第88回バスケ皇后杯プレビュー

大学日本一を決める戦いが閉幕しましたね。 

女子は大本命チームが5連覇達成、順当な結果と言って差し支えないでしょう。男子はスター軍団がよもやの逆転負け。3ptシュートが決まれば同点の場面でのあのプレーは…ウーンでしたね。。


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さて水曜日からは同じ舞台で女子バスケ日本一を決める戦いが始まります。インカレのように盛り上がって欲しいです(関係者席とかチーム応援席が広大だからムリだろうけど←)

決勝は昨年と同じカードなのかなと思いますが、どちらが優勝するかは何とも予想しがたいですね。復権へのモチベーションと高さが上回るか選手層とフィジカルが上回るか。ってところですが、見ているだけでも胸が痛む死闘になるはずです。

なので戦術・戦略・技術としては準々決勝、準決勝の方が面白くなりそうで(一般的にもカップ戦、トーナメント戦って準々決勝が一番面白いっていうじゃないですか!ですよね?笑)、そこの展望をサクサクとしていきたいと思います。

 

左側のヤマはENEOSが順当に勝ち上がってくる(はず)昨シーズンリーグ優勝を逃し、今シーズンも開幕から苦戦する試合が多い。シャンソンには2シーズン続けて1敗しており、山梨、トヨタ紡織とも1戦は薄氷の勝利だったが、大舞台・トーナメント大会でENEOSが決勝進出すら逃すイメージは沸きにくい。昨シーズン全休だった髙田選手が復帰しガードはタイムシェアが出来ている。インサイドは渡嘉敷選手の負担が過度で、梅沢選手・ヤシン選手はまだ本調子ではなさそうだが、昨シーズンのプレーオフよりは駒は揃っている。スターターの選手たちの負担を軽減した上で勝ち上がれるかどうかがカギとなるだろう。

こちらのヤマでは三菱電機×トヨタ紡織のカードが接戦となることを期待したい。今シーズンはリーグ戦第2週で対戦しており、トヨタ紡織が2勝しているが、両チームともその時とはチーム状態は異なる。三菱電機はアイシン戦以降高卒2年目の藤田選手がスターターに定着するなどチーム内競争が激化しタイムシェアも出来ている。トヨタ紡織デンソー富士通ENEOSには勝てなかったが、トヨタ自動車に初黒星をつけた。選手個々の役割が整理され、のびのびとプレーできている。個人的にはインサイドに機動力があるトヨタ紡織に分があると思うが、甲乙つけがたい。

 

右側のヤマはデンソーの準決勝進出は堅いと思うが、トヨタ自動車×富士通は激戦必至。昨シーズンはリーグSFで対戦し、トヨタ自動車が2連勝でファイナル進出を果たしているが、その時と比べてトヨタ自動車は戦力ダウンし、富士通はアップしている。トヨタ自動車は新卒、移籍で3人ずつが加入したが、ソハナ選手以外は信頼を勝ち得ておらず、安間選手移籍の影響が見え始めている。山本選手依存の傾向があり、モンデーロHCが苦悩が伺える。一方の富士通は町田選手、篠崎選手への高負荷は変わらずだが、宮澤選手は攻守で大きな存在感を発揮している。3ptシュートの確率が悪くてもリバウンドで貢献できる。それによりガード陣のスピード、他の選手の3ptシュートが効果を発揮し、オコエ選手は集中力を切らすことなくプレー出来ている。

とは言ってもトヨタ自動車の方が選手層は厚く、リバウンド力も上。オフェンスリバウンドを確保しゲームを支配すればSFのgame1のようにワンサイドゲームになる可能性もあるが、富士通としてはトヨタ自動車のオフェンス回数を減らし、リバウンドで食らいつき、一撃必殺の展開に持ち込みたいところ。ベンチからの出場となるであろう内野選手、田中選手がカギを握るのではないか。

宮澤選手は大きなプラスを与えているが、昨シーズンリーグ優勝したコーチ、選手の経験値の差でトヨタ自動車の勝ち上がりを予想している(贔屓目なしでね、贔屓目ないよ!!)

 

そしてデンソー×トヨタ自動車になるであろう準決勝、これが更に激戦必至なんですよ!!!

ここ3シーズンのリーグ戦では4勝4敗と両者譲らない戦いが続いている。 戦力値で見るとトヨタ自動車の方が上だが、デンソーはマルコビッチHCの駒の活かし方が上手い。渡部選手を投入するタイミング、一見過多気味に思えるインサイド陣の使い分け、攻勢を強めるときとディフェンスで耐えるときの判断など絶妙すぎる采配を見せる。好不調の波が少ないディフェンスの堅さも強みとしてある。

トヨタ自動車としてはペイントエリアでの肉弾戦に持ち込みたいところで、宮下選手、ソハナ選手の起用法がカギを握るだろうか。

一発勝負のトーナメント大会だけに欧州の名将同士のベンチワークにはさらに注目で、タイムアウトも含めて目が離せない一戦だ。(日立ハイテク×富士通になるかもしれないけど)

 

優勝はトヨタ自動車が勝ち上がれば選手層とベンチワークで上回るトヨタ自動車、もしデンソー富士通勝ち上がったら経験値で上回るENEOSだと思う。最初の方でも少し触れた通り、ENEOSのスターター(特に渡嘉敷選手)が2試合出ずっぱりで決勝を迎えると厳しい戦いになるでしょう。それは当然トヨタ自動車デンソー富士通も同様で、短期間でのトーナメント大会の醍醐味である。よって大会のキーポイントは接戦が増えるかどうかである。

 

世間は富士通(というか町田選手)への期待が高いだろう。富士通の試合は会場全体で東海大学を後押しするインカレ男子決勝のような雰囲気になりそうだ。デンソーの初タイトル獲得を望んでいる人も多いだろうし、ENEOS復権、はたまた昨シーズンリーグ4強以外のチームのタイトル獲得への期待もあるはず。

各チーム打倒銀河系軍団で挑んできてほしい!その闘志をへし折ってトヨタ自動車が頂点に立つ姿を想像して、この記事を締めくくります。