アンマンの奇跡 〜女子バスケ日本代表アジアカップ5連覇〜

日本女子バスケ界の真価が問われた今大会。五輪で銀メダルを獲得したのだからアジアでは優勝が求められる。準優勝以下なら「髙田も宮澤も渡嘉敷もいないチームではダメか」、「ホーバスHCの手腕あってこそ」などと(メディアが)言われるのは必至。女子サッカーでは澤、宮間、女子バレーだと竹下、木村といまだレジェンドたちの名前が出てくる。それが我が国である。

実際恩塚HCは大会前に「目標は優勝しか考えていない」と語っており、五輪メンバーを残しつつ次世代の若手を抜擢し、楽しみな面はあった。しかしいったいどれくらいの人が優勝が可能だと思っていただろうか。2m超えのセンタープレーヤー2人など五輪メンバーが9人出場した中国は五輪でもベスト8に留まったことが信じられないくらいの強敵。平均身長はなんと186センチ!近年は日本の後塵を拝しており、並々ならぬ闘志で挑んでくるはず。韓国も五輪メンバーが多く残った。オーストラリアは総入れ替えされたが、サイズで日本を大きく上回っているチーム。韓国、オーストラリアに勝って決勝進出して、10点差負けくらいでの準優勝なら上出来と考えていた人が多いかと思う。

 

グループステージは選手もベンチも脆さを見せつつ、3連勝。準決勝では五輪のチームと遜色ないハードなディフェンスを終始やり続けて、オフェンスは恩塚HCが掲げる5人がシンクロする形が増えてきた。銀メダリストたちのメンタリティも他の選手に浸透しており、ロースコアで推移し、一桁点差で4Qを迎えられれば十二分に5連覇を掴み取るチャンスはある。そう思わされた恩塚JAPANの進化だった。

ここまできたら五輪含めたこれまでの戦い同様ビハインドをも楽しむしかない。

しかし中国は立ち上がりから日本の心をへし折る勢いでインサイドを攻めてきた。#14李選手に徹底的にボールを集め、得点を稼いでいく姿は五輪決勝を思い出すものだった。日本は3分ほどでタイムアウトを請求。そこからディフェンスのプレッシャーを強めて、インサイドフィードを封じるとオフェンスでは宮崎選手が獅子奮迅の活躍。中国としてはスピード違反と言いたくなったのではないだろうか。

 元ネタはこちら↓

[今日の言葉]「あれはスピード違反にならんかなあ?」快足永井が衝撃“Jデビュー” | ゲキサカ 

宮崎選手に牽引されて、他の選手たちにも勢いがついた。FIBAランキングだけでなく戦力的に見ても格上を相手に先手を奪われても全く怯まず立ち向かう姿を見て、これだけファイトしているなら負けてもいいと思ってしまうくらい胸を打たれた1Qだった。

山本選手が馬瓜選手を思わせる豪快なドライブ(というか突進)からバスケットカウント、東藤選手は最年少とは思えない冷静なプレーを五輪同様に見せた。先輩たちが抜かれたところをカバーするディフェンスは百戦錬磨のベテラン選手のような貫禄だった。西岡選手、宮下選手も限られたプレータイムの中でファイトした。ベンチの選手たちは審判から注意を受けるくらい熱く戦っていた。

中国は苛立ちを隠せずにいたが、それでも宮崎選手を封じて、日本の得点を止めにかかった。高さで優位に立つインサイドだけに頼らずガード陣が果敢にペイントアタックをし、日本はファールが嵩んだ。

36-39、3点ビハインドでの折り返しだが、むしろ日本としては望むところだ。

 

後半はディフェンスのプレッシャー強度をさらに上げてきた。ダブルチームで効果的に中国のビッグセンターを封じ込めた。山本選手のカバーからのスティールは圧巻だった。中田選手はオフェンスリバウンドを取り切れなくても常に身体をぶつけて自由を与えなかった。昨シーズンENEOSでは渡嘉敷選手や中村選手と日々練習し成長を遂げた彼女の存在によってインサイドのタイムシェアが可能になっていた。

サイズ、幅で劣るのなら相手が嫌がることをやり続けなければ道は拓けない。2年前の五輪予選では渡嘉敷選手とのマッチアップでイライラが募ったキャンベージ選手がテクニカルファール2回で退場になったことがあったが、そういう愚直に嫌がることをやり続ける姿勢は男子の日本人ビッグマンも参考にしてほしい。

中国は3ptシュートが決まり始め、日本は林選手、赤穂選手が徹底的に封じられ、3Q後半は得点が伸びなかった。その中でもリバウンドやフリーランニングなど目立たないところで頑張り、踏ん張った。ディフェンスでのコミュニケーションミスから3ptシュートを決められ、3Qの締め方としては悪かったが、まだまだ5点差。一進一退の展開で決勝に相応しい息詰まる熱戦が繰り広げられていた。

今大会全試合で4Qのスコアが相手を上回っている日本の研ぎ澄まされた集中力が大舞台でも見られた。試合が決着したのはもっともっと後だが、日本の流れを確かなものにしたのが馬瓜選手が3ptシュートにファールを受けた場面。これだけでも中国としてはやってしまった…という感覚だったと思うが、FTを3本とも決め、直後にオコエ選手も決めて、一気に1点差。さらにファールを受けた時とほぼ同じ位置から今度は決めきって逆転。勝負強さを発揮した(ガッツポーズがもう少しカッコよくなるとなお素敵)

中国としては3Qラストでダメージを与えたはずなのに3分で逆転されたのは痛恨だっただろう。その後もクロスゲームだったが、中国が2点以上のリードとなる時間はなく、日本はそれまで肉弾戦で奮闘していた中田選手がコーナーから切り込んでレイアップを決めるなどオフェンスにバリエーションが出てきた。

そして迎えた残り44秒。この日再三良いコンビネーションを見せていた宮崎選手とオコエ選手のラインでバスケットカウント。その後は守り切り、ファールゲームをされてもFTを外さず、5連覇を達成した。

※この試合は全クォーターの中で4Qが一番得点が多く、失点も一番少ない。驚異の事実を1日経って確認し震えている。

 

出だしの3分は大敗も覚悟したので、最後宮崎選手がFTを決めても信じられない気持ちがあったが、若手中心のメンバーでの5連覇には大きな価値がある。

(ムチ打ちの)痛みに耐えてよく頑張った!感動した!

