Wリーグ西地区後半戦開幕!

東地区は残念ながら今月(各チーム4試合ずつ)の試合が中止となってしまったが、西地区は無事に開催された。どこまで開催出来るか不透明な中で各チーム一戦必勝の思いがより強かったのだろう。熱量の高い試合を見せてくれた。

 

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アイシンAW×山梨

今季前半の対戦では星を分け合った両チーム。昨季、一昨季も分け合ったが、今回はアイシンAWが連勝した。game1は山梨のディフェンスが冴え渡り、アイシンAWドライブインもP&Rも封じられた。外からのシュートで活路を見出すも確率が悪く、得点が上がらない。後半は山梨がさらにディフェンスのギアを上げるが、両チームともシュート成功率が悪く、ロースコアの接戦に。最後はアイシンAWが押し切ったが、2Qの苦しい時間帯で遠藤選手の活躍が大きかった。実質今季初出場の選手をあの場面で投入するのは賭けにも近かったが、その成功がgame2にも繋がった。選手起用法は固まりつつあるが、プレータイムが短い選手もその中で結果を出せばまたチャンスを得られるチーム。選手のモチベーションの高さを感じることができた。

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game2では点差が縮まらなかった4Qも手綱を緩めることなく最後まで攻め続けた。とはいっても現状では後半戦あと2勝できるかどうかで、プレーオフ進出となると相当なレベルアップが求められる。3ptシュートの安定感が必須。

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山梨はディフェンス力は高く、ボックスアウトの意識も非常に高いが、それを2試合継続して出せないことが課題か。また3ptシュートのアテンプトは多いが、成功率があまりにも低い。昨季よりサイズアップは出来ているが、それでもまだ劣るので、3ptシュートを決めていかないことには勝利が見えてこない。

 

 

三菱電機×デンソー

前回対戦時に続き星を分け合ったこのカード。オーバータイムまでもつれ、選手層の差が如実に現れたgame1。デンソーは稲井選手がアクシデントがあったのかプレータイム少なめ。クラッチタイムで髙田選手がファールアウト。その中でPGを託された本川選手が鬼気迫るプレーでチームを引っ張った。三菱電機は根本選手が45分フル出場するなどバックコート陣は3選手とも40分以上の出場。

選手たちが4Q最終盤でのジャッジに納得いかないままオーバータイムを戦っていたとは思えないが、あれだけタフな試合でコートに立ち続けていたら当然足も気持ちも止まる(そう考えると皇后杯決勝のENEOSは人間を超えた力が出たのだな……)オーバータイム始まってすぐで本川選手が3ptシュートを決めて勝負アリだった。

大激戦の翌日は三菱電機がディフェンスのエナジーを上げて、終始優勢に試合を運んでいたようだ(第1試合に満足して、あまり見ていません←)バックコート陣3選手はこの日もプレータイムが長いが、それでも結果を残している。プレータイムに恵まれないベンチメンバーもモチベーションを落とすことなく、コートに立つ選手たちを鼓舞しており、古賀HCのマネージメント力の高さだと思う。その力を選手育成にも発揮できれば再びファイナルへの道も見えてくるが、現状では以前の定位置6位(今季の2地区制だと3位)が妥当な位置となってしまう。

デンソー・マルコビッチHCの意外性ある采配は相手を幻惑していると思うが、選手たちが準備・対応できていないのではないか。。昨季のトヨタ自動車も似た傾向があったが、マルコビッチHCの場合、この社会情勢下で来日が遅れ、10月中旬からチームに合流。母語とは異なる英語を用いてるようで指示が完全に行き届いていないこともあるかもしれない。マルコビッチHCのメソッドが浸透したらもっともっと強くなるが、本職PGの選手たちのより一層の奮起が求められる。

 

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トヨタ自動車×トヨタ紡織

育てながら勝つ。プロスポーツの世界においては永遠の課題かもしれない。三菱電機にしてもそうだし、以前このブログでも取り上げたシャンソン化粧品Jリーグ名古屋グランパスも然り。

この両チームは皇后杯を経て、アーリーエントリーで新たな選手も加わり(トヨタ紡織の選手は未合流)、選手起用に変化が見られた。トヨタ自動車はスタメンこそほぼ固定だが、2試合とも永田選手、脇選手を長く起用し、西澤選手も前半のうちから起用していた。アーリーエントリーのソハナ選手はgame1で20点差の4Q開始時に投入された。3Qにリバウンドで圧倒し差を広げたが、まだ安全圏とまではいえない点差・残り時間だったが、ソハナ選手は期待に応えた。それどころか7分あまりの出場で12得点の鮮烈デビュー。game2でも最後の2分ではあったが、ソハナ選手、さらには佐藤選手、平野選手を起用。大神ACが入念に指示して送り出して、佐藤選手が3得点。安全圏に突入していたが、上手くいっていないと見るやタイムアウト。その間もアーリーエントリー選手と同ポジションの先輩たちがサポート。チーム一丸で若手を育てていく姿勢が感じられた。

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トヨタ紡織も齋藤選手の欠場は残念だったが、開幕時の輝きを取り戻した平末選手と坂本選手でPGをローテーション。皇后杯準々決勝で初出場を果たした佐坂選手が奮闘するなど9人で回せていたが、game2はいつもの選手起用に…

この2試合での成果によりトヨタ自動車がタイトルを得られるわけでもなんでもないが、我慢・継続の采配により2勝。若手選手は手応えを掴めたと思う。game2後半立ち上がりも好例の1つ。12点リードで永田選手、平下選手を送り込んだが、2分経たずに4点差まで迫られて、タイムアウト。一度永田選手、平下選手をベンチに下げたが、そのあと再び起用している。飴と鞭とでも言うべきか。

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育てながら勝つ、我慢・継続の難しさを痛感させられた対戦だった。

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Wリーグだけでなくスポーツ界で感染が拡大しており、今後の開催が懸念されるが、ただでさえ試合数が少ないリーグ。無観客でもなるべく開催してもらいたい。