男子代表の強化を妨げるBリーグの問題点

昨夏のアジアカップではベスト8に入れなかった。

昨日はホームでチャイニーズ・タイペイに敗れた。

これは2015年のアジア選手権で4位に入った長谷川健志HC体制からの後退を意味することで、JBAは厳粛に受け止めてほしい。

何が問題なのか探り、アイディアも出していきたい。

その前に代表メンバー選考に大きな疑問がある。

ラマスHCがゼロベースで選考をおこなっている気がしないからだ。

昨年7月中旬に就任し、国内での強化試合とスペインでの直前合宿を経て、アジアカップに挑んだ。

アジアカップに関しては強化試合前の東京での合宿の18人の中からラマスHCが12人を選んだということで理解はできるが、その後もBリーグの試合を視察している情報が少ない。

この記事によるとまだ全チームを見ていないとのことだ。

Bリーグ各クラブは今季既に38試合を消化している中でB2含めて全チーム見ていないのなら分かるが、B1の全チームを見ていないのだとしたら非常に残念だ。

試合視察だけでなく、各クラブの練習にも顔を出してほしいくらいだと思っているが、外国籍指導者にそこまで求めるのは酷なのだろうか。

ラマスHCはアメリカや東欧諸国と比べてサイズで劣る母国アルゼンチンをロンドン五輪4位に導いた世界的にも名の通った名将だ。

しかしアジアカップ開幕の約1か月前に合流し、選手の見極めもしっかりと出来ないまま臨み、その後もBリーグ視察が不十分となると人選した東野技術委員長にも大きな問題がある。

ラマスありきで人選を進めていなかったか?他の候補を検討していたのか?

ここは反省してもらいたい。

では本題に入る。

Bリーグの試合はエンターテイメント性を重視しており、それは新規顧客開拓のために必要なのだが、プロスポーツの緊張感にっ欠ける面は否定できない。

国際舞台で戦うための鍛錬の場に出来るよう以下の提案をさせていただく。

①試合の決着がついても力を緩めずに最後まで戦う

順位や出場権等を懸けた戦いが得失点差決着となることもある。

実際昨季のB1リーグでも東地区の2位と3位は得失点差で東京が上回り、QFのホーム開催権を獲得し、SFに進出している。

日頃からあらゆる可能性を追求した戦いをしていかなくてはならない。

昨年11月のW杯予選でフィリピンが勝利確実・残り時間も1秒を切った段階でタイムアウトを取ったことを覚えている方もいるだろう。

そういうどん欲さ・執念を日頃から持っていないと技術・戦術で劣る日本が勝てるわけがない。

明らかに力を緩めて戦ったチームには罰金、得点〇点没収など処分を下しても構わないと思う。

②ワン・エンド・ワン・スローの導入

昔はFIBAルールに含まれていたようで、bjリーグでも一時期導入されていたというこの制度。

http://www5.nikkansports.com/osaka/sports/bj/evessa/knowledge/20051119-9239.html

昨日の試合でも勝負所でフリースローを落とし、点差を縮められずに逃げ切られたが、半ば強引にでも制度を作り、フリースローを決めきる技術、メンタルを日頃から身につけてほしい。

③タフさが身につく判定基準

Bリーグだと簡単にエンドワンが取れてしまう試合をよく見る。

得点を決め、さらにフリースロー。観客も沸き、バスケで盛り上がるポイントの一つだが、国際試合とは基準がだいぶ異なるように感じてしまう。

BリーグとW杯予選では審判の能力、選手の技量の違いも当然あるが、Bリーグの試合は笛が軽すぎるように思う。

④オンザコートにズレを作る

Bリーグの試合ではクォーターごとにコートに立てる外国籍選手の人数を試合前に決めて、申請している。

多くのチームは1-2-1-2を用いているが、これだと基本マッチアップは日本人同士・外国籍同士となってしまう。

少しでも外国籍選手とマッチアップする機会を増やすため、ゲーム1はホームチームが1-2-1-2、アウェーチームは2-1-2-1。ゲーム2はその逆など強制的にズレを作るべきではないか。

