大企業がWリーグのチームを保有し続ける意義とは

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昨日自分の周り(っていってもSNSですが笑)で盛り上がってたネタに便乗して…

また湧いてくる人がいそうだけど、思い立ったが吉日ってことで書いてみます(笑)

 

Wリーグの在り方については疑問が山ほどありますが、まず大前提としてこの社会情勢下でも全チームが今季参戦していること・現時点では来季以降の活動休止や廃部等を打ち出しているチームがないことに感謝しなければいけないと思います。普段から不満垂れ流してるお前が言うなと思われそうですが(←)、1つ2つそういうチームが出てきたら、他に続くチームが出てきて、リーグは成り立ちません。なので各企業・クラブには敬意を。とは言っても感謝・敬意ばかりでは思考停止なので思ってることはある程度吐き出します(笑)

※今回のブログ内では所々おまいう案件が出てきますが、スルーしてください←

その上でWリーグが何故こうもクローズドな体質なのかを考えてみます。

 

女子スポーツをメジャー化することの難しさ

まずこれがあると思います。なでしこリーグのブームが一過性で終わってしまったこと、WEリーグ創設もあまり盛り上がってる感はないことが示しています。時期が悪かったとはいえリーグに大きな資本は入っておらず、アッと驚く大企業のクラブ経営参入もありませんでした。国外に目を向けてもWNBAの選手はあまりサラリーが良くないと聞きます(WCBAや昨年ベルギーで開催された五輪予選は観客多くて盛り上がってる印象ですが、選手のサラリーとか興行収入とかどうなんでしょうか…?)サッカーにしても女子はアメリカが本場ですが、今までに2回プロリーグを創設して潰れた過去があります。ヨーロッパでは近年ようやくビッグクラブが女子チームも保有し始めて、力を入れてきたところです。

サッカーにしてもバスケにしても共通しているのが男子だとメッシ選手、カリー選手とか詳しくない人でも知ってる選手がいるものですが、女子スポーツの選手だとなかなかいないですよね。日本国内限定で見てもハンドボールってバスケよりマイナースポーツだと思いますが、宮崎大輔選手って結構有名だと思うんですよね。五十嵐圭選手もBリーグ開幕前から有名でした。女子だとなかなか…

アスリートとして一般的に映えるのは男子なのでしょう。女子の取り上げられ方はいまだにこういう取り上げられ方をすることもあるのです。

その結果、日本では見るスポーツとしてのバスケがマイナーなこともあり(Bリーグも国内3大プロスポーツってだけで、世間の認知度とか全然ないことは緊急事態宣言下での収容制限を決める上で参考とされていないことから明白です)、内輪で盛り上がるイベントになってしまっているのが現状ではないのでしょうか。

 

 

ファンを増やすための努力はしている

ファンって必要なの?的な意見も見かけましたが、もちのロンで必要だし、協会やリーグはその努力をしています。じゃなかったら代表戦の男女共催とかオールスター開催、グッズ販売、昨季だとトレカ配布もしてましたが、そういうこと一切しませんよ。チームグッズを販売しているところもありますが、これも社内でやれば良い話ですよね。

なぜその努力をしているかというとバスケのステータスを上げたい。男女ともに競技人口が多いバスケにはポテンシャルがあります。Wリーグのステータスが上がれば学卒後もバスケを続けたいと思う女性が増えるでしょう。そうなればあとは好循環です(たぶん)また五輪など代表戦の露出度・注目度を高めたい意図もあるでしょう。会社・チームとしても代表選手、特にオリンピアンを輩出することは名誉です。

まだまだ少ないとはいえBリーグ開幕を機に国内でのバスケへの注目度は上がっています。女子代表チームは5人制アジアカップ4連覇、3人制ではU23W杯で優勝するなど競技力が高く、もっと人気にならないとおかしいのですが、それを妨げてる原因は明白です。

 

  • 広報体制のチーム間格差

=12チームしかないのに一枚岩ではない

手前味噌ですみませんが、アンテロープスは広報面に関してはプロクラブにも引けを取らないと思っています。

一方SNSアカウントすら持っていないチームやリーグ戦再開まであと一週間ほどの段階でトレーニングが出来ているのかすら分からないチームもあります。

こういうのってライト層を興ざめさせると思うんですよね。

  • 無料で観戦出来ることの是非

企業チームのホームゲームだと基本的に従業員の方は無料で観戦できるようです。それどころかチケットを取得する必要すらなく、当日入口で社員証を見せればOKの場合もあるようです。一般ファンと従業員では入口が違うチームもありました(笑)

