Wリーグ2021-22 第9週 デンソー×東京羽田 game2

デンソー●74-79○東京羽田

この試合はダラダラとお正月を過ごしている中で何となく見ていたが(笑)、前半は「今日もデンソーが勝ちそうだな」と思いながら見ていた。実際にデンソーが6点リードで折り返している。後半東京羽田が追い上げを見せ、3Q終了時には東京羽田8点リードに変わった。最大14点くらい差がついたと思うが、終盤デンソーも粘りを見せて、最終5点差。今季初黒星となった。

主要因として髙田選手欠場を挙げる方は多いが、同じく欠場となった前週の三菱電機戦では2勝、東京羽田とのgame1も勝利している。よって要因の1つではあるかもしれないが、主ではないはず。ここを探りたいので少し真剣に見直してみました。

 

立ち上がり稲井選手のシュートタッチがよく、デンソーが主導権を握った。と思いきや東京羽田もオフェンスに改良が見られ、得点を重ねていく。今までは各駅停車なパス回しからの打たされたミドルシュートか単騎アタックで何とかすることが多かったが、軸丸選手が常に動いてパスを受けて出している。周りも連動しオフボールの動きが活発化し、自然とパススピードも上がっている。チームで作り出してのショートコーナーからのミドルシュートドライブイン、そして外が空いて3ptシュートとバランスのいいオフェンスを展開した。スコア上ではデンソーが前に出ていたが、十二分に戦えていた。

そしてデンソーは稲井選手が5分ほどで2ファール、交代を余儀なくされた。これが1つの敗因かと思ったが、高橋選手がアグレッシブなプレーで見事にカバーし、6点リードで2Qへ。そのエナジーを継続出来ればデンソーらしい勝利が見られたはずだが、不思議なものである。2Qではゲームをコントロールするはずの高橋選手のボールタッチが減った。本川選手がハンドラーの役割を担い、近藤選手がサポートし、高橋選手は消極的なプレーに終始した。その中でもアウトサイドシュートは決まっており、9点リードで東京羽田がタイムアウト。普段なら渡部選手投入で整えるところだが、リードしてるからか動かなかった。タイムアウト明けもリードはしているものの流れは良くなく、近藤選手→篠原選手、本川選手→近藤選手、高橋選手→木村選手と頻繁に交代。色んなラインナップを試す・若手を育てる意図を感じた。裏を返せばこの試合に絶対勝つというチームとしてのモチベーションはやや低かったかもしれない。

一方の東京羽田はgame1でデンソーの特徴を掴み、game2の1Qで手応えを感じたか。パススピードをさらに上げ、ハードショウをいなして、3ptシュートを仕留めていった。1Qから点差は縮まらなかったが、東京羽田のテンポのいいオフェンスが目立った2Qだった。

2Qの流れそのままに小笠原選手の連続3ptシュートでデンソーを捉えると津村選手の飛び込みリバウンドからのバスケットカウントで完全に東京羽田の流れに。その後も本橋選手の華麗なパス、レイアップなど東京羽田の好プレーで沸き、会場の雰囲気も東京羽田を押しているようだった。デンソーのハードショウと赤穂さくら選手のアジリティが噛み合っていない点も露呈された。あの守り方をするなら畠中選手や園田選手を使った方がいいのかもしれない。

4Qの出だしでも津村選手が3ptシュートを決め、津村劇場で11点差。デンソーが2分でようやく4Q初得点も東京羽田がクイックリスタートから澁谷選手が右コーナーから3ptシュートを沈め、実質これで勝負ありだったのではないか。ここまで相手に流れを持っていかれてから渡部選手ら3選手を投入しても時既に遅し。この交代自体は成功で追い上げて、東京羽田がタイムアウトを取ったが、明けての東京羽田オフェンスで3ptシュートを決め、ダメ押し。デンソーもさらに粘りを見せ、篠原選手の激しいディフェンス、本川選手の3ptシュートなど執念を感じ取ることはでき、現時点で今シーズンのナイスゲームベスト3に入ると思う。

 

とツラツラと書いて、デンソーの敗因をまとめると…

  • 2Qで消極的になった高橋選手を使い続けたこと
  • 試す・育てる意図からチームとしてこの一戦に懸ける気持ちがやや弱かったこと
  • 東京羽田のモチベーション、スカウティング

ってところだと思ったが、見直すとなんだかんだ主要因は髙田選手不在だと感じざるを得なかった。それだけ髙田選手の存在は偉大で、得点、リバウンドなどアスレティック能力だけでなく、背中で引っ張れる選手。五輪銀メダルと2回のアジアカップ優勝を経験した赤穂ひまわり選手が殻を破り、髙田選手のようなオーラを手に入れてほしい。

髙田選手がいないから負けたと言われることはデンソーアイリスに関係する全員が悔しいはずだが、怪我やアクシデントはいつ起こるか分からないし、いつか引退する。ポスト髙田真希としてひまわり選手に期待したい。