Wリーグ2021-22 第15週 トヨタ自動車×デンソー

game1 トヨタ自動車●64-69○デンソー

game2 トヨタ自動車○66-57●デンソー

 

game1はデンソーのランで幕を開けた。ボールがよく回り3ptシュートも決まると、さくら選手がソハナ選手にスクリーンを掛け続けマークのズレを作り出し、トヨタ自動車を揺さぶった。そしてひまわり選手・本川選手がスピードのミスマッチを突いてリードを広げた。トヨタ自動車タイムアウトを取らず選手たちで打開。山本選手の3ptシュートなどで息を吹き返し、逆転して2Qへ。ここからは抜きつ抜かれつの展開が続いたが、前半最後の最後の場面でセルビア軍隊式で鍛えられた(わけではないだろうが鍛錬されている)デンソーのディフェンスが集中力を欠き、同点での折り返し。

 

引き続きどちらのペースとも言えない試合。3Qではトヨタ自動車は宮下、永田選手がフィジカルの強さを活かしてバスケットカウントをもぎ取るなど奮闘。
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デンソーも髙田選手、ひまわり選手を中心にインサイドを攻め立て、同点で4Qに突入。
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ここからは殴り合い。いや、守り合い・我慢比べだが、その中で冷静さを保ったデンソーが一枚上手だった。

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残り6:32でのタイムアウト。マルコビッチHCはお冠な様子だったが、そこからゾーンディフェンスを敷き錯乱。トヨタ自動車は悪癖が出てしまった。

ターンオーバーが続き、↓のさくら選手が

ティールからの得点で事実上決した。


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40分トータルで見るとトヨタ自動車が(トヨタ紡織戦game2のように)極端に悪いわけではなかった。3ptシュートアテンプトを18本に抑えて三好選手、山本選手にリズムを作らせずインサイドでの肉弾戦でイージーシュートを打たせなかった(2ptシュート成功率はわずか25%)デンソーのディフェンスが上回ったと言えるだろう。

 

game2はトヨタ自動車が立ち上がりからエナジー全開なディフェンスを見せた。攻→守の切り替えが速く、game1で見られたトップの位置でオープンの選手を作ってしまうこともなく、打たせない・インサイドに入れさせないエグいディフェンス。デンソーは為す術なく、単騎攻めが続いた。どんなスポーツでも攻守一体、良い守備が良い攻撃を作るなどと言われるが、この日のトヨタ自動車もまさにそうで、オフェンスでもステファニー選手、ソハナ選手が華麗なアシストを連発するなどノリノリ。2Q半ばで三好選手がディープすぎる3ptシュートを決めたところで私はトヨタ自動車の勝利を確信した(結果はそんなに甘くはなかったが笑、game1では良い流れの中でもそう思えることがなかった)

デンソー・マルコビッチHCもそう思ったのか近藤選手の負傷交代も影響したのかは分からないが、先を見据えた采配に打って出た。木村選手、クンバ選手を投入し、徹底的にハイ・ロープレーを仕掛けてきた。この2選手は同学年で大学ではしのぎを削ってきた間柄。また木村選手の妹はクンバ選手と同じ拓殖大学に在学しており、特徴等聞いていたのかこれも分からないが(笑)、息の合ったプレーを見せていた。と感じたが、河村選手の絶妙なポジショニングと山本選手(or川井選手)のカバーリングで阻止。とことんうまくいかなかったデンソーだが、木村選手の気迫溢れるプレーで後半に望みを繋いだ。気持ちよく3ptシュートが決まるとドライブの力強さも3割増しになる三好選手の突破を止めようと身を挺したディフェンスを見せたかと思えば、大学の先輩でもある7,8センチ大きな永田選手相手に1on1を仕掛けてのターンシュート。41-18と点差は開いていたが、勝利を確信した私の気持ちは下がるとと共にデンソーは後半何かやってくるぞと思わされた。

案の定何かやってきたデンソーの前に攻めあぐねたトヨタ自動車。山本選手に対して髙橋選手がフェイスガードで翻弄。フィジカルモンスターにしてスピード、クイックネスも抜群な山本選手があれだけ守られるとリズムが狂うのは必然か。そして今度はディフェンスで流れを作ったデンソーが猛反撃。ひまわり選手の3ptシュートが連続で決まるなど前半終了時に23点あった差が13点まで縮まり、4Qを迎えた。

4Qはトヨタ自動車が点差を考え時間を上手く使ってゲームクロージングしていってるように見えたが、またまた悪癖が見られる場面も。その中でエブリン選手のドライブインルーズボールがステファニー選手の前にこぼれて、ショットクロックギリギリでの3ptシュートが決まった。デンソータイムアウト明けにも三好選手の3ptシュートが決まり、ジ・エンド。

 

2Q半ばまでの展開を考えると正月のENEOS戦のように大差で勝っても不思議ではなかったが、最終9点差まで縮めたのはデンソーのしぶとさ。game2では敗れはしたもののデンソー強し!と思わされる2試合だった。近藤選手の負傷は気掛かりだが、2試合で13選手がコートに立ち、大一番を経験できたことは収穫。特に髙橋選手のディフェンス力はプレーオフでも大きな武器となるだろう。控えPGにあれだけエネルギッシュにプレーできる選手がいると稲井選手、本川選手は常に100%を出せる。

 

トヨタ自動車はスターターとベンチメンバーの戦術理解度に差が開き始めて、選手層厚いようで厚くない状態になっているのが懸念材料。長岡選手が欠場、game1では梅木選手が負傷、ここ数年連戦で星を分け合っている相手に対して連敗は許されないなど考慮すべき点はある。また敗れたトヨタ紡織とのgame2ではオフェンスで穴となっていたソハナ選手のレベルアップが著しい。

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ハイポストからドライブで猛突進、合わせのパス、元々得意としていたショートコーナーからのシュートはさらに磨きがかかっている。ディフェンスではスピード対応にはさすがに脆さを見せるものの地上戦では絶対負けない(クンバ選手もマルコビッチHCの指導でソハナ選手のように進化を遂げるかもと考えると恐ろしいです……)

オリンピアンに加えて高い身体能力とそれだけに頼らない強力ビッグマンがいたら固定したくなるモンデーロHCの気持ちもめちゃめちゃ分かるんですよ…ただ7〜8人でのローテーションではプレーオフを勝ち抜くのは難しくて、それはトリノスアソシエイトHCが率いていた18-19シーズンに痛感したこと。。

パスセンス抜群の川井選手にはもっと我を出してほしい。パスとディフェンスで繋ぎ役にしかなれていないのが現状。これは引退が近いベテランガードの仕事。パスセンスを活かすにはドライブや自らシュートを打っていくことが必要で、game1で梅木選手が見せたような強引さを!結果負傷してしまったが、ああいうゴリゴリ感がないとトヨタ自動車では生き残れないし、それによって彼女のパスセンスがより活きて、チームとしても3ptアテンプトを増やすことが出来るのではないか。

宮下選手やデンソー戦では何故か出番が全くなかった平下選手も同様。オリンピアンとソハナ選手は偉大だが、控えに甘んじていてはトヨタ自動車に入った意味がないのです!!

アイシン戦で色々と試すとは思うが、そこでアピールしまくってプレーオフではローテーションに入ってきてほしい。期待している!