絶対正義スリーガード 〜トヨタ自動車×富士通レビュー〜

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相手がサイズあってディフェンス力高い選手を揃えていても愚直にスリーカードで縦縦縦なオフェンスを貫く。

そりゃ相手としては対策しやすいですよ…大谷翔平だってストレート一辺倒では抑えられないでしょう…

 

分かっていても最初は止められない。あれだけのスピードとフィジカル、そして2度の優勝経験があるから。富士通がマンツーマンとゾーンのチェンジングディフェンスで惑わすも小気味よいパス回しでショートコーナーエリアから攻略。破壊力あるオフェンスを展開した。

しかし戻りが遅い・陣形が整わないところを突かれて、林選手、宮澤選手の3ptシュート。内尾選手の迫力満点な突進も止められない。チームとして抑えるツボが定まっていない。

そうこうしているうちに富士通がスピード、フィジカルにアジャストして、林選手、内尾選手のタイトなディフェンスもあり、ペースを握った。富士通14点リードで折り返し。


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3Qはこの試合がデビュー戦となったアーリーエントリー岡本選手の活躍もあり、一時はトヨタ自動車が2点差まで迫るも立ちはだかったのはモアース!

アース(宮澤選手)が更に進化した!モエコ(ENEOS・長岡選手)を思わせるパワフルなインサイドプレーで加点していき、追いつかせないどころかじわじわと離し、3Q終了時には前半終了時と同じ14点差。事実上ここで勝負あり。

 

 

game1で敗れたトヨタ自動車、正直戦術・戦略の変化はあまり感じなかったが、気合いが違った(笑)

中も外もやらせない闘魂ディフェンスからターンオーバーを誘発し続けた。オフェンスではボールマンの後ろを回り込んでパスを引き出すなどオフボールの動きが活性化された。速く強いパスの展開からの得点もみられたが、前半1点のリードに留まったのは何故ですか?分かりません笑

 

後半もディフェンス強度は高く、試合トータルで富士通の2ptは15/40、3ptは5/16と抑えた。トランジションオフェンスも増え始めたが、富士通もディフェンス強度が高く、相手以上にシュートが入らなかった…

4Q残り7:45で9点ビハインド、その後もシュートが入らず5分以上得点なし。それでも全員が怯まずに攻めの気持ちを切らさず、安間選手、宮下選手で富士通タイムアウトを挟んで3連続得点、捉えた!

ENEOSの壁、じゃなくて宮澤選手、林選手が立ちはだかったが、この試合好調の安間選手が値千金のシュートでオーバータイムに持ち込むと4Q後半の勢いのまま勝ち切った。

気持ちを切らさずにアタックし続けたトヨタ自動車に対して富士通は捉えられてから江良選手が怯んでしまった。ここは優勝とかファイナル、日本代表など修羅場の経験の差なのだろうか。

気合いの勝利って感じで戦術・戦略的には面白くはなかったが、勝てば官軍ですかね(゜_゜)

 

いや、2試合の得失点差で富士通が大きく上回っている。勝利数で並んだ場合富士通が順位上になるし、1年半での積み上げが全くと言っていいほど感じられない。勝てば官軍で済ませない!!!

ロサンゼルス五輪で日本代表を指揮する目標がおありなんですよね。。。

(スーパーな選手たちによるスピード、フィジカル、高さを前面に押し出した戦い方である程度勝ててしまうトヨタ自動車ではなく、Wリーグ下位チームや留学生がいない大学や高校などで経験を積んだ方が良かったのかもしれませんね)

 

まず何故頑なにスリーガードなのか…?能力値順に並べても選手各々の能力もチーム力も最大化出来ないです(現地でトヨタ自動車×富士通も含めて観戦されてた松本アナの言葉をお借りしております笑)

サイズで不利になる場面が出てくるし、安間選手もしくは川井選手がコーナーステイしていても彼女たちが持ち味を出せる可能性は下がる。

 

また安間選手と川井選手の併用があまりよろしくないと思う。安間選手は縦に強く、またトランジションオフェンスで滅法強い。川井選手はハーフコートオフェンスで幅を広く使う展開が得意。志向が異なるハンドラーが2人同時に出ているのは停滞した時のコントロールが難しいのではないか。HCの志向としてはおそらく安間選手寄り。縦に速く強いバスケ、ハードなディフェンスからのファストブレイク。
スタメンは安間 山本 平下 宮下 ソハナを基本。流れに応じて川井 梅木 岡本 梅沢を起用。相手によってはスタメンを変えることも当然必要で平下選手2番ポジションやソハナ選手と梅沢選手を併用するオプションも欲しい。スリーガードもフォワードのファールトラブル、相手がビッグラインナップの時にあえて使うなどオプションとしては残したい。

田中選手、三浦選手、横山選手も戦力化して欲しいが、そこまで期待するのはダメかな…

フィギュアスケートとかスキージャンプなどとは違って、相手と面と向かって戦うスポーツなので、40分自分たちのやり方を貫くなど不可能。

 

最後にgame2の4Q最後の攻防について物申したい!

オフェンスは最低2点必要。シュート外れたらリバウンド争いなので、スリーガードではなくサイズを上げる=岡本選手もしくは平下選手が必要だったのではないか。

(そもそも安間選手がシュートを放った時に山本選手、川井選手、宮下選手は3ptラインの外にいて、富士通はゴール下に3人、林選手と江良選手もペイントエリアの角にいたが、トヨタ自動車にはどういう意図があったのだろうか?)
ディフェンスは1点も与えられない。リバウンド、ルーズボールが勝負の分かれ目になったかもしれず、ここもサイズを上げる必要があったはず。

攻守ともタイムアウトがあったので選手交代、作戦伝達が可能だったが、いつものメンバーに賭けた。結果的に成功しているが、普段から1ポゼッションを大切にする采配をしていたら、あの緊迫した場面でも出来たと思う。

若手を使って、負けた時・策が失敗した時の責任を負わせたくない親心なのかもしれないが、レギュラーシーズンで出来なければプレーオフでは絶対出来ない。緊迫した場面でも起用していかなければ育たない。

そもそも平下選手に関しては年齢的には若くても日本代表としてW杯などに出場している実力者であり、背負わなければいけない選手である。

 

アーリエントリーについてトピックでも触れたが、戦力的には優勝候補筆頭。しかし現状のスリーガード絶対マンではベスト4に入ることすら困難だろう。中断期間でHCが柔軟になることを期待したい………