Wリーグ 18-19 トヨタ×JX-ENEOS game1

吉田投入で脆くも崩れた皇后杯決勝からの進化は示せた。

1Qリードは許したものの、JX-ENEOSは攻めあぐねている印象で、皇后杯決勝よりも早いタイミングで吉田が投入された。

そこからむしろトヨタペースになったのはディフェンス面の改善がされているのが大きいだろう。

前週のシャンソン戦では谷村の巧みなスクリーンプレーに翻弄されたが、ローテーション、ヘルプのタイミングがスムーズで、相手のハーフコートオフェンスはそこまで脅威を感じなかった。

渡嘉敷・宮澤の得点を抑えることもできた。

(ハイロープレーから梅沢が決めるパターンはJX-ENEOSのメンバー構成上ここまで抑えるのは厳しい)

トリノスHCの采配も冴え渡った。

ステファニーをスターター起用したが、これが大当たり。

横や斜めの動きに強みのある彼女のプレーにより、梅沢は苦戦していた。

この日は外のシュート精度も高く、チームトップの18得点。プレータイムもチーム最長だった。

縦の動きに強く、よりリングに近い位置で強みを発揮する馬との使い分け(時に同時起用)が上手くできるとJX-ENEOSにも三菱電機にも充分対抗できる。

また水島、栗原、山本を投入するタイミングも絶妙で、揃っている駒を上手く活かせている。

と前半の出来は素晴らしく、同点で折り返したが、後半開始からスパートをかけられて、点差を広げられる他のチームがJX-ENEOSと対戦した時にもよくあるパターンで、結果は完敗。

18-19 Wリーグ レギュラーシーズン JX-ENEOS VS トヨタ自動車 19/2/9 BOXスコア

敗因としてはまず試合前にJX-ENEOS宮澤がキーにも挙げていたエブリン、長岡、三好の不調

エブリンは得点0、三好は生命線となる3ptが0/4、長岡も6点に留まった。

前半はステファニーら他の選手の活躍で好ゲームに出来ていたが、後半JX-ENEOSのエンジンがかかるとともに防波堤が決壊した格好か。

得点源となる選手の本来決まるシュートが決まらず、オフェンスリバウンドも拾えず、ディフェンスから走るJX-ENEOSのバスケの餌食になっていた。

オフェンスリバウンドを拾えなかった要因として、バスケットLIVEで解説を務めていた矢野良子氏はリバウンドに走る選手が少ないと再三指摘していたが、まともにリバウンド勝負を挑んでも分が悪い。

相手がリバウンドを拾ったあとの対応に問題があると感じた。

ハンドラーにボールが渡ってからプレッシャーを掛けるのか引いて他の4選手へのマークをはっきりさせるのかが曖昧で、ハンドラーは自由に操ることが出来る状態になっていることが多かった。

得点源3選手の不調に加え、オフェンスの組み立ても良くなかったように感じる。

プレーオフに向けてオプションを試している・策を隠している面はあるのかもしれないが、ボールの回りが悪く、オープンな形で3ptシュートを打つ回数も少なかった。

2Qは出だしでベックHC時代を彷彿とさせるセットオフェンスからの水島の3pt、キックアウトから揺さぶっての3ptやコーナーからの得点がいくつかあった。

JX-ENEOSに勝つには外の精度向上が欠かせない。

他のチームなら押し切れたかもしれないが、後半の5分で勝負は決まってしまった。

正直トヨタが勝つのはまだまだ難しいと思わされた一戦だった。

また皇后杯の時と比べてシュートや身体の使い方など梅沢の成長も感じた一戦だった。

桜花学園高で同級生だったステファニーとともに今後の日本代表を牽引していってほしい選手だ。