イスタンブールの怪奇 〜女子バスケ日本代表W杯出場権獲得〜

準優勝だったアジアカップから川井、星、オコエ、栗林の4選手が外れてこのメンバー。f:id:antelopes_7_12_23:20260315203053j:image

栗林選手は今回も候補に入っていたが辞退、赤穂選手は負傷、林選手はコンディション不良があり招集されるも離脱。リトアニアでの直前合宿には都野選手、梅沢選手も帯同していたようだが、選考外となった。町田、山本、平下、朝比奈の4選手が加わったが、新顔と呼べる存在はおらず、ゲインズHCとしてはアジアカップでの戦いに手応えを感じていたのだろう。

 

勝てば官軍とは言うものの、今回に限ってはその言葉は使いたくない(笑)内容についてもそこまでちゃんと見てないから語れない(笑)、うちの子が世界の舞台で活躍してたのは嬉しいですねぇ(・∀・)

それはそれとして全体的には昨シーズンのうちの対富士通、デンソー2巡目のように良い試合しても勝ち切れないってのが見ててまぁ辛かったですよ……日本代表の公式戦ともなるとこの経験を糧に次の大会で雪辱とか言ってられないしね…

と3連敗後に思ってたら結果的にそれが糧になってW杯出場権を獲得したと…何が起こるか分からないものです(笑)アジアカップ優勝で既にW杯出場権を獲得していて、さらにこの予選の1位も決めてる中で最終戦まで本気で戦ったオーストラリアに敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。

 

とはいっても今回疑問に思ったことは各国リーグのシーズン中に行なわれるW杯予選(以前は夏に行なわれる大陸別選手権がW杯や五輪の予選を兼ねていた)に対して適切な強化体制が取れていたのだろうか。

Wリーグが2部制になり試合のインテンシティ、レベルが格段に上がり、開幕からバイウィークもほぼなく選手は疲弊している中で長期の事前合宿は適しているのか。選手間競争の期間も長くなるので精神的な負担も大きい。

私は選手のコンディション、調子を見極め、チームとしての約束事を定めて、モチベーションを高めていざ決戦へ!ってのが現代的な代表監督の仕事だと思っているが、日本女子バスケの上層部は過去の栄光から脱却できてない。東京五輪後は他国のレベルアップが顕著だが、それに対してスカウティング、コンディションなど万全なチーム体制が取れていたのかも疑問が残る。

 

 

一方なでしこジャパン(サッカー女子日本代表)は来夏開催されるW杯への出場を決めた。かつての女子バスケのように大陸別選手権がW杯予選を兼ねている。アジアは日本・中国・韓国・北朝鮮・オーストラリアとその他の実力差が大きく、日本はそれらの国と対戦せずしてW杯出場権を獲得した事情がある。手放しでなでしこジャパンを褒め称えることは出来ないが、監督・選手の環境や与えられた条件に適応して戦う賢さ、したたかさは女子バスケ日本代表には無いものだと思う。選手の大半は海外組、先の島田氏のnoteにもあるトルコ代表のように試合3日前に集合して試合をすることもある。アジアの女子バスケ界とは違いシーズン中にも強化試合があり、今回のアジアカップは今までよりは練習期間は長かったようだが、それでも開催国のオーストラリアでの現地集合から1週間ほどで大会初戦を迎えている。

その中で規律正しく、要所要所で個々がイマジネーションを発揮して戦っている。特に目を引くのは攻→守の切り替えが非常に速いこと。上手い選手たちがサボらない、かといってガムシャラに動き回ってるわけでもない。賢くハードワークをしている。

サッカーとバスケでは競技特性が異なる。最近のサッカーではゴールキーパーとセンターバック以外は小さくても細くても世界レベルの選手は多数居るが、バスケは基本大きいが正義なスポーツ。同列で語ることはできない面はあるが、日本の女子バスケ界は代表チームの強化体制、Wリーグの在り方など根本的なところを見直すところまできていると思う。そして選手はガラパゴスなところからどんどん海外挑戦して欲しい。Wリーグの企業チームは待遇が良いので、なかなか難しいところはあるだろうが、梅沢選手のようにシーズンオフに海外チームで武者修行することも出来る。今シーズンENEOSに所属したアシュテン選手はこのあとメキシコリーグのチームでプレーするようだ。3x3でスキルや判断力を磨くことも出来る。バスケの世界なら多様な形がある。

