Wリーグ2021-22 第9週 トヨタ自動車×ENEOS game2

game1が27点差、game2は31点差と2試合ともトヨタ自動車が圧勝という予期せぬ結果だった。その最大の要因は采配力。戦力としては同等、190センチ前後の選手が3人いる圧倒的な高さを考えればENEOSが上といっても良い。しかしこれだけ点差がついてしまったのは相手の弱いところを突けるトヨタ自動車と自分たちの強み(ツインタワー・ツインシューター)に固執しすぎたENEOSの違いだろう。

まず前日にあの負け方をして同じスタメンで臨むことが信じられない。渡嘉敷選手は捌けるしスクリーナーとしても機能するがあくまでフィニッシャー。そして梅沢選手がファールトラブルになり、代わりにコートに立ったのがヤシン選手。この時点で無策を露呈してしまっている。岡本選手をPGにする、あえてシックスマンにする、宮崎選手・岡本選手・髙田選手同時起用でスピード強調、渡嘉敷選手3番ポジションでトリプルタワーなど素人が思いつくだけでも色々あるのに…

無策で倒れて、決着がついても若手選手にチャンスを与えない。「負けが財産になる」とはいうものの、さすがにこの2敗から立て直して優勝する姿が想像できない(組み合わせの妙でトヨタ自動車と当たらなければ可能かも)今シーズンはこの戦力のまま。HC交代は考えられない。考えられることとすればトム・ホーバス氏をアドバイザーとして招聘するくらいだろうか?笑

時代は変わっている。吉田亜沙美さんはいない。宮澤選手は移籍した。藤岡選手が一度引退したときの言葉が響きますね。。

上位の一角で良いのなら今のままで構わないだろう。学閥とか人のネットワークを大切にしているのかもしれないが、2位が許されない組織をずっと構築していたのではないか。なら世界的名将とまでは言わないまでも普通に策を打てる指揮官にすべき。

 

連勝したトヨタ自動車、相手が変化してこなかったのでgame1のやり方を継続。キーパーソンに川井選手と髙田選手を挙げたが、全くキーにならなかった(笑)

game2はそこまで出来が良かったわけではない。死闘から休養日なしでさすがに身体が重く、前半はシュート成功率がやや低かった。1Q残り1分からの中田選手、宮崎選手(バスケットカウント)がスピードを活かした得点でビハインドになってからはENEOSのペースだった。2Qは単騎攻めばかりになる悪癖が見え始め崩れかけたが、山本選手、ステファニー選手が3x3仕込みの暴力的なフィジカルを活かしてタフショットを決め続け、踏み留まった。そして上手くファールももらいながらジワジワと点差を広げ、game1のように躍動出来ていなかった三好選手が前半のうちに3ptシュートを決めることが出来た。これも大きかった。

前日の発言が効果を発揮したのか(?)ジャッジがトヨタ自動車寄りに見えたが、ジャッジの有利不利など吹っ飛ばすトヨタ自動車の破壊力が見られた。その中でもソハナ選手の存在感!名将の下で判断スピードが段違いな選手たちと日々トレーニングしているので、それはそれは成長する。解説の藤井美紀さんも驚きの声を挙げていた。元々ショートコーナーからのシュートは上手い。加えてgame1で捌けるところを見せており、ファストブレイクにも対応していた。相手としてはお手上げ…さらにはウォーミングアップを見る限りでは河村選手の復帰も近そうで、フロントコートの厚みが増す。ここまでくると何と形容していいのか分からない笑

3Q早々に試合は決着を見たが、モンデーロHCはENEOSを徹底的に叩きのめしたかったのだろうか。1Qの出来にも納得できておらず、試練を与える意図もあったか。手綱を緩めず、スターターが長く出場した。ただ一番の課題はガードのタイムシェアが出来ていないこと。このままでは対デンソーは難しくなりそうだ。ステファニー選手のガードを試す価値があるかもしれない(苦笑)

 

安定感、山本選手・三好選手の過労と課題はあるが、皇后杯の悔しさを晴らし、リーグ連覇の期待を膨らませる2試合だった。