5人制女子代表強化試合 vsポルトガル game1

まずはこの社会情勢下で五輪、ユーロともに出場しないポルトガルが来日して、4日間で3試合戦ってくれることに敬意を表したい。観光はおろか試合会場や宿泊施設付近の散策も出来ないであろう中、心身のコンディション作りは大変だろうが、何とか怪我なくそして今後に向けて各選手がアピールできる機会になってほしい。

 

対する日本は戦う準備が出来ていたのか疑問が残った。五輪初戦まで40日以上あり、当然ここで100%を出す必要はない。 昨年2月以来の対外試合、戦術を見せたくないし、怪我が怖いのも理解できる。エクスキューズはいくつもあるのでポジティブにいきたいが、チーム単位では自分にはあまり見えなかった。ネガティブになりたくない人はここでそっ閉じしてください。

 

 

日本の目標は東京五輪金メダル、一昨年8月以来の国内での代表戦。ならば私達女子バスケ日本代表はこういうチームだという形をもっと見せて欲しかったという思いが強い。テレビ中継はなくてもBリーグは全日程を終え、男子代表の試合はまだ始まっておらず、関東大学男子の大会も2度の延期で今月末の開催。年中バスケが見たいいわゆるバスケバカ的な人は見ているが、伝わるものが少なかったと思う。スポーツは筋書きのないドラマとは言うものの、この試合に関してはテレビ中継がなくて良かったと思えてしまった。

 

戦術的な部分は先にも触れたように隠してる部分もあると思うので控え目にして、気になったところを。

 

コンディションが悪そうな選手が多い

日本女子バスケにおいてよく指摘される練習しすぎな状態なのだろうか。4月上旬から10日間ほどの合宿を5回行ない、その中でメンバーを絞り込んでいくサバイバルモードなのだが、毎回東京のナショナルトレセンにて、海外チームとの強化試合もなし。身体以上に心の疲労をしてしまう。実際この試合でも所属チームで見せているようなハツラツさが感じられない選手も多かった。

7月末にピークに仕上げればいいわけだが、とはいえこの時期に国内で強化試合を行なうことはある程度前もって決まっていたはず。もう少し仕上げて欲しかったのが本音。

特に宮澤選手、本橋選手、谷村選手が気になったところ。宮澤選手は今週から対人トレーニングを始めたという情報もあるが、別メニューなら所属チームでやった方が良いのではと思ってしまう。腕が伸びていない・肩が下がった状態でのシュートがショートしており、Wリーグファイナルの時からの回復具合は芳しくないように見えた。なら代表に帯同するにしても無理に試合に使う必要はないのでは。大怪我から復帰した本橋選手は自ら70%と語っているが、庇う動作をするあまりトラベリングをしてしまう状態。それでは再発のリスクもある。2選手ともマストな存在なことは理解できるし、五輪メンバー決定前最後の強化試合で試したかったのだろうが、本当に五輪までにトップパフォーマンスを取り戻せるのか疑問が残る。決断が必要になってくるかもしれないが、そのジャッジを見誤ると藤岡選手、町田選手、長岡選手ら万全ではない選手が何人かいて、髙田選手、宮澤選手に負担が集中してしまった18年W杯のようなことが起きてしまう可能性もある。金メダルを目指すなら非情な采配も必要だ。

 

システムにこだわりすぎ

3ptシュートを打つ形に持っていくシステムを中心にオフェンスを構築していたのだろうが、日本のスピード感が失われ、ボールの回りが遅くなり、重い展開となった。結果、形が出来ていない中での3ptシュートか手数を掛けすぎてのドライブイン。得点は伸びなかった。もっと私が決め切るんだ!という強い気持ちを見せてほしい(先日3x3代表の五輪予選に熱中しすぎた影響もあるだろうが笑)五輪メンバー入りに向けて、ミスはしたくない・怪我はしたくないという思いもあるだろうが、当落線上の選手は特に恐れていては前に進めない。

 

アグレッシブなプレーを見せた選手もいる

スターターで起用されたA代表デビューの宮崎選手。ゲームコントロールの面では課題は残ったが、個では特徴を存分に発揮していた。タツヲさんも絶賛されてますね(シーホースのスタッフの方でしょうけど←)

良い形で3ptシュートを打てず成功率が低い中でリバウンドをもぎ取り続けた赤穂ひまわり選手。18年W杯ではサプライズ的な選出だったが、今や攻守において要とも言える存在。リバウンド、ブロック、合わせのプレーなど嗅覚が光る。

所属のENEOSでは信頼を勝ち得ていないもののホーバスHCが高く評価している奥山選手。一昨年は3x3代表で国際大会にも出場していたが、誰と組んでも・どんな舞台でも役割を忠実にこなせるのは魅力。大ベテランのような落ち着いたプレーぶりで、五輪メンバー選出も充分ありえる。3ptシュートを打ち続けることが代表チームでの役割なのだろうが、もう少し我を出しても良いのではないか。またこれは先々の話ではあるが、ワンハンドシュートを身につけるとより魅力は増すのではないか。

