Wリーグ東地区所感

Wリーグの西地区は先週末山梨×三菱電機の1試合のみが行なわれ(トヨタ自動車×アイシンAWトヨタ紡織×デンソーは10/31・11/1 開催)、東地区は3試合が行われた。そこで東地区について開幕週、2週目も含めて感じたことを連々と書いていきたいと思います。

まず地区全体で見ると西地区の方がレベルが高いというのが第一印象。東地区はこれまでの9カード全てでどちらかのチームが連勝している。星を分け合ったカードがない。西地区も分け合ったのは7カード中2カードのみで、最後の最後まで手に汗握る展開だった試合はデンソー×三菱電機game1のみだが、東地区は前半で大勢決着してしまっている試合が多い。会場に足を運んで3試合全て観るなら、西地区の方が面白いと思う(それでもリーグ全体的にクロスゲームや一進一退の攻防な試合は少ないのが正直なところではあります…)

ちなみに東西それぞれの格付けをすると↓のような感じだと思っています。

 

東地区

ENEOS

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富士通

日立ハイテク

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シャンソン化粧品

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東京羽田

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新潟

 

西地区

トヨタ自動車

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デンソー

トヨタ紡織

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三菱電機

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アイシンAW

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山梨

 

若手が輝く富士通インサイドとアウトサイドのバランスが良い日立ハイテク、ディフェンスの連携が素晴らしいシャンソンなどなど魅力はあります。また西は贔屓目ありなことご了承いただきたいですが(笑)、デンソー三菱電機に連敗を喫した山梨もカラーがハッキリしていて、能力の高い選手も多く、魅力的なチームです。なので通りすがりでこのブログを見てくださった方は是非西地区の試合を観に来てください(笑)

10/10,11 ウィングアリーナ刈谷

10/24,25 東祥アリーナ安城安城市体育館)

10/31,11/1  豊橋市総合体育館

 

特にトヨタ自動車×デンソーの頂上決戦を含む3試合が行われる安城開催がオススメ。観客数はキャパの20%くらい、ソーシャルディスタンス確保されまくってて、安全・安心な環境なので、普段会社や学校に行くときと同じような感覚でお越しいただければ全く問題ないです。

さて話を東地区に戻しまして笑笑、チーム別に感想を。

 

ENEOSサンフラワーズ

主力に怪我人が多い。その中で富士通との開幕週は2試合とも前半は苦戦したが、3Q立ち上がりにエナジー全開で一気に勝負を決めるお馴染みの展開。その後も余裕の戦いぶりで6連勝中だ。

怪我人続出も若手を育成し、チームケミストリー強化に繋がっており、怪我の功名とはまさにこのことか。インサイドに高さがある次週日立ハイテク戦は若手選手にとって真価が問われるところだが、もしもの時は宮澤選手や岡本選手が登場して事を収めるだろう。

PGの経験不足はマイナスポイントであり、東地区での戦いでそこを高めていくことは正直難しいかもしれないが、チーム全体で見れば誤差の範囲内。皇后杯を逃す、リーグファイナルが3戦目までもつれることはあるかもしれないが、女王には変わりないだろう。

 

 

日立ハイテククーガーズ

こちらも6連勝中のチーム。日本代表谷村選手ら大型補強を敢行、HCはおなじみの内海知秀氏が就任して、大きく生まれ変わった。谷村選手、鈴木選手、村山選手でローテーションするインサイドはリーグ屈指(ENEOS以外では)の高さ・強さを誇り、シンプルなオフェンスで得点を重ねられる。しかしインサイドに頼らず交代で出てくる選手含め皆シュート力が高いので、3ptシュートのアテンプトが多い。ただタフショット気味なケースが多く、シューターを揃っていることを考えると成功率は高いとは言えない。薮内前HC時代の良さも活かして、もっとオープンを作り出せると成功率は必然的に上がっていく。そうなれば相手は警戒度を高めてくるので、北村選手や曽我部選手のドライブインやさらにはキックアウトからの3ptも出てくるだろう。ここまで完成していけば後半戦ではENEOSから金星もあり得るし、ベスト4進出も見えてくる。

ここからが内海HCの真の手腕が問われるが、気になったのは同ポジションの選手が似通ったタイプであること。自分たちの戦い方を貫く上ではプラスだが、悪い流れを打開したい出来る選手が不在な感は否めない。この点も含めてHCの腕の見せ所だと思う。

 

