17-18シーズンレビュー 【アルバルク東京】

最後に頂点に立ったが、山あり谷ありのシーズンだった。

HCが代わり、外国籍選手は総入れ替えとなるなどチームは様変わりしたが、日本代表の活動する選手が複数いたこともあり、チーム全員が揃う時間は限られた。

その中でもアーリーカップを制し、リーグ戦開幕からの11試合で1敗しかしなかったのは個々の能力の高さゆえか。

リーグ戦に関しては相手に恵まれた感も否めなかったが、11月以降は内容が良い試合と悪い試合ハッキリしていた。

苦しんだ秋の中で、以下の3試合はレギュラーシーズンベストゲーム3と呼べるものではなかったか。

※CSも含めれば勿論SFです。1戦目か2戦目かは選べません。

10/25 対川崎

この試合を家で見ていて、さらにアルバルクに魅了されて、翌月予定していなかった立川遠征を敢行しました(笑)

田中大貴の3ptシュートが決まった時の雰囲気は最高ですね!

12/2 対三河

この試合は現地でしたが、P&Rの精度向上を感じさせた1戦だった。

12/31 対千葉

今シーズンのBリーグの試合で一番点が入らなかった試合かもしれないが、両チームの良さが出ていた。

年が明けてからもやや安定感に欠け、3月以降は試行錯誤を重ねた結果、信じられない負け方もあったし、結果地区優勝は逃してしまったが、点の取り合いでもクロスゲームでも守り合いでも展開選ばず勝つ術を持っているアルバルクは優勝に相応しいチームだったのだと改めて感じさせられた。

来季もスタイルの追求を進めていくだろうが、まずカークの残留に全力を尽くしたいところではないか。

彼が抜ければオフェンスシステムは一から再構築となってしまう。

そしてルカHCとの契約は2年と言われているが、契約切れとともに退任となった場合に備えて、アシスタントコーチの育成も必要だ。

今季築きあげたものがHC交代で崩れてはいけない。

以下個別評価です。

#0 小島元基 3.5

レギュラーシーズン半ばまではオフェンス面で判断の悪さが散見されたが、終盤戦では安藤と遜色ないレベルに。

安藤と比べ周りの良さを引き出すプレーが上手く、それぞれが個性を発揮し、違いを生み出せていた。

CSではMVPとも言えるくらいの大活躍

特にSF2戦目ではチームを牽引する働きをした。

#2 齋藤拓実 2.0

特別指定選手として12月に加入。

PGが本職の選手は2人のため、期待していたが、日本では特殊なルカHCのスタイルへの適応には時間がかかった。

出場した試合では才能の片鱗は見せ、シーズン終了後のイベントにも参加しているため、来季はプロ契約するものだと思われるが、まずはフィジカル強化に着手すべきか。

#3 安藤誓哉 4.0

スコアリングガードとして早くから嘱望されていた選手のようだが、アルバルク期限付き移籍した今季は総合力の高いPGに成長した。

大事な局面での3ptシュートが光り、特にSF1戦目終盤の橋本とのマッチアップは見応えたっぷりだった。

来季はアルバルクへ完全移籍との報道もあるが、小島とのハイレベルなポジション争いを見たいものだ。

#6 馬場雄大 3.5

筑波大バスケ部を退部し、アルバルクに加入したフィジカルモンスター。

シーズン序盤は身体能力任せな部分も見られたが、判断力、アウトサイドシュートの精度が上がったシーズンだった。

周りを活かす引き出しを増やせられればより脅威な存在となる。

#7 正中岳城 2.0

今シーズン出場機会は激減したが、チーム内での信頼は厚く、精神的支柱。

終盤戦は田中が欠場した琉球戦など限られた時間の中で結果を出した。

#9 ランデン・ルーカス 1.5

大卒ルーキー。

日本国籍取得も見据えている選手とのことだが、線が細く、プレー面でも荒削りなところは否めなかった。

12月の三河戦で負傷し、インジュアリーリスト入り。その後再登録はされなかった。

#10 ザック・バランスキー 4.0

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スターターで出場する試合は少ないが、シーズン通して安定したパフォーマンスを披露した欠かせない選手。

192センチで特筆したスキルもないものの、インサイドで勝負でき、リバウンド力もあり、3ptシュートの成功率も高い。

個人的にはこのチームの日本人(扱い)選手のMVP

#13 菊地祥平 3.5

得点は少なく、素人受けするような華麗なプレー・豪快なプレーはないが、出場した試合はほぼスターターを務めた。

まず彼に求められているのは相手の得点源を潰す役割だが、金丸、小野は特に手を焼いているように感じた。

オフェンスでは潤滑油となり、苦しい時間帯では自らの得点でチームを救った。

アウトサイドシュートは不得手なので、極力打つべきではない。

#15 竹内譲次 4.0

双子の弟・公輔とともに長年日本のインサイドを支えてきたベテランだが、今シーズンはルカHCの下で進化を遂げた。

終盤戦ではウィリアムズを起用しているオンザコート2のクォーターでも託されることも増えた。

ハイポストでの判断力が向上し、オフェンスの流れを切らすことが激減した。

ローポストで受けた時には果敢に仕掛け、ダンクまで披露することも。

ファジーカスが日本国籍を取得したことに伴い代表入りが予想されるが、今の竹内なら!!

