未知なる戦いへ 〜Wリーグ2022-23 プレーオフファイナルgame1,2〜

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タイトルはバススピさんのパクリですね笑笑

トヨタ自動車が21点リードで折り返す予想外の展開だったが、スカウティング、コンディショニングなど完璧に仕上げてきた。

高精度のスクリーンでマークのズレを作り、更にスクリーナーは簡単にダイブせずディフェンスを揺さぶり、インサイドでイージーシュートを積み重ねた。そして外が空いたら世界のYAMAMOTO!チームとして3ptシュートのアテンプトは少なめだったが、これでも充分すぎる破壊力だった。ディフェンスではズレが出来たように見えても誰が相手でも守れるステファニー選手が立ちはだかる。

ソハナ選手は手を我慢できていたし、チームとしてゴール下で深追いしすぎない守り方を徹底するなど余分なファールはなかった。ヘルプディフェンスを巧みに織り交ぜ渡嘉敷選手に自由を与えず。林選手は大きな選手とのマッチアップで疲弊したのか3ptシュートは0/6とブレーキ。

ディフェンスからの好リズムで不調を脱したソハナ選手が1Q終盤でディフェンスリバウンドから走ってのストップジャンパーがターニングポイントの1つか。ENEOSタイムアウトを取ったあとも流れを渡さなかったという意味で非常に価値のある得点だった。トヨタ自動車が攻勢を強めてから林選手→藤本選手の交代となってしまったのもタイミングとしてよろしくなかった。

それでも簡単に引き下がらないENEOSは20分でトヨタ自動車のスクリーンにアジャストしてきた。だがそれ以上に前半フルスロットルだったトヨタ自動車がバテたのが大きかったのかもしれない。高い位置からインテンシティ高いディフェンスでインサイドにボールを供給させず、ヘルプディフェンスもして、奪ったあとのトランジションも速い。ファイナルの舞台であれを40分続けるのはムリです…苦笑

レギュラーシーズンでのgame2はその展開から逆転を喫し、皇后杯準決勝では采配ミスで敗れているが、そこからの成長を感じ取ることができた。リバウンドで耐えて、最後はこの試合を司っていた川井選手が攻守でビッグプレーを連発して逃げ切りに成功した。

 

両チームとも緊張感を漂わせていた試合前。

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レギュラーシーズン2位以上を決めて臨んだ最終週ではプロレスごっこをしていた山本選手、川井選手もその他トヨタ自動車の選手もENEOSの選手も談笑少なめでストレッチやシューティングをしていた。一方でコーチ陣が積極的に選手とコミュニケーションを取っている姿が印象に残った。オープニングセレモニー終了後は両チームとも緊張感が和らいだのがいつもの姿が見られたが、決戦の雰囲気がスタンド席にも伝わってきた。
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1Qから火花バチバチの戦いが繰り広げられたが、前に出たのはENEOS。その主役は長岡選手。

トヨタ自動車も理不尽なソハナ選手が完全復活するなど悪くはなかったが、game1後半同様スクリーンが機能せず、強引なオフェンスが増えたか。

(勝ってもgame3があるとはいえ)渡嘉敷選手、長岡選手を少し休ませながら2ポゼッション差を維持。ENEOSとしてはここをそのまま耐えられれば後半少しラクになる。トヨタ自動車からすると非常に嫌な予感がする中で打開したのは平下選手の3ptシュート。ショットクロックギリギリのタフショットではあったが、焦ることなく自分のフォームで打っている。ハートが強すぎる21歳である。

逆転して折り返したが、後半の入りが良くなかった。髙田選手がタイトなディフェンスで山本選手が封じられるとドリブルが多くなりオフェンスのリズムが崩れた。前半からアウトサイドを空けてしまっていることが多かったが、長岡選手の3ptシュートへのファール(FT3本とも決める)、当たりがきていなかった林選手がついに決めるなどENEOSが猛攻。ディフェンスやオフボールでの負担が大きい中でも走り続けたことがここにきて実った。

3Qも最後に追いついたトヨタ自動車の気力・体力は素晴らしいが、4Qでまた入りが悪く、今度はリードを広げられた。

 

さてまもなく最終決戦である。

game1後半以降の1試合半で考えるとENEOSが有利だとは思う。選手、コーチの経験値もENEOSの方が上。

両チームとも奇策、秘策、大抜擢など期待はできないが、3連戦なので疲労は相当あるに違いない。ベンチメンバー、トヨタ自動車なら宮下選手・梅木選手、ENEOSは中田選手、藤本選手がコートに送り込まれた時に結果を出せるか。ここがカギだろう。