奪還へ視界良好 〜Wリーグ2023-24 シャンソン化粧品×トヨタ自動車〜

2試合連続のオーバータイムとなったが、デンソー戦とは違い、40分で勝てる試合を逃した格好だった。4Q残り3:30ほどのところでソハナ選手が攻守でビッグプレー、FTも決めて8点差。もうひと押し欲しかったが、4Q終了まで得点なし。シャンソン化粧品のラッキーなシュートもあったが、鷹のはし選手のスティールからの得点が痛かった。

オーバータイムはですね…サッカーでもそうだと思いますが、そりゃ追いついたほうが勝ちますよ(統計とってないけど笑)

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この試合に関しては45分トータルでトヨタ自動車のディフェンスは良かったと思うが、3Q以降の知名選手の活躍ぶりを褒めるしかないです!最後の3ptシュートはウチェ選手を一番ケアするのは当然で、正直お手上げ…

ロケットスタートを切るも、1Qの間で差詰められて、最後競り負ける皇后杯と同じパターンではあったが、岡本選手、田中選手の活躍は大収穫である。

 

スコア、内容諸々含めて今シーズンベストゲームではないだろうか(相変わらずのサンデロープスだが苦笑)

game1で3ptシュート4本を含む16ptの岡本選手がgame2ではインサイドで8pt。2試合合計でアシスト、ブロックをともに3記録するなどまさにどこでもトアな活躍ぶりだった。梅沢選手の非帯同もありプレータイムが伸びた田中選手はトヨタ紡織戦、デンソー戦でも仕事人ぶりを示しているが、シャンソン化粧品戦ではオフェンスでの貢献度も上がってきた。プレータイムは短いながらも出場すれば爪痕を残す小野寺選手含めアーリーエントリー選手がどんどんとフィットしてきている。

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後半は安間選手が前半のスコアラーぶりから一転して巧みにコントロールし、オフェンスを構築。泥臭くペイントアタックでシュートファールを奪いFT、ミスマッチを突いてのソハナ選手、岡本選手らがイージーシュート。

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中断明けソハナ選手がどんどん調子を上げているのはプレーオフに向けて頼もしい限り。さらには3ptシュート攻勢で圧倒した。

大神HCの采配にも変化が見られた。川井選手の負傷、山本選手の不調はあったが、3Qで多くのラインナップを試した。中でも直前で3ptシュートを決めるなど調子が良かった平下選手を下げざるを得なくなったとき(コンタクトレンズが外れた?)に前半出番がなかった梅木選手を送り込んだ判断が光った。それまでは三浦選手が3番ポジションの二番手。オフボールでのディフェンス面を考えての起用だと推測しているが、この時間帯は得点が欲しい・攻勢を掛けたいと考えたのだろう。そして梅木選手は起用に応えて3ptシュートを2本沈めた。平下選手も4Q開始で戻り、岡本選手とのコンビで3ptシュートを決めるなどこの試合13ptの活躍だった。

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※ソハナ選手(梅沢選手)と田中選手の併用で岡本選手(宮下選手)を3番ポジションに置く、岡本選手と宮下選手を併用してビッグセンターを置かないスモールラインナップも見てみたいが、さすがに今シーズンは試す機会がないだろう(苦笑)プレーオフでこれらを秘策として出してくれたらビッグリスペクト!

 

そして20点以上差がついた残り2分ほどで古木選手がデビュー。さらには中断明け初出場となる横山選手、パレイ選手もコートイン。この2選手によりピックアンドロールからの得点で仕上げた。

プレータイムに恵まれず悔しい気持ちを持っていたのだろう。試合終了後横山選手、パレイ選手は大粒の涙を浮かべ、チームメートは奮闘を労っていた。

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勝負の世界、プロの世界であり実力と結果でしか判断されない。才能があってもポテンシャルがあっても人気があっても関係ない。練習で示した実力により起用され、試合で結果を残せば起用され続ける。大神HCの起用法は保守的であり、下位チームとの対戦が続いた序盤戦でもっとベンチメンバーを起用して欲しかった面はあるが、彼女なりのポリシーみたいなものがあるのだろう。

出番が少ない選手も色んな思いを抱えて日々取り組んでいるだろうし、横山選手やパレイ選手のあの姿を見て、常時試合に出ている選手たちはより責任を背負ってプレーしてくれるに違いない。試合後の光景を見ていて、奪還へ視界良好と思えた。

しかし川井選手の負傷は心配である。game2の前半終了間際に右足首を酷く捻り、後半は足を椅子に伸ばして座っている状態だった。
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無理は禁物だが、フロアリーダー不在でプレーオフは想像できない…3週間後、いや出来れば4週間後に武蔵野の森で笑顔の彼女が見たい。勿論試合中のコート上で!
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シャンソン戦2試合合計で8ptに留まり、gameでは4Q全く出場しなかった山本選手も気掛かりだが、他の選手が調子良く点差も離れたので出場しなかっただけと思うことにしておく…!

 

チーム内の心配材料だけでなく、他チームもコワイ…あの強い強いデンソーに10点差以上つけて勝利したENEOS。台所事情が苦しい中で岡本彩也花選手の完全復活は脅威でしかない。game2も2Q以降ENEOSが優位に試合を進めたが、皇后杯優勝で呪縛から解き放たれたデンソーが大逆転勝利を挙げ、このカードも星を分け合った。

また富士通も町田選手が完全復調した模様。

トヨタ紡織はチームケミストリーが完成していないようで優勝となると厳しいかもしれないが、QFで当たると怖い存在。

私がWリーグを見始めた頃はENEOSの一強状態だったが、今シーズンは私のファン歴の中では最も混戦。というかENEOS1強の前は長くENEOSシャンソンの2強なので、Wリーグ以前も含めた日本女子バスケリーグ史上稀に見る混戦なのかもしれない。

2チーム以上が同じ勝率の場合は、下記の順序で順位を決定する。
・当該チーム間での対戦試合の勝率
・当該チーム間での対戦試合のゴールアベレージ
・リーグ戦での全試合のゴールアベレージ

 

となると4チームが22勝4敗で並び、1位デンソー、2位富士通トヨタ自動車ENEOSは3位もしくは4位。

どのチームも当然2位以上を狙いたいが、怪我抱えてる選手を強行起用したり無理するのは本末転倒。2位以上は2週間試合が空く。一発勝負でトヨタ紡織シャンソン化粧品は難敵だが、試合間隔としてはベターで勝ち上がった勢いでセミファイナルに臨めるのはむしろメリットではないか。セミファイナルも当然強敵で3戦目決着濃厚、ファイナルも同様であり総力戦であり、コーチングスタッフの腕の見せ所である。
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