※アンテロープスの試合分析が大半、あとは他チームの短評とサマーキャンプの在り方について書いていきます。
⚫️🔴 SUMMER CAMP 2019
— Iván Torinos (@IvanTorinos) July 16, 2019
📍 Omura, Nagasaki pic.twitter.com/U9zuPs4tRe
日本代表合宿により長岡、三好、馬瓜エブリンと3x3日本代表として国際大会に出場した山本の4選手が帯同せず、今季移籍加入の河村選手はコンディションが整っていないのか試合には出場せず。
安間、西澤、水島、栗原、脇、馬瓜ステファニー、森の7選手で3日間3試合を戦い抜いた。
昨季トリノス現アソシエイトヘッドコーチが築き上げたチームに上積みされて、底知れぬ可能性を感じさせるチームに仕上がっていた。
私はアンテロープスに関してはどうしても甘めに見てしまうが、現地で全チームの試合を観戦された方からも高評価が聞けて、本当に良い仕上がりなのだと思う(笑)
具体的なところを。
西澤選手が生み出すリズム
昨季はスコアラー・スターは複数いたが、それゆえ膠着状態になった時に個で打開しようとしすぎて自らを苦しめている感があった。
このサマーキャンプでは新加入西澤選手の存在がチームの潤滑油となっている。
黒子に徹し、チームメートの良さを引き出している。
ボールを呼び込む動き、パスのタイミング・スピードなどが絶妙で、連続性のあるスムーズなオフェンスを展開できていた。
要所では自らも3ptシュートを決めるなどサマーキャンプのチームMVPと言ってもいいのではないだろうか。
昨季終盤山本選手に求められていたであろう役割を見事に全うしており、山本選手には相当な奮起が求められる。
正直3×3よりサマーキャンプに出場するべきだったのではと思うが、こればかりはJBAの判断があり、五輪出場の可能性もあるという魅力は捨てられないと思うので、致し方ないところか。
森選手の献身的なプレー
昨季は怪我もあったと思われるが、2試合で計10分ほどの出場に留まった森選手。
サマーキャンプでは健在ぶりをアピールした。
スタッツに残るプレーは少ないが、巧みなスクリーンで味方のチャンスを生み出した。
チームとしては昨季同様コートを広く使ってのパス回しで相手を揺さぶり、オープンを作り出すオフェンスは変わらない。
築き上げたベースがあり、選手間の共通理解も深まっており、各選手の動き出しが良く、パスが綺麗に回る。
その過程において森選手が果たしている役割は非常に大きい。
ディフェンスでもボックスアウト、リバウンドなど泥臭いプレーで貢献した。
3ptシュートのアテンプト増
昨季は上述の通り、パス回しで崩してドライブからのレイアップなりミドルシュートなり2ptで得点を取ることが多かったが、3ptシュートを打つ意識が高い。
特にポップアウトしてトップの位置から放たれるパターンが急増。
スペイン代表もユーロ決勝で多用していたが、モンデーロ新HCが新たなパターンとして叩き込んでいるのだろうか。
日本女子ではあまり見られないだけに今後も注目だ。
その中で存在感を発揮したのがステファニー選手、脇選手。
ステファニー選手は昨季レギュラーシーズンでJX-ENEOSに勝利した試合で自信を掴んだのかプレーオフでも大活躍。
その後の3×3含めた代表活動で更なる成長の跡を示し、決して得意ではなかった外からのシュートも自信を持って打てている。
脇選手はトリノスコーチも昨季から期待していた選手だと思うが、チームの目指すスタイルが思うように浸透しない中で徐々にプレータイムは減ってしまったが、その中でも鍛錬を重ねていたのだろう。
身体も引き締まり、今季こそ覚醒の時だろう。
栗原選手も得点こそ多くはなかったが、コンディションは良さそうで、シュートチャンスも作っていた。
再び代表に呼ばれる可能性もあるだろう。
水島選手のスピードがより活きるチーム
パスが良く回る。チーム全体で3ptのアテンプトも多い。水島選手自身のシュート力も高い。
その中でペイントエリアが空いてくるので、スピードを活かした突進!
3試合で59得点の活躍、サマーキャンプ得点王に輝いた。
特に1日目の三菱電機戦では24得点でスコアリーダーとなった。
ホーバスHCら日本代表スタッフも見ていたと思う。五輪本大会前にチャンスが巡ってくることを願ってやまない。
ディフェンスの進化
ヘルプ・ダブルチームは極力使わずマンツーマンで守ること、3ptライン付近で相手に身体をぶつけペイントエリアへの人の進入を防ぐスタイルは変わらず。
時折ビッグマンが前に出て激しく当たったり、オールコートプレスを使ったり、柔軟性が出てきた。
またスイッチ・スライドの約束事は徹底されているようで、3日目の日立ハイテク戦では開始わずか30秒ほどでタイムアウトを取り、確認・修正を図っていた。
プレシーズンゲームでも妥協しない姿勢は選手の成長に繋がり、チームを進化させることだろう。
このサマーキャンプの時点でそれだけ質・量とも充実した練習が出来ていることが伺えた。
A代表勢の活かし方
というわけでこのまま8月上旬に開幕しても上位進出できそうなくらい強く、12連覇阻止の期待も膨らむが、今後サマーキャンプ欠場の5選手をどうチームに組み込んでいくか。
個人的には中でも三好選手の特長がどう活かされるかに注目していきたい。
サマーキャンプではテンポよくパスが繋がり、ハンドラーがキープするような時間はほとんどなかったが、三好選手はボールタッチをある程度増やし、シュートを打っていくことで自分のリズムを作っていく。
違いを生み出せる半面、チームのリズムを崩してしまうこともあるかもしれない。
トリノスコーチは三好選手に全幅の信頼を置き、調子悪くても引っ張りすぎていた面があったが、ルーカスHCが充実のガード陣をどう使い分けるか。
OGで桜花学園高の先輩でもある大神ACがチカラとなれるか。
今季はロスターが12人しかおらず、優勝するためには全員がキーマンだが、三好選手が特長を発揮できるかが特にカギを握ると思う。
それがタイトル獲得、そして三好選手の東京五輪出場へと繋がっていくだろう。
気が付いたらこれだけの分量になっていたので、他チームのこととサマーキャンプの在り方は別編で書くこととします(笑)