Wリーグ21-22シーズン戦力分析 【トヨタ自動車】

アーリーエントリー

OUT

  • PG 西澤瑠乃(引退)
  • PG 安間志織(退団→ドイツ・アイスフューゲル)
  • SF  栗原三佳(引退)
  • PF  脇梨奈乃(退団→アイシン)

 

自由選手契約リストに掲載されていたエブリン選手は契約を更新。アーリーエントリーと引退・退団の選手数は同じ、特徴こそ違えどポジションもほぼ同じ。モンデーロHCが率いた2シーズンは少数精鋭の12選手でシーズンをスタートしている。新加入があるとしたら育成枠的な形でポテンシャルある高卒選手、平下選手、ソハナ選手ら新卒1,2年目の選手たちの底上げを図りながらチーム強化を進めていくものだと思っていたら、ビックリ仰天!

まず最初にエグいって言葉が頭に浮かんで、昼食を摂り、家族それぞれが寛いでいたところ変な声を上げてしまって、引かれましたね笑

最近ちょいちょいサッカーブログ書いてる自分ですが、元々はサカヲタでグランパスファンなので今までも大型補強を見てきました。楢崎選手ら前年のW杯に出場した3選手が同時加入した1999年、闘莉王選手など他チームでバリバリのレギュラーだった選手が複数人同時加入した2010年など。でもJリーグだと事前にメディアで噂が出るので驚きの度合いが違うし、企業スポーツでここまでエグい移籍劇って起きないイメージがあったので、もう何と言っていいのか分からない。

三好選手、長岡選手、エブリン選手がアンテロープスに移籍した時も結構な衝撃だったのだろうが、それはENEOSを脅かせるチームになるための下地作りだったと思う。モンデーロHC就任のシーズンから移籍、大卒、高卒それぞれ獲得し、強化を進めて悲願を果たした。そこからの大型補強なので、簡単に言ってしまうとWリーグに銀河系軍団誕生ですよ。

 

宮下選手はあるかもとは思っていたが、それはエブリン選手が移籍ならの話だし、実績あるPGが2人増えるとは全くの予想外。選手獲りすぎとかFAで他チームの主力をかき集める某プロ野球チームのようだ等声が挙がっている。理解できます。私もそう思います(笑)宮下選手、梅木選手は1年目から主力、乱暴な言い方すると自然に育った選手で、3x3含めた代表合宿でプレーの幅を広げた。要はさらに乱暴な言い方だが、アイシンAWが育て上げた選手ではない(2人まとめて引き抜くなよとは思った人は多数いるだろうし私も思います笑)ただ川井選手って三菱電機が手塩にかけて育てた選手ってのがファンの皆さんから伝わってくるんですよ。一昨年代表入りして、その後も代表に推す声は多くて、三菱電機ではフル出場することも。

もう少しメジャーなリーグならアンチファンが相当数生まれるでしょう。ルール緩和後の移籍補強が多く、新卒選手の割合も増やしてほしいと思ったりするが、永田選手、佐藤選手も含め3x3代表経験者が多く加入しているのもグレーな点であったりします苦笑

選手目線で見ても優勝に大きく貢献した選手ですら大幅にプレータイムが減る可能性がある(優秀な選手が揃っているからってコートに7人、8人同時に立つことはできない笑)そうなると個人成績は下がる。新加入の選手たちも含めて日本代表を目指す上でアピールの場が減る。ルーキー、特に平野選手、佐藤選手は話が違うよ〜って心境かもしれない。

銀河系軍団レアル・マドリーだって戦力に見合う成績は残せていない。グランパスも2010年は優勝したが、1999年はチームがまとまらず空中分解した。Wリーグでも19-20シーズンのトヨタ紡織のような例もある。大型補強が必ずしも結果に結びつくわけではないのがスポーツの醍醐味である。アンチ的な人にとってはアンテロープスにもそれを期待しているだろうが、これだけ選手が集まるのは世界の名将ルーカス・モンデーロが掌握するこのチームに魅力があるということでしょう。

レーニングの質・強度は今まで以上に上がる。野心に満ち溢れた選手たちの集合体でもあり、各々の成長スピードは凄まじいだろう。

梅木選手も語っているように雰囲気が良く、オンとオフのメリハリがしっかりあり、より上手くなれて人としても成長できる環境だと判断しているのでしょう。ENEOSで控えに甘んじていた宮崎選手や藤本選手、中村選手が19-20シーズンではベスト5を受賞したり、ファイナルで堂々とプレーしていたのも日々のトレーニングの賜物だろう。

会社のためだけでなく、多くのファンに応援してもらいたい・女子バスケの魅力を伝えたいという熱い想いを持って日々取り組んでいるチーム姿勢にも惹かれたのかもしれない。主力選手の流出を招いた前チーム側も変わらないといけない部分はあるのだろう。

 

アンテロープスの戦力を整理すると

  • PG 山本 平野 川井 
  • SG 三好 永田 梅木 平下
  • SF エブリン 佐藤 宮下
  • PF 長岡 ステファニー
  • C   河村 ソハナ

これだけ揃っているとツープラトンどころかスリープラトンも可能(追記:安間選手が移籍したのでスリープラトンは無理ですね笑)、試合数は多ければ多いほど強いでしょう(新シーズンは13チームで二回戦総当たりが予想されますが)プレーオフNBAみたいに長丁場にすべきですw

 

と色々考えるとめちゃめちゃ強くなるイメージしか沸かないし、どういうチームケミストリーが構築されるかワクワク感がハンパない。超タレント軍団が結果を出せば、それに憧れて有望選手が毎年集まって、10連覇くらいしてしまうかもしれない。そこまでいくとさすがに面白くないし望んでもいないけど(笑)、でもENEOSとの新2強時代に突入するのかなとは思う。

リーグの構造改革をするにはそれではダメで、デンソートヨタ紡織富士通には期待していますけどね。

他のチームの戦力分析については別記事にて書きます。

 

と不安や懸念材料(何よりも外野からの怒りの声w)もありつつ、楽しみが上回っているが、一番の心配は選手のモチベーション維持か。Wリーグは試合数が少なく、チーム間の実力差もかなりある。実戦機会が減る選手・下位チーム相手の時しか長いプレータイムを与えられない選手がモチベーションを落とし、不満因子となればすぐにチームは崩壊する。

スキルアップが出来るトレーニングメニューを日々提示できるか、入場料を取って公開する価値が確実にある紅白戦(正直下位チームとの試合ならアンテロープスの紅白戦を観に行きたい)をマンネリ化させず闘いにできるか。

モンデーロHCだけでなくコーチングスタッフが連携しての手腕が求められる。そこさえクリア出来れば新一強時代もあり得る。