第86回皇后杯プレビュー <アンテロープス>

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今週の11〜13日に行われる皇后杯ファイナルラウンド。

アンテロープスがこのタイトルを獲るために必要なことを改めて分析していきたい。

ディフェンス強化は当然求められるが、2~3週間で堅固なディフェンスが構築するのは無理があるし、そこに意識が傾きすぎてはこのチームの良さが失われる。

以下の3点を重要ポイントとして挙げたい。

・フィジカル勝負

・総力戦

・オフェンス力で殴り倒す

準々決勝ではトヨタ紡織と対戦、勝ち上がることができれば準決勝はJX-ENEOSとの対戦で堅いだろう。

トヨタ紡織は攻守においてとにかく巧い。

しかし主力にピュアセンターがおらず、高さで劣る。

フィジカルなど身体能力でもアンテロープスに分がある。

ドライブやポストアップで積極的にアタックし、相手のファールを増やしていきたいところ。

選手層にも差があるので、ファールトラブルをより避けたいのは相手だ。

読みに長けた選手が多く、インサイドにボールを集めようにも手前でカットされる場面が散見される。

インサイドを攻略できない時は無理にこじ開けようとせず、ミドルシュートの確率を上げていきたい。

ディフェンスを広げられ、インサイドに集めやすくなる。

キックアウトからの3ptも増やせられるだろう。

ディフェンスは12月の試合では比較的中を固めて、3ptはある程度割り切るやり方をとっているように見えた。

サイズ、フィジカルでは分があるだけにノーマークすぎなければ守れる面もあるだろう。

インサイドでのローテーションをスムーズにし、相手を収縮させられれば、3ptのアテンプトも減らせる。

また1on1で対応しすぎるきらいがあるので、時にはヘルプディフェンスやダブルチームを用いてもいいのではないか。

そして1番の注目ポイントはPGのマッチアップ。

安間選手が一番手の扱いだが、対するトヨタ紡織の齋藤選手とは10センチほどサイズのミスマッチ。

開幕週2試合でもそこを突かれている場面が何度も見られた。

そこを安間選手がどう挑むか、モンデーロHCがどう対策を立ててくるか楽しみだ。

難敵であり、Wリーグのチームの中では一番戦いにくいタイプだとは思うが、12月の戦いが出来れば必ず勝てる。

準決勝はJX-ENEOS-アイシンAWの勝者との対戦。

両者は12月のリーグ戦でも対戦しているが、2戦ともダブルスコアでJX-ENEOSが圧勝。

アイシンAWは12月その後も勝ちがなく、8戦全敗とチーム状況が悪い。

天皇杯も含めた準々決勝の中で一番堅いカードだろう。

しかしJX-ENEOSに勝利しても優勝ではない。

準々決勝、準決勝で余力を残しつつ、勝利しないことには優勝は難しい。

決勝でJX-ENEOSと当たるよりも困難なミッションではないか。

この点こそ総力戦が必要な理由である。

ではJX-ENEOSに勝つには何が必要か。

トヨタ紡織以上に冒頭で挙げた3点が求められる。

河村選手と渡嘉敷選手でも8センチ差、梅沢選手もいて、高さでは到底勝てない。

高さこそJX-ENEOSの最大の強みだが、選手層(ベンチワークと言った方が適切だろうか)では優っている。

まず攻守において梅沢選手を狙いたい。

ファールトラブルに陥れば、相手の高さを1枚減らすことができる。

吉田選手がスターターとして出場してくるだろうが、スタミナやフィジカルの面で完全ではなく、長く出場することは厳しい。

藤岡選手も復帰したばかりの状況で、大一番ではまだ起用しないかもしれない。

高田選手もいるが、梅嵜HCは吉田選手が使えるときは何故か高田選手をほぼ起用せず、吉田選手と宮崎選手でPGをローテーションする。

宮崎選手が出場している時間帯がアンテロープスとしては狙い目。

PG陣総動員で吉田選手(+岡本選手)をフィジカルなディフェンスで疲弊させて、宮崎選手ら他の選手に代えざるを得ない展開に持ち込みたい。

そのためには高い位置から吉田選手、岡本選手にプレッシャーを掛けていくやり方も必要であり、ゾーンディフェンスで錯乱させることも有効かもしれない。

(もっとも小手先のゾーンでは無意味というか逆効果だが...)

こうして総力戦・消耗戦に持ち込めれば、決勝に進むのはアンテロープス

というのが私のシナリオです..

反対のブロックから決勝に勝ち上がってくるのはデンソーと予想している。

今季セルビア人のヴクサノビッチHCが就任し、笠置選手、篠原選手ら若手を積極起用するなどチームは生まれ変わった。

アンテロープスに負けず劣らずな選手層で12月のリーグ戦でも激戦だった強敵だが、トヨタ紡織JX-ENEOSに総力戦で勝てれば、アンテロープスがそのまま突き抜けるのではないか。

(というのが私のシナリオですが、シャンソン戦のように8人ローテーションになってしまうと最後力尽きてしまうだろう。。)

以上から皇后杯のカギを握る選手は森選手、西澤選手ではないか。

リーグ戦でプレータイムを得られていない2選手のスタッツには表れないが、貴重な活躍に期待したい。

とああだこうだ考えすぎて頭が痛いですが(苦笑)、週末が楽しみでなりません。

準々決勝はアンテロープス以外の3カードは12月の成績で明暗分かれたチームの対戦ですが、1つくらい番狂わせが起きてほしい。

そして準決勝、決勝では天皇杯のついでで見てる人たちが魅了される試合が繰り広げられることを願ってやまない。

PS

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天皇杯について少々。

組み合わせが決まった当初は川崎、A東京、宇都宮のどこかが優勝すると思っていた。

しかし3チームとも日本代表選手が怪我や体調不良で欠場濃厚だったり不透明な状況にある。

川崎に至ってはインサイドのカルファニ選手も離脱中で、代役の外国籍選手も獲得しておらず、苦しい台所事情。

とはいえ、ただでさえ過密日程のリーグ戦を戦っている上に天皇杯ファイナルラウンドも決勝進出すると4日間で3試合の過密日程。

他のチームにもチャンスが出てきたと思ったが、やはり上述3チームが優勝候補だろう。

個人的には齋藤選手を中心に若い選手が躍動する滋賀に期待したい。

リーグ戦では負け越していることからも分かるように安定感には欠けるが、直近のリーグ戦では接戦を連勝しており、勢いもある。

東地区のチームばかりタイトルを獲っていても面白くないし、BリーグCSにも出場したことがない滋賀が決勝進出を果たせば盛り上がることこの上ないだろう。