Wリーグ2021-22 セミファイナル トヨタ自動車×シャンソン化粧品 game1

シャンソン化粧品は李HCがベンチ入りできず、鵜澤ACがHC代行を務めた。コーチングスタッフからは緊張の色が伝わってきたが、選手たちはのびのびとプレーしていた。トヨタ自動車も約1ヶ月ぶりの試合となったが、普段通りの入り方が出来ていたと思う。しかし1ヶ月空くとどうしても狂いは生じてしまう。ボールファンブルや合わせのパスが合わないシーンが前半何度か見られた。3ptシュートは1/10。それでもスイッチしても1on1で守り切れるインテンシティの高いディフェンスと徹底してインサイドへアタックし、10点リードで折り返した。

冒頭に貼ったハイライト動画にも入っているが、エブリン選手がゴール下で待ち構え、さらに後ろからステファニー選手が飛んできて、ブロックショットなんて相手からしたら絶望的な気分になりますよね…ソハナ選手含めてまさに擁壁。以前富山グラウジーズでジョシュア・スミス選手らビッグマンのことを立山連峰だとか名付けられていたが、トヨタ自動車インサイドにも誰か名付けてください笑

それはさておき、ディフェンスでリズムを作ったトヨタ自動車ペースになった中での小池選手の闘志あふれるプレーは素晴らしかった。

1Qの終わり方を見るとシャンソン化粧品に勢いがつきそうだったが、流れを渡さず、川井選手がこの試合前半唯一となる値千金の3ptシュート!トヨタ自動車移籍後最高の笑顔を見せた(どなたか撮ってませんか?笑笑)

レギュラーシーズンでは2Q半ばの3ptシュートで事実上決着した試合を何度か見た。実際この試合でも川井選手の3ptシュート後にシャンソン化粧品タイムアウトを取ってもなおトヨタ自動車の勢いを止められず、15点差まで開いた。それでも𠮷田選手のディープスリー、鮮やかなカッティングなど自分たちのオフェンスを取り戻し、食い下がった。三菱電機デンソーを下して勝ち上がってきた力は本物であることを証明した。

8点差まで詰め、後半に向けてさらに勢いをつけたかったが、その目を摘んだのは闘魂ディフェンス。ガードの山本選手がセンターの佐藤選手の動きを封じると三好選手がスティール。シャンソンの前半ラストオフェンスの機会を奪って、最後はステファニー選手が得点。15点差以上あってもおかしくない展開だったが、それでもこの前半の終わり方を見て私は勝利を確信した。

そして迎えた後半。モンデーロHCは三好選手ではなく乗っている川井選手をコートに送り出した。まずはスターター5人で後半もというHCは多い。ましてや三好選手は前キャプテンで、レギュラーシーズンで大活躍していた。今シーズン限りでの引退も表明している。セオリーにも情にも左右されず、勝利の可能性を高めるための采配が出来るのが世界的名将なのだろう。

選手層で劣るシャンソン化粧品はインテンシティの高い相手に対して後半は動きのキレを失ってしまった。川井選手が2本の3ptシュート、ソハナ選手のバスケットカウントなどトヨタ自動車がオフェンスショーを展開。3Q半ばで完全決着をみた。

ヒロインインタビューはステファニー選手が受けていたが(34分出場・19pt・10reb、トークも上手いので当然)、個人的にはMVPは川井選手。シュート、パス、ドライブ1つ1つのプレーに迷いがなく、シックスマンの役割を全う。移籍後ベストパフォーマンスだった。

 

2連覇する上では馬瓜姉妹の負担をもう少し軽減させたいところ。プレーオフなので内容とかタイムシェアとか言ってられないのは分かるが、負担かかりすぎると気持ちが入りすぎて、セルフィッシュになってしまう面があるので…復帰した長岡選手に期待したいところ(表情が穏やかすぎて、ファイティングスピリッツが戻っているのか心配だが…苦笑)宮下選手もENEOS戦、デンソー戦では随所に持ち味を出しており、もっとやれる選手のはずだ。

また3ptシュートは結局5/19と低調のまま試合を終えた。三好選手は0/4、3pt以外も含めて得点0だった。しかしここは全く心配していない。彼女はこのまま終わる選手ではないから!1本決まれば彼女もチームも乗れる。

ファイナルに導くのも2連覇に導くのも三好南穂だと思っているし、惜しまれつつ華麗にコートを去っていく姿しか想像できない。