ヨーロッパでさらなるステップアップを図るものだと思っていた選手が2年で帰国し再びWリーグでプレー、オーストラリアでプレーしているため強化合宿にフルで参加出来ず落選、ヨーロッパの最前線でプレーしている選手が日本代表にフィットできないなど冒険の道を選び成果をあげた選手が割を食う世界であってはならない。続く選手がどんどん出てくる世界であって欲しい。

なでしこジャパンもリオ五輪の出場権を逃してから10年ほどかけて、若い芽も出てきてようやくここまできた。日本女子バスケ界は今回何とかW杯出場権を獲得できたものの、これから我慢の時代が続くだろう。山本麻衣選手が日本のエースである間に復権することを願っている。

終わりなき旅 〜皇后杯後のトヨタは怖い〜

2024-25シーズンのトヨタ自動車WリーグレギュラーシーズンでENEOSに4戦4敗。4敗目から中3日で行われた皇后杯準々決勝でもENEOSと対戦し、この試合ではトヨタ自動車が勝利した。

その逆パターンは当然恐れていたから声に出さなかった。一方で今シーズンのトヨタ自動車ENEOSを4戦とも叩きのめしている。4戦目から皇后杯は約2週間経っているし、準々決勝から中0日の準決勝での対戦。ENEOSが準々決勝で対戦した日立ハイテクは今シーズンフューチャー(2部)で戦っているが、プレミア(1部)だった昨シーズンより豪華な戦力を擁する強敵で先を見据えた戦いは出来ない。実際40分ずっとクロスゲームの大接戦だった。

恐れつつもどこかで決勝に進む心づもりをしてしまっていたが、ENEOSのリバウンドメンタリティが上回った。特にトヨタ自動車デンソーでもチームを初タイトルに導いた馬瓜エブリン選手のクラッチタイムでの勝負強さは圧巻だった。

一方のトヨタ自動車はこの試合のようなクロスゲームを今シーズン経験しておらず、コーチも選手も接戦の緊張感、大舞台の緊迫感に対応出来なかった。

では試合の中身について少し振り返っていきたい。

今シーズンのトヨタ自動車らしさ全開の入り方だった。手足を動かした激しいディフェンスからスピード感溢れるペイントアタックで圧倒。特にこの試合では平下選手が走って打って躍動した。1Q残り2分あたりからシュートチャンスで迷いが生じ始めたが、それを振り払うように2Q開始時に投入された岡本選手が7秒後にいきなり3ptシュートを決める一発回答。12月はやや調子を落としていたがここにきて復活!同じく途中出場の三浦選手も続いた。

残り7分あたりから徐々に流れが悪くなってきたが、ENEOSも得点は伸びず。その中で先にENEOSタイムアウト、これはラッキーだと思ったが(バスケットLIVEの解説栗原三佳さんもそう仰っていた笑)、結果として流れはENEOSに傾いた。そこからトヨタ自動車タイムアウトを取らなかったことは疑問。点差はなかったが、宮崎選手のスティールからのワンマン速攻、プレッチェル選手の3ptとやられ方はよくなかった。相手のゾーンディフェンスを攻略できず、オフェンスもチグハグだったので、流れを切りたかった。

今シーズンのトヨタ自動車は安間選手、山本選手依存だった昨シーズンから一変し色んな選手が活躍するし、コート上の選手たちで解決・対応できるチームだが、選手を信頼しすぎたか。結局前半で使ったタイムアウトはラストオフェンス前の1回のみ。相手にも休息、作戦を与えるタイムアウトではあるが、使える策は使い切るべき。ラストオフェンスにしても5秒あればいくらでも得点の可能性はある・3点じゃなくてもいいので、ロングシュートではなくスピードスターを揃えたりビッグラインナップにしたりアイディアが欲しいところ…ゾーンディフェンスにハマってしまった2Q残り5分ほどを考えると3点ビハインドで済んだのはよく耐えたとも言える。

 

3Qの立ち上がり、ENEOSの得点が伸びる。トヨタ自動車もゾーンディフェンスのギャップを突いて平下選手、永田選手の得点で食らいつく。しかし依然迷いが感じられるプレーが多かった。スクリーンでズレを作れない、PGがボールを持つ時間が長くリズムが生まれない。その中でも三浦選手、小野寺選手が個の力で打開し1点差に詰めて4Qへ。

4Qも拮抗した展開、トヨタ自動車が一歩前に出る時間帯もあったが、ああだこうだ語る必要はない。

エブリンあんたすげぇよ…!

