WリーグRSを振り返る <トヨタ自動車編>

山梨・水野選手のこのツイートがキッカケで、試合がない週末に思わぬ交流の機会が出来たWリーグプレーオフ(開催できるのか不透明だが...)まで1か月弱あるので、私なりにトヨタ自動車アンテロープスのレギュラーシーズンを振り返っていきたい。

 

苦戦を強いられた10月

サマーキャンプで水島選手、西澤選手が圧巻のパフォーマンスを披露し、脇選手、ステファニー選手が成長の跡を示し、新シーズンへの期待が膨らんだトヨタ自動車

しかし当然のことながらそれがそのままリーグ戦で通用するほど甘い世界ではない。サマーキャンプが行われた7月以降5人制代表に3選手、3x3代表に3選手が招集された。8月は6選手での練習を行うことがほとんどだったのではないだろうか。その中でチーム作りをしていくことを容易ではない。

5人制代表でアジアカップを戦った長岡選手、エブリン選手は帰国後5日でWリーグ開幕を迎えた。時を同じくして3x3U23W杯が行われ、ステファニー選手、山本選手が出場。開幕週は10選手で戦った。

game1は辛くも勝利したが、game2は見事に叩きのめされた。チーム作りに時間を割けなかった中で開幕から完成度の高さを見せたトヨタ紡織相手に1勝できたことは評価すべきなのかもしれないが、それにしてもgame2はやられ過ぎた。

 

続く東京羽田戦ではステファニー選手、山本選手が凱旋出場となり、早速活躍。アジアカップで自信喪失気味だったエブリン選手が勢いを取り戻したことは収穫で、チームとしても苦しい中で連勝できたことは良かった。

レギュラーシーズンが予定通り22試合行われていたら、恐らく3位もしくは4位だったと思うが、それは日立ハイテクとのgame1での敗戦が痛手だった。オフェンス面で連携が噛み合わずイージーミスを連発し、相手の組織バスケがハマった。しかしここから目を覚まし3連勝で10月の戦いを終えることとなった。

三菱電機とのgame1では多彩なオフェンスで圧倒し、破壊力の高さを見せた。続くgame2も1Qは文句なしだったが、2Q以降相手のプレッシャーに屈する場面が多く、決着は最後の最後までもつれた。安定感には課題が残ったが、逆転されることがなかった粘り強さは評価すべき点。

 

皇后杯制覇への期待が膨らむも...壁は高かった

中断明けのシャンソン化粧品戦は 昨季同様ハイピックを多用するオフェンスに手を焼いた。Wリーグのチームは似たり寄ったりなチームが多く、日本女子バスケのスタイル確立という点ではプラスだが、先月の日本代表戦ではベルギーのP&Rに最後まで対応しきれなかった。チームごとに個性がもっと出てくると対応力も高まるのではないか。シャンソン化粧品の試合を見るといつもそれを痛感する。

続くデンソー戦は今季のRSで3本の指に入る好ゲームだったと思う(全試合見てるわけではないですが 笑)欧州での指導経験が豊富の両HCがタイムシェアを徹底し、2試合80分間エナジー・エネルギー溢れる試合を展開。代表選手たちのゴール下でのぶつかり合い、高確率で決まる3ptシュート、日本女子の試合ではあまり見られない選手のテクニカルファールも両日1つずつあった。決して褒められることではないが、それくらい各選手の気合が画面越しにも伝わってきた。現在バスケットライブで再配信しているので、ぜひご覧いただければと思う(出来ればトヨタ自動車が勝利した12/14のgame1をお願いします 笑)

山梨戦は前2週でプレータイムが少なかった栗原選手、脇選手の活躍も見られるなど新たな収穫も得ながら連勝できた。課題はありつつも皇后杯に向けて期待の膨らむ12月の締めくくりだった。

迎えた皇后杯。準々決勝はリーグ2戦目で完敗したトヨタ紡織相手に危なげなく勝利し、準決勝は絶対女王。もう思い出したくないので、当時のブログ貼っておきます(笑)

 

連携を高めていざ終盤戦へ...のはずが...

皇后杯後は再び1か月ほど公式戦が空き、オールスター、3x3代表の合宿が行われ、5人制代表は国際大会に出場。トヨタ自動車からも両代表合わせて5選手が招集され、モンデーロHCは兼任する5人制スペイン代表の任務でチームを一時離れた。その中でアーリーエントリーで2選手が加入した。

アイシンAWとのgame2では全員がアグレッシブなディフェンスからよく走った。モンデーロHCは開幕前に「コート上で自ら意思決定が出来る選手を育てていきたい」との旨語っていたが、それが形になってきたように思う。それだけでなく華麗なプレーで度々会場を沸かせ、選手も観客も楽しめていた(画像からは観客が楽しめている感じは伝わってこないですが、マスクのせいですw)
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皇后杯決勝でもデンソーに圧勝したJX-ENEOSの壁は相当高いのは紛れもない事実である。モンデーロHCが開幕前に設定していた3か年計画は現実的なところなのかもしれない。しかしあの準決勝の敗戦から代表活動に参加する選手もいる中でさらにチーム力は上がり、富士通相手に連勝・JX-ENEOSもRSなら過去RS2季同様勝てないかなどと淡い期待を持っていただけにコロナウィルスが憎い。富士通JX-ENEOSと戦わずに2位はスッキリしないが、SFで2勝すれば強さを証明できる。なのでプレーオフを戦わせてあげたい。そしてその前に3x3代表がインドへ渡航できますように。

それが切なる願いである。