男子W杯予選 対カタール

渡邊、八村は招集できなかった。

比江島はオーストラリアでプレータイムが非常に少ない現状。

Bリーグ勢の奮起が期待されたが、今季は超過密日程下での戦いを強いられている。

正直不安材料の方が多かったが、Window1~2と比べ選手たちはすさまじい勢いで成長している。

ラマスHCも選手の特徴を掌握し、ディフェンス方法の使い分けや選手の起用法など采配が当たることが増えてきた。

その中でチームの力が結集したのが3Qで、特に田中大貴がバスケIQの高さを見せ、光輝いていた。

私はアルバルク東京でもたまに見ることが出来る田中のPGは大好きなのだが、常時PG起用となると他にSGの選手層が薄くなってしまうし、クラブと代表でメインポジションが異なるのは良くないとも思うので、緊急時のみが妥当なのだろう。

実際この試合でもメンバー入りが予定されていた(模様)ベンドラメが負傷離脱、富樫は2Qに負傷退場、篠山もファールトラブルという状況からの田中PGだった。

(本職PGの選手を直前合宿に3人しか呼んでいなかったと思われること、富山に14~15人連れていけなかったか、インサイドプレーヤーを5人選んだことなど疑問はあるが...)

それでもあの試合を演出できるのが田中の才能ではないか。

田中が操り、比江島、馬場が変幻自在に動き回るファン待望の(?)バックコート陣にカタールは追い込まれていった。

その流れを完全に日本のものにしたのがこのプレー。

速い展開が増える中で竹内、ファジーカスに代わって起用された張本も思い切ったプレーで得点を重ねた。

横浜でチャイニーズタイペイに苦杯を喫した時のひ弱さからは想像も出来ないくらい逞しいBリーガーたちだった。

帰化選手がいなくても、NBA選手・NBAに行きそうな選手がいなくても戦えることを示してくれた日本代表は本当に誇らしかった

こうしてBリーグの成果、日本バスケの進化でもある喜ばしい勝利ではあるが、各クラブの協力があって成り立っていることをJBAやリーグのお偉方には肝に銘じていただきたい

今季開幕当初ファジーカスは映像で見ているだけでも不調と分かるくらいな中で試合に使われていた。

W杯予選に照準を合わせてくれたのだろう。

一方田中は10月のミッドウィーク開催の試合は欠場し、疲労が蓄積されないよう配慮されていた。

また彼らの所属するクラブは他にも代表選手がおり、天皇杯は少人数での戦いを強いられた。

これもJBABリーグがもっと協力し合って、リーグ戦の試合数を減らす・天皇杯とW杯予選がバッティングしないようにするなど出来れば防げたことである。

さらに言えば試合数を減らせれば代表合宿の期間をもっと増やせて、さらに強い日本代表となれるかもしれない。

代表では結果を出せていない宇都や今回予備登録には入るも合宿には呼ばれなかった安藤など戦力の底上げも可能ではないか。

選手たちの成長とこの一戦に懸けるモチベーションの高さで乗り越えられたが、現状を是として良いのか。プレーヤーファーストの視点で改善していく必要があるだろう。

2019W杯、東京五輪への出場が全てではないのだから。