この一言に尽きる…チームの調子が決して良くない中で元日に千葉から名古屋まで来て初打ちバスケなるイベントやってるのにちゃんとコンディション整えて、リーグ戦で4連敗した古巣相手に大仕事するだもん…最後のスリーだけでなくその前のショットクロックギリギリでの3ptシュート、ミドルシュートのダメージかなり大きかったです。。。

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ご覧の通り試合を決めたのは馬瓜エブリン選手だったが、クロスゲームは勝てば官軍負ければ賊軍感がより強くなる。もしトヨタ自動車が勝ってたら、ENEOSはゾーンディフェンスやりすぎたってなるわけですよ(笑)

トヨタ自動車としてはこの試合調子の良かった平下、岡本、三浦の3選手を後半長く使うべきだった。怪我人がおらず、準々決勝シャンソン戦では全13選手出場で10選手が得点。皆調子良いので難しい判断だし、7人ローテとかだとそれはそれで不満、批判、文句が出てくるし(笑)、実際大神HC1,2年目はその辺りへの不満は私自身もたっぷりあったが(笑)、タイムシェアに拘りすぎる・コート上の選手に任せすぎるのは凶と出る場合もある。

ここから選手もコーチも這い上がっていくしかない。現在スペインのチームでプレーしている元トヨタ自動車の馬瓜ステファニー選手も「皇后杯後のトヨタは怖い」と言っている。リーグ2連覇した時も皇后杯は獲れていない。特にリーグ初優勝の20-21シーズンはベストメンバーには程遠いENEOS相手に優勢に試合を進めながら屈辱の逆転負け。そこからチームの結束力を高めて、リーグプレーオフで雪辱を果たした。

ここからの3ヶ月はシン銀河系軍団になれるか強いけど脆いチームと扱われるかの分岐点だろう。

 

高ければ高い壁の方が

登った時気持ちいいもんな 

まだ限界だなんて認めちゃいないさ

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攻撃は最大の防御 〜WUSG 女子バスケ準々決勝 中国×日本〜

このチームが好きで好きでたまらないのだが、準々決勝の敗戦により今大会を公式配信で見られるのはこの試合のみになってしまった(このあと順位決定戦があるが配信無し、グループステージも無かった)

前回書いた通り私はA代表の一部メンバーが好きではないのだが(笑)、皮肉にも(?)そのA代表のスタイルが正しいと言わんばかりの結果だった。攻撃は最大の防御である。

小笠原HCも及第点を与えているが、日本らしいアグレッシブでタイトなディフェンスだった。疲れが見えた4Q半ばからはオープンで3ptシュートを打たれるシーンが増えてしまったものの、中国のターンオーバーは23を記録している。

オフェンスも1Qは三浦選手、舘山選手のダイナミックで流動的なプレーから3ptシュート、ミドルシュート、カッティング、ドライブインなど多彩なパターンを見せた。しかし2Q以降両エースがフィジカルなディフェンスで封じられ、苦しい中でシュートまで持っていっても決め切れなかった。

 

ベンチメンバーの不調も誤算だった。大脇選手の果敢なアタック、佐藤選手の身体を張ったディフェンスはチームにエナジーを与えたが、山田選手、藤澤選手が繋ぎ役にもなれず…前半のうちにもう少しプレータイムを与えてあげて欲しかったが…樋口選手が負傷して戻れなかった4Qで小笠原HCは三浦選手にゲームコントロールを託したが、山田選手は誰よりも悔しい思いをしたはず。この経験はきっと彼女を強くすることだろう。またインサイドも今月上旬に台湾で行われたウィリアム・ジョーンズカップ(以下ジョーンズカップ)から田中選手の調子が上がらないままだった。

※粟谷選手は何らかのアクシデントだろうか…?絈野選手はジョーンズカップでも5試合ともDNPだったが、他の選手と入れ替えは出来なかったのか…?診断書作成できるレベルの負傷とかじゃないと認められないのかもしれないが…

朝比奈選手が#23Yutong選手をよく守っていたが、残り5分で限界に達してしまった。

 

アジャスト能力にも差があった。中国は前半体格差を活かして、Yutong選手のポストプレーを中心に仕掛けるも粘り強いディフェンスでオフェンスファールやトラベリングを誘発し、フラストレーションを溜めさせることに成功。しかし後半はシンプルなハイロープレーで得点を重ねてきた。前半はフィジカルコンタクト、後半は足を使わされて疲弊。

一方の日本は両エースが封じられるも打開策を見いだせず、朝比奈選手、大脇選手に頼り切ってしまうジョーンズカップの台湾A代表戦と同じ流れに。

 

実力の拮抗した相手とクロスゲームで最終5点差の接戦だったが、もし明日この中国と当たったら必ず勝てる!と言えるほどの相手ではない。小さいようで大きい差を感じた一戦だった。

