Wリーグ2020-21 セミファイナル プレビュー

f:id:antelopes_7_12_23:20210313210458j:plain

トヨタ自動車アンテロープス×富士通レッドウェーブ

リーグ屈指の選手層の厚さを誇るトヨタ自動車が優位か。シーズン通して大きな怪我人がおらず、毎試合多くの選手が出場している。アーリーエントリーのソハナ選手も既にフィットし、貴重な戦力となっている。

一方の富士通トヨタ自動車同様ロスター12名で開幕し、アーリーエントリーで3名が加わっているが、苦しい台所事情。さらにレギュラーシーズン最終週では控えPGの岡田選手が負傷し、QFを欠場。トヨタ自動車の安間選手も含めSFに出場できるかは情報戦だろうが、やり繰りが苦しいのは富士通トヨタ自動車インサイドに屈強な選手を揃えており、フィジカルコンタクトで消耗させられるとあっさりと2試合で決着してしまうことも考えられる。

富士通としてはインテンシティこそ高いものの決して堅いとは言えず、細かい動きにも弱いトヨタ自動車相手に緻密なセットオフェンスで錯乱し、3ptシュートの形を多く作り出していきたい。西地区では富士通のようなオフェンスをしてくるチームはなく、2018年11月以来の対戦となるだけにトヨタ自動車としては守りづらさはあるはずだ。オコエ選手が好調だが、内野選手、田中選手も決まり始めると的が絞りづらくなる。

そうなると課題であるファールの多さも露見してきそうで、篠崎選手の爆発的なスピードもより活きてくる。そしてトヨタ自動車が焦り始めてインサイド一辺倒なオフェンスになってしまうと富士通は光速カウンターを発動。

要は富士通にも十二分に勝機はある。トヨタ自動車は一昨シーズンのSFで1戦目に大敗し、立て直し切れず敗退した過去もある。ただ手駒が豊富で出てる選手によってあの手この手打てるトヨタ自動車が有利。というのがザックリとしたところです。

 

ENEOSサンフラワーズ×デンソーアイリス

このカードは正直メンタルとかエナジーの闘いでしょう。2月の両チームの試合を見ればデンソーは徐々に調子を上げてきた。QFではベンチメンバーの活躍も見られ、良い雰囲気でSFに臨める。一方ENEOSが満身創痍なのは誰が見ても明らか。レギュラーシーズン最終週を欠場した宮澤選手が怪我なのか陽動作戦なのかは分からないが、前者ならコンディションは万全ではない。後者ならチームとして相当な焦りがあり追い込まれてる証。ただそれでも大一番では人間を超越した力を発揮してくるのがENEOS。昨年末の皇后杯決勝でもそれを見せつけた。デンソーはレギュラーシーズンでも皇后杯でもプレーオフでもENEOS相手だとどこか萎縮してしまっているが、今回に関しては本来の力を発揮出来ればデンソーが優位なのは間違いない。2戦先勝方式、3連戦となる可能性もある中で連日40分フル出場する選手が複数いるであろうENEOSは相当苦しい。経験・根性のENEOSか、戦略・勢いのデンソーか。

宮澤選手と赤穂ひまわり選手のマッチアップでどちらが主導権を握れるかがキーポイントになってきそう。相手にペースを握られている中での交代策もポイント。ENEOSだと藤本選手、デンソーだと近藤選手、篠原選手をどう使うか。さらにはデンソーの場合はジョーカー渡部選手の投入タイミングも重要(策士だけに3戦勝負と見越して1戦目では使わないとかあるかもしれない)

マルコビッチHCの駆け引きにも注目して見ていきたい。

 

試合が行われる代々木第二競技場のお隣の第一競技場ではハンドボールリーグのプレーオフが開催されているが、昨日は男女とも延長戦にもつれる熱戦だったとのことだ。WリーグSFも熱戦が連日続くことを期待したい。