それはさておき(笑)、個人的には五輪より感動したし、五輪に出ていない選手にとっては今まで生きてきた中で一番幸せな日だったかもしれない。  

中国としては日本に負け続けており、お国柄を考えるとHC交代もあるか。いずれにせよ日本も中国も有望な若手が多く、向こう10年は強烈なライバル関係が続くだろう。

 

赤穂選手が大会MVPに選ばれ、赤穂選手と宮崎選手がベスト5に選ばれた。

赤穂選手は決勝では得点0だったが、前述の通り目立たないところで活躍しており、大会MVPなので誰も異論はないだろう。


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これは約2年前の写真。すごい選手で実際に前回のアジアカップでも活躍しているが、どこか頼りなさげで先輩たちに引っ張ってもらっている感じがあったが、時を経て五輪も経験して、頼もしい限りだった。

決勝トーナメントMVPなら宮崎選手、決勝MVPならクラッチシュートを決めたオコエ選手だろうが、馬瓜選手、林選手含めスターターの5人は誰がベスト5を受賞しても不思議ではなく、五輪同様スーパースターはいないがスーパーチームだった。

 

 

オリンピアンたちはこの数ヶ月で痺れる戦いを何度も経験して寿命が縮まったかもしれないが、すぐにWリーグが始まる。

今回の優勝メンバーがどれだけ来年2月のW杯予選に残れるか分からない。五輪にもアジアカップにも出場していないニューフェイスの台頭があるかもしれない。ベテランの復権もあるかもしれない。新たな戦いが楽しみでならない。

個人的に期待しているのはまず李選手やグライナー選手、グルダ選手のような超ビッグセンターに対してもう少しサイズで戦える選手が出てくること。昨シーズンはいずれも怪我に悩まされた渡嘉敷選手、梅沢選手、栗林選手といった190センチ前後の選手が代表入りに向けて競争してほしい。

3x3代表勢が今後定着できるかも見もの。トップから切り裂いてファールをもらえて、アウトサイドシュートの精度も年々上がっているステファニー選手はディフェンス力も高く日本では稀有な存在。姉エブリン選手の立ち位置を奪いそうだが、当然姉も負けていられない。ゲームメイクには課題を残した山本選手は得点力とフィジカルの強さを中国相手にも証明した。柔の本橋選手か剛の山本選手か、スコアリングガードの争いにも注目。今大会ではプレータイムに恵まれなかった西岡選手もこのまま引き下がるわけにはいかない。

 

リーグや選手の想いとは裏腹にチームを運営する大企業からこのムーブメントを活かしてそのままプロ化へ!みたいな勢いが感じられないのは残念だが、試合そのものは熱い戦い続きになること間違いなし!!日本代表選手を複数擁する昨シーズンのベスト4が優勝争いを繰り広げていくだろうが、台風の目となれるチームはいくつもある。ダイヤの原石もたくさんいる。応援するチーム、選手が定まっていなくても原石を探すだけでチケット代は回収できる。是非会場で、配信でご覧ください!

今シーズンから全試合実況付になるなど配信の質はかなり上がるはずです!

 

先の話として外国籍選手が解禁されるとさらなるレベルアップに繋がることが期待される。当然その外国籍選手や向こうの代表チームもレベルアップするだろうが、女子バスケ界において超個性的な戦いをする日本のスタンダードを日常的に経験したいと思う一流選手は多いのではないかと容易に想像できて、WNBA選手などが参戦すれば興行としても盛り上がるのではないかと思う。

 

今回も長く、話がどんどん脱線いってしまいましたが、もし最後まで読んでくださった方がいたら、誠にありがとうございましたm(_ _)m

女子バスケアジアカップ準決勝 vsオーストラリア

  • vsオーストラリア 67-65

オーストラリアは五輪からメンバーを総入れ替えしているチーム。勝たなければいけないチームだが、サイズがあり、シュート力も高い難敵。

日本は中2日で頭がリフレッシュされただろうか。オフェンスがテンポよく、アタックとパスの判断もよかった。ニュージーランド戦、韓国戦では持ち過ぎな感もあった山本選手も特長を発揮できていた。1Q終盤は余裕が生まれ、これまでプレータイムが少なかった選手たちもコートに立った。

しかし主力メンバーにはかえってプレッシャーになったか。2Qは一転リズムが悪くなり、外だけでボールが回り、オープンで構えるシューターを活かせず、苦し紛れのシュートが増えた。当然得点は伸びなかったが、山本選手のステップバックスリーなど個人技で食らいつき、ディフェンスでも粘り、離されずに折り返した。

オフェンスリバウンドを取り切れなかったこと、FT獲得回数が少なかったことは改善点だが、決して悪くはない前半だった。

 

後半は赤穂選手が大車輪の活躍。疲労が感じられる中で3ptシュート、ドライブ、カットイン、リバウンド、ブロックと躍動した。チームにエナジーを与え、全体的にペイントアタックが増え、FTを獲得できるようになった。ディフェンスにも波及し、プレッシャー強度が上がった。

ここぞの場面で3ptシュートを決めてくれる安定感ある林選手、4Qでギアチェンジ(ENEOSだけにガソリン補給?笑)した宮崎選手、キツい状況でも楽しむ馬瓜選手などなど皆凄かった!