東藤選手もプレータイムは短いながら結果は残した。

 

手薄なインサイド

28人でスタートした今年度の代表合宿。インサイドは早い段階で絞り込まれた。渡嘉敷選手は5月末に五輪出場を断念した。

しかしオコエ選手、谷村選手が信頼を掴み切れていない印象。特に谷村選手が気掛かり。肩をテーピングでぐるぐる巻きにしていることから万全ではないのだろうが、ホーバスHC体制で公式戦出場経験もある選手でありながらどこかプレーが窮屈。谷村選手個人の問題なのかホーバスHCが持ち味を引き出せていないのかこのチームとの相性が悪いのかは分からないが、日立ハイテクや前所属のシャンソン化粧品で見せていた大胆で豪快で繊細なプレーが鳴りを潜めている。4Qではエブリン選手が4番ポジションを務め、リバウンドで奮闘していたが、1つ前がベストポジションの選手。

赤穂さくら選手や河村選手を試さなかったのが不思議でならないが、髙田選手の負担を減らせるオプションはあるのだろうか。

 

必要不可欠な司令塔・町田瑠唯

重いオフェンスから流れを変えたのは町田選手。彼女がコントロールすることによりリズムが整い、トランジションも増えた。そしてベンチに下がるとまた重く、手数をかけすぎなオフェンスが増えた。

吉田選手、藤岡選手が代表に入っている時は3番手に甘んじていたが、現状では文句なしの1番手。

 

決着をつけた身長167センチの驚異の得点力

元ネタはこれですw

バスケ女子日本代表 逆転勝利!身長167cmが驚異の得点力(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース

前半は目立った活躍がなかった三好選手が4Qで大仕事。投入直後に3ptシュートを決めるとその後も打ち続け、計4本の3pt。相手が外を警戒してくると今度はドリブルでヒラリヒラリと交わしてレイアップを決めて14pt。トヨタ自動車では水島選手の穴を埋めるべくディフェンスに重きを置き、オフェンスではタレント軍団を引き立てるロールプレーヤーとしてキャプテンの責任を果たしていたが、この試合が本来の三好選手の姿。A代表に慣れたであろう宮崎選手、安間選手との競争は激しいが、強みを活かして、戦い抜いてほしい。

相手の足が止まり始めていたことを差し引いても、ホーバスHC体制では陽の目を浴びることがなかった三好選手が見事に特長を出し切った。ただただ称賛したいが、三好選手のシュート力を活かした町田選手のゲームメイクが光った。三好選手の得点は1本目の3pt以外町田選手からのパスだった。実況は「三好の10分」と評していて正しいのだが、それ以上に「町田の偉大さが改めて分かった40分」だと思った。

 

ツーガードやるなら…

ここからはボヤキブログの中のさらにボヤキネタですが…

存在感を発揮した町田選手を中心にツーガードを敷く時間帯が長かったこの試合。組み合わせは様々だったが、4Qの町田選手・三好選手は個人的にずっと見たかったので、感慨深かった。ただ他の組み合わせ含めてだが、オフェンスではテンポが良くなり日本の持ち味が出せる半面、サイズがさらに下がって、ディフェンス強度も落ちる。両面あるが短い時間でやるなら有効だと思うこのオプションだが、ホーバスHCは今まであまりやってこなかった。でこれは昨年のOQTの時も言ったかもしれないが、ツーガードやるなら一昨年水島選手も試してよ!って話です。東京五輪目指して戦ってくれたかもしれないし……

というのは今更感だが、20-21シーズンもバリバリ活躍していたコンボガードだと本川選手、渡邉、岡本選手がいて、特にサイズが有る本川選手が何故早い段階で外れたのかは解せない部分がある。

 

確かに客入りは寂しいが、この試合(特に前半)を見て、土日観に行こうと思う人はあまりいないかなぁと…

それよりメンバー編成の意図、コンディションのピーキング、スリー頼みになった前半のオフェンスとかに言及できるメディアが居てほしいなと思ったり……

渡嘉敷選手不在について選手に質問するインタビュアーも含めてガッカリ。。

 

と感じたことを吐き出してしまったが…

このポルトガル戦で膿を出して立て直して五輪で望むべく結果を手にするか。せっかくの国内での試合で準備が出来ていなかったチームではダメか。2ヶ月先に結果は分かる。

前者になることを期待して。まずは土日の試合で違いを見せて欲しい。

文句ばっか言ってる割にプエルトリコ戦観に行きたいと思ってるので。嫌いなら・興味ないならこんな長文書かないんで(笑)