Wリーグ西地区後半戦第3週

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山梨×トヨタ自動車

トヨタ自動車は大差での勝利を収めたが、3ptシュートの試投数が少なく、成功率も低いのが気掛かり。永田選手が2試合とも2/3だが、打たされたシュートが決まっていたように感じた。山梨や前節のアイシンAW相手であればフィジカル、スピードの違いでインサイドを崩せる。ミドルシュートで手堅く得点を重ねられる。デンソー戦やプレーオフを見据えて、シューターに打たせる形を作り出すオフェンスがもっと見たかった感がある。またアグレッシブにいきすぎてファールが多く、FTからの失点を増やしてしまっている。相手との実力差があるので、タイムシェアで乗り切り、ファールアウトする選手は出さずに済んでいるにすぎない。

game2では3Qで2度のタイムアウトを取り、大差でもアーリーエントリーの佐藤選手、平野選手の出番はなかったことなどから不出来なことはモンデーロHCも理解しているのだろう。自分たちの意図していたことは出来なかったが、今後に向けて隠していることもあるかもしれない。ただこの内容では次節デンソーに連敗して、地区優勝を逃すこともあり得る。今週はモンデーロHCが練習を指揮するはずだ。ギアを入れ替えて臨んでもらいたい。

 

デンソー×アイシンAW

デンソーは連勝したもののトヨタ自動車同様内容は良くなかった。悪いなりに渡部選手、近藤選手、畠中選手といった脇役が試合を引き締めて、取りこぼしをしないのはさすがというべきか。マルコビッチHCも今週半ばにはチームに合流するようで、どう変わってくるか注目したい。

game2は特に良くなかったデンソー相手に連敗となったアイシンAW。好連携のディフェンスから良い形を作るもシュートが入らない・リバウンドも拾えない。逆に相手にイージーバスケットをされて、疲弊してしまう。チームでオフェンスの形が作れず、得点が止まり、焦って宮下選手、梅木選手の単騎攻めが増えてしまう。この悪循環で負け続けている。個で打開できるだけにどうしてもコーチ陣は頼ってしまいがちだが、時には休ませる勇気も必要。しかし交代やタイムアウトを取ったときには既に流れを奪うことが出来ない状態に陥っていることが多く、ベンチワークの改善も見られない。

最適解を導き出せずに今季あと2試合となってしまったが、デンソー戦では珍しく2試合とも同じスタメンで臨んだ。game2では5試合欠場していた加藤選手がチームに勢いをもたらした。三菱電機戦ではひと花咲かせられるか。

 

西地区もう1カードはトヨタ紡織×三菱電機だったが、トヨタ紡織が連敗。昨季は三菱電機デンソーに2勝、トヨタ自動車からも1勝したが、今季はこの3チームとの対戦で全敗するなど低迷した。アイシンAWは山梨に3勝、山梨はアイシンAWに1勝に留まり、AクラスとBクラスがハッキリと分かれてしまった。西地区はここまで鮮明に実力差が出るとは思っていなかったので、残念でならない。トヨタ紡織は地区優勝も可能な戦力、アイシンAW、山梨に関しても1〜4位チームとの16試合で3,4勝は可能なポテンシャルはあるのではないか。それが出来なかったのは戦術、戦略、交代策などコーチの力量差が主な原因だと思う。

あと2試合、アイシンAW、山梨はプレーオフ進出の望みは絶たれたが、意地を見せてほしい。負けるにしても最後の最後までどちらに転ぶか分からない試合を。

対する三菱電機トヨタ紡織してもプレーオフに向けて躓いていられない。双方のプライドをかけた大熱戦が2日間6試合続くことを願いたい。

 

最後に東地区のENEOS×日立ハイテクについて。

両者とも試合に出場できるコンディション、実力の選手が少なく、苦しい台所事情だが、ENEOSが連勝。game1はオーバータイムの末に、game2はWリーグでは珍しいレベルのハイスコアゲームを共にENEOSが決定力の違いを見せて、勝利した。ツインタワーを欠き制空権を握れないENEOSは岡本選手が2試合フル出場するなどどうしてもガード陣の負担が大きくなる。これまでの選手起用方針を考えるとフレッシュな戦力の台頭は考えづらく、主力選手の根性に賭けるしかない。日立ハイテクも谷村選手、北村選手の負担は大きいが、プレーオフセミファイナル・ファイナルは1勝1敗になれば3連戦。セミファイナルからファイナルまでの間隔も短い。一発勝負の皇后杯とは訳が違う。

トヨタ自動車デンソーは今季ENEOSに勝てなければあと10年は優勝出来ないと思うので、時代を変える意気込みで戦ってほしい。