千葉ジェッツ天皇杯連覇から見る日本バスケの向かうべき道

本題の前に...

三河の戦いぶりは本当に残念だった。

ホームアリーナに行くと心の底から楽しくて、試合を見ていても彼らのスタイルがハマった時はもはや芸術的だ。

少し歯車が狂っただけで戦意喪失状態まで達してしまうのは見ていて悲しい。

数少ないバスケの試合の地上波全国放送で桜木ジェイアールの不貞腐れた表情は見たくなかった。

年末にあの試合を見た後だけに余計に...

捨て試合が全くの無意味になったわけだから。。。

さて本題。

三河の敗戦は自滅感が強かったが、両チームの志向するバスケスタイルから改めて色々と見えてきた。

〇激しいディフェンス

どんなスポーツでも良い守備がリズムを生み出し、良い攻撃に繋がることは定石だ。

三河も特にこの天皇杯では橋本が前から激しく当たっていたが、チームとしての連動性に欠けていたように思う。

また三河は戦術上の特性はあるにせよ、ペイントエリアを埋めるディフェンスが主で、全体を出来ていない印象を受ける。

千葉や琉球のディフェンスは40分間全員がサボらず、強度も高い。

上記のチームを見ているとディフェンス力はサイズやフィジカルではなく、戦術や約束事を遂行することによってレベルは上がると

思わされる。

オフェンスはセンスやイマジネーションも求められるが、世界を目指すならまず堅いディフェンスが必要ではないか。

〇オフェンスバリエーション

日本が世界で戦うにはあの手この手を使ってオフェンスしていかないことには点を取れない。

例えば昨年のアジアカップのオーストラリア戦。

アウトサイドシュートの成功率が高く、1Qは互角の戦いをしたが、徐々に突き放された。

パターンが一辺倒になって勝てるほどのレベルではない。

例えばこの場面。

インサイドのビッグマンに任せ、日本人選手が絡めていない。

距離感が悪く、横幅も使えていない状態だ。

上記の千葉ののようなコートを広く使い、スピード、アジリティなど日本人の特性も活かしたオフェンスを増やす必要があるのではないか。

また自分たちのスタイルを貫くだけでは勝てない(相手あっての競技は皆そうだ)

相手のウィークポイントを突くプレーやバスケットの場合、シュートモーションでファールをもらえばフリースローを獲得できるので、ファールを誘うプレーをし、そこから流れを徐々に取り戻していくことも可能だ。

比江島はこういうプレーが上手いが、昨日の三河の場合チームとして出来ていなかった。

バスケットの場合、タイムアウト以外でもフリースロー時など間があるスポーツなので、その間に指揮官からキャプテンへ指示する・ハドルを組んで意識共有などが可能だ。

そのあたりは指揮官の能力であり、常日頃からのコミュニケーションの積み重ねが求められる部分でもある。

〇引き出しの豊富さ

以前にも当ブログで書いたことだが、劣勢の時は特に様々な策を持ち合わせていないと対抗できない。

千葉は富樫が欠場したが、西村がオリジナルの存在感を発揮し、千葉のオフェンスを演出した。

伊藤、荒尾はリーグ戦同様プレータイムは少なかったが、阿部、チェンバースも存在感を発揮した。

またA東京だと小島が安藤と遜色ない仕事が出来る。二人が切磋琢磨する中で成長してきた。

バランスキーは2~4番をそつなくこなす。

三河は戦力底上げをしたはずが結局比江島、金丸、桜木に負担がかかっている。

A東京、三遠に敗れた試合の最終盤のような布陣を3Q半ばから敷いてきたが、これは指揮官に策がないことを露呈しているようなもので、毎回まともな形に持っていけていないことから練習で試しているオプションとも思えない。

また桜木のところで起点を作れないとき・ファールトラブル、怪我などコートに立てないときのプランBもない。

Bリーグで戦う上では帰化選手や代表クラスの日本人ビッグマンの存在は大きいが、そこに依存しない策が必要である。

常にリスクマネージメントをし、選手の特長を噛み合わせて、その時々で最良な戦い方が出来る指揮官。

日本はバスケ後進国なので、他国よりもさらにここが求められる。

選手のサイズ・能力で劣るなら指導者が上回らなければならない。

ざっくりとした内容になってしまったが、選手も指導者も高い意識・危機感を持ってBリーグ後半戦を戦ってほしい。

日本バスケ界の現状はソフトバンクがスポンサードをやめたら再び暗黒期突入もあるのだから。。。