Wリーグ19-20シーズン開幕、アンテロープスは1勝1敗でスタート

何とか勝ったという試合、内容的には完敗

最後の得点もディフェンス側のファールなのか極めて微妙なところだった。

当然現地では狂喜乱舞だったが、これがBリーグなら試合終了直後審判が選手やコーチに囲まれて、ファンの間で論争が起きただろう。

こうなったのは5人制日本代表2選手が直前合流、3x3代表にも複数選手を送り込み、チーム練習が思うように出来なかったことに他ならない。

FIBAアジアカップのスケジュールを決定するのが遅く、どうにもならなかったのかもしれないが、昨年のW杯も9月末に行われたことを考えるとあと1週開幕を遅らせることは出来なかったのかと今さらながら思う。

一方で代表選手のいないチームは山梨の伊與田ヘッドコーチが勝利インタビューで言っていたが、みっちりと連携を構築している。

対戦したトヨタ紡織もそれに近いチーム。

高卒ルーキーにして得点源の東藤選手がU19W杯や3x3の国際大会出場でチームを抜ける期間はあったものの、トヨタ自動車と比べると全選手が揃って練習が出来ているに違いない。

その中で勝てたことが最終的に功を奏すと信じたい。

この投稿をInstagramで見る

. 【リーグ戦】 . . 2019年10月6日(日) . ●62-86 vsトヨタ紡織サンシャインラビッツ . . 最後の最後まで… 声をかけ続け、応援してくださったファンの皆様。 ありがとうございました。 . . . . 〈Next Game〉 . . vs 羽田ヴィッキーズ . 2019年 10月10日(木) 10月11日(金) . 両日とも、平日開催のため19:00〜の試合です。 . . 会場は、大田区総合体育館です。 (京急蒲田駅、JR蒲田駅が最寄り) . . 次回、地下出入口を使用するため 試合後の差し入れ受け取りやご挨拶の対応はできません。 . ご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。 . . #VAMOS 🔥 #startyourimpossible #TOYOTA #オールトヨタで挑戦 #トヨタ自動車アンテロープス #Antelopes #あらゆる壁を乗り越えて進化する #つながれば面白くなる #未来へ挑戦 #アンテグラム #ウィングアリーナ刈谷

トヨタ自動車アンテロープスさん(@toyota_antelopes)がシェアした投稿 -

前日からの修正が出来ず、完敗。

トヨタ紡織のファンの方からは歴史的大勝利との声も挙がっていたが、こちらとして「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」としか思えない内容だった。

トヨタ紡織の勝利は必然だった。

感想としては2日とも同じ。

・選手の距離感が近すぎる

→サマーキャンプでは安間選手、西澤選手が小気味よく動くことで、システマティックではないのに流麗なパス回しが出来ていたが、長岡選手・エブリン選手の良さを活かせていなかった。

・集中力散漫な場面が散見された

→笛が鳴る前にプレーを止める、簡単に合わせから得点を決める(ディフェンスのローテーションなど戦術面の問題だけではなさそう)、さらには得点を決められた後のリスタートで誰も受けに来る選手がおらず、オーバータイムを取られるという信じがたい場面もあった。

これらにより良い流れがきても持続できなかった

とここまで厳しいことばかり羅列してしまったが、多くの選手が光るモノを随所に見せていたと思う。

・エブリン選手

アジアカップでの迷いを払しょくできぬまま開幕を迎えてしまった感がある。

多めに練習して、試合でもあえて長めに起用して、取り戻していくしかないと思う。

・長岡選手

得意のスピンムーブからのシュート、3ptシュートを何度か決めるなど調子は悪くなさそう。

心配ないでしょう。

・西澤選手

1戦目では痛恨のファールを与えた直後に交代させられ、その後出番がなかった。

2戦目ではらしさを見せ、流れを手繰り寄せかけた時間帯もあった。ディープスリーもあった。

今季のカギを握る選手だと思っているので、注目していきたい。

・水島選手

チームが苦しい時にドライブで、3ptで、ハードディフェンスでチームを救えるのがセナ!

シーズン通して活躍出来れば代表復帰が見えてくる!!!

・三好選手

昨日のブログでも触れたが、3x3の効果を感じることが出来た。

2戦ともスタメンからは外れたが、プレータイムは長く、ベンチに居るときは誰よりも声を出していた。

今季も頼れるキャプテン。

・安間選手

2戦ともスターターを任されたのはモンデーロHCの期待の表れか。

悪くはなかったが、特長は出し切れていなかった。

連携が出来てこればスピードが活きてくるだろう。

・森選手

復活を印象付けた。

決してプレータイムは長くなかったが、貴重な働きをしてくれた。

・栗原選手

1戦目はなかなか3ptが入らなかったが、クラッチタイムで魅せた。

2戦目はその流れを持続。

ディフェンスを重視するモンデーロHCの下、プレータイムは伸びるだろう。

・河村選手

攻め手がない時、シンプルにインサイドに入れるだけで決めてくれる。

ミドルレンジからのシュートも正確。

昨季なかったピースを手に入れられた。

※脇選手は負傷により、山本選手、ステファニー選手は3x3の大会出場のため欠場。

モンデーロHCの采配にもさすがは世界的名将だと唸らされる場面が何度もあった。

これまで戦ってきた舞台との判定基準との違いからか審判にイライラする場面が多く、2戦連続でテクニカルファールを宣告されている(サマーキャンプでは退席処分にもなっている)、名将すぎて日本の高校チームの監督によく見られる独裁者タイプになっていないかとの懸念を感じさせることもあったが、とにかく細かく、緻密だ。

1戦目ではスタメン入場の時間も最終確認をしていた。

クロックが止まると常に直前のプレーに対して指示を送っている。

流れを変えようと選手交代するもタイミングの関係で認められないとタイムアウトを請求。

本来はコートで起こっている状況を的確に把握し、意思決定を取れる選手が増えることを望んでいるそうだが、再来季での2冠獲得という目標に向けての過程として今は細かく指示をしているのではないか。

モンデーロHCが日本に慣れる・選手たちが世界基準を理解するのに時間はかかるかもしれない。

しかしその融合が進んだ時にどんなチームが出来上がるのか楽しみでならない。

最後に対戦相手のトヨタ紡織にも触れておきたい。

昨季からガラリと選手が入れ替わった。

正直なところチームとして形になるのかとすら思ったが、チームに根付くスタイルは維持しつつ、ルーキーの東藤選手、齋藤選手の補って余りある働きを見せた。

いかんせんルーキーなので安定したパフォーマンスを見せられるかが課題だが、昨シーズン以上の成績を残すことも十分可能だろう。

今後も注目していきたい。

他の5カードについては別記事で触れていくが、チーム間の実力が昨季より伯仲してきた印象を受ける。

5人制アジアカップ4連覇、3x3U23W杯優勝を起爆剤にリーグが活性化していくことを期待したい。