【名古屋グランパス】喧嘩両成敗?

大森、残留 久米GM慰留で心変わり

「どっちもどっち」といった感じの騒動だったようだ。あえてどっちが悪いか判断するならクラブ側といったところだろうか。そんな印象を受けた。

複数年契約をしていた大森だが、昨年暮れに幹部と面談をした際、「そろそろ引退後のことも考えたほうがいい」という趣旨の発言をされたと記事にはある。

30歳を超えており、端から見ると正直プレーぶりには衰えを感じる大森。「引退後のことも考えたほうがいい」という発言は当然なことと受け取ることも出来るし、引退後コーチングスタッフ入りを打診したりしていたとしたらむしろ名誉なことである。しかし言い方次第では「もう俺はこのクラブに必要ない選手なのか」と受け取ってしまうこともできる。

今回は大森に正式オファーがなかったこともあり、残留となったが、名古屋は過去にも呂比須ワグナー山口素弘秋田豊に引退勧告をし、失敗しているクラブである。特に山口に関してはその後4年間Jリーグでプレーした選手でいかにも失礼なことであった。その教訓が活きていないことになる。今年から久米GMという人物が加わったことで、しばらくはこうしたことは無くなるかもしれないが、久米氏は自ら「強くして、サッさと次のクラブへ移りたい」と公言している男である。早ければ3年で名古屋を去るだろう。その後久米氏から学んだクラブ運営の術を活かしていかないことにはこうした騒動はまた起きるであろう。今度こそ教訓として欲しい。

また最初にも述べているとおり大森にも落ち度はあるのではないか。

不信感を持ったからといって、正式オファーを受けていないのに、移籍志願をする点には強く疑問を感じる。移籍とはオファーがあって、初めて実現する者であり、オファーはないがどうしても移籍したいなら自主退団して、移籍リスト掲載を求めるなり、合同トライアウトに参加するなり、海外で練習参加させてもらうなり方法はあるはず。

第一報を流した中日スポーツ記者の拡大解釈の可能性もなきにしもあらずだが、大森の言動は軽率だったといわざるを得ない。

さらにこうしてサポーターを心配させたにもかかわらず、クラブ側から何の公式発表がないのもいただけない。公式HPなりで経緯や事情説明、騒がせたことへのお詫びを大森とクラブ代表者名で出すのが筋ではないかと思う。何もないと余計に憶測を呼ぶし、不信感を持たれることにもなる。

ここからは極めて個人的な意見を述べる。

昨日名古屋の練習場に足を運んだが、練習後のファンサービスで大森は全選手中一番対応が悪かった。もともと笑顔を振りまくタイプの選手ではないが、こういうことがあったあとだけに、サービス精神を出すなり一言決意表明をするなり何か欲しかったが、そんなことは夢のまた夢だった。

フロントにも落ち度があったので、以前述べたように顔も見たくない・名前も出したくないと言うほどではなくなったが、応援していこうとは今も思えない。さらにいうと今季で契約の切れるだけにシーズン後に契約満了で退団するのではないかと思う。一度持った不信感はなかなかぬぐえない。今季名古屋で劇的に活躍するか来オフの契約更改で相当な高い評価を受ければ話は別だが、その可能性は残念ながら低いと見ている。