超満員下での頂上決戦② 〜Wリーグ2023-24 トヨタ自動車×デンソーgame2〜

前日を記録を塗り替える4,800人以上の大入りとなった試合。試合運営に携わったトヨタ自動車デンソー両者の社員、岡崎市バスケットボール協会の方々の集客への努力があったのだろう。Wリーグレギュラーシーズンでは珍しいマッチスポンサーも岡崎信用金庫など地元の6社がついた。パリ五輪出場権獲得も追い風となったはずだ。

各方面の尽力が報われる大熱戦は今後にも繋がる貴重な成功体験となることだろう。私もそんなgame2を観に行きたかった…苦笑

 

前日の完敗を受けてトヨタ自動車の変化は自分が理解できる範囲だと

  1. スクリーナー宮下
  2. スリー絶対打たせない
  3. ガードのリバウンド参加

game1では山本選手が篠原選手に完敗した格好だったが、game2では宮下選手が黒子に徹し、山本選手の得点を演出。立ち上がりで3ptシュートを決められると彼女もチームも乗っていける。ズレを作れると無敵・世界のYAMAMOTOだが、それでも篠原選手はファイトオーバーしてくる。前半で4ファール。

※ファールを取ってくれるのはいいが、篠原選手荒くてヒヤヒヤしますね…アンスポーツマンライクファウルではないが、審判のコントロールが必要になってくるかも…

今度は篠原選手をベンチに追いやり、平賀選手や渡部選手が山本選手のマークについていたが、どうしても強度は下がってしまう。

それでもトヨタ自動車のペースにはならないのが訓練されたチームの強さである。トヨタ自動車の3ptシュートを絶対に打たせないディフェンスはかなり良かったと思うが、それでもgame1を上回る得点ペースと3ptシュート成功率で前半をリードして折り返した。

髙田選手は人間であるが、進化具合がエゲツない。正直フィジカルは落ちてると思うし、元々スピードがあるタイプではないとはいえ瞬発力勝負に持ち込まれると脆さが出てしまうこともある。しかしそれを上回る駆け引きや読み、間合いなど経験に裏打ちされたプレーでインサイドを制圧する。さらには今シーズン3pt女王になりそうなくらいシュートが入る。#長身ながらアウトサイドシュートが得意なシューターの完成形である。

ひまわり選手のバスケットカウントもトヨタ自動車のウィークポイントを突いた素晴らしいプレーだった。

3Qはソハナ選手が理不尽なディープツーを決めるなど得点を量産。4ファールの篠原選手投入、一度ベンチに下げた髙田選手もすぐに戻す、PG本川選手など目まぐるしくラインナップを変えるも改善できず。ファストブレイクからソハナ選手が決め6点差となり、デンソータイムアウト

タイムアウト明けで木村選手が3ptシュートを決めるなどトヨタ自動車のペースにさせないどころか自分たちに手繰り寄せるデンソーの強さは圧巻。しかしそこに立ちはだかったのが世界のYAMAMOTOである。

それでも4Qはデンソーペースで進んでいった。トヨタ自動車タイムアウトを挟んでのひまわり選手の5連続得点。あんなにプルアップシュート上手い選手でしたっけ?!そもそもガツガツ得点狙いにいく選手でもなかったのに…(あのパーマにはプルアップシュートが上手くなる魔法が含まれているのだろうか笑笑)

来シーズンはマイヤマモトとともに欧州に活躍の場を移すべき!

 

残り2分で6点差、相手が相手だけに万事休すかと思ってしまったが、トヨタ自動車、というかマイヤマモトがここから這い上がった。

デンソーはオフェンスでボールを大切にしすぎた・ターンオーバーをしない意識が強すぎた感はあったが、ディフェンスとしては完璧だった。それでも山本選手は相手も誰でくるのか分かりきってる中で決めてくる。もちろん宮下選手や梅沢選手のスクリーンやスペースを広げる動きも素晴らしかったが、託されて決めるのがエースの仕事である。白熱の好ゲームにオプションがついた。この試合の観客は幸せ者だ、私もこの場に居たかった(しつこい)

タフな試合を演出しつつも危険なプレーやラストマンシチュエーションではアンスポーツマンライクファウルを取るなど的確なジャッジが光った審判団だったが、オーバータイムでは前週の豊橋会場のような軽さになってしまっていたように思う…審判も2連戦、疲労はある…

笛を味方につけたのはトヨタ自動車だったが、残り2分を切ったところで馬瓜選手のレイアップシュートは明らかに時間内で、これは不運で済ませてはいけない。検証と再発防止策が必要である。Wリーグは女子のトップカテゴリーなので、男子のBリーグ1部同様に全試合でビデオ判定を導入するべきではないか。

ただ個人的には試合トータルで、シーズントータルでジャッジによる幸運・不運のバランスは取られるものだと思っていて、実際3Qで山本選手は明らかに触っていないのにデンソーのポゼッションになったり、オーバータイムではポジション争いで髙田選手が腕を絡ませてるのに山本選手のファールを取られるシーンもあった。

これがスポーツだと思うし、トヨタ自動車の2シーズン連続ホームでデンソーに連敗できないという気持ちの強さもあったと思う。ガードの安間選手、山本選手でオフェンスリバウンドが計11。この数字が表しているのではないか。

こうして戦いに終止符が打たれた。試合終了後両チームの選手たちがコートを一周して声援に応える時間があるが、負けたデンソーだけでなくトヨタ自動車の選手も満面の笑みが出るまで少し時間がかかった。ここに激闘感が現れていた。

MVPは文句無しで山本選手!だが宮下選手も褒め称えられる活躍だったと思う。ファールゲーム中のFTでの1ptに留まるも40分以上出場したことが欠かせない存在である証明だろう。

負けて強しな感を示したデンソー、2戦先勝方式のセミファイナルやファイナルで対戦したら勝てる気がしないが、トヨタ自動車としては川井選手を欠く中で1勝出来たことをプラスに捉えられる。一方で後半〜OTはほぼ6人で戦い、山本選手と根性で勝った感も否めない。

 

と偉そうに語ってますが、山本選手が「浜松で待ってまーす」と言ってたので、ハンバーグ食べに行きますwサンデロープス感あるなで、そろそろサタデーもスッキリとした試合を観たいですね!

 

デンソー戦に関しては語り切りましたが、残り2週4試合とプレーオフについて別トピックで更に語りたいと思います。それでは…