Wリーグ2021-22 第6週 トヨタ自動車、アイシン

トヨタ自動車×トヨタ紡織

  • game1 87-62
  • game2 63-66

トヨタ自動車の魅力と脆さが両方見られた2戦。18-19シーズンのこのカードを彷彿とさせた。

トヨタ自動車の凄みはフィジカルレベルが段違いなこと、選手層の分厚さにある。乱暴な言い方をすれば3ptシュートを打つなりドライブで切り込むなりローポストに預けるなりボールをゴールに近づければシュートが外れても・打てなくてもリバウンドやルーズボールから得点を量産できる。ペース配分とか全く考えず常に120%のプレッシャーディフェンスで相手を制圧できる。山梨戦や東京羽田戦のgame1はまさにそういう試合だった。

シャンソン化粧品戦では組織的なディフェンスに苦しみ、2戦とも前半はビハインドで折り返した。しかし戦況を見極めたモンデーロHCが後半開始時にコートインした選手たちが流れを変え、2戦とも最終的には10点以上の差をつけて勝利している。モンデーロHCの采配はお見事だったが、トヨタ自動車にしか出来ないゲーム運びとも言える。

 

トヨタ紡織とのgame1では凄みと選手各々の特長が融合し、立ち上がりから圧倒した。全14選手が出場し、13選手が得点を決めるなどワンサイドゲームとなった。

そのトヨタ自動車でも噛み合わない時はとことん噛み合わない。開始3分でトヨタ紡織のコーチにテクニカルファールが与えられるなど不穏な空気漂う中でトヨタ自動車の選手たちは冷静に戦うことが出来なかった。不可解なオフェンスファールのジャッジが相次ぐ中で審判と戦ってしまった。その中で強引なドライブが目立った。

トヨタ紡織も1戦して相手の感覚を掴み、堅固なディフェンスを築いた。佐坂選手のソハナ選手封じは今後他チームもトヨタ自動車対策の1つとして使ってくるだろう。外に押し出されるときのプレーの選択肢が少なく、ドリブルするとトラベリングを取られることが多いソハナ選手を無力化すれば彼女を起用しているときのリバウンドの優位性が低下し、その後も使いにくくなる。また三好選手を徹底マークした髙橋選手のディフェンスも見逃せない。

後半はトヨタ自動車が迫るが、東藤選手がスキルフルなプレーを連発。山本選手も負けじと鋭いクロスオーバーからのステップバック3ptシュート。残り1分頃からはリードしてるトヨタ紡織が3ptシュートを打たせまいとファールゲームを仕掛けるなど2020年2月以来となった関西でのWリーグ開催でファンの皆さんにとっては見どころ満載な試合だったのではないだろうか。

 

トヨタ自動車は皆がリーダー、エースのチームだが、自分たちの戦い方ができない時や審判と戦ってしまっているときなど気持ちが高ぶりすぎている時にどう心を整えるかが課題。新旧キャプテンの河村選手、三好選手、今シーズンはシックスマンとしてロールプレーヤーとしてチームに貢献している長岡選手がフロアバランスを整えているが、彼女たちがよりリーダーシップを取っていってほしい。劣勢時にチームを落ち着かせる存在も必要。

と色々言ったもののシーズンの中でこういう試合も時にはある。今一度整理して、皇后杯制覇へ、二冠へ向けて邁進してほしい。

 

 

デンソー×アイシンf:id:antelopes_7_12_23:20211123192602j:image

  • game1 85-65
  • game2 71-63

デンソーアイリスの、いやWリーグのビッグボス髙田真希選手が存在感を見せつけた2戦だった。game1は23分ほどの出場に留まるも20pt、3ptシュートは3/3。game2は32分出場で30ptの荒稼ぎ。ドリームチームズでは髙田選手を選択するとポイントは計算できる(ただし他の4選手の選択肢が極端に狭まるw)

余談はさておき、屈強なフィジカルでインサイドを制圧するだけでなく、アウトサイドシュートの精度も年々上がっており、高レベルで安定した結果を残せる選手である。

 

試合展開はいうとgame1は髙田選手のプレータイムが短めだったことが示すとおりデンソーが堅いディフェンスをベースに盤石の試合運び。アイシンも日立ハイテク戦と比べると格段に良くはなっているが、ディフェンスリバウンドを取れず、セカンドチャンスで決められるシーンが目立った。デンソーはイージーシュートを落とすこともなくしたたかさな戦いを見せ、アイシンは抵抗できずに40分が過ぎてしまった。

 

game2でもデンソーが3分で10-0のラン。前日に続き危なげない試合を見せるかと思ったが、アイシンもこのまま引き下がらなかった。江良選手、米谷選手を中心にアグレッシブなオフェンスで得点差を詰めていった。

しかし同点、逆転までは持っていけない。そうこうしてるうちに髙田選手はベンチに下がって英気を養う。戻った時にはエナジー全開。対するアイシンは再び点差を離されて慌ててしまい、前半残り3分はミスが目立った。デンソー13点リードでの折り返し。

3Qは互角の展開。アイシンのディフェンスがよく、ショットクロックオーバーを何度か誘発していたが、クォーターの締め方が上手かったデンソーが15点リードに広げた。やはりしたたかだ。

そして4Qへ。3ptシュートが決まり始めたアイシンが追い上げを見せるも2Qに続き残り3分でミスを連発し、8点差まで詰めるに留まった。

 

アイシンは良くはなっている。2戦連続40分フル出場という高校バスケのような起用をされた江良選手には胸を打たれた。前週までプレータイムに恵まれなかった米谷選手、三間選手の活躍も光った。

勝ち方を知っているデンソーと負け癖がついているアイシン。結局はこの差になってしまうが、勝利という結果・自信を手に入れらればアイシンはガラリと変わるのではないかと思う。

次週は皇后杯だが、対戦相手はまたしてもデンソートヨタ紡織時代は一発勝負に強いイメージがあった中川HCに秘策はあるか。怪我人の復帰はあるか。リーグ戦のリベンジに期待したい。