Wリーグ 2021-22 第3週 トヨタ紡織×デンソー

デンソーがマリーナイズムの浸透を感じさせる充実の内容で開幕4連勝。要因として主に3点挙げたい。

 

  • マルコビッチHCのトータルマネージメント 

40分終