中田選手のオフェンスリバウンドでの奮闘も見逃せない。取り切れることは少なかったが、オーストラリアにジャブを打ち続け、結果クラッチタイムではオフェンスリバウンドが日本にこぼれるなど優勢に試合を進めることができた。

 

オーストラリアも今回唯一のWNBA選手であるウィットコム選手の闘志は日本を苦しめた。WNBAプレーオフを終え合流即今大会となったようだが、準決勝進出決定戦のニュージーランド戦でも彼女の活躍がなければ負けていたという程チームを牽引していた模様。

日本はニュージーランド戦、韓国戦終盤同様40分間粘り強いチームディフェンスを貫き、後半はオーストラリアのターンオーバーが増えた。そこからの速い展開で上回った。

オーストラリアとしては優位にあるはずのリバウンド争いでガツガツ身体をぶつけられ消耗して、ボール運びでは常に前から当たられ、馬瓜選手や赤穂選手にドライブでアタックされ続けたら、ターンオーバーは増えるし、最後まで持たないのも当然か。。

 

試合終了直後嬉しいよりも安堵感を見せた林選手、(写真撮影以外では)今大会初めてといってもいいくらい満面の笑みを見せた恩塚HCの重圧は相当なものだと推測する。中国は五輪メンバーが多く残り、打倒日本の気持ちも強いようだが、ここまできたら皆が馬瓜選手のように楽しんでほしい。信念を貫いて戦い切ってほしい。

※でも永田選手や西岡選手ももっと使って欲しい…

女子バスケアジアカップグループステージ雑感

五輪で銀メダル獲得という快挙を成し遂げた女子日本代表。渡嘉敷選手ら主力と目論んでいた選手の怪我や引退によりスモールバスケへとマイナーチェンジを施し、それが見事にハマった。

ただ日本にはホームアドバンテージがあった。試合時の応援はなかったが、選手村に入らずナショナルトレーニングセンターに滞在。食事や気候などにも慣れている。また五輪前に強化試合を満足に組めなかったことは他国にスカウティングされにくいメリットもあった。特徴的な日本の戦い方、まして渡嘉敷選手不在のチームはさらに曲者で他国としては情報不足だっただろう。

 

今後は日本への警戒感が強まる。ステップアップが求められる中で恩塚氏がHCに昇格した。準備期間は約1ヶ月、銀メダルメンバーは5人いるがベテラン不在。代表歴少ない・初めての若手が何人もいる。経験を積ませる次世代の若手を育てる大会にしたいところだが(W杯予選出場権は懸かっているがアジア枠は4あり、勢力図を考えると5位以下はほぼあり得ない)、日本はアジアカップ4連覇中である。コーチも選手もこれを途切れさせるという不名誉なことはしたくない。

結果と育成を両立させることは難しいが、これほど究極に難しい大会はなかなか無いかもしれない。

というプロローグは置いておいて(←)、グループステージ3連勝で準決勝進出を決めました!

3試合を簡単に振り返ってみます

 

  • vsインド 136-46

格下相手ではあったが、3ptシュートがよく決まった。意図して3ptシュートの形を作るというよりはドライブやパスワークで切り崩す意識高く持ってオフェンスを展開していたが(シューターよりも打開力のある選手を並べる時間帯も長かった)、ボールムーブメントがよく、結果的に外でオープンの形を作れて、3ptシュートを打てていた。

3ptシュートとペイントエリアでのシュートと期待値の高いシュートに特化していたホーバス体制だったが、今大会では空けばどんどんミドルシュートも打っており、恩塚色を感じさせた。

Wリーグチームとのトレーニングマッチでは不調だった宮下選手、永田選手がフィットしてきたこともこの試合の収穫。

2シーズン前によく見た戦術宮下が久々に見られ(あれとはだいぶ違いますね、でも特長が発揮されてましたね)、永田選手は大学時代を思い出させる躍動感溢れるプレーだった。

ディフェンスはペイントエリア内での不用意なファールが多く、ボックスアウトも不徹底。髙田選手、長岡選手の偉大さを改めて感じた。トップの位置でのマークの受け渡しミス、ヘルプの遅れから3ptシュート打たれる場面も多く、相手のレベルを考えると失点は多い。ディフェンスには課題が残った

 

サイズ、フィジカルを活かしてインサイド主体で攻めてくる相手に対して連動したプレスでボールプッシュを遅らせた。ペリメーター付近ではドリブルを多く使わせて、タフショットを誘発。不用意なファールもなく、相手ターンオーバーや粘り強いリバウンドからファストブレイクの形を作り出せていた。特に1Q残り3:20頃からの山本選手、赤穂選手で切り崩して根本選手がコーナー3pt、セカンドチャンスを中田選手が決めた場面はNEWJAPANスタイルを感じさせ、最後の永田選手のパスから東藤選手がボールを残してレイアップシュートを決めた場面も綺麗な形であり、試合の締めくくりとしても最高だった。もっとこれらの形を作り出していきたい。

こうしてディフェンスは前日から修正し、速い展開も繰り出したが、ハーフコートオフェンスは停滞し、得点が伸びなかった。その中でインド戦ではプレータイム少なめだった馬瓜選手がらしさ全開のプレー。中をこじ開けてファールをもらい、打破していった。オコエ選手も外だけでなくトップから割っていくドライブや合わせからの得点。この2選手のフィジカルゴリ押しアタックが光った。中田選手もリバウンドで奮闘した。

インド戦前半では疲労か練習量不足かTV番組でのマラソンの影響か分からないが不調だった林選手は完全復調。安定感あるプレーを見せ、4Q立ち上がりのクロックぎりぎりでの3ptシュートは流れを手繰り寄せた。

ハーフコートオフェンスが停滞した要因としてドライブやパスで切り崩すことを意識してか手数をかけすぎた形が特に山本選手がPGの時に目立った。時にはシンプルにインサイドに収めても良いし、そのためには西岡選手を使った方が良いと思う。