 

A代表選手以外は海外チームと戦う機会はなかなかないだけに貴重な経験となったことだろう。舘山選手、朝比奈選手以外にもA代表に加わっていきそうな選手が揃っている。今後の所属チームでの活躍に期待したい。

スポーツ観戦はエンターテイメント 〜女子バスケアジアカップ決勝T〜

試合をする選手、監督、コーチにとっては仕事であり、戦いであり、代表チームだと(五輪は特に)国民の期待を背負って臨んでいる。勝てば官軍、負ければ賊軍の世界である。

ファンからするとエンターテイメントであり、勝つだけでなく美しく魅了して欲しい、○○選手が活躍して欲しい、こういう戦術が見たいなど口うるさくなる(笑)

なので(他の人どうか知らないが)どれだけ結果を出そうが嫌いな選手、監督、チームってのは存在する。どうしても認めたくないんですw結果を出せず悔しい思いをしてバッシングも乗り越えて、完全アウェーの中での大勝利に導き、大会ベスト5に輝いても認めたくないんですw

スポーツ、ましてやフィジカルコンタクトを伴うバスケットボールの特性的にけが人は出やすいが、目の前で倒れて痛んでる選手がいたら、たとえ故意じゃなくてもファール取られてなくても心配するそぶりくらいするのが人間だと思う。スポーツマンシップとか求めてないけど、例えば熱中症で倒れてる人を見かけたら救急車呼んだり水持ってきたりするじゃないですか。そういうことせずに「私なにも悪い子としてないもんっ!」って態度取る選手は嫌い!!!

 

個人的な怨念みたいなものはここまでにして(笑)ゲインズHCのスタイルについてアジアカップを見て思ったことをいくつか…(あんま真剣に見てないけどw)

たぶん彼も恩塚前HC同様日本女子バスケの概念を変えようとしている。恩塚氏は反復練習して体で覚え込ませる、コーチが作り上げた戦術を忠実にコート上で表現するスタイルから状況に応じて選手が指示を待つことなく臨機応変に対応できるチームを目指していた(と思う 笑)

ゲインズHCはある選手がホーバス元HCと恩塚前HCのハイブリッド型と評していたが(記事を見た記憶)、型にはまったやり方をするタイプではないように思う。そしてアジアカップを見ていて次のように感じた

  • オフェンス重視
  • 省エネスタイル
  • ターゲットを絞る

日本の女子バスケでは戦い方としてディフェンスからブレイクを掲げるチームが多い。もっというと日本のスポーツって守備からリズムを作るみたいな考えが強いと思うが、ゲインズHCはあくまでオフェンス、失点しても倍返しすればいいってスタンスではないのかと。ディフェンスに体力使いすぎないようにって考えもあるのかも?

そのために速い選手、走れる選手よりもディフェンス苦手でもオフェンススキルの高い選手・とにかく得点力のある選手、勝負所を理解している賢い選手を重用している。

渡嘉敷選手と思考が似ているのだろうか。本気出すところと(言い方悪いが)手を抜くところがハッキリしていて潔い戦い方をする。だいぶ格下のデンマークと引き分けて、アジアカップでもレバノン、フィリピンに大苦戦。しかしデンマーク戦はあくまで強化試合。アジアカップにしても何点差だろうが1勝は1勝。渡嘉敷選手が昨シーズンから所属しているアイシンもレギュラーシーズンではひたすら弱かったけど🤐皇后杯入れ替え戦では鬼気迫る戦いを見せていた。

準決勝中国戦のディフェンスにしてもそう。時々2m超えの超ビッグマンが2人そびえ立つ相手に対して前からプレッシャー、ビッグマンにボールを入れさせないってのがこれまでの日本女子バスケの概念だったが、ガードの体力を残したかったのだろうか。そこまで激しく当たらず、あえてインサイド勝負。5バックでリトリート的な形だろうかw

本気モードの渡嘉敷選手に髙田選手、宮澤選手、さらには栗林選手、オコエ選手と揃えたのは中国戦でインサイド勝負に持ち込むための作戦だったのかもしれない。それにしてもあのデカい相手にまともに仕事させなかったことは賞賛しかない。

中でも宮澤選手は言葉では現せない活躍ぶりだった。日本代表からは宮澤選手が大会ベスト5に選ばれて欲しかった。ルーカス・モンデーロHCもそう言っているし(笑)、データ上でもチーム内でEFF1位。得点だけでなくリバウンド、さらにはアシストも多く、最強のオールラウンダーへと進化している。髙田選手含めてブリスベンまで代表の主力でいそうと改めて感じた次第…!

