Tokyo2020 5人制女子日本代表 準々決勝 ×ベルギー

🇯🇵日本86-85🇧🇪

1Qは良いスタートだったと思う。ベルギーが3ptシュートで先制しても宮澤選手がすぐにやり返した。

アメリカ戦後半、ナイジェリア戦でのディフェンス面の修正は出来ていたし、3ptシュートありきにならず、不動神・髙田選手、試合毎に成長が目に見える赤穂選手、FIBAも大好きな町田選手が果敢にドライブで仕掛けて点をとったりファールをもらったりして、的を絞らせなかった。オフェンスが停滞すると見るやすかさず本橋選手、東藤選手、長岡選手を投入して、流れを変え、さらにオコエ選手、エブリン選手が加勢。しかし世界ベスト4を賭けた戦いは甘いもんではない。3x3でも痛感させられたことだ。

2Q残り7分以降は1Qでも顕在化していた問題の傷口が広がり、ベルギーが攻め立てた。オフェンスリバウンドを取りかけてもベルギーの手がもう一伸びしてきて確保し切れなかった。シュートでオフェンスを終えられているのは良かったが、帰陣が遅く、ファストブレイクでの失点が増えた。ベルギーのオフェンスを遅らせてもボックスアウトが不徹底、ダブルチームでプレッシングしても強度不足、カバーに行き過ぎなこともあって、かいくぐられる。悪循環だった。疲労なのか緊張なのか前がかりになりすぎていたのかは分からないが、日本の最大の強みだと思っている遂行力がなかった。

そうこうしているうちに絶対的エースの#11ミースマン選手だけでなく、今大会調子が上がっていなかった(らしい)#5キム・メスタフ選手を乗せてしまい、ベルギーの流れに。タイムアウト後1Q同様本橋選手らを投入し、何とか耐えて1点ビハインドでの折り返し。見ている側としてはもっとビハインドがある感覚だったが、3Q立ち上がりでその感覚が現実のスコアになっていった。

流れが悪くなっても選手交代はほぼなく、本橋選手が出て得点をとってもすぐにスターターの5人に戻して…‘継投’が上手くないホーバスHCが戻ってきてしまった。#55アレマン選手に決められて、9点差で4Q。と思っていたところで町田選手のプレーがチームを勇気づけたように思う。クロックギリギリのところでシュートファールを獲得。さらにはFTも2本とも決めた。この試合は1Qラストで本橋選手がアレマン選手を止めて失点を防いだ場面など巧みに戦えていたと思う。

そして最大13点あったビハインドを宮澤選手、髙田選手の得点で残り6分ほどでベルギーを捉えた。ただこの時点では個人的には危ういなと思っていた。

スターターと心中、流れを変えるようなプレーもない、そもそもあの重い展開を打開できる選手がこの12人の中にいるのかと…3月のWリーグプレーオフ以降プレータイムを制限していた宮澤選手は3ptシュートのアテンプトも増え、疲労困憊だった。

 

その流れを打ち破ったのはまたしても町田選手。相手がアンスポーツマンライクファウルで止めざるを得なかった鋭い突破、髙田選手へのノールックパス、そして決勝点となる林選手へのアシスト。痺れる場面で日本の小さな巨人(世界最小最強PGと竹下佳江さんのパクリを使いたかったが、プエルトリコの控えPGの方が小さいらしいのでw)がゲームを支配した。

 

ベルギーのラストオフェンスは1点でも40分での負けはなくなるわけで、ミースマン選手ありきではなく、選択肢を増やすセットに出来なかったか。オーバータイムを避けたいから2点を取れる可能性が一番高いセットを選んだのだろう。ミースマン選手のシュートが外れてもセカンドチャンスを押し込める、ルーズボール争いでファールをもらえる可能性も考えてのセレクションだろうが、あと1秒早く・あと1歩前で打てれば日本はやられていたかもしれない。それだけ日本のディフェンスが良かったということだ。

ただオーバータイムを避けたかったのは宮澤選手、林選手に綺麗な形で打たせられておらず疲労も顕著で、無観客のため声援の後押しも得られない日本だったような気がしてならない。これもベルギーにとっては粘っこくていやらしい相手だった故だろう。なんせアメリカの選手ですら試合後に「No more JAPAN」と思わず漏らしたくらいだから。

 

しかしバスケって複雑で過酷で心を削られるスポーツだなと実感させられた試合。

このスタッツでベルギーは負けた……

 

この6選手皆MVP級の働きをしたと思うが、確かに日本の強みである。個人的には先述のとおりクラッチタイムでゲームを支配した小さな巨人に一票です!!

 

準決勝の相手はフランスに決まった。トヨタ自動車の指揮官でもあるモンデーロHC率いるスペインとの対戦を期待していたが、エースの#7トレンス選手の不調が痛かった。#12カソルラ選手が三好選手を思わせる活躍ぶりで逆転勝利の可能性も感じさせたが、2Qの失速が響き、フランスが勝ち上がった。

フランスとは今大会初戦に続く再戦。リベンジに燃えていることだろう。強豪国ではあるが、欧州選手権・五輪ではスペイン、セルビアの後塵を拝しているだけに力を示したい気持ちも強いはず。しかし予選に続くフランスとの再戦で敗退した3x3代表のリベンジを日本の誰しもが期待している。

そのためには中1日での試合でもあるだけにベンチメンバーの活躍が欠かせない。宮崎選手のスピードを活かせる場面は必ずある。林選手、宮澤選手包囲網はさらに分厚くなるので、シューターでも特徴が異なる三好選手の力も必要だ。

12人でゴン攻めしよう!!!