Wリーグ2020-21 セミクォーターファイナル

西地区チームのインテンシティの高さが際立った2試合だった。またプレーオフらしい試合であり、地区制を採用し今季初対戦であったことを実感する試合だった。


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立ち上がり5分で決まってしまったような試合で、一発勝負の怖さ・プレーオフの怖さを思い知らされた。

レギュラーシーズンではトヨタ自動車デンソー三菱電機との対戦で全敗したのがウソのようにトヨタ紡織が今シーズン最高のパフォーマンス。ディフェンスから勢いをつけて圧倒した。アグレッシブに前からディナイし、タイミングの良いヘルプでスティール・ブロックし、一撃必殺。平末選手のレザービームアシスト、飯島選手のミドルシュート・3ptシュート、加藤(優)選手のドライブインなど多彩なオフェンスで得点を重ねた。日立ハイテクは谷村選手が孤立。良い流れがきてもトヨタ紡織は白選手を投入し、封じてきた。谷村選手に良い形で収められないので、3ptシュートも打たせれた形ばかり。トヨタ紡織は試合通してシュートを落とさなかった。レギュラーシーズンではオフェンスでブレーキとなってしまうことも多かった白選手も役割が整理され、リバウンドで持ち味を発揮した。内容としては完璧だったが、後半はQFに備えてもう少し東藤選手、平末選手を休ませられなかったか。坂本選手、中野選手、岡田選手は大舞台でも信頼して送り出せるレベルノの選手だと思う。また飯島選手の負傷も気掛かり。

日立ハイテクは谷村選手が封じられて、2の手3の手が出せなかった。PGの曽我部選手、鶴見選手は似たタイプで、他のポジションにも個で打開して流れを変えられるタイプが居ないのは辛かった。ハーフタイムを経てディフェンスは改善されたが、オフェンスの停滞感を打破出来ず、流れを手繰り寄せかけることもないまま、時間が過ぎていった。4Qで3ptシュートが決まり始めたものの時既に遅し。

今季躍進は果たしたが、戦力底上げは必須。良い意味で戦術を壊す存在の台頭に期待したい。

 


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三菱電機がインテンシティの高いディフェンスと高さ・強さを兼ね備えたインサイド陣で圧倒する予感を抱かせた入りだったが、シャンソン化粧品も全く怖気づいていなかった。小池選手を中心に慌てず冷静に対応するとピックからのダイブでファトー選手、野口選手が得点を重ねて、1Qはシャンソン化粧品がリード。三菱電機からは気負いと西地区チームでは見られないスタイルへの戸惑いが見られた。2Q以降は三菱電機が主導権を握る流れに。得意のチェンジングディフェンスでシャンソン化粧品のオフェンスを停滞させ、得点源の吉田選手にシュートチャンスすら与えない。ファトー選手が3ファール、三菱電機は主力選手を休ませる冷静な采配を見せた。シャンソン化粧品は詰んだと思ったが、吉田選手がディープスリーを決め、食らいつく。それでもインサイドが明らかにミスマッチとなり、シャンソン化粧品は不利だったが、なお食らいつく。

さすがに後半は防戦一方になってしまうのではとハーフタイムに考えていた。実際ターンオーバーからディフェンスで走らされる苦しい展開が続いた。小池選手が根性で繋ぐも根本選手が3ptを立て続けに決めて、シャンソン化粧品タイムアウトタイムアウトを取ったところで流れを変えるのは難しいと思ったが、それを変えるのが名将。逆にファストブレイクからの連続得点で三菱電機タイムアウト。あの流れから選手を今一度奮い立たせるなんてなかなか出来ないこと。西地区で2Q以降ジワジワと失速していくチームを見ていただけに…

こうして何度も喰らいついたが、3ptシュートでの得点がなく、詰め切れなかった。4Qで入り始めたが、ミスマッチを突いて相手のファールを増やしつつ加点できる三菱電機は全く動じなかった。そしてファトー選手がファールアウト。そこからの必殺仕事人・小菅選手の連続得点は大きかった。シャンソン化粧品ももう一粘りした。最後3点差まで迫った。配信で見ていても感動させられた。小池選手の魂みなぎるプレー、現地で観ていたら泣いていたかもしれない。

という熱戦の一方で伊集さん、水島さんの昨シーズンまで選手だったとは思えない解説者ぶりは面白かったです🤩


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レギュラーシーズン前半戦は開幕週で東京羽田に連勝するも2週目から8連敗。皇后杯アイシンAWに敗れているが、そこからチームは大きく進化を遂げた。アーリーエントリーの選手が加わった効果は絶大。タイムアウト明けに審判とコミュニケーションを取る吉田選手は超大物です。でも1人2人の選手によるものだけではなく、チームとしてレベルアップしている。経験で劣ってもサイズが小さくても選手層が薄くても名将が選手のモチベーションを引き出せば良いチームは出来る。シーズンオフに主力の流出を防ぎ、吉田選手、佐藤選手がぶち当たるであろうプロの壁を低いものに出来たらどんな強いチームになるだろうか。想像するだけでワクワクしてくる。

 

さて明日はQF。富士通×トヨタ紡織デンソー×三菱電機が行なわれる。

トヨタ紡織疲労と飯島選手の怪我がマイナスポイントだが、富士通も岡田選手欠場で町田選手・篠崎選手の負担は増す。またトヨタ紡織としては日立ハイテクと比べて高さでのミスマッチがほぼないので戦いやすい面もありそうたが、今季初対戦なので何とも言えない(笑)

倒しても倒しでも這い上がってくるシャンソン化粧品相手に明日を見据えた選手起用が出来なかった三菱電機はさらに疲労がありそう。デンソーは選手層も厚く、分があるか。

 

さてもうすぐ日付変わりますね。明日も楽しみましょ〜(とは第三者だから言えるのかな😆)