Wリーグ2020-21 クォーターファイナル

2試合とも最終スコアは10点差以上となったが、そこまでの差は感じさせなかった。特に2試合目に関してはレギュラーシーズンで2勝2敗、オーバータイムや1ポゼッション差での決着の試合もあっただけに互角の戦いだった。

 

富士通が西地区インテンシティに最初から対応出来た。トヨタ紡織インサイドを固めて、セットオフェンスでペイントエリアを崩せなかったが、テンポの良いボール回しからオコエ選手が3ptシュートを沈めて主導権を握った。シュートが外れてもオフェンスリバウンド確保でセカンドチャンスに。ディフェンスでもオコエ選手、途中出場の田中選手が出足の良い動きでトヨタ紡織インサイドプレーヤーに自由を与えなかった。

トヨタ紡織は前日負傷した東藤選手、飯島選手も問題なくプレーできていたが、ディフェンスでリズムが生まれず、単騎攻めが増え、富士通の思うツボ。試合通して3ptシュートの成功率が悪く、後半は富士通がファストブレイクからバスケット・カウントを連発、さらには警戒度は低かったであろう内尾選手の3ptシュートが4/4。これではお手上げ。

富士通トヨタ紡織をよくスカウティングできていたこと、PGの熟練度の差がこの結果だろうか。勝因を挙げるとするとここだが、勝負どころを心得ている町田選手、篠崎選手以外も3ptシュート4/4・フル出場の内尾選手、18pt・12rebでダブルダブルのオコエ選手、スクリーン、ボックスアウトなど献身的にプレーした田中選手、さらにはディフェンスでの好プレーにも皆で歓喜し相手にプレッシャーを与え続けたベンチも含めた総合力で勝ち取った1勝だと思う。2Q半ば以降厳しすぎる罰でプレータイムを与えられなかった内野選手ら今日は結果を残せなかった選手たちの奮起がファイナル進出のカギか。


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この試合の分析をするのは極めて難しい。本当に両チームに差はない。根性で片付けてしまいたいが、それを言い始めると正直三菱電機の方が上だと思う。

レギュラーシーズン前半戦でトヨタ自動車に連敗したか星を分け合ったか、選手層の厚さ。この2つですよ。戦術、技術的なところにも差はないが、レギュラーシーズン2位のデンソーは昨日試合がなかった。三菱電機シャンソン化粧品が最後の最後まで粘り、心身ともに疲労が残っていたはず。三菱電機インサイド陣はタイムシェアできている。永井選手の成長で根本選手の負担は減った。ガード陣もレギュラーシーズン後半戦から試合の中で育てていく意思は感じられたが、それでもデンソーの笠置選手、渡部選手、篠原選手とは場数が違う。さらにはベテランの近藤選手、園田選手、畠中選手もいる。そういった選手たちの地味なディフェンスが効いていた。今シーズン平均失点最少はそういう細部に宿っているのだろう。
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クォーターファイナルをもって今シーズンの愛知県内でのWリーグ開催は終了。セミファイナルからは舞台を東京に移して、2戦先勝方式。トヨタ自動車×富士通ENEOS×デンソーと対戦となる。結果的に2カードとも東西の1位×2位となったが、各チーム地区代表の気持ちも持って闘ってほしい。

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