Wリーグ西地区第6週game2

山梨クィーンビーズ×トヨタ紡織サンシャインラビッツ

山梨はアイシンAWと対戦した開幕週は1勝1敗だったが、その後は勝てていない。西地区全体の傾向ではあるが、3p成功率が上がってこず、得点50以下の試合が多い。昨季と比べてリバウンドは改善されており、フィジカル負けしている印象もないだけにいかに3ptを打てる形を作り出すかにかかっているのではないだろうか。

トヨタ紡織はgame1同様飯島選手が大活躍。中野選手もブレイクの予感を漂わせている。齋藤選手は昨季の輝きを取り戻し、平末選手も周囲との連携が上がってきた。更には髙橋選手が初出場、大橋選手は初得点。

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次戦で当たるデンソーの試合をコーチ・選手が視察していたが、タレントが噛み合えばデンソーに連勝することも可能なチームだ(昨季も同時期に対戦し、トヨタ紡織が連勝している)

 

トヨタ自動車アンテロープス×デンソーアイリス

両チームとも昨季から大きな変化はない。トヨタ自動車は水島さんが引退したが、コーチは全員継続。デンソーは昨季所属の全選手が継続の上で2選手が加わり、マルコヴィッチHCは一週間前に合流した。

いくら名将対決といえどgame1でお互いがかなり策を出し、game2の特に後半は肉弾戦・死闘の様相が色濃くなっていった。

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トヨタ自動車が10点以上リードしている時間帯が長かったが、見ているこちらとしては残り30秒までセーフティリードとは感じられなかった。今季は比較的落ちついていたモンデーロHCも前半からテクニカルファールを宣告されるなどヒートアップしており、苛立ちや焦りが感じられた。

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勝負を分けた一番のポイントは3ptシュートか。トヨタ自動車は三好、山本、平下の3選手で1/6で、デンソーとしては警戒すべき選手は抑えられていたが、エブリン選手、長岡選手で5/8。フォワード陣を捕まえきれなかった。

一方のデンソーはgame1に続き試投数自体が少なく、インサイドでシュートするためのセットプレーに偏ってしまった。結果髙田選手、ひまわり選手は36分プレー。トヨタ自動車もスタメン全員が2ケタ得点を挙げたものの、ベンチメンバーの得点は少なく、エブリン選手が37分プレーするなど決してタイムシェアが出来ているとは言えない試合だったが、僅かな心身のスタミナの差がデンソーが追いつけそうです追いつけない要因としてあるだろう。

トヨタ自動車ファンの私としては勝ち試合が見られたので満足だが、試合の質としてはgame1の方が高かった。またこれまでは両チームとも多彩なオフェンスを見せていたが、このカードでは苦しくなるとトヨタ自動車はエブリン選手、ステファニー選手、デンソーは髙田選手、ひまわり選手に頼りっきりになってしまうことが多かった(ゾーンディフェンスを敷くタイミング、本職PGがいないビッグラインナップなど興味深い面もあった)試合終了直後の様子だとロスタイムに追い付かれたトヨタ自動車と何とか追い付いて勝ち点1を得たデンソーのような画である。

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両チームとも西地区優勝が目標であり、負けられないのは言うまでもないが、強豪との対戦でもこれまでやってきたことを出せないとENEOSの背中はまだまだ遠い。リーグ前半戦はもう2試合ある。その後には皇后杯も控えている。名将たちが今後どうタクトを揮うか期待感しかない。

 

 

アイシンAWウィングス×三菱電機コアラーズ

ロースコアゲームとなったgame2。アイシンAWはgame1で手応えを掴んだ三間選手がスタメンで出場。リバウンド争いで互角の戦いとなり、3ptを打たれてもセカンドチャンスを渡すことも減った(三菱電機の成功率も低かった)。宮下選手のディフェンス、リバウンドでの負担も減り、オフェンスへの貢献度は上がった。40分トータル、さらにいえば20試合、来季を考えたチームマネージメントをする上でタイムシェアは必要だが、どうしても2Qでの失速が目立つ。タイムアウトの遅さなども含めてコーチ陣の課題だが、後半でチームの土台が固まった感がある。原点回帰といえばそれまでだが、機動力重視で3Qスタート時は梅木・上長・加藤・宮下・近平の5選手を配する開幕週に近い形にした。

