Wリーグ西地区開幕週レビュー

スタメン予想も勝敗予想も難しいですね(笑)怪我人情報は入ってこないし、サマーキャンプもないし、公開での練習試合もないので、当然といえば当然なんですが、スタメンに予想してた選手がマスク着けてた時のショックといったら… 

toto当てる人ってホントすごいと思います。開始当初私も毎週のようにやってましたが、当選金1,000円くらいの当たりがやっとでした(笑)Wリーグ西地区は混戦の予感ですし、東地区にしてもシャンソンの連勝を予想した人は少ないと思います。それがスポーツの醍醐味なんですけどね。

 

それはさておき、開幕週を振り返っていきましょうか。

 

山梨クィーンビーズ×アイシンAWウィングス

  • game1 山梨64-75アイシン
  • game2 山梨75-62アイシン

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HCが代わり、桜木ジェイアールさんがテクニカルアドバイザー(TA)として加わり、チームの雰囲気がガラリと変わったアイシンAW。田中ACを含めた3人の役割分担がしっかり出来ているようで、それがチームの戦い方や選手の試合に臨む姿勢にも現れていたように思う。

bjリーグのチームやWリーグ新潟を率いた経験がある小川HCは選手起用の決断をし、桜木TAは実質ACの役割だが、戦術構築(主にオフェンス)は任されている感があった。タイムアウトや後半開始前など桜木TAが輪の中心に立っていた。試合の中でもハーフコートオフェンスではシーホース三河のそれを彷彿とさせるパターンが多く、普段の練習でも中心指導しているのかもしれない。長年チームマネージャーを務めていた荒川さんがサポートスタッフとなり、チームに常勤していないと思われる中でチームのことに精通している田中ACは小川HC・桜木TAと選手を繋ぎ、途中から出場する選手・交代する選手へのサポートが的確で、選手は試合に入りやすい・切り替えがしやすいだろうなと感じた。

ディフェンスでは特筆すべき点はなかったが、オフェンスはどちらかというと昨季のトヨタ紡織のようなイメージだろうか。オフボールの選手の動きが活発でよくパスが回る。エクストラパスを多用し、3ptシュートはコーナーから仕留める約束事があるのかもしれない。昨季の紡織と比べるとウィングにスピードある選手が揃っており、そこを活かしていく狙いも感じられた。パスを繋げないときはシンプルに宮下選手や近平選手に収める。結果ショットクロックオーバーによって攻撃権を失うことは大幅に減った。

 

game1では連携不足からもったいないターンオーバーは時折見られたものの、終始主導権を握り、勝利。前半は大怪我から復活の高原選手や昨季は出番に恵まれなかった上長選手の活躍が光り、後半は宮下選手がファールトラブルになってしまうも北川選手がカバーした。game2では脆さ・未熟さを露呈した。game1同様3Q半ばまでは理想の展開だったが、山梨のアグレッシブな姿勢に屈した。

  • (主にガード陣の)経験不足
  • ピュアシューター不在
  • 控えセンター不在

試合終盤のこれらが露見されてしまった。これまでのシーズンでもほとんどプレーオフに行けていないチームで、メインガードの梅木選手は高卒2年目。試合を重ねるごとにクロージングを覚えていくしかないだろう。ここぞの場面で決め切れる林選手や根本選手のような職人がいないが、ルーキー米谷選手に期待か。2試合ともプレータイムからして期待値は高そうで、game1の3Qでは相手を突き離す3ptシュートを決めている。Wリーグの水に慣れて、成長していくことに期待したい。白選手、濱口選手の移籍で手薄となったセンターは三間選手も戦線離脱中のようで板谷選手が控えセンターを務める苦しい台所事情。次週以降の相手はどこも大きいだけにコーチ陣の手腕が問われる。

 

そしてこれらのことよりも一番気になったのが劣勢時のメンタルか。山梨は2日間一貫して水野選手、若原選手がリングにアタックしていた。内堀選手は常にシュートを狙っていた。アイシンAWの選手は3Qで3点差に迫られたあたりからどこか萎縮してしまっていた。コーチ陣も選手交代はしていたもののタイムアウトは11点ビハインドとなってから、時既に遅しだった。コーチ陣も控え選手も勢いに乗っているときは元気で明るいノリだったが、苦しいときに鼓舞出来なかった。

 

と昨季からの変化、今まであまりプレーを見られなかった選手たちが躍動、若さ・脆さ、昨季までと変わらないひ弱さなど色々見られた2日間で今後追いかけていくのが楽しみなチームだと感じた。

 

