Jリーグ第11節名古屋グランパス×ガンバ大阪

先制すれば滅法強いが、前節で脆さを露呈したグランパス。この試合では90分間らしさを貫き、パーフェクトに近い内容での完勝だった。

堅守のさらに上をいくとも言われ始めるくらいの鉄壁な守備が武器だが、ゴール前で空中戦・肉弾戦になると分が悪そうな選手構成のグランパス。ガンバは宇佐美、パトリック、レアンドロペレイラの強力な3選手で立ち上がりから向かってきた。パトリック選手が右サイドに流れてロングボールを繋いだり下がってもらったりして、CBでは吉田選手、米本選手とマッチアップする形で攻撃を組み立ててきた。昨年の対戦時も同じやり方をしており、お見通しといわんばかりにCBにより対人で強さを発揮する木本選手をスタメン起用。丸山選手含めたCBと稲垣選手でミスマッチをカバー。ガンバはボランチの選手の攻撃への関与が少ないこともあり、  攻めるも決定機は作れていなかった。

それはすなわちグランパスペース。守備の時間が長くなっても決して焦れない。むしろ守備の時間を楽しんでいるかのように。そしてチャンスと見るやビルドアップを始めるが、それでも決してリスクは負わない。柿谷選手のテクニック、山崎選手の強さを活かして中央で起点を作って、時折米本選手のロングホールも交えてサイドへ展開していく。前半で先制点を奪えた。鉄壁のグランパスが得点力不足に悩むガンバ相手であれば1点で充分だったかもしれないが、後半10分に追加点。

もうあとは無失点勝利を目指すのみ。元々固い守備が2点リードし、残り15分ほどで齋藤選手、長澤選手を投入し、もう安心して見ていられました。

※試合トータルでのスタッツがボール支配率がガンバ61%、シュートはグランパスより1本12本だが、ガンバの枠内シュートは0本。走行距離、スプリント回数の上位もグランパスの選手ばかり。ガンバにボールを持たせるも危ないところはしっかりケアできているということが読み取れる。

 

3試合出場機会がないシャビエル選手のプレーもそろそろ見たいとかフルタイム出場が続く吉田選手を10分でも休ませて前節で名古屋デビューを果たした森下選手に勝ち試合を経験させるとか期待はしたが、それは期待してはいけないことなのだろう(笑)

その中でもピッチ上の選手たちは監督の意図を理解しつつ、3点目を狙いにいく姿勢を見せてくれた。優勝するためには必要なことだろう。

 

冒頭でパーフェクトに近い内容と書いたのはグランパスの攻撃が左サイドに偏っている感があったこと。得点も2点とも左サイドから生まれているが、ピッチを縦に3分割したエリアマップでも左48%、右は29%に留まっている。

好調な相馬選手を最大限活かす戦い方をしたのだろうが、右サイドはマテウス選手が孤立してしまう場面が多かったように感じた。1人で打開する能力がものすごく高いが、それでも各チームのスカウティングは進んでいる。その中でSB成瀬選手のサポートの動きが少なく、高い位置まで侵入しても成瀬選手の特徴としてインナーラップを選択することが多く、マテウス選手とポジションが被ってしまい、右サイドで数的優位な状況を作り出せていなかった。

次節までの準備期間は今までよりはある。右SBは宮原選手も控えているが、どちらを起用するにせよ、右サイドの整理は必要だろう。

 

そしてその次節は今年も圧倒的な強さを見せつけている川崎フロンターレ。王者から勝利するために必要なことを探っていきたいが、書き疲れたので、また明日か明後日に(笑)

それでは。