第88回バスケ皇后杯準々決勝Day1 レビュー

40分フル出場は全くもって誇らしいことではないです。しかもトーナメント大会で敗退したのだから…

PGの競争が激化していて、それがチームを良い方向に導いていると思った前半だったが、40分遂行することは難しい。三菱電機には選手層、戦略が足りなかったか。小菅選手もほぼフル出場、根本選手、見崎選手は35分出場。トヨタ紡織とは今シーズンのリーグ戦で既に対戦しており、策も練られる。必然の負けだろう。

前半は相手のゾーンディフェンスに苦しめられたトヨタ紡織。その中でも3ptシュートの形を作り出すなどオフェンスが全く機能していなかったわけではない。後半はギアを上げ、
2ptシュート6/7、7リバウンド、5スティールの東藤選手が光り輝いた。

オフェンスだけでなく残り2分を切った痺れる場面での西岡選手とのミスマッチで身体をぶつけスティールするなど五輪で見せた高いディフェンス力も見せるなどクラッチシューターの世代交代を予感させた。

また坂本選手の巧みなゲームメイク、いつも通り寡黙に役割を果たし、ベンチで息を整えた東藤選手にバトンを繋いだ飯島選手の堅実な仕事ぶりも見逃せない。チームとして型が定まってきたトヨタ紡織が初のベスト4進出を決めた。

 

勝利は貪欲に、少々汚くても構わないが、敗れるときは美しく。

下記記事にもあるヨハン・クライフ氏の名言だが、ENEOSはまさにそういう試合だった。汚くはなかったが、自分たちのストロングポイントを前面に押し出し貪欲に戦った。

渡嘉敷選手、梅澤選手の身体は重そうだった。しかしシャンソン化粧品も怪我人が多く、ファールトラブルも重なり、ボックスアウトを徹底できず、インサイドでの失点が増えてしまった。そして走られて、3ptシュート。ENEOSが自分たちの型で順当に勝ち上がった。

 

準決勝第1試合はトヨタ紡織×ENEOSとなった。

トヨタ紡織の粘り強さ、オフェンスバリエーションの豊富さは魅力があるものの、本調子ではないといえどENEOSのツインタワー封じは厳しいか。勝負のツボを心得た選手たちが余力を残しつつ決勝進出すると予想する。

ただ優勝となると話は別で、トヨタ自動車富士通デンソーインサイドプレーヤーが質量とも充実している。昨シーズンのリーグプレーオフの時のような満身創痍感漂うENEOSは秘策もなさそうだが、どうなるか。