 

優勝こそ逃したものの一定の成果を挙げた今回のメンバーがW杯予選でもベースになっていくだろう。本職PGが2人居たら安定感は増すだろうし、秘蔵っ子たちもよりのびのびとやれると思うが、よく考えると例えば町田選手や安間選手、山本選手が秘蔵っ子たちの控えを受け入れられるかという問題が出てくる。誰にでもタメ口な物怖じしない性格(マイルドな言い方w)のエースが実績・経験豊富な選手とうまくいくのが想像できないwもしくは小池選手入れて背番号36にして外見で相手を惑わせるのもありかもしれない(もっと揉めるイメージしか沸かない←)

都野選手、樋口選手など経験値が同格の選手ならあるかもしれない。ゲームをコントロールできてクラッチタイムで自分に求められる役割を理解してチームを勝たせられるPGが絶対必要だが…パスが合わない、ピックアンドロールが機能していなかったのも気になった点。

バックコート陣は良くも悪くもスマートな選手なので、トランジションで先頭切って走れる・カッティングの上手い選手やスタッツに残らない部分で泥臭い仕事が出来る選手も1人くらい居て欲しい。オフェンススキルの多彩さは絶対求められる要素なので、舘山選手、三浦選手あたりは候補に入るだろう(舘山選手は既にゲインズ体制で出場歴あり)

長年代表で活躍してきた赤穂選手とて絶対ではなさそう。内尾選手、平下選手も候補だろう。

 

アジアカップ準優勝だったのでW杯予選はガチな闘い。今回からどう戦い方、メンバーが変わっていくか。なんだかんだ楽しみwわざわざブログ書いてるくらいなので好きではあるw

失われた日本の特長 〜女子バスケアジアカップGS〜

コーリージャパンもニルス・ニールセン監督率いるなでしこジャパン⚽も順調な滑り出しから一転苦しんでいる。後者はワールドカップ予選が来春(?)なのでチームを作っていく段階なのだろうが、前者はそうも言っていられない。育成や世代交代は必要だが、まず結果が求められる。アジアカップで優勝すればW杯にストレートインできる(=W杯予選には参加するが強化試合的な使い方ができる)

まだグループステージが終わった段階ではあるが、ここからどう上げていくのかが見えない3試合だった。

 

ポジションレスバスケを掲げ、田中選手、今野選手を重用している。田中選手は日本のPG・SGの選手の中ではサイズがあり、1回のドリブルで長い距離を運べる。今野選手サイズがありハンドリング、アウトサイドシュートが上手く、ゴール下でフィジカルコンタクトを受けてもシュートに持っていくアイデアが豊富で2人とも才能ある選手である。どの監督にも志向する戦い方、好みの選手などあるのだが、ポジションレス、田中選手・今野選手にこだわりすぎて日本の特長が失われているように思う。時期尚早の選手を使い続けることで才能を潰してしまうことだってある。ニールセン監督も「常に新しい選手は探しています。ただ、早く呼びすぎて力を出せないケースもあります。」と話しており、実際に段階を踏んで若手選手や代表経験の少ない選手を試している。

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=173560

 

日本の特長とは何か。

3ptシュート、今や世界共通です。トランジション、オーストラリアもフランスも速いです。ヒット&ファースト、サイズやフィジカルで劣る日本にとっては当たり前のことです。私が思うのはスピードと粘っこさです。

ドライブで切り裂くスピード、ポゼッションが入れ替わった瞬間に走り出す反応のスピード、マークにつくスピードなど走る速度だけでなくあらゆる速さ。前からプレッシャーをかけること。そしてそれらを40分やり続けること。

前述の田中選手、今野選手、レバノン戦・フィリピンで大活躍の薮選手が2人以上同時にコートインしてるとスピードと粘っこさが格段に下がる。またこの3選手がコートインしている時に渡嘉敷選手も相性はよろしくない。中継・配信で解説を務めた宮崎早織選手が何度も「もう少しプレッシャー掛けたい」、「もう一人走りたい」と言っていたことが印象的だったが、今まで日本の女子バスケでは当たり前に出来ていたことが疎かになっている。簡単に縦を割られるディフェンス、リバウンドを取ってオフェンスに転じようにも走ってる選手が居ない・少ない。さらには本職PGが川井選手のみで、彼女もプレータイムが多いとは言えない状況でフリーの選手にパスが渡らないことも多々あった。これも宮崎選手が何度も「○○選手空いてる!」と言っていたが、本職PGの重要性、ゲームコントロールの難しさを感じた3試合だった。今後の代表活動では本職PGを2人入れて、オプションとして田中選手や今野選手のようなスコアラータイプがハンドラーを務めるべきではないか。町田選手や安間選手がいればもっとシンプルにボールを回して日本の良さを活かしたオフェンスができると思うが、HC自ら難しくしてしまっているように感じた。