東京医療保健大学以外では初めて指揮を執る恩塚HCも今大会は采配の経験値を高める場となる。1Qは5分経たないうちにスターターが全員ベンチに下がり、試合の流れは悪くなった。後半は比較的固定して戦い、安定したが、それでもインド戦で結果を出した宮下選手、永田選手がほぼ出番を与えられなかったのは疑問。先述の西岡選手も含めて肉弾戦に強みを出せる選手がベンチを暖めていたのは勿体なかった。

 

  • vs韓国 67-62

日本代表って勝てばいい、勝てば官軍。ましてこのチームは準備期間1ヶ月、新顔も多い中での戦い。なのでグループステージ3連勝・1位通過で100点なのです。

でも銀メダルで世間の見る目は厳しくなってるし、代表って色んなチームから選手が集まってそれぞれのチームのファンが見る。普段そのスポーツ見てなくても代表だけ見る人だっている。だから批判や批評、ネガティブなことも聞こえてくるが、女子バスケ代表がそこに仲間入りしたことは個人的には良いことだと思ってます(笑)

とはいっても一言でカオス、そして恩塚HCのメンタル面が心配である。

恩塚HCは大会前にメディアインタビューで「フリーランスにしすぎてカオスになってしまう。あるいはナンバープレー(セットオフェンス)をやりすぎてロボットになってしまう。そのどちらとも言えない状況のなかで選手自身が考えてプレーできる仕組みを、私たちがモデルになって作ることができたら」と語っていた。この考えは素晴らしいと思うが、韓国戦に関しては(ニュージーランド戦もですかね…)フリーランスにしすぎてカオスになってしまっていた。オフェンスが停滞していてもセットオフェンスはしない(なら宮下選手や永田選手使った方が個で打開できる力あるのに…)ショットギリギリであたふたする場面が何度もあった。1on1なのか、シュートなのか、ドライブなのか。ガードなのか、フォワードなのか、センターなのか。役割分担や決まり事が整理されていないように感じた。その中でグループ最難敵の韓国相手にタイトなディフェンスと中田選手、ステファニー選手中心にリバウンドで粘り、リードして折り返すことが出来たのは良かった。

3Qはさらにオフェンスが停滞し、韓国に逆転を許したが、4Qで宮崎選手にスイッチが入る。ボールプッシュを速め、赤穂選手、馬瓜選手のフリーランニングを活かした。自らも3ptシュート、レイアップ、ミドルシュートなど多彩なパターンでこのクォーターだけで12pt(たぶん 笑)

2年前の戦術宮下はどうかと思ったが、同じコーチに育てられた宮崎選手により戦術兵器ぶりは圧巻だった。

韓国は残り4分すぎから心身ともに疲労が顕著に現れ始めたが、そうなったのも日本のディフェンスあってこそ。相手の心身を削るディフェンスは指揮官が代わってもなお健在だ。林選手の言うとおり日本のディフェンスは大きな武器で、それによりチャイニーズ・タイペイとの準決勝進出決定戦というオプションマッチは回避できた。しかしオフェンス

は3人目の動きがもっと欲しいところ。

 

以下グループステージ通して気になったこと。

  • 恩塚HCのメンタル面

五輪期間からではあるが、顔がやつれ気味なのが気になる。韓国戦では最後のタイムアウトで「オフェンスはチャンスがあったらアタック、こっちの方が良いなと思ったら勇気を持って選択する。ディフェンスは一瞬のところ、気持ち込めて」と言っていたが、紅白戦やトレーニングマッチなら哲学や抽象的な指示で選手に考えさせることはあり。しかし公式戦、しかもグループステージ1位をかけた大一番でその指示を受けて、選手は気持ちが上がらないし、戸惑わないだろうか…

アジアカップの指揮を執ると発表された時、ホーバス氏は休養との説明があったが、恩塚HCも同様に休養が必要だし、そもそも本職がある。アジアカップ後はゆっくり休んでと言いたいが、そうもいかない。せめて今後は女子日本代表専任のACをつけてほしい。ホーバス氏もACからの昇格だが、彼にはWリーグでの経験があった。恩塚氏がACとしてついていた(専任ではないが…)トップカテゴリーでの経験がないのなら尚更サポート役が必要。コーチの分業化が進んでいる現代スポーツにおいてはチーム強化の上でも絶対必要。千葉ジェッツも外国籍ACを招聘してからチーム力が安定し、初優勝を果たした(あれ?昨シーズンって宇都宮でしたっけ?笑笑)

恩塚HCの大学→日本代表へのアジャストも求められる。タイムシェアありきでは通用しない。

 

セットオフェンスをしていないので、難しさはあるが、町田選手もしくは藤岡選手がいたらこういう時にオフェンスを整えられただろう。町田選手は休養、藤岡選手は現役復帰後間もないという事情はあるが、ゲームをコントロール出来るPGの台頭が待たれる。町田選手がパリ五輪も出場するにしても競い合う選手が必要。軸丸選手の肉体改造期待してます!

※山本選手は3x3を経験してスコアラー寄りになっていると思うので、当面は本橋選手と争うことになるのではないだろうか。上手さとインサイドプレーヤーにも当たり負けしない強さを兼ね備えており、また3x3を極めすぎたがゆえに持ちすぎるきらいがある。周りをもっと活かしていきたい。

 

  • ビッグセンター育成

今回は西岡選手が選ばれているがプレータイムが少ない。もっと使ってほしいが、恩塚HCの要求水準に達していないのかもしれない。個人的にはディフェンスでボールウォッチャーになり、マークを外してしまうこと・後追いでファールを取られることが多いように思う。中田選手の奮闘が目立つが、五輪やW杯を考えるとビッグセンターも必要。渡嘉敷選手が回復すれば代表にも復帰するが、PG同様競い合う選手が台頭してきてほしい。

(タクとタクで争うのもアリですよね?!)