ドライブでのペイントアタックと強く・速いパス回しでオフェンスのテンポは上がり、良い形での3ptシュートも増えた。高さでは分が悪いが、選手たちの目の色は明らかに変わり、常にボールに喰らいついていた。

実際後半だけで見るとアイシンAWが34-25であり、尚更2Qの失速が悔やまれる。次週の対戦相手を考えると前半でもう少し無理をさせても良かったのかもしれない。

一方で2Qの点差は大きくのしかかり、残り4分の段階で15点のビハインドがあり、選手たちは意地を見せた。後半フル出場の上長選手、クラッチタイムで得点を量産した梅木選手には鬼気迫るものを感じた。残り3分以降での細かい選手交代も評価すべきポイント。特に残り18秒からのディフェンス時の交代は的確でラストオフェンスの時間も作り出せた。そこまでは素直に称賛しかないが、どうしても最後のところが解せない。

実質3ptシュートしか選択肢がないシチュエーションでシュート力のある選手を多く配するのは当然だが、絶対的エースである宮下選手を外してまでこの試合2分半の出場でシュート0だった米谷選手を送り込んだ意図は何だったのか。宮下選手も充分シュート力はある選手で、この試合の3ptも2/3。そして3ptを打てずに試合終了。シュートが入った/外れたは結果論でしかないが、3ptを打つことが出来なかったのは采配ミス、シチュエーションに応じた練習の不足としか言えない。

また巻き戻しになってしまうが、前半の最後も勿体なかった。3点しか取れていなかったクォーターの最後に何とか2点取れたのに、ディフェンスを引き締められず、ブザービーターの3ptシュート。1ポゼッションの積み重ねがバスケであり、一つ一つの事象に言及しすぎるのはよろしくないのは分かっているが、これは本当に勿体ないとしか言いようがない。自陣からとりあえず放り投げたシュートが決まったわけではないのだから…

こういう試合をモノにするのが三菱電機の強さでもあるが、三菱電機も苦労を重ねて一昨季ファイナルまで進んだ。レギュラーシーズンのトヨタ自動車戦では2試合とも接戦を落としたが、経験を糧にセミファイナルでリベンジを果たした。昨季まで所属していた濱口選手に洗礼を浴びせられた格好となってしまったが、この試合がアイシンAWにとって転機となることを願ってやまない。

負けが続いても選手たちの活気は失われていない。コミュニケーションもよく取れている(タイムアウトの時のコーチ陣の腰の重さはどうにかしてほしいが…その分作戦を練る時間が減るわけで……)試合後には梅木選手、上長選手、宮下選手がコート上で話し込んでいた姿にはこのチームの未来を感じた。

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山梨、三菱電機は前半戦を終え、残り4チームも次で一区切り。以下完全な願望です。

順当にいけばトヨタ自動車が連勝だろうが、アイシンAWが9連敗で前半戦を終えるのは辛いので、1つ勝ってほしい。絶対に勝てない相手ではない。2試合とも手応えある内容にしようとか考えず、どちらか1試合遮二無二勝ちにいってほしい。トヨタ自動車は1つ負けて、デンソーが連勝しても得失点差で首位ターンできる(そうですよね?)デンソーも1つ負けるかもしれないし。

と今から星勘定したところでもう2回ずつ対戦があるんですけどね(笑)

 

しかしこの試合数の少なさは何とかならないのかなぁと思います。三菱電機の川井選手も仰ってましたが。試合することが一番レベルアップに繋がるだろうし、日々の練習の成果を出す場がこれだけしかないというのは残念です。

代表の国際大会が増えてきて(今はこの情勢下なので出来ないけど)スケジュール調整が難しく、企業スポーツならではの事情や会場、審判の確保など課題は多いのだろうが、Bリーグは60試合もやってるのに、何だかなぁと思います。