 

タイムアウトは前半2回・後半3回使える、交代策が前任者と大して変わらない、舘山選手、三浦選手はユニバーシティゲームズよりA代表で良かったのではないか、赤穂ひまわり選手の不在が痛い(これはゲインズHCではなくデンソーのHCが悪い…)グループステージ1位突破なら次戦まで中3日、2位でも中2日あるのになぜ出し惜しみしたのかなど言いたいことはたくさんある……経験豊富なコーチなので期待していたが、オーストラリアの後半失速しての敗戦は選手との信頼関係が一気に崩れてしまう恐れもある(HCが自らの責任と認めているようではあるが)

ゲインズHCの初陣を見て、コミュニケーションの取り方は上手いし、ここから一丸となって立ち向かっていってくれると信じたい。そして優勝して欲しい・1つでも上の順位を目指して戦って欲しい。川井選手、星選手、東藤選手をもっと使ってほしい!特に東藤選手のディフェンスは唯一無二なので!

 

他にも今回書こうとしたネタを準備していたが、面倒くさくなってきたので最後に1つだけw

髙田選手、宮澤選手は2032年ブリスベン五輪まで日本代表の主力選手ではないかと思うくらい凄みを増している。朝比奈選手、田中平和選手などがいるが、まだまだ…

髙田選手や宮澤選手が2,3年以内に「体力の限界…!」となるくらいに若手の突き上げが欲しい!!

カオスからカオスへ 〜コーリーJAPAN始動〜

一般市民の生きる世界で例えば勤務先の部長が交代したからと言って短期間で劇的に組織が変わることってないと思う。農林水産大臣が交代したら備蓄米が一気に放出されたが、声の大きな人が強引なことをしないと短期間では変わらない。

しかしスポーツの世界では指揮官が代わるとチームの雰囲気も戦術も一気に変えられるし、才能を開花させる選手がいれば冷遇されてしまう選手もいる。見る側としてはそれがスポーツの面白いところである。

 

なでしこJAPAN(サッカー女子日本代表)はパリ五輪後にニルス・ニールセン監督が就任した。初の外国籍監督、デンマーク人である。この方とにかく陽気。なでしこJAPANをリスペクトし、日本人選手の特長が活きるサッカースタイルを志向している。選手のモチベーションを高めて、ミスを恐れずチャレンジしていこうというところを心掛けているようだ。

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池田太前監督も選手から熱男と呼ばれる熱血漢だったが、怪我等で理想の選手が揃わない中でだんだんと相手の長所を消すリアクションスタイルになっていってしまった。より高みを目指す為に取った選択だったと思うが、見ていて面白いのはニールセン監督のサッカー。選手たちもやる気に満ちている。

 

恩塚亨前HC、見た目は教授。東京医療保健大学で女子バスケ部をゼロから立ち上げて強豪チームに育て上げ、並行して女子日本代表でもアナリストを務めて実績を築き上げた。日本女子バスケのスタンダードを変えようと代表HCに就任したが、ファンから見ても選手とのコミュニケーション不足。理想を押し付けてしまった感があった。2023年アジアカップ準優勝、パリ五輪はグループステージ3戦3敗での終戦、残した結果だけを見ると失敗である。

 

ようやく本題に入るw

 

バスケ女子日本代表にはコーリー・ゲインズHCが新たに就任した。

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彼も陽気でポジティブな雰囲気がメディア報道やSNSを見ていても伝わってきたが、オーガナイズされたカオス、ペイサーズのようなバスケは私には正直イメージが沸かなかった。あえて言うなら彼の経歴的にホーバス氏に近いスタイルなのかと思ったが、まさにオーガナイズされたカオスだった。

従来日本女子バスケはスピード、クイックネスが特長とされてきた。ホーバス氏が赤穂ひまわり選手をSGで起用した時期もあったりしたが、基本バックコートは速い選手が掻き回してフロントコートは泥臭く粘り強く戦うスタイル。ゲインズHCはそこを継承しつつも全員にハンドリング、状況判断力を求める。人もボールも見ている人の心も動かすムービングバスケットボールである(古い&伝わらないw)

