見事采配は的中した。

後ろを3枚にしたことで攻守に安定。長谷川選手、長野選手は広範囲に顔を出して躍動。両ワイドに本職を置くことでピッチを広く使った攻撃が展開された。北川選手は積極的な攻撃参加から精度の高い左のクロス、フィードを見せ、上野選手は前線でハードワーク。抜擢された2選手も堂々としたプレーぶりだった。

なかなか追加点を奪えず、先月の皇后杯決勝の浦和がよぎったところで綺麗な形から仕留めた!このあとふ1失点は喫したが、ホームの大声援も力に変えて逃げ切りに成功。パリへの切符を獲得した。

 

 

個人的には北川選手の活躍が嬉しかったですね!!

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ずっと代表に推してたんですが(笑)池田監督は4バックだと左SBには本職CBを、3バックだと左WBには遠藤選手、杉田選手を起用していて、チャンスに恵まれなかった。今回も遠藤選手の代役という形ではあったが、大舞台でチャンスを得て、モノにした。

やっぱり左SB・WBは左足のキック精度が高い選手でないとね!!!

 

 

そしてすぐにWEリーグが再開する。海外組はすぐに所属チームに戻るため機上の人となり、欧州勢はリーグ戦がある。

超過密スケジュール、怪我が心配でならないが、大事な大事なパリへの切符を獲得した選手たちの更なる進化に期待したい。五輪は登録選手数が18人、ここからは競争がさらに激化していく。

女子バスケ中心な自分ではあるが、なでしこジャパンの選手たちの進化と競争も追っていきたい。INAC神戸のリーグ優勝が観られそうなら現地にも足を運びたいです(笑)

白熱のロースコアゲーム×2 〜23-24 Wリーグ トヨタ自動車×トヨタ紡織〜

2試合とも同じような試合展開。ロースコアだったが、スローペースでもディフェンシブでもなくイージーシュートを落としているわけでもなく、両チームが堅守で引き締まった試合だった。


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引き出しが多い策士に対して3シーズン共に過ごした内弟子(?)もアーリーエントリー選手の起用で応戦。2試合とも前半はトヨタ紡織優勢。3Qでトヨタ自動車が一歩前に出るも引き離すことはできず、まるでスペイン代表のようなトヨタ紡織だったが、game1では戦術宮下、game2は厳しすぎるオフェンスファールの笛に苦しんだソハナ選手が鬱憤を晴らすべく理不尽リバウンドでトヨタ自動車が寄り切った。

 

両チームの収穫と課題を探っていきたい。まずはトヨタ紡織から。

不動の司令塔である坂本選手の負傷離脱は痛手だと思われたがタイプが全く異なる平末選手と都野選手がそれぞれ個性を発揮していた。平末選手はビッグマン・ジェシカ選手の加入でスペースが生まれて、爆速がより活きている。都野選手は2試合で平均30分ほど出場。坂本選手不在の影響を感じさせることはほぼなかった。

昨季まではゾーンディフェンスがハマると失点を抑えられてロースコアゲームに持ち込んで粘り勝ち、高さやフィジカルで圧倒されると完敗という印象があったが、ゾーンなど巧みなディフェンスは残しつつ、当たり負けしないチームになりつつある。そこにジェシカ選手が加わったので、さらにレベルアップしていくことを期待したい。

ジェシカ選手と河村選手の同時起用は短めにした方が良いと思うが、モンデーロHCの理想に合致した本職4番ポジションの選手が佐坂選手しかいないのが現状。来季の補強ポイントではないか。

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3ptシュートの精度は依然課題。米谷選手、平下選手の活かし方を見出したい。game1で出場機会がなかった齋藤選手をgame2でスタメン起用し18分出場、伊波選手は2試合ともクラッチタイムのみ起用、game2クラッチタイムでは北村選手を4番ポジションに配するスモールラインナップを組むなど策士というより奇才なモンデーロHCならプレーオフに向けて何か秘策があるはず。次週以降も楽しみである。

 

続いてトヨタ自動車

ハードなディフェンスは健在で、オフェンスのバリエーションも増えているように感じた。ピック、ダイブなどオフボールの動き出しがよく、奥行、横幅とも使えており、ダイナミックなオフェンスは見ていてワクワク感があった。3ptシュートのアテンプトは少ないもののオープンは作れている。あくまで水物だが、次週の相手だとこの確率では勝てない。またディフェンスリバウンドを確保してから1本のパスでシュートまで繋げる速く攻める意識の向上も感じられた。ガードの視野、パスセンスと走る平下選手、宮下選手が噛み合ってきた。