 

  • ピュアシューター枠の争い

今回は林選手、根本選手が選ばれているが、恩塚HCの起用法を考えると今後はこの枠は1人になるかもしれない。本橋選手(or山本選手)もシュート力は高く、ピュアシューターを減らして、PFを増やすべきか。

 

と手短にするつもりがダラダラと書いてしまいましたw

オフェンスの交通整理さえ出来れば充分5連覇は可能だと思うので、整理されていることを願って、まずは土曜日の準決勝ですね!!

 

世界一のアジリティ追求に向けて

女子バスケアジアカップが開幕した。当初暫定HCとしてこの大会を指揮すると発表されていた恩塚氏が正式にHCに就任、既にパリへの戦いは始まっている。

今日のインド戦でもアジリティ、原則を活かしつつもナンバープレーに縛られない、全員がシンクロする恩塚HCが掲げるスタイルの片鱗は見られたが、真価が試されるのは五輪にも出場している韓国、中国、オーストラリアとの対戦時だろう。

こうした新スタイルの完成形を想像するだけでまさにワクワクするが、私が最近ハマっている女子サッカーWEリーグのINAC神戸レオネッサを見ていて、恩塚HCが目指すアジリティや全員がシンクロする意味が何となく理解できた気がする。

INAC神戸について少し説明します。

21世紀に入ってから創設された比較的新興クラブだが、なでしこリーグ参入後3度のリーグ優勝を果たすなど女子サッカー界3強の一角。チームを一言で表すならば完成度が高い!

前シーズンを昨年12月末に終えている。そこから少々選手の入れ代わりがあったようだ。監督はかつての黄金期を率いた星川敬氏が再登板(女子バスケで例えるならトム・ホーバス氏がENEOSに戻るようなものです)。前シーズンまで属していたアマチュアなでしこリーグ春秋制だが、プロ化により誕生したWEリーグは秋春制。ブランクを埋めるべく春はプレシーズンマッチを行なったものの公式戦はなし。日本代表選手は五輪に向けた活動でチームにいない期間も長かった。連携構築は難しいはずだが、チームの土台がしっかりしているのだろうか。開幕戦から魅惑のハーモーニーを披露した。

攻撃的な守備、よく聞くフレーズだが日本だとサッカーでもバスケでも元気印が空回り気味に守備にいったり猛プレスを仕掛けるも後ろが付いてこられず交わされるシーンをよく見る。INAC神戸の前線からの守備はFW、MF、DFのスリーラインが連動していて、スライドもしっかり出来ていて、マークする選手のズレが起きない。そして相手がハーフウェイラインを越える前に奪い取ってしまうケースが多々。いや奪い取るというよりもいつの間にかポゼッションが入れ替わっているといった表現が適切かもしれない。星川監督は選手たちに動きすぎるなと指示することがあるそうだが、その指示は守備時に特に出ており、無駄な動きがないので、マイボールになった時に効率よく・手数少なく攻められる。動きすぎず、原則を活かしてプレーしているので、ポジショニングの流動性は持たせつつも個の判断でダイナミックすぎる変化は作らない。

攻守の切り替えが速いと言ってしまえば簡単だが、人の動きが速く、相手に不利な方にボールを回させて、あっという間にマイボールにしてしまう。頭の切り替えが速いと言うべきか。

昨日のジェフレディース戦の2点目を決めた伊藤選手は「成宮選手がターンした時点で外から裏を取るのではなく、守りにきた選手の内側から裏を取ろうと動き出した」と試合後に語っているが、こういう意識をチームとして共有できているのだろう。高い位置でマイボールにしてもサイドから攻めればその分時間はかかり、相手に守備陣形を作る時間を与えてしまう。サッカーはバスケのようにコーナーから得点を決めるのは極めて難しいスポーツである。

2021-22 Yogibo WEリーグ | 試合 | INAC神戸 レオネッサ

 

選手の特徴を説明するとクリスティアーノ・ロナウド本田圭佑のようなスーパーな選手は居ない(えっ?例えが古い?w)

ステファニー選手のようなフィジカルモンスターも渡嘉敷選手のようなアスレティック能力がずば抜けた選手も篠崎選手のような忍者も居ないが、とにかく皆巧くて賢い。

何より左右両足で正確なキックができる選手が多いことが強みか。バスケでいうと純粋なPGもCも置かず、オールラウンドなSG、SFを揃えたチームって感じです。

バスケはよりフィジカルコンタクトが多いスポーツで、当たり負けしない身体作りがサッカー以上に求められるが、ナンバープレーにに縛られない・全員がシンクロするという部分で相通ずるものがあると感じた。

 

その中でも私が特に巧いと思ったのが昨日の対戦であるジェフから今シーズンより新加入したという#17成宮唯選手。

攻守にポジショニングがよく、攻撃では誰がマークにつくのかの判断を狂わせる絶妙な位置でボールを貰うことに長けていて、守備では読みがよく、スルスルと現れてパスカット。ボールを持つと置きどころが巧みで、特別フィジカルが強いわけではないが、簡単に奪われない。

バスケでいうとどういうタイプかなと考えたところ、東京五輪3x3アメリカ代表ケルシー・プラム選手を思い浮かべた。WNBAチームに所属する彼女はおそらくあちらの基準だとそこまで大きくなくて、フィジカルも標準だと思うが、ドライブし始めるとディフェンス側は手を出しづらく、シュート態勢に持っていくまでの動作が流麗。こういうタイプの選手がいるチームは強いと思う。

 

この成宮選手が今までフル代表に選ばれた経験がなく、でも女子サッカーファンの間ではよく知られた存在だったようで、星川監督の指導を受けてさらに才能を伸ばしてるとのこと(星川監督の動きすぎるなという指示を今まで受けたことがなく新鮮だったようです)そう考えると女子サッカーも面白いなと思って、今ハマりつつあります。男子バスケにしてもBリーグが出来てレベルが格段に上がったわけではなく、プロリーグが出来て見始めるってまぁミーハーなだけですがw

(地元にWEリーグのチームがあったらこのブログのタイトルがWLEAGUEからWELEAGUEになっていたかもしれません←)

リーグの傾向としてはINAC神戸と日テレ・東京ヴェルディベレーザ浦和レッズレディースが3強で少し抜けていて、他のチームはFWがやや迫力不足という印象がある。外国籍枠があるのでFWにお給料安くて優良な選手を連れてくると一気に飛躍もあり得る。

 

WEリーグは毎節1試合YouTubeで配信しているので是非一度見ていただきたい。

のですが無料で見られるYouTubeだと少々画質が悪いので、よかったら全試合高画質で見られるDAZNを契約してください!

