男子代表W杯本大会出場に一歩前進

1年前ホームでチャイニーズ・タイペイに敗れた時は絶望的な気持ちになった。

そこからチームも選手も大きく成長したと思う。

イラン相手にアウェイであれだけの試合が出来るなど1年前は想像もできなかった

世界的名将ラマスHCがチームを完全に掌握出来ている。

この試合では竹内公輔以外の11人で巧みにローテーションした。

局面に応じて素早く選手交代、上手くいかないこともあったがゾーンとマンツーマンを使い分け、ファジーカスもクォーター間のインターバルを活用しながらしっかりと休ませる時間を作った。

そのファジーカスはオーストラリアでもイランでも止められない絶対的な存在感をこの試合でも発揮した。

ただそれだけではない。

純日本人選手たちがBリーグでの戦いで逞しくなった

一次予選ではどこか頼りなかった田中、竹内譲次は今では苦しい時間帯でも頼れる逞しい選手になった。

これもA東京でルカHCの厳しい練習を耐え抜いてる成果だろう。

馬場はもともと高かった身体能力がさらに高くなっているのではないか。

イランやオーストラリアの屈強な選手相手にも対等に戦えている。

ダンクでエンドワンを獲得するプレーはその象徴ではないか。

加えて外角からのシュート力もさらに向上しており、今後の代表での活躍次第ではNBAも夢ではないのかもしれない。

オーストラリアで悔しい経験をした比江島は一次予選では孤軍奮闘ぶりが目立ったが、チームの進化により良い意味でのびのびとプレー出来ている。

外角シュートがなく、下がってボールを受けた時はオフェンスを停滞させる要因となっていた太田がこの試合ではハイロープレーでチャンスを演出。

彼の活躍は中堅・若手の日本人ビッグマンには励みになるのではないか。

もちろん外角シュートがあるに越したことはないが、無理にそれを身につけて特長を見失っては本末転倒。

特長を維持発展させつつ、プレーの幅を広げる。

日本人ビッグマンの成長モデルにしてほしい。

他のベンチメンバーも富山でのWindow5では張本、昨日のイラン戦では篠山、辻の川崎勢が存在感を発揮した。

富樫、古川は目立ったパフォーマンスを見せられなかったが、今回候補選手に選ばれたベンドラメや安藤周人のさらなる突き上げに期待したい。

競争が激化することで既存メンバーの成長も見込める。

このままW杯本大会や五輪への出場を決めれば、それらの舞台では渡邊雄太、八村塁の出場も見込め、さらに強い日本代表が見られる期待感が高まる。

今回のメンバーたちはBリーグで腕を磨いていくわけだが、他国のスカウティングも進む。

先にも触れたようにニューフェイスの台頭も待ち望まれる。

特に2023年W杯、2024年五輪の頃にキャリアのピークを迎える新世代が台頭し、既存メンバーに刺激を与えてほしい。

個人的には前出のベンドラメ、安藤に加えて、A東京の正PG安藤、20歳にして三河の主力になりつつある岡田、滋賀の星・高橋、アメリカ帰りのシェーファーらに期待している。

彼らのようなニューフェイスが何人か代表に定着した時、日本はアジアの強豪に仲間入りできるのではないか。