■サッカー界にも吹いた「がばい旋風」(スポーツニッポン)
■佐賀北、甲子園Vに続きサッカーも“がばい”…全国高校サッカー第3日(スポーツ報知)
主役候補がまた…中京大中京初戦で涙(日刊スポーツ名古屋)
上記3紙は戦前の予想では表現こそ違えど中京大中京を「格上」と評している。
またスポニチは「タレント集団」、日刊名古屋は「(今大会の)主役候補」と表現している。
しかしこの試合を見ていて、過大評価ではないかと思った(実際負けているんだが)。
これらのメディアの評価が高校サッカーの実態に即したものだとしたら、正直高校サッカーのレベルは低いと言わざるを得ない。
Jユースサハラカップで2回戦敗退のチームでももっとレベルの高いサッカーをしていたのだから。
話を中京大中京に戻す。
愛知県大会の決勝はスタジアムで観たが、守備陣は1年生時から全国に出場していた早坂を中心に統率が取れており、他のメンバーも経験豊富だ。
また高校生としては皆体格がよく、大崩れはしないチームだろう。
一方攻撃陣は心許ないと思った。
伊藤了のスピード、足元の技術は評価できるが、他はお世辞にも「タレント集団」と言えるレベルではない。
配球の中心が早坂であり、攻撃の組み立てがしっかり出来ておらず、伊藤の特長を活かせていない。
県決勝では伊藤と相棒の都築を走らせ、後半相手が疲れてきたところで早川、加藤を投入し、点を獲れていたが、全国では通用しなかった。
しかし中継での道家歩監督の談話では「後半勝負でいい」というそれで勝てると思っていたかのような発言があった。
前半を戦って、無理だと分かったのか県決勝より早いタイミング(後半頭から)早川を投入してきた。
同じく中継での道家監督の談話の中で「大会前に選手が有頂天になっているところがあった」というものがあったが、有頂天になっていたのは監督かもしれない。
前線にターゲットマンもおらず、「必然の負け」だったと感じる。
ただ日刊名古屋の記事にあるように主力選手の大半は強豪大学に進学してサッカーを続けるようで、個々の能力自体は評価されているようだ。
良い指導者・ライバルに恵まれて、才能をさらに伸ばしてもらいたいものだ。
一方大会前決して前評判の高くなかった津工業。
■津工 “バルサ効果”で快勝 全国高校サッカー選手権(中日スポーツ)
■津工FW中野が勝利呼ぶ2ゴール(日刊スポーツ名古屋)
今日の3回戦も勝利し、準々決勝まで進出した。
2回戦で津工を初めて観たが、チームで一番背の高い選手が178cmで、160cm台の選手が大半という決して体格面で恵まれたチームではないが、皆非常にアグレッシブである。
運動量が多く、遠目からでも積極的にシュート打っていく。
OHの松葉、飯田に関しては常に前を向いてドリブルで仕掛けていく姿勢があり、粗さもあるものの観ていて気持ちよかった。
今日の3回戦の先制点は津工の真骨頂と言えるものだった。
右SB佐々木がFW中野にくさびのボールを入れ、佐々木はスペースへ走る。
中野はスルーし、松葉が受ける。松葉はそれをワントラップでパスし、それを受けた中野が決めたものだった。
好調時のヴァンフォーレ甲府を観ているようで、フィジカルや技術で劣っていても戦えるというサッカーの奥深さを改めて感じた今年のお正月である。