バレーボールVリーグも観に行ったことありますが、こちらも従業員っぽい方は多いです。ただ半額とかでチケット買っていたり従業員用のファンクラブに入ってたり、要はお金払ったり手続きをしたりしているんですよ。なのでちゃんと観てます・応援してます。Wリーグ観に来てる従業員の方は乱暴な言い方すると暇つぶし風な方が多いんです。

観に来てくれることは嬉しい。全試合リーグ主管で従業員招待が基本ない今季の閑散とした客席を考えると招待客も必要である。従業員の立場からすると福利厚生の特典を活用して何が悪いんだって話で、悪いのは企業側。もっと言えば従業員の観戦は無料で良いと思われてしまっていること=競技としてのステータスの低さが悪いのです。

  • 身内優先 

無料で観戦できるだけでなく、従業員用エリアが確保されていて、グッズや飲み物・食べ物が貰える場合もあって、チケットを買っている一般ファンとは違いすぎる待遇差。昨季行なわれていた選手により、グッズ投げ込みでは従業員エリアしか見ていない選手が多かったり、試合後のインタビューではファンよりも会社や従業員へのお気持ち表明が優先されていたり。

これだけ閉ざされた世界ではファンは増えませんよね。私なんかはBリーグ開幕をキッカケにバスケにハマって、水島沙紀さんで女子バスケに魅了されたという土台があるので、嫌悪感はあるけど、応援する気持ちがマイナスになることはなかったです(いや多少のマイナスはありました←)でも特に好きなチームや選手が定まってなくて、近くでやってたから・友達に誘われたから観に来たって人が好きになるかと言われると至難の業ですよね。

 

と考えていると日本人なら誰でも知ってる大企業(中には海外でも有名な企業も)が女子バスケ部を保有し続けてくれるってありがたい話ではあります。オリンピアンを輩出することは名誉あることと書いたものの女子バスケでメダル獲得実績はなく、仮に昨夏五輪が開催されていたとしても(=渡嘉敷選手、本橋選手、吉田さん、大崎さんがいたとしても)銅メダルが精一杯だったと個人的には思っています(醒めててすみませんが…)

トヨタ自動車フィギュアスケート小塚崇彦選手、ファーストリテイリング錦織圭選手と契約しています。これらの会社にはスケート部やテニス部があるわけではなく、要はスポンサー契約です。相応の価値があるってことですけど、女子バスケにそれだけのブランド力はないです。その中で続けてくれてるってやっぱりひたすら感謝ですよ(不満はたっぷりあるけれど←)

 

協会やリーグも改革の意志はあるけど、スピードが遅い。大きな組織の動きを待っていては廃れる一方。今はこの社会情勢でやれることは限られているかもしれませんが、明けない夜はありません。5年もしたら何であの頃はあんなに皆ヒステリックになってたんだ?!となるはずです(願望込み)そのときに今のままでは見向きされません。

 

  • チームを運営する各企業に女子バスケはもっと投資価値がある対象だと思ってもらいたい
  • 色んなスポーツが好きな人・多趣味な人の余暇の選択肢にWリーグも含まれる。そういう人が増えてほしい
  • 絶対女王体制崩壊=戦国時代到来でパワーバランスを変えよう

 

選手やファンがやれることはこの辺りだと思います。批判は建設的に・具体的な提案も込みに。

まず1つ目、デンソーが分かりやすくて、女子バスケ部と女子バレーボール部を保有していますが、後者は従業員も有料で、ファンクラブがあって、昨季以前は地域イベントにも積極的に参加していました。試合時の飲食ブースは結構な数の出店があるようです。会社にも地域にも認められているのです。女子バレーボールは大昔に五輪で金メダル(でしたっけ?)を獲得した実績があって、その名残からか根強い人気があり、一概に比較はできませんが、女子バスケは一般ファンの数が少なく、選手の個性アピールも不足している感があります。まずは色んなスポーツ好きな人に女子バスケも面白いな〜と思ってもらえるようファンも選手も訴えかけていきたいですね。サポーターがJリーグ屈指のビッククラブと有名企業の交渉を仲介した(?)なんて話もあります。

我々もブロンコビリー世界の山ちゃんを利用しまくればオールスターだけでなく通年でスポンサードしてくれたりリーグ戦で冠試合してくれたりよりパイプが強くなるかもしれません。

 

そしてもっともっと大事なこと、一強は色々と弊害があって、国内2大タイトルを3季連続くらいでトヨタ自動車デンソーが争うくらいになれば…このご時世ドラスティックな改革は難しいし、やるのは賭けに近いですが、夜が明けた時にパワーバランスが変わっていれば一気に進むことでしょう。要は3年くらいで力を溜めて、そこからGO!ってことです。

 

協会やリーグの改革スピードを上げる、一部企業・チームが意識を変えざるを得ないと思うくらいに行動していきたい。

(まずは一強が崩れないことにはだけど……)