ポジションレスで全員がオールラウンダーで隙あらばアタックする。恩塚氏の理想もこういう感じだったのかなと思うが、それを2週間強で落とし込んだのは豊富な指導経験が為せる技なのだろうか。

格下相手の試合しか見ていないので正しい評価はまだまだこれからだが、恩塚氏の3年間があったからこそ選手たちもスムーズに入れたのかもしれない。あの3年間があったからこそすごい経験をしている30代の選手がさらに進化しているし、成長しようとしている若手と切磋琢磨できているのではないだろうか。

なので失われた期間とか無駄な3年だとか恩塚氏を全否定する人は間違ってると思っている。


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ポジティブな雰囲気だろうが一体感があろうが勝てる保証は無い。対戦国のスカウティングが進んだ時にサイズやフィジカルで劣る日本がどう次の手を繰り出していくか。負け始めたら今の良い雰囲気を維持出来ない可能性だってあるが、その時にリーダーシップを取れる選手がいるか。

なでしこJAPAN、コーリーJAPANいずれにも言えることだが、苦難や試行錯誤を経て今があるので、ここから再び登っていける気がする。

ロサンゼルス五輪で日本を、世界を驚かせることを期待しています。

フィジカルよりメンタル 〜バスケ皇后杯 トヨタ自動車は決勝進出ならず〜

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今シーズンのリーグ戦でトヨタ自動車ENEOSに4連敗。3,4戦目は皇后杯ファイナルラウンド直前の週末にトヨタ自動車のホームタウンである愛知県豊田市で開催され、多くの観客が詰め掛けたが、2戦とも勝利を届けることは出来なかった。そこから中3日での皇后杯準々決勝でもENEOSとの対戦となったが、下馬評を覆す勝利で準決勝進出を果たした。

準決勝の相手はアイシン、リーグ戦ではトヨタ自動車の2戦2勝。共に快勝で特に1戦目に関しては3Qで試合の大勢が決まり、アイシンは諦めて主力選手を休ませるほどだった。しかし準決勝では下馬評は覆され、アイシンが勝ち上がった。

同じ相手に何度も負けてられないという反発心からだろうか。準々決勝のトヨタ自動車も準決勝のアイシンも今シーズンベストゲームだと思う(アイシンはあんま見てないけど笑)

前回の当ブログでフィジカルの重要性を説いたが、一発勝負のトーナメント大会やプレーオフともなると一番重要なのはメンタルなのかもしれない。

その一方で富士通はリーグ戦で連勝しているデンソー皇后杯準決勝でも勝利し決勝進出を果たしている。リバウンドメンタリティを跳ね返した富士通の強さは偉大である(後半テミトペ選手がファールトラブルになったところでソハナ選手を投入していたらデンソー勝てたのではと思うがさてはて…)

私は2018-19シーズンからWリーグなど女子バスケを見ているが、ENEOSや銀河系軍団の頃のトヨタ自動車のような憎たらしい強さは富士通には無い。普通に安定的に強いんですよ、何よりも美しくて華麗で多くの人に慕われるスタイルなんですよ、それが憎たらしいんですよね←

 

それはさておきトヨタ自動車の準々決勝、準決勝を振り返ってみます。準々決勝のポイントとしては

  • 星選手に自由を与えなかった
  • 2人目で狩り取る
  • 早い球離れ

あたりが浮かびました。

星選手、直近のリーグ戦では2戦とも2桁得点の活躍だったが、準々決勝では0pt、アシストも2に留まっている。一方で主に星選手のマークを担っていた山本選手はリーグ戦では土曜日0pt、日曜日も8ptに留まっているが、準々決勝では14pt・5ast。世界のYAMAMOTO完全復活を印象づけた。

リーグ戦ではENEOSインサイドプレーヤーに対するペイントエリアでのディフェンスはダブルチームが主体だったが、どうしてもファールが増えてしまう傾向があった(ENEOS戦に限らずの話ではあるが)準々決勝では2人目のディフェンダーがヘルプにいくのか曖昧な位置取りをし、チャンスと見るや一気に寄って狩り取りオフェンスに繋げるスタイル。不用意なファールも少なく、攻守一体の攻撃的なバスケを展開できていた。サイズで劣るトヨタ自動車の理想形ではないか。

ハーフコートオフェンスでは球離れがよく、シンプルなピックアンドロールや合わせのプレーから得点を積み重ねた。相手の得点後の切り替えを早くし、安間選手が鋭いドライブから得点するなど一瞬の隙を突いたプレーも光った。局面局面で見ても2Qタイムアウト明けの連続3ptシュート、3Qは得点が伸びなかったがリバウンドは確保し崩れず、4Q出だしの連続スティールなどこのチームの良さが随所に出た試合だった。