インサイドのサイズアップに成功した山梨も昨季までより勝ち星を伸ばしそうだ。渡邊(愛)選手はザ・ストレッチ4の役割を果たし、日本女子のインサイドでは珍しい幅がある富田選手はしなやかな動き、柔らかいシュートタッチと本人も目標の選手と公言しているファジーカス選手のようなプレーを見せた。この2選手がさらにフィットしていけばプレーオフ進出も充分ありえる。

 

デンソーアイリス×三菱電機コアラーズ

※game1の後半しか見てません…

 

デンソーはマルコヴィッチ新HCがまだ来日出来ておらず、昨季率いたヴクサノヴィッチアソシエイトHCも9月上旬に再来日した模様。隔離期間を経て、チームに合流したのは試合当週だと思われ、新加入の本川選手や関根通訳は試合当日に初対面だった可能性もある。その状況では円滑なコミュニケーションは望めず、コート上にも現れていた。本川選手が打開しようとするも本人が語っている通り自分が自分がになってしまっていて、三菱のディフェンスにも読まれていた。

 

三菱は今季も川井、渡邉、根本の3選手への高負担は変わらず。その中でも競り勝ったのはさすがの一言だが、game2は(スコア見る限りでは)完敗。控え選手の底上げなくして2日間安定した戦いをすることは難しく、育てられないのなら京都ハンナリーズが強豪チームと戦う時のようにgame1に全精力を投じるしかない。

→game2も見ました。

本川選手が前日の反省を活かして周りを使いつつ、自身も突破力を披露。ディフェンスでも献身的な姿勢を見せ、またリーダーシップも発揮。髙田選手を休ませている時間帯に課題があってチームにおいてその時間帯も安定した戦いが出来ていたのは補強効果か。

年々身体能力が上がっていっているように感じる髙田選手、躍動感溢れる赤穂ひまわり選手。このお二人はもう人間離れしてます(笑)

コーチ陣の連携と篠原選手、笠置選手ら若手の調子が上がってこれば破壊力のあるチームが完成するだろう。

三菱は古賀HCにも選手にも迷いがあるように感じた。長くチームの土台に大きな変化がなかったが、王さんが引退した中で新たな色を生み出せなかったのはマンネリ化が始まっているのかもしれない。

 

 

トヨタ紡織サンシャインラビッツ×トヨタ自動車アンテロープス

トヨタ自動車の完成度が予想以上に高かった。オフェンスのバリエーションは無限大で目が離せない。常に魅惑のオフェンスが展開されるので離したら損をする。安間選手の進化には目を見張るものがあり、西地区週間MVPを選ぶなら間違いなく安間選手。

多くを語る必要がないくらい安定した試合運びで、モンデーロHCが声を荒げることもなく選手たちに任せていた姿勢が物語っている(審判には常にぶつぶつ言っていたけど、あれ審判にはどこまで言葉通じてるのかな 笑)

 

トヨタ紡織はルーキー平末選手がPGでスターティング5に名を連ねるサプライズ。試合が始まってすぐそれはサプライズではないことを自ら証明したが、一方で昨季このチームが作り上げた良さが失われている面もあった。パッシングでボールをシェアして、相手ディフェンスの穴を作り、一気に攻め立てるのがスタイルだったが、平末選手のスピードとテクニックがあるとパスを回さなくてもバックコートから1人でフィニッシュまで持っていける。要は良くも悪くも戦術平末。魅力的な選手だが、トヨタ自動車は割りきって守ればよく、チームとしての怖さはあまりなかったのではないだろうか。

昨季までのスタイルと平末選手を共存させる戦術を構築している段階なのだろうが、佐坂選手、髙橋選手が欠場した誤算もあったのかもしれない。

昨季の開幕週ではトヨタ自動車が3×3日本代表の大会の関係でベストメンバーではなかったが、今季はトヨタ紡織がそうだった。今季はリーグ戦で再戦できる。今度こそお互いベストな状態での対戦を見たい。

 

 

東地区にもついても少し(箇条書きで/笑)

ENEOSは怪我人多くても、宮澤選手が不調でも強い。高さは絶対正義。地区制ありがとう。

富士通はあまりにも高さ不足。マッチョな岡田選手ステキ☆

シャンソンはビックリ!ポジティブな要素がほぼなかったけど、ディフェンスの練度高すぎて感動。石川選手復帰したらもっと強そう。

羽田はあまり語りたくないけど、とりあえず軸丸選手を活かして!!!

日立ハイテク×新潟は全く見てないけど、ハイテクの雰囲気が良さそうでした。

 

 

開幕出来て本当に良かったです。選手の皆様、開催に尽力された関係者の皆様本当にありがとうございます。シーズン最後までやり遂げられるようファンもやることしっかりやっていきましょう!