↑決してDAZNの回し者ではありませんw

 

女子バスケアジアカップも見られますし、(スポーツ好きにとっては)フジテレビのCSよりはアジアカップ終了後も色々楽しめるはずです。

 

次回は明後日か明々後日にアジアカップグループステージ総括を。

それでは。

バスケ男女代表新体制で期待したい選手

日本代表企画のラストです(偉そうw)

今回はA代表経験がない選手やしばらく遠ざかってる選手で、新HCのスタイルに合いそうだなと思う選手を挙げてみました。女子はもっと推したい選手いますし、男子も他にも浮かんだ選手はいますが、3人ずつにしました。

 

ホーバスJAPAN

  • PG 橋本竜馬(北海道)
  • SF 前田悟     (川崎)
  • SF 赤穂雷太 (千葉)

決して青学ガチ勢ではありません←

PGに関しては得点力がある選手はたくさんいるが、プレーメイクに長けた選手は少ない気がしていて、東京五輪田中大貴選手をポジションアップしたのはサイズがあるだけでなく、プレーメイクの面も期待されていたからだと思う。彼は彼なりに役割を果たしたが、本職の選手を据えたい。

橋本選手はハンドリング、パス、シュートなど特筆すべきスキルがあるわけではないが、ザ・PGじゃないですか。そしてホーバスHCの熱量を若手やクールな選手に伝える役割も期待できる熱男。近年は不遇な感もあるが、北海道の看板選手だった多嶋選手が移籍し、新HCには日本バスケ界のレジェンドで日本代表ACを務めていた佐古賢一氏が就任した。復活を遂げられれば久々の代表入りも見えてくる。

#長身で屈強でディフェンスが得意なシューターは前田悟選手、赤穂選手を推したい。サイズは気にしない旨の発言はしているが、そりゃ大きい方がいい(笑)赤穂選手はシューターではないが、双子のひまわり選手を独り立ちさせたホーバスHCのことなので雷太選手も呼ぶはず(ひまわり選手が姉でしたっけ?いまだ覚えられないw)

 

常に代表候補には選ばれているものの定着は出来ず五輪メンバーからも外れた安藤周人選手、五輪には出場したもののプレータイムは少なかったベンドラメ選手は3年後キャリアのピークを迎えそうで、ホーバスHCの目指す速いバスケにも合いそうな予感がする。安藤選手は今シーズンからタレントが揃うアルバルク東京に移籍。ディフェンスやオフボールの動きの質を上げれば、国内組のエースにもなれる選手だと思う。

また帰化する意向があるとの話が伝わってきているアレックス・カーク選手。真面目で戦術を遂行できて走れていかにもホーバスHC好みの選手だ(いや、誰でも好む選手だな笑)その話が本当に実現したら日本代表にとって間違いなく強力な戦力である。

 

 

恩塚JAPAN

HCが変わっても選手選考の根幹は変わらないだろう。来年2月のW杯予選では銀メダリストの多くが戻ると思うが、システマティックな中で活きる選手よりも瞬時の判断力に長けた選手、シューターより1on1でペイントアタックできる選手の重要度が上がるかもしれない。

オータムカップ後にも期待する選手を何人か挙げたが、その時とは違う選手を(笑)

PGは五輪に出場した3選手、宮崎選手と最後まで争った安間選手、アジアカップに出場する山本選手を中心に今後も争いが続くだろうが、船生選手をピックアップ。Bリーグで活躍してる船生誠也選手にそっくりなプレースタイル、何を隠そう妹です(笑)内海HC率いる日立ハイテクで基礎を叩き込まれてると思うが、優等生タイプが多いチームにおいてトリッキーなプレーで存在感を発揮出来れば代表入りも充分可能な選手だ。

ホーバスHCは女子代表ではSF寄りのオールラウンダーを探し続けていたが、今後はSG寄りのオールラウンダーも出てきて欲しい。

走力、フィジカル自慢な選手が多いENEOSにおいて変幻自在なプレーを特長とする藤本選手は昨シーズンプレーオフでも活躍。代表でもアクセントをつけられるだけのレベルにある。ちなみに富士通に所属する姉の愛妃選手は東京医療保健大学出身である。

U19W杯でエースとして活躍した平下選手はPG的な働きが出来るウィングプレーヤー。ランニングプレーも得意だが、ベテランのような冷静沈着な振る舞いからシュートをスパスパと決める。3x3への適性も高そうな選手である。

 

最後に。

ホーバスHCが男子代表に移ったことで男子バスケファンもWリーグや女子代表のことをより知りたくなっていると思う。女子バスケファンも寂しさを感じつつもホーバスHCが男子でどういう選手を選ぶかは気になるのでBリーグにも目を向けると思うし、日本代表戦にも興味を持つのではないか。

今回の人事が男女の垣根なくバスケ全体を楽しむファンが増えるキッカケになることを願っている。

私ももっとBリーグ見ます!チケット代高いから現地観戦はしないと思うけど←

 

 

