Jリーグ 名古屋グランパス×湘南ベルマーレ

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今季のJリーグは佳境を迎えつつある。J1は川崎フロンターレがほぼ優勝を決めている状況だが、グランパスは2位を狙える位置にいる。その中での湘南戦は快勝。ホームゲームでの強さを発揮した。

この試合は丸山選手、中谷選手からのビルドアップの精度が悪く、単発での仕掛けが多かったように思う。守備力が高いオ・ジェソク選手、米本選手、運動量が持ち味の吉田選手、稲垣選手、GKのランゲラック選手。ビルドアップが得意とは言えない選手で、CB陣からの展開が攻撃を安定させる上での生命線(なので固定コンビなのだろうが…)になってくるが、そこをカバーしたのはいつも以上にネガティブトランジションが速く、稲垣選手中心にセカンドボールを回収できたことか。そして本職FWの選手を負傷で欠いた中で前線の選手が流動的なポジショニングで的を絞らせず、守備も怠らなかったことか。

不運とも言える失点があり同点で折り返したが、終始危なげない展開だった(ボール支配率はグランパスが60%、湘南の枠内シュートはわずか2本)後半立ち上がりで2点をとれたことで、ここからは無理をしないイタリア人監督らしい試合運び。前線からのプレスで相手の攻撃の芽を摘む守備と丸山選手のロングボールからサイドのスペースへ相馬選手を走らせる手数を掛けず相手を押し込む攻撃と必勝パターンが確率されてきている。これをロスタイムまで徹底している。交代出場の選手も役割を理解して、ピッチに入っている。

この試合の私的MVPは稲垣選手。3点目は彼の良さ、チームの目指すところが凝縮されていた。

 

この勝利で2位も現実的なものとなってきた。各チーム消化試合数に差があり、星勘定がしにくい部分はあるが、トップ6に入れれば上出来なシーズンだと思っていたので、フィッカデンティ監督就任から1年ほどで成熟してきたチームにはただただリスペクト。

残り4試合全て土曜日開催、過密日程から解放され、若手や出場機会が少ない選手の抜擢は非現実的だが、来季のACL出場を視野に入れ、試していく必要はある。この試合の交代2人目は石田選手でも良かったのではないか。もしくは前半で負傷しキック精度を欠いたマテウス選手を休ませても良かったのではないか。丸山選手もしくは中谷選手を休ませることは出来なかったか。宮原選手を広島時代の本職であるボランチで試すことは出来なかったか。あの試合展開なら残り20分、せめて10分で何か新しいことを出来たと思う。

ACL出場となれば海外への移動含めてタフな戦いを強いられるが、この世界情勢下でグランパスの経営も例外ではなく、優勝した2010年のような大型補強は到底望めない。目先の勝利を追究して、来季以降の戦いも考えて、若手育成も求められる強化部・コーチングスタッフの仕事の難しさは分かるが、継続的に強いチームを見たい。何より今季の過密日程を闘い続けている選手たちが来季以降も活躍して欲しいので…

 

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