これは多くの方が指摘されているが、リーグ側が公に検討していると明かしたことはない。

他にも外国籍選手の身長制限、勝負のかかる4Qは外国籍選手1人のみなども考えられる。

とにかく外国籍選手に関する何らかのルール改革が必要だ。

(今季京都に移籍した永吉が成長したのもオン2のクォーターでも起用され、外国籍選手と果敢に戦っているからだと思う)

⑤オフィシャルタイムアウト廃止

バスケの試合ではチーム側の申請で前半2回、後半3回のタイムアウトが取れる。

しかしBリーグではそれとは別に2Qと4Qの残り5分を切った後の最初にプレーが途切れた時に自動的にタイムアウトとなる。

興行的盛り上がりを作るためのもので、チアガールのショーやサインボール投げ込みなどが行われているが、これは果たして本当に観客に需要があるのだろうか?

今季の試合ではオフィシャルタイムアウトが近づいていることを見据えての選手交代やオフィシャルタイムアウト直前でチーム申請のタイムアウトを取り、デザインプレーを行うなどの場面を見ることがあるが、これはBリーグ以外では出来ない芸当だ。

せめて4Qだけでもいいので、廃止してほしい。

⑥4Qの音楽使用禁止

Bリーグのほとんどの試合会場ではホームクラブのオフェンス時はほぼ音楽がかかっている。またタイムアウト時も同様だ。

緊張感のあるプロの闘いの場を作るために4Qだけでもノーサウンドにできないものか?

喜怒哀楽溢れる観客の声がこだまするアリーナでの闘いは選手にとってよりプレッシャーのかかるものとなるのではないか。

⑦負けチームの試合後のファンサービス廃止

敗戦の悔しさを切り替えるためにファンとハイタッチするのも一手かもしれないが、ハイタッチやサイン会などファンサービスを負けた試合の直後に行うのは私からすると異様な光景に映ってしまう。

ファンサービスをする余力があるなら試合でもっと戦ってほしいからだ。

勝ち試合後のみありならファンサービスを受けたいファンは必死で応援するだろうから、応援の声量も上がるのではないか?(笑)

⑧レギュラーシーズン54試合

Bリーグでは1部・2部とも18チームを6チームずつの3地区に分け、地区内は6回戦総当たり、地区外は2回戦総当たり。

ここまでで計54試合なのだが、なぜかプラス6試合されている。

(今季だとリーグが(たぶん)無作為に選んだ他地区の3チームとは4回戦総当たりとなり、プラス6試合)

大河チェアマンは興行収入を考えると60試合は崩せないと話しているそうだが、これには疑問を抱く。

ミッドウィークに4試合(各クラブホームゲームは2試合)あるが、集客に苦しんでいるクラブは多い。

またアリーナの設営・撤去の手間や経費もあり、週末2マッチ開催を基本としているが、その方針とも矛盾してくる。

ならばプラス6試合ではなく2試合にすればミッドウィークの1マッチ開催はなくなる。

もしくはJリーグの金曜開催じゃないが、平日の方が都合良いファンのことを考慮し、ミッドウィークの1マッチ開催は維持し、週末開催を2節減らせば、W杯予選直近週のリーグ戦をなしにすることも出来たわけである。

そこに直前合宿やあわよくば対外試合も組めたかもしれない。リーグ戦が中断していればBクラブとの試合も可能だ。

代表合宿では日本人のみでの練習だが、Bクラブとの試合なら屈強な外国籍選手とマッチアップする機会もある。

またリーグ戦60試合に天皇杯、今季はアーリーカップも行われており、代表関係なく試合数が多すぎると思う。

Bリーグプロスポーツの中で後発勢力であり、幅広い層のファンを獲得していかなければならないが、エンタメ性だけ高く競技力が追い付いていなければ真の人気は得られない。

選手がもっとどん欲になって、もっと稼ぎたい・ステップアップしていきたいと思えるようなBリーグ・日本バスケを作っていきたいものだ。

そのためにはファンも優しいだけでなく、叱咤激励していかないといけないと改めて痛感させられた。