アーリーエントリー選手の活躍

トヨタの永田選手、平下選手以外にも何人かの選手がデビューを果たしたようだ。

全チームのチェックは出来ていないが、目立った活躍が見られたのは佐坂選手と小笠原選手。共に「3.5番タイプ」「オールラウンダー」に括られる選手である。

SF、PFポジションの大型化が進みつつあるリーグ内において共に貴重な存在である。

 

他にもウィンターカップやインカレで活躍した選手が多数加入しているが、2試合ともDNPだった選手もおり、プロの壁は高いのだろう。Bリーグでは今季多数の特別指定選手が活躍しているが、チーム数が多すぎて、ハードルが低くなっている感は否めない。よりレベルの高い環境で切磋琢磨していくにはB1のチーム数は本来もう少し絞った方が(12~14チームくらいに)良いのかもしれない。

 

さて今回は上述の佐坂選手、小笠原選手の活躍ぶりを紹介していきたいと思う。

 

#3 佐坂樹 トヨタ紡織サンシャインラビッツ

2試合のスタッツも見てみましょう。

game1

  • 13得点(うち3ptシュート1本)
  • 5リバウンド
  • 25:07出場
game2
  • 11得点(うち3ptシュート1本)
  • 5リバウンド
  • 19:29出場

トヨタ紡織は主力にピュアセンタータイプが不在で、フィジカル・パワーでも見劣りする。その中で佐坂選手は持ち味の得点力は残しつつもインサイドで身体を張る泥臭い仕事でデビュー戦からチームに大きく貢献した。

3ptシュートのアテンプトは少なく、スタッツに残るプレーも少ないが、プレータイムが示すとおり中川HCの信頼は厚いのだろう。
リバウンド、ボックスアウト、スクリーン、さらにはローポストで起点となり得点を演出するなどパワフルなプレーで存在感を発揮。見事トヨタ紡織に足りないピースを埋めた感がある。今後はクラッチタイムでも起用されるくらい信頼度をあげていきたい。
さらには富士通戦には帯同していなかった平末選手ら他のアーリーエントリー選手のデビューにも期待したい。2年連続で有望新人の獲得に成功し、チーム内の新陳代謝・活性化も出来ており、さらなる飛躍が期待できる。Wリーグ最もHOTなトヨタ紡織に注目だ!
 
 
 

#36 小笠原美奈 東京羽田ヴィッキーズ

game1

  • 6得点(うち3ptシュート1本)
  • 4リバウンド
  • 2スティー
  • スターター 25:41出場

game2

  • 23得点(うち3ptシュート6本)
  • 8リバウンド
  • 3アシスト
  • 3ブロック
  • スターター 30:48出場
佐坂選手と身長、ポジションは同じだが、チームで求められる役割は大きく異なる。
東京羽田のインサイドプレーヤーには秋元選手、丹羽選手、星澤選手がいる。いずれも忠実さ・泥臭さが持ち味で、プレーエリアはやや狭く、外からのシュートはあまり得意ではないタイプだ。一方ガード陣には本橋選手、鷹のはし選手らスピードとシュート力に長けた選手が揃い、求められるのはいわゆるストレッチ4であり、長身ながらアウトサイドシュートが得意なシューターであった。
 
そして迎えたデビュー戦は髙田選手、赤穂さくら選手がインサイドに君臨するデンソー相手にいきなりスターターに抜擢された。6得点を挙げたgame1でも3ptシュートのアテンプトを5つ記録し、その他スタッツに残る活躍が目立った。
昨季の東藤選手に迫るくらいのインパクトを残したのがgame2で3ptシュートを9本中6本成功させるなど23得点を決めた(東藤選手は当時高校生で昨季は皇后杯決勝後すぐにリーグ戦が再開されたのでチーム練習に参加した期間はごくわずかだと思われるので、より凄みがある)
野球ではよく打線は水物と言われるが、バスケだとオフェンス特に3ptシュートは近いものがあると思う。なので6/9は出来過ぎな感もあるが、2試合通して打ち続ける姿勢は称賛しか出来ないし、またディフェンス力の高さは確かだろう。デンソーの強力なインサイド陣相手に無闇に飛び込むことなく、ギリギリまで身体を寄せ、満を持して手を伸ばし、髙田選手相手に強烈なブロックも見舞った。
攻守においてメンタルの強さを見せた小笠原選手。コロナウィルスの影響により佐坂選手のトヨタ紡織、リーグ屈指の呼び声高い内尾選手の富士通との対戦がなくなってしまったのは残念だが、プレーオフデンソーとの再戦となった。game2では大活躍だったもののクラッチタイムでは封じられた。その悔しさを胸に1ヶ月の間にインサイドでの得点パターンを増やせるとより脅威な存在となれるだろう。

 

 

というわけでWリーグの新星にもご注目ください!!