オータムカップ雑感 〈日本代表〉

9月末から10月頭に開催されるアジアカップに向けて新たなチームを編成している日本代表はトヨタ自動車シャンソン化粧品と強化試合を行なった。

五輪ではACとしてチームを支えた恩塚享氏が暫定的にHCを務めているが、判断力・フィジカル・決定力を求めているようだ。五輪と比べて3ptシュートの重視度は下がっている印象で、メンバー編成からしてもそれは窺える。

 

以下連々と。

  • 山本選手の存在感

3x3代表として名を馳せた山本選手がついに5人制フル代表デビュー。大いに存在感を発揮し、2試合ともスタメンを務めた宮崎選手がコートに立っている時間帯よりオフェンスが機能していたと思う(贔屓目ありなことはご了承ください←)

ステファニー選手、西岡選手とのコンビネーションは圧巻だったが、3x3で磨いた得点力・突破力がある故に周りを活かしきれていない場面も見られた。ここは課題か。

 

  • ステファニー選手、西岡選手のパワフルなプレー

近年の日本代表のインサイドプレーヤーは巧くて3ptシュートも打てる選手が多かったが、愚直に突進していくプレーが何度も見られ、恩塚HCのスタイルを体現していた(日本人同士の試合という点は考慮すべきだが)ただステファニー選手、西岡選手だけでなく、今回のインサイド陣は髙田選手、長岡選手と比べるとボックスアウトなど相手にリバウンドを取らせないプレーに関しては発展途上か。現状だと3年後も髙田選手、渡嘉敷選手が君臨しそうだ。彼女たちをより脅かす存在が出てきてほしい。

 

  • 中田選手のスピード

こちらも他の選手との特長の違いを活かしてアピールに成功。ENEOSで1シーズン鍛え上げられただけあり、とにかく走る。インサイドでのポジション取りも向上している。あとはシュートレンジを広げたいところか。

 

  • 好調なシューター勢

3ptシュートの重視度は下がっているとはいえそれでも日本には必要なもの。五輪から引き続き選ばれている林選手、久々の日本代表戦出場となった根本選手がともに力を発揮した。 五輪後に林選手、宮澤選手が「シューターがプレーの幅を広げなくてはいけない」との旨語っていたが、林選手はドライブ、根本選手はカットインからの得点も決めるなど外だけではないところを見せつけた。

 
  • 安定のメダリスト達

宮崎選手、林選手以外にも赤穂選手、オコエ選手、東藤選手が引き続き選ばれているが、皆貫禄さえ感じさせるプレーを見せた。特にディフェンス面で踏ん張れ、試合を引き締めていた。

 

2試合通して恩塚HCの中での序列が反映されたプレータイム配分だったと思う。永田選手、宮下選手は出番が少なく、平末選手、奥山選手はシャンソン化粧品戦では最後までコートに立つ機会がなかった。アジアカップまでにもう1度合宿があるのではないかと思うが、2〜4選手入れ替えて、サバイバルが必要だろう。

PGはスピードスター宮崎選手、スコアリングガード山本選手ともう1人パスで試合を落ち着かせられるタイプが必要。

SFはいわゆる3&Dタイプを欲しているのだれうか。またピュアセンターも西岡選手のみなのでもう1人試してほしいと思う。

これらを踏まえて私のイチオシ選手!