バスケ男女代表新体制への期待と不安

まず協会に対して思うところを。

男子は11月末からW杯予選、女子は来週W杯予選を兼ねたアジア杯がある。来年2月にはW杯予選も行なわれる。次の五輪は3年後。早めに新体制を固める必要があり、前回も述べたようにベターな人事ではあると思う。男子に関してはラマス氏が指揮を執り始めるまでに空白期間があったが、今回はそれを回避でき、日本で指導歴が長いホーバス氏なので技術委員会との連携も良くなりそうだ。

ただ両代表チームのこれまでの総括や検証がなされずに新体制がスタートするのはいかがなものか(していたとしても発表しなければあまり意味がない)

ラマス体制がどうステップアップしていきたいのか何となく分かるがあくまで何となく(笑)ホーバス氏が男子代表に移って恩塚氏の内部昇格という形になったが、ホーバス氏が掲げた野望を受け継げるHCとして熟考を重ねてのことなのか。そのあたりが見えてこない。次の大会が迫っていてもせめて↓くらいのレポートは出せないものか……

 

選任理由や所信表明はあったが前を向くばかりでPDCAが機能していないし、その表明もメディア向けで一般人は協会のリリースやメディア記事経由でしか知ることが出来なかった。技術委員長や両HCの生の声を聞くことが出来なかった。特にホーバスHCに関しては五輪銀メダルの女子代表から男子代表に移るという話題性もあるのに非常に勿体ない。クローズドな体質は相変わらずだ(その分サッカーやバレーボールのように噂話が飛び交うことはなかったが)

 

兎にも角にも男子は技術委員会がリストアップした選手ではなく、呼びたい選手を呼べるよう徹底的にバックアップしてもらいたい。女子はHCが代わってもアメリカに勝って世界一の野心を継続して抱き続けてほしいし、そのために国内リーグの改革、代表の強化試合増などに取り組んでもらいたい。

 

では両代表チームへの期待と不安をいくつか。

ホーバスJAPAN

  • 目標を立てる→基礎を叩き込む→型を作る

(技術委員会とは違い)PDCAのサイクルが明確なコーチ。女子代表では就任当初から一貫して東京五輪での金メダルを目標に掲げていた。選手ですら懐疑的だったそうだが、ブレなかった。目標や確固たる信念があり、その達成のために突き進む。戦術練習ではセンチ単位のズレでも一度止めてやり直し。オフェンスのフォーメーションは100種類とも200種類とも言われている。ラマス氏の前に暫定HCを務めたパビチェビッチ氏と似たタイプなのかもしれないが、日本男子はバスケ後進国。今一度基礎を叩き込み、スタンダードを上げてほしい。

男子代表での目標はまだ明らかにしていないが、世界大会での1勝と現実的なことではなく、W杯ベスト8以上で五輪出場など具体的で大きな目標を設定するものだと期待している。

 

  • サイズアップ

女子代表の東京五輪はスモールボールで結果を出したが、一昨年のアジアカップでは赤穂ひまわり選手をSGで起用し、加藤優希選手(トヨタ紡織所属、加藤誉樹審判の妹)もこのポジションで試すなど男子代表同様サイズアップを模索していた。女子よりその選択肢が豊富な男子ならホーバスHCの理想が具現化出来るかもしれない。ラマス氏より試合視察する機会は増えるだろう。女子代表では年齢・経験問わずに多くの選手を試していたので、大学生もアンダーカテゴリー代表の経験すらない中堅・ベテラン選手もB2の選手も夢を持って欲しい。特に#長身ながらアウトサイドシュートが得意なシューター、ではなく#長身で屈強でディフェンスが得意なシューターはチャンスだと思う。

 

  • 選手とのコミュニケーション

日常を世界基準にするためには国際大会での指揮経験が豊富な外国籍コーチが望ましいが、通訳を介するので、どうしても伝わりにくい面があるが、ホーバスHCが日本語を話せる。女子と比べて代表活動に期間を割けないだけにこのメリットは女子以上に大きいのではないか。ただ男子チームの指導は初めてで、男子選手へのアプローチの仕方は手探りなところがあるかもしれない。

 

  • 代表活動に期間を割けない

女子は4月中旬からずっと合宿をしていた。(小休止はあり、その間にメンバーを絞り込んでいた)一方男子は6月上旬からで、八村選手、馬場選手が合流したのは五輪初戦の2週間前。これが基本スケジュールである。さらに女子は良くも悪くも所属チームでも代表合宿でも2部練習が当たり前で。これまた良くも悪くも学生時代から(語弊はあるが)軍隊のようなトレーニングスタイルで真面目・勤勉さがある選手が多く、教え込まれた戦術を遂行できる。規律が備わっている。

選手がホーバスHCのトレーニングスタイルに耐えられるか、ホーバスHCが男子仕様にアレンジできるか。

 

  • 采配は上手くない

合宿では色んな選手を試し、大会ごとにニューフェイスも出てくるが、交代策は比較的画一化されている。自認している通りタイムシェアスタイルではなく、調子の良い選手を引っ張る傾向にある。(五輪メンバーに選ばれながら1秒もコートに立たなかった渡辺飛勇選手のような可哀想な扱いはしないとは思う)時に先発投手をなかなか交代出来ない投手出身の監督のような采配も見られる。お気に入りの選手を信頼し過ぎる感もある。

 

同じ日本バスケでも男女では色んなことが大きく異なる。ホーバスHCもスタイルはだいたい同じと語りつつも選手とリレーションシップを構築してチームにしていくと明言しているので、まずはホーバスJAPAN男子verの片鱗が見えるであろう11月のW杯予選を楽しみにしている。

 

 

恩塚JAPAN

  • 女子代表のことを掌握している

女子代表に15年携わっている。東京医療保健大学を名門に育て上げており、指揮官としての実績もある。このタイミングでの就任がベストかとなると疑問符はあるが、恩塚HCの手腕には何ら疑問はない。

 