富士通レッドウェーブ

開幕から4試合はオコエ選手をセンターでスタメン起用していたが、シャンソン化粧品との2試合では田中選手をWリーグ入り後初のスタメンに抜擢。オコエ選手はオーストラリアのビッグマンにも当たり負けしないフィジカルの強さが武器でポップしての3ptシュートも光るが、他の得点パターンが少ない。また時折集中力散漫になり、イージーミスが出ることがある。篠原さんが引退、栗林選手の前半戦の間での復帰も厳しそうな中でテーブスHCは試行錯誤しているのだろうが、田中選手が期待に応えた。元来スクリーン、ボックスアウトなどスタッツに表れない部分を常に頑張ることが出来る選手で、その役割は果たせていたが、得点が取れなかったgame1。からのgame2も引き続きスタメン起用されると外からのシュートも積極的に放ち3ptを一本沈めるなど15得点・9リバウンド・2アシスト・3スティールの大活躍。この試合のMVPではないか。

game1では藤本選手、game2ではオコエ選手が結果を出し、センター争いが幕を開けた感がある。三者三様の良さがあるが、ベスト4・ファイナルを目指す以上は高さの面で物足りなさは否めず、後半戦は栗林選手の力も必要となってくるし、インサイドを4選手でローテーション出来れば内尾選手のウィング起用も可能。宮澤選手や赤穂ひまわり選手、馬瓜エブリン選手対策に有効であり、他チームとしては脅威でしかないし、内尾選手もタイムシェアの仲間に入れてもらえるのではないだろうか(笑)

ガード陣では3ptシュートを積極的に打っていく今季の戦い方において篠崎選手の忍者ぶりを見る機会が少なく、コンディションも万全ではないのかもしれないが、新潟戦以降谷口選手の活躍が目立つ。比江島選手のようなというと大げさかもしれないが、独特のステップからディフェンスの間をすり抜けてのレイアップシュートは巧いっ!としか言えない。岡田選手も周りとの連携が高まってきており、チームケミストリーはどんどん上がっていくだろう。

それだけに繰り返しにはなるが、栗林選手の復帰が待たれる。

 

 

シャンソン化粧品シャンソンVマジック

ロスター12人、Wリーグ経験乏しい選手も多く、下馬評は高くなかった。8月末には大卒ルーキー細貝選手が謎の退団。さらに石川選手、坂田選手は開幕から欠場が続いており、小池選手、水野選手、野口選手はほとんどの試合でフル出場。その状況で東京羽田に連勝したのは李玉慈HCの指導力、プレータイムが長い選手の戦術遂行力に他ならない。特に同じメンバーで何年もやってるかと思うくらいの洗練されたディフェンスでショットクロックオーバーを誘発する光景は芸術の域に達している。

しかしこのロスターでは限界がすぐにきてしまうのは誰の目にも明らかだ。Wリーグでプレーしたい意向がある選手はたくさんいると思うが、何故このチーム編成しかできなかったのか?基本バスケ専念の企業チームなら選手にとっては魅力的で、しかも古豪シャンソンなら高校・大学とのコネクションも多数あるはずだが、何か会社が問題を抱えているとか勘繰ってしまう。シーズン中の補強は出来ないなどやれることは限られているリーグだが、まずは石川選手、坂田選手の復帰を待つしかない。そして取りこぼさず、後半戦の東京羽田との対戦で1つ勝てばおそらくプレーオフに進める。今季の現実的な目標だろう。

 

 

東京羽田ヴィッキーズ

開幕から6連敗の東京羽田。昨季のvsデンソーgame2では強豪チームにあと一歩のところまで迫った。結果的に最終戦となってしまったものの、新シーズンへの期待は高まった。どこで歯車が狂ったのだろうか。丹羽さんが引退し、フロアリーダーが不在の影響もあるのだろうか。チームに一体感が見えない。思いっきりの良さが見られない。

全てはここに集約されると思う。

日立ハイテクとのgame1では相手の高さ・強さに対抗すべくこのようなスタメンを組んだが、この5人でどういうバスケをしたいか・交代も相手のどういう部分に対応してのことなのか意図が見えなかった。大きなビハインドを背負って折り返したが、後半も同じ5人でスタートし、さらには翌日も同じスタメン。これではベンチメンバーのモチベーションは上がらない。昨季のアイシンAWを見ているようで辛いです。

本来コート内外で元気な選手たちの活気を取り戻すこと。ここに尽きる。取りこぼししない上で次のシャンソン戦である程度点差をつけた上で連勝すればプレーオフ。これが目標のチームではないはずだが、現実は厳しい。

 

新潟アルビレックスBBラビッツ

シャンソン化粧品以上に苦しい台所事情だが、チームの目指すスタイルが見えず、選手の躍動感も感じられない。ベンチにも活気がない。トップカテゴリーのチームを率いるのは男女通じて初めての老将に多くを望むのは酷かもしれないが、このコーチングスタッフ体制しか組めなかったとなるとこの先クラブがどうなっても驚きではない。選手たちがモチベーションを切らさないことを願うばかり。見てる人は見てるので、努力は報われます。

 

さて今週の東地区は無敗対決日立ハイテク×ENEOS、さらに日立ハイテクは来週富士通との対戦。ENEOS相手にどこまで戦えるか。そして富士通戦は西地区のファンとしてもプレーオフの相手がどこになるかを占う上でも注目です(気が早い?笑)