#21 ブレンダン・レーン 3.0

11月末に島根を退団し、その直後ルーカスの負傷によりアルバルクに加入した。

島根時代は多岐にわたる役割を求められていたPFだったようだが、アルバルクではカークの控えとして泥臭くプレーした。

終盤戦に入り、チームの連携が深まるにつれ、彼自身も本来の持ち味を発揮し始め、得点やブロックショットが増えた。

#24 田中大貴 3.5

SF2戦目では26点を決めるなどCSでは大活躍、MVPを受賞したが、シーズンを通してみると波があった。

序盤戦はチーム戦術が未成熟だった中で彼が個の力で違いを見せ、勝利に導いていた試合もあったが、負傷離脱・代表活動もあり、調子を落としていった。

戦術にとらわれすぎて、迷いが感じられる試合もあった。

CSの時のように「このチームのエースは俺だ!」といわんばかりの威厳を常に見せてほしい。

誰もが認める選手なのだから。

#31 ジャワッド・ウィリアムズ 3.0

NBA経験もあるベテランとしてチームに豊富な経験を還元した。

クラッチシューターぶりを発揮した試合は何度もあり、ディフェンス面でもファールせずに止める巧さは光った。

ただ年齢の影響か基本土日連戦の計65試合は安定したパフォーマンスを発揮するには酷だったか。

#53 アレックス・カーク 5.0

個人的にはチームMVPで、リーグベスト5にも選ばれるべき選手だと思っている。

CSも含め全試合にスターターで出場したタフネスぶりだけで高評価に値するが、アルバルクのオフェンスは彼のスクリーンなしに成り立たない。

豪快なダンクで会場を沸かせ、冷静沈着で不用意なファールを犯すこともない。

最高の助っ人だ!

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・HC ルカ・パビチェビッチ 4.0

信念を貫き、愚直に泥臭く、辛抱して、チームを作り上げ、就任1年目で王者となったことは称賛しかない。

貴重なベテランPG伊藤を開幕直前に放出と地区優勝逃したのはマイナス。

CSを見据え、新しいことにチャレンジしていた時期とは言え新潟に連敗したこと・4月の渋谷戦、名古屋戦での1敗は痛手だった。

(おかげで私はSFを地元で観ることができましたが...笑)

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素顔は優しいお父さんだ(笑)

・人形櫂世くん 5.0+α

ホーム最終節でのスピーチは感動を呼んだ。

選手たちにも励みになる存在だったようだ。

優勝において彼が果たした役割も小さくないと思う。

・公式マスコット ルーク 2.5

ハーフタイムでのあの事故はいただけない。。

(大物の投票呼びかけの効果もあったとはいえ)マスコット総選挙で2位に入っただけに人気はあるはず。

来季はアウェー遠征などアグレッシブさを求めたい!

(アルバルくんの復活にも期待している!)

・集客力 1.0

CS・QF1戦目で1,600人ほどしか入らず、近隣で行われていたB3リーグの試合にも負けたのは痛恨

親会社の本社が他県、都内・隣県にもBクラブが多数ある以上地域密着で集客に取り組んでいく他ないが、そこがまだまだ甘いのだろうか。

ゆくゆくは東京23区内で活動していくのだろうが、立川の腰掛け感が透けて見える。

例えばフットサルFリーグの府中アスレティックは従来使用していたアリーナが諸事情により使えなくなり、立川立飛アリーナを使用しているが、チーム名を立川・府中アスレティックと改めている。

見せかけだけでも立川市のチーム感を出すなどしてほしいものだ。

・ブースター

上述の通り、チームの魅力に反して観客動員が上がらず、盛り上がりに欠ける面もあったが、SF、ファイナルの雰囲気はものすごく良かった。

SFは私も現地にいたが、選手とともに戦えていたし、それは普段はクールな田中大貴の試合後の表情が物語っている。

ファイナルでもテレビで見る限り千葉ブースターに負けていない、いや勝っていたと思う。

愛知県でのアウェー戦やレギュラーシーズンと比べて半端なく高いチケット代のファイナルを観に行くのはディープなブースター。

彼らが作り上げたものを来季立川立飛に持ち込んでほしい。

来季は人気も実力も経営規模も上位に位置する真のビッグクラブへと進化してほしいと思っている。