  • 個々の判断力、個人戦術を高める

規律、型を重視したホーバス体制からさらにレベルアップするためにそれらを活かしつつ、「瞬時に5人が自信を持って判断し、シンクロできることを目指す」としている。

東京医療保健大学監督としての指導方針も同様で、試合を見ていても賢い選手ばかりで、Wリーグに参戦したらプレーオフに進出できると思うくらいレベルが高い。恩塚HCが率いたWリーグチームとの強化試合でも五輪のチームからのマイナーチェンジは見て取れた。

 

  • 若手指導者に夢を与えられる

前回も触れた通り、叩き上げの指導者である。本人も夢を残すと宣言しているが、結果を出せれば、選手だけでなく指導者も、さらにいえば他競技の関係者にもトップレベルでの選手経験がない日本人でも世界で活躍できる場があると励みになるのではないか。

 

  • 色々な選手を試しにくいスタイル

ホーバススタイル以上に阿吽の呼吸が求められそうだ。膨大な数のフォーメーションを覚えることも難しいが、瞬時に判断してシンクロするスタイルを1回の合宿参加で消化しきるのはさらに難しい気がする。東京医療保健大学だと多すぎると思うくらい頻繁に交代する。短時間でどんどん入れ替えていくスタイルで、これを代表にも導入するとさらに難しさが出てくる。ただ消化出来ないとニューフェイスが定着していくのは厳しく、今までよりさらにバスケIQが高い選手が必要か。

 

  • 協会内での政治力

トップカテゴリーでの選手経験はない。指導歴も日本代表と大学で、WリーグBリーグ、旧NBL等での経験はない。バスケ界で影響力が強い人との繋がりはあるか、Wリーグチームの幹部との繋がりはあるか。低迷した時に後ろ盾となってくれる人がいるか。

 

インカレまでは兼任なのだろうが、W杯予選に向けて代表強化が滞らないか不安なところ。

また大学の選手たちは在学中に恩塚氏の指導が受けられなくなる可能性があることを承知の上で入学しているのが疑問を抱いた。学校選びってどういうコーチから指導を受けられるか、就職に有利かという点が重要だと思うが、監督交代は彼女らの人生を左右しかねない。優秀な人材が上のステージにステップアップするのは当然のことだが、大学生がないがしろにされていないか心配である。

 

この記事を見ると五輪までの期間が通常と異なり3年しかないことも今回の人事に影響していることが読み取れる。

また日本バスケは指導者の人材不足感が半端なく、海外とのコネもないので、やっぱり上手く事を収めたという前回の冒頭で書いたことに行き着きますね(笑)

代表チームに完璧なんてないけど、現時点でも期待感の方が大きいです(男子は6:4、女子は8:2かな?)その感触が3年の間でどんどん高まっていくことを願うのみですが、両代表ともHCを支える常勤の参謀役をつけてほしい。

 

そして私はルーカスJAPANを諦めません!男子ルーカスJAPAN、女子大神JAPANの希望も捨てません!!

 

 

 

 

バスケ男女日本代表新ヘッドコーチ決定

新HCといってもバスケファンにはお馴染みの方です。ざっくり言ってしまうと横滑りと昇格です。

この人事に関して多くの人が驚きました、私もその一人です。賛否両論あります。私も期待とファンが入り混じってます。代表チームってそういうものだと思うし個人的には皆が思いのままに語り合うのは好きです(笑)

そしてこの人事は上手く事を収めたと思っています。

 

まずラマス氏に関しては経験・実績豊富な方で、続投は無いと思っていた。仮に契約延長オファーしても受けてくれないだろうし、個人的にはもっと日本代表に寄り添ってくれるコーチが必要だと考えていた。W杯予選など采配には策士だと思わされることがあったが、Bリーグの試合を視察する機会が少なかったようで、彼が選んだ選手というより技術委員会がピックアップした選手から選んでいる印象を受けた。そこは世界的な名将だからだろうか。

とはいってもアンダーカテゴリーのHCも兼任していた佐古ACは五輪直前でレバンガ北海道のHCに就任し、他のACは非常勤で大会ごとに代わっていた。現在フリーで日本代表HCが務まるほどの日本人はいない。海外から招聘しようにもこのご時世において入国管理が厳しい極東のバスケ後進国からのオファーを受けてくれる人を探すなんて至難の業。ラマス氏と同等以上の実績がないと納得感も得られない。

となるとホーバス氏しかいない。男子チームの指導経験はなく、男女の代表監督を経験することも異例だと思うが、日本バスケには精通している。ホーバス氏としても代表の試合数が多い男子ならおそらく金銭条件は女子で続けるより良いだろうし、今後の指導者人生においても男子チームを経験することは仮に失敗したとしても意義のあることではないか。女子代表にはアメリカに勝って金メダルを獲るという野望を受け継いでくれる選手、コーチもいる。国際大会で勝利する男子代表の挑戦を引き受けたホーバス氏の心意気に期待したい。

 

ホーバス氏から女子代表を受け継ぐ恩塚氏。バスケに留まらず日本スポーツ界にとって革命的なことではないだろうか。代表監督というと国内リーグのチームで結果を出したベテラン、選手としても日本代表で実績がある方、外国籍の方がほとんどで、恩塚氏のような叩き上げの指導者が代表監督に就任することはこちらも異例。

ホーバスHC体制以前から女子代表に携わり、自身が創設した東京医療保健大学女子バスケ部を強豪に育て上げるなど日本女子バスケを知り尽くしており、いつか女子代表HCを務めるだろうとは思っていた。

女子バスケに詳しくない人の間では女子代表の今後を心配する声も挙がっているが、まずは来週行なわれるアジアカップを見てほしい。

 

 

次回はホーバスJAPAN(新)、恩塚JAPANへの期待と不安について詳しく触れていきます。さらに次々回では両JAPANへの選出を期待したい若手選手や代表から遠ざかっている選手をピックアップしていこうと思っております。

それでは。