5人制女子代表強化試合 vsポルトガル game2

コンディションが悪い選手はプレータイムが少なく、戦術にフィットし切れていない選手はあえて当落線上の選手でのユニットで出場する。メンバー選考が着々と進んでいることを示唆する起用法が見られた。一方で結果が出せていない選手も可能性を引き出そうと模索する優しさ(先発ピッチャーを引っ張りすぎる的な人情の厚さとも言えるだろうか)も見せた。

 

安間選手のボールプッシュ

スターターに抜擢された安間選手の力強いボールプッシュによって日本らしいオフェンスを多く見せることができた。立ち上がりでショットクロックバイオレーションはいただけなかったが、ホーバスJAPANのPGに求められる仕事は十二分に果たせていたと思う。ドライブイン、ペイントアタックが増え、そこからの3ptシュートの形も作れていた。

三好選手も好調をキープし、生き残りへ猛アピールをしている。2試合とも4本の3ptシュートを決めており、コートイン直後に仕事を果たすなどハートの強さを見せているが、献身的な働きぶりも見逃せない。課題だったディフェンスをトヨタ自動車で大幅に向上させたが、代表でも発揮できている。ボックスアウトや飛び込みリバウンドからの素早いボールプッシュなどプレーの幅を広げ、HCとして使い勝手の良い選手になっているのではないか。

サイズで大きく劣る日本、さらにサイズが下がっただけにアーリーオフェンスと3ptシュートの重要性は増す。安間選手も三好選手も手数を掛けず、3x3かと思うくらいショットクロックを消費せずに攻め切るスタイルはトヨタ自動車でシーズン通してやってきたことで、代表でも活かせている。

game1でアグレッシブなプレーを披露した宮崎選手は考えすぎてしまっている様子が窺えた。安間選手や三好選手、町田選手と比べるとコンディションが良くないようにも見えるが、ここまできたら自分を表現するのみだろう。

安定感抜群の町田選手だが、この試合ではポルトガルがサイズのある選手で前からプレッシャーを掛けてきて、苦しめられた感があった。それによって球離れが悪くなり、ショットクロックを消費し、相手はプレッシャーを強める。ハーフコートオフェンスでは重たい展開になることもあった。

 

創造力溢れるプレーがもっと見たい!

オフェンスが重い要因は当然PGだけの責任ではなく、意外性のあるプレーが少ないという点もあるだろう。システムに囚われすぎ・ミスをしたくないという意識が働いているだろうし、システムを隠している面もあるだろうが、ドリブルやパスのスキルとカッティングのセンスを持ち併せた東藤選手の物怖じしないプレーは魅力。今回A代表デビューした経験の少ない選手だが、自国開催の五輪、この社会情勢。誰も経験したことがないもの。ならばコンディションが良くて、リスクを負ってチャレンジ出来る選手を選んでほしい。

他のスポーツでも五輪に向けてメンバー選考が進んでおり、私は男子サッカーの強化試合を観戦したが、久保建英選手の常にゴールを意識してプレーする姿勢が強く印象に残った。
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試合後に上田綺世腺腫が話していたように五輪メンバーに選ばれても選ばれなくても選手生活は続く。どの選手もどんどんチャレンジしてほしい。

 

 

殻を破ったオコエ選手、エブリン選手

代表では縮こまってプレーしている感があったオコエ選手、常に切羽詰まっている様子だったエブリン選手が今回は所属チームでのプレーをそのまま出せている。

彼女らの好調は心強いが、谷村選手が2試合目でさらに身体が重く見えるのが気掛かり。代表ではポストプレーや3ptシュートよりもスクリーンからの素早い動きでディフェンス網を切り裂くプレーが重要になってくると思うが、現状ではスクリーンをかけることで精一杯。宮澤選手も肩の状態がシュートだけでなくプレー全体に悪影響を及ぼしており、Wリーグプレーオフのようなインサイドでのプレーも多くは望めない。

この状況なのでインサイドのサイズ不足は深刻。ボックスアウトを徹底ぶりはお見事だが、その上からリバウンドを取られることがある。

さてどうしましょうか。。ホーバスHCからの絶大な信頼と経験・実績がある宮澤選手は選ばれると思うが、1ヶ月半でコンディションは良くなるのだろうか…3ヶ月大きな改善がなかったのだからあまり期待はできないが、、、

 

経験・実績・1.5試合でのプレーを相対的に判断し、現状でのベストと思われるメンバー(町田・三好・赤穂・長岡・髙田)を送り込んだ中でポルトガルエナジーに圧倒された3Q。

3ptシュートは10/33 、ターンオーバーは17を数えるなど日本の理想形には程遠いが、ポルトガルとの3戦目はメンバー決定前最後の試合。

最適解を導き出し、この型で五輪に臨むんだ!という姿勢や意気込みを見せてほしい。