そしてHC采配が何よりも大きな変化。game1ではファールトラブルもあったとはいえ1Qや2Qの早い段階でアーリーエントリー選手を起用。HC交代があったのかと思うくらいの変化を感じさせたが(苦笑)、次週以降も続く上位対決とプレーオフに向けての戦力底上げを期待したい。

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181センチの田中選手はチームの危機を救ってくれた。185センチの河村選手、188センチでアスリート能力もすさまじく高いジェシカ選手相手に奮闘。簡単にリバウンドを取らせず。ビックマンのファールトラブルの前半にインサイドで粘れたことがgame1の勝因といっても過言ではない。

小野寺選手はスキルレベルが別格、ドライブの一歩目、パスの判断なども速い。

他の日本人選手の速いとは種類が違う速さである。155センチと超小柄だが小さくても関係ない、というか小さいを武器にしている。彼女のスキルを観るだけでお金を払う価値がある、そう思える選手だ。1Qの3分頃大神HCが川井選手を呼んだときに自分だと思って立ち上がっていた(コートネームがリュウとユウ、判別しにくいコートネームに意味はあるのか…苦笑)ように戦うメンタルも備わっている。試合に出るごとに成長していくだろう。

中断前の富士通戦では岡本選手が結果を出している。アーリーエントリー組だけでなく現状プレータイムは多くない選手たちが競い合ってチーム力を上げていってもらいたい。

 

と采配に大きな変化を感じたgame1だったが、game2はいつもの8人ローテに戻りつつあった。game1では川井選手のコンディション(ベンチに座らず立って身体をほぐしているので腰の状態がおもわしくないのかもしれない)を考慮してか安間選手のファールトラブルかは分からないが、スリーガードの時間が少なかった。game2は特に後半スリーガードでやり通していた(game1で東藤選手のタイトなディフェンスに苦しんだ山本選手含め皆結果を出しているので何も言えないが)梅木選手がピンポイント起用に留まっているのは勿体ないし、2Qでオフェンスが停滞した時に小野寺選手を投入しても良かったのではないか。

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ジャッジがオフェンスファールに対して厳しすぎた。静止しているソハナ選手がイリーガルスクリーンを取られた場面はさすがに不運としか言えないが、同じ審判員のgame2にアジャスト出来なかったのはいただけない。トヨタ紡織はgame1の後半でトヨタ自動車のオフェンスファールを誘っているようなプレーもあった。ベンチからも声を掛け合ってその審判の基準にアジャストしていきたい。審判と戦うのはモンデーロHCだけで充分です。

采配よりもジャッジへのアジャストよりも気になったのは宮下選手への依存度の高さ。アイシン時代を彷彿とさせる活躍ぶりで勝利に導く姿は頼もしかったが、2試合とも37分ほどの出場。オフェンスの潤滑油としてある意味山本選手よりも外せない大黒柱となっているが負担を軽減してあげてほしい…

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あともう2つほど(長いw)

Bリーグではブースターディフェンスという名で相手FT時にブーイングがある。応援を楽しむ一環としてやっているケースもあるようだが、そこそこ効果はあるみたいです。

私は今回game1を観に行って、残り5分くらいの東藤選手のFT時に1人でブーイングしていたら、1本目が外れた。試合は実質1点差でトヨタ自動車の勝利。トヨタ紡織側は相手FT時にブーイングする人はいなかったように見受けられたが、Wリーグでもやれば効果はあるかもしれない。客数、Bリーグのように先導する人はいないなどを考えると成功率はファールゲーム以下だとは思うが、贔屓チームの勝利を観たいのならばクラッチタイムくらいやっても罰は当たらないと思う。

 

愛知県でBリーグを中心にスポーツ取材をされている山田智子氏が愛Bcafeというサイトを最近立ち上げられた。game1を取材されて、両チームのHC、選手インタビューが記事化されている。こうして取り上げてもらえることは非常に嬉しい。

個人的には宮下選手の最後の3ptシュートの裏話が良かった!

今後も県内でBリーグの試合が無い時にWリーグの試合があれば是非取材していただきたいですね。

 

さて次週トヨタ自動車皇后杯王者デンソートヨタ紡織シャンソン化粧品との対戦。両カードともプレーオフを占う上でも必見である。

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