20-21シーズンWリーグアーリーエントリー選手発表

 


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昨季は1月中旬のオールスターで発表され、それ以前は皇后杯決勝を終えて、リーグ戦が再開されるまでの間に発表されていたアーリーエントリー選手。今季は皇后杯のスケジュールがこれまでと変わり、リーグ戦再開も早め。またこの社会情勢下であり、学生も普段とは全く異なる一年を過ごしている。アーリーエントリーする選手がいるのかという疑問もあったが、(オールスターのイベントのように事前予告なしで唐突に)年の瀬に発表された。17名中16名が大卒(見込)選手であり、ここは例年とは異なる。

 

ENEOS

例年通りこの制度を活用せず。現状怪我人は多いが、ロスターは15人おり、ポジション、年齢のバランスも良い。もし春に引退・移籍する選手がいても名門高校・大学から才能ある選手が加わることだろう。

 

富士通 

今年度インカレMVPの赤木選手、昨年度リソウハク杯日本代表の奥選手、今年度インカレ3位筑波大のキャプテン渡邊選手。プロ野球でいえば4球団競合の末に目玉選手を引き当て、さらには2位、3位でも本来1位指名されていてもおかしくない選手を指名できたくらいのハイレベルな補強。リーグ後半戦でいきなり活躍できるだけのポテンシャルを持った選手ばかりである(実際のところは緻密なモーションオフェンスなど決まり事が多く、移籍初年度の星田選手もプレータイムに恵まれていないので難しいと思うが…)

アクティブプレーヤーが10人だっただけにトレーニングの質向上も可能になってくるが、シーズンオフはSG・SFの選手の動向が気になってくるところ。

 

日立ハイテク

ロスターが16人、その中に2人加わり、こちらもシーズンオフが気になるチーム。船生誠也選手(琉球ゴールデンキングス)の妹でもある船生晴香選手は早稲田大学で下級生の頃から試合に出場していた選手。星選手、白鞘選手と似たタイプだと思うが、器用で賢く、重宝されそうだ。

目黒選手はダラーメ選手に続き2年連続での大卒センタープレーヤーとなる。谷村選手、鈴木選手、村山選手がいる中でいきなり多くのプレータイムを得ることは困難であり、将来性枠なのか学閥なのか。


シャンソン化粧品

今季選手のやり繰りに苦しんだチームに大物ルーキーが加わった。吉田選手、佐藤選手の加入により野口選手、水野選手の負担は大幅に軽減され、ラインナップのバリエーションも増える。吉田選手の拓殖大と佐藤選手の筑波大がインカレ3位決定戦で対戦しているので是非見ていただきたい。吉田選手に関しては東藤選手や小笠原選手のような衝撃デビューを飾る可能性もある選手だと思っている。


東京羽田

近年は有望な大卒選手を獲得してきたチームだが、今季は現時点では無し。ロスターが12人で本橋選手は今季絶望。短期的にも長期的にも戦力は欲しかったであろうチー厶だけに辛いだろう。シーズンオフに移籍で中堅選手を獲得したいところか。


新潟 

トヨタ自動車の河村選手と名前が似ているが、ポジジョンも見た目も全く違う。なんてことを言っているくらいなので、河村美侑選手のことは全く存じ上げていないです(笑)

新潟には細身のガードプレーヤーが既に何人かいるので、どう使い分けるのかは疑問あり。ただ得点源の千葉選手に続いて専修大学からの加入で、同大とのコネクションが出来たと考えれば新潟としては好材料である。


トヨタ自動車

  • #8 佐藤 京香(SF/白鷗大学)
  • #28 シラ・ソハナ・ファトージャ(C/白鷗大学)
  • #37 PG 平野 実月(PG/愛知学泉大学

富士通とともに現段階で新卒補強に成功しているチーム。ガードの多さはシーズンオフに動きがあると考えざるを得ないが、フィジカルが強く、個性がハッキリしているモンデーロHCが好みそうな3選手を獲得できたのではないか。いきなり試合で活躍することは難しいかもしれないが、チームのクオリティアップに貢献できる選手だろう。ファトージャ選手はトヨタ自動車で鍛え上げられれば今後日本国籍取得→代表入りもあるかもしれない。


デンソー

アーリーエントリー選手は無し。今年度大卒選手と同年代の選手が多く、来春加入選手は高卒のみか。特にインサイドが人材豊富ではあるものの、赤穂さくら選手以外は中堅・ベテラン選手。さくら選手とともに3年後5年後柱となれる選手が必要。


三菱電機

こちらもアーリーエントリー選手は無し。新卒は基本高卒のみのチームで、来春何名かの加入があるかもしれない。


トヨタ紡織

2年連続で愛知学泉大学東京医療保健大学からの加入。岡田選手、﨑原選手は共にサイズはそこまでないが、リバウンドに滅法強い。チームとして強化方針が一貫しているが、19-20シーズン以降選手の入れ替わりが多く、その選手たちが融合しきれていない印象がある。その状態のチームにさらに即戦力候補のルーキーが2人加わるとなると期待より不安の方が大きいのではないか。


山梨

2年連続で山梨学院大学からの加入。石川選手は甲斐市出身、高校も山梨県内。Wリーグではかなり珍しい生粋のフランチャイズプレーヤーである。いわゆるストレッチ4タイプのようだが、大学では1学年下の橋口選手がインサイドの要で、山梨でいきなり多くのプレータイムを得ることは難しいだろう。


アイシンAW

2年連続で大卒道産子プレーヤーが加入。サイズはあるが細身。米谷選手と髙原選手を足して2で割ったようなタイプというイメージで正直補強ポイントではない。

桜花学園聖カタリナ学園卒の選手が多いチームだが、そこから選手が獲れなくなってきているのは辛い状況で、新たなコネクションの開拓が求められる。その点からすると米谷選手や大澤選手にかかる期待は大きいのではないか。

(宮下選手の母校・足羽高校2年の山田愛結選手は逸材だと思います。足羽など北陸ルートは今後開拓されていくかもしれません。)

 

皇后杯で悔しい想いをしたチーム、ニューフェイスも加わってのトレーニングで底上げを図っているチーム、怪我人が戻ってくるチーム。様々だが、各チームの戦いぶりを診るのが楽しみでならない。1/9が待ち遠しい。