ENEOSは長岡選手がチーム最多の得点、リバウンドなど奮闘したが(トヨタ自動車の銀河系軍団時代はエブリン選手、ステファニー選手、宮下選手、ソハナ選手、河村選手とチームメートだったとか恐ろしいチームだったと改めて…苦笑)ルイスHCの采配には疑問符をつけざるを得ない。選手を信頼しすぎたのかとにかくタイムアウトが遅かった。48年ぶりの準々決勝敗退らしいが、そこは良くも悪くも外国籍指揮官ゆえか。チームの伝統や実績よりも優先したいものがあっただろうか。それが自分の哲学なのか長い目で見たチームビルディングなのか4戦4勝の相手だから油断や慢心があったのか何なのかは分からない。

トヨタ自動車としてはこれ以上同じ相手に負けられない状況でリーグ戦から中3日で修正、対策の手を打ったコーチングスタッフ含めたチーム全員の強い気持ちが結集した勝利だった。

 

準決勝、ポイントとしては

  • 固かったトヨタ自動車
  • 強い気持ちを見せた渡嘉敷選手
  • ヘッドコーチチャレンジ

でしょうか。

トヨタ自動車は試合開始直前のスタメン選手たちの表情が固かった。2Q途中まではオフェンスリバウンドが取れず、二次攻撃三次攻撃を仕掛けることが出来なかった。試合を通してシュートがショートすることも多かった(横山選手、三浦選手が出場できずプレータイムが長くなり疲労もあったのだろうが)山本選手が完全復活していなければもっと早めに試合は決着していたかもしれない。

一方のアイシンも体力面で厳しく、準決勝の立ち上がりでの負傷もあった吉田選手を長く使わないと成り立たないチーム。戦術渡嘉敷を遂行する上で吉田選手は欠かせないので…その戦術渡嘉敷も真新しいことや大胆な仕掛けをしているわけではないのだが、絶対的な高さと経験があり、周りも彼女たちを活かすためのプレーを会得している。そして渡嘉敷選手が勝ちたい、チームの歴史を変えたいという強い気持ちを見せて、周りを牽引した。トヨタ自動車から終始固さが取れなかったのもその気持ちに圧倒されたからかもしれない。

(アイシンに移籍しなくてもENEOSで実現できたことだとは思うが、どこかで誰かと気持ちのすれ違いが生じたのだろう)

56-56で迎えた4Q残り5秒、ルーズボール争いでトヨタ自動車ポゼッションがコールされたが、アイシンがヘッドコーチチャレンジ。これが成功しアイシンポゼッションに変更→アイシンタイムアウト→フロントコートからのオフェンス。この時点で吉田-渡嘉敷の絶対的ホットラインのあるアイシンに優位性がある。リーグ戦では1Qでヘッドコーチチャレンジを早々に使ってしまうこともあったチームだが、この試合ではここまで残していた。

ラストオフェンスでパスを通した吉田選手、一度止められてもねじ込んだ渡嘉敷選手、ルーズボールに飛び込んだ近藤選手、チャレンジを残していた梅嵜HCなどなど戦術渡嘉敷を遂行したアイシンが一枚上手(うわて)だった。

結果論ではあるが、アイシンラストオフェンスの時のトヨタ自動車のラインナップ、守り方は一工夫出来なかったか…スタメンの5選手で真っ向勝負を挑んだが、スロワーの吉田選手に幅があり手も長いパレイ選手をつけたら吉田選手は面食らったかもしれない。どんな手を打っても渡嘉敷選手に託すのは間違いないのでトヨタ自動車で一番のビッグラインナップにして渡嘉敷選手にトリプルチームで対応とか。

結果論なことは分かっているが、もっと足掻いて欲しかったなと…分かりきった作戦に対して真っ向勝負で挑み、その作戦を完遂されてしまうのは見てて何だかんだ切なかった…もしアマカ選手がいたとしても同じ結末だっかもしれないのだけど……

 

明日の決勝は富士通×アイシンとなった。リーグ戦では4戦とも富士通が圧勝しており、チーム完成度や選手層、疲労度など富士通優勝しかイメージ出来ないが、渡嘉敷選手が言うとおりアイシンの選手たちは決勝の舞台を楽しんで欲しい。

と優等生キャラ演じてみたけど、あれだけヘロヘロだった渡嘉敷選手に最後やられて負けた悔しさはなかなか忘れられないし、やっぱうちの子たちが決勝の舞台に立って欲しかったです………