(まぁほぼ私のというかオータムカップ見た多くの方の共通意見だと思いますがw)

 

PG

ブランクを全く感じさせなかった。それどころか一際輝いていた。本人は今のコンディションを全盛期の60%ほどと語っているが、視野の広さ、トリッキーなパス、クロスオーバーは健在。トヨタ自動車戦では28分出場で8pt・6astの活躍。指導者経験がベンチでも活かせれていて、若手選手とコミュニケーションを取る姿が何度も見られた。

本人に代表へのモチベーションがあるのかが気になるところで、また選手兼高校のACなので高校側との調整も必要だろう。クリアしなければならない点はあるが、オータムカップでの活躍を見ると代表入りを願わずにはいられない。

 

アグレッシブなディフェンスでチームにエナジーを注入。オフェンスでは堅実なプレーに徹するこれぞPGな選手だが、勝負所でのアシストや3ptシュートが光る。代表で正PGとなると難しいかもしれないが、ベンチに控えていたらHCとしても他のPGの選手としても頼もしいことこの上ないだろう。

 

SF

  • 小笠原美奈(東京羽田)

萩原HCが就任し、オータムカップでは昨シーズンよりアウトサイドでのプレーが増え、まさに3&Dな働きぶりだった。コートネームのトビはリバウンドに飛びついてほしいという願いからつけられたそうだが、そういうプレーだけでなく、スティール、アシストなどよりオールラウンドな選手に進化している。現時点ではポスト宮澤の一番手ではないだろうか。今回ピックアップした中で最も招集してほしい選手。

 

あらゆるオフェンス能力が高いWリーグのドンチッチ。大学でもシャンソン化粧品でもエースとして活躍しており、今から代表招集してアジアカップで機能するかとなると難しい面があるのも否定できないところ。3年後のエース候補だとは思うし、華があるというか華しかない選手なので、代表で活躍したら絶対世間一般の人気を集めると思う。

 

C

日本のセンタープレーヤーの中では幅があり、3ptシュートも得意とするなどプレーエリアも広い。なぜこの選手が代表に定着できないのかが不思議でならないが、性格的に優しすぎるのだろうか。代表ではどうも遠慮気味で自分を出せていない。また前所属のシャンソン化粧品時代含め毎試合フルタイムに近いくらい出場する選手で、途中出場・計15分前後の代表にはフィット出来なかった面はあるのかもしれない。今なら若い選手が多く、彼女自身の調子も良さそうなので、再チャンスを与える価値は十二分にある。

 

トヨタ自動車移籍後プレーの幅を広げているが、キャプテンに就任した今シーズンはさらに進化。昨シーズンはプレーオフ含めた23試合で2本しか放っていない3ptシュートを今回の4試合では毎試合1本ずつ放ち、うち3本を成功させている。またインサイドにオールラウンダーが多いトヨタ自動車でクイックネスが鍛えられ、インサイドにダイブしての得点も増えるなどシャンソン化粧品時代にチームメイトだった谷村選手のプレースタイルに近づいている感もある。

2018年春以降はフル代表から遠ざかっているが、トヨタ自動車移籍後は怪我の再発もしておらず、フル代表でも期待したい選手だ。

 

  • 三間瑠依(アイシン)

この選手こそまさに私のイチオシです!東地区チームのファンの皆さんはほぼ知らないと思います…

恵まれた体格を有し、小回りも効くセンタープレーヤー。昨シーズンアイシンで実質HCを務めた桜木ジェイアール氏の指導の下で徐々にプレータイムが増えて、才能が開花した。前が開けば臆せず3ptシュートも放っていく。今シーズンはさらに身体が引き締まり、完全覚醒への期待が高まっている(私の中で 笑)スプリント力が上がれば代表入りどころかポスト髙田まであり得る選手なので、是非注目してください!!

中川HCと清水トレーナーに懸かるところは大きいですが、ただ彼女を育てるだけだと来シーズンよそに引っこ抜かれるので(さすがにトヨタ自動車はないと思うがw)、チームも最低プレーオフには進む必要ありですね!

 

シャンソン化粧品在籍歴ありな選手ばかりになってしまったが、それだけ良い選手を獲り育てているということ。

 

まぁ追加招集や入れ替えがあるのかは分からないですが、これだけ良い選手がいるってことを知ってもらえればと。

(オータムカップで仕上がりの良さを披露したシャンソン化粧品から誰も代表に選ばれないのは困るので1人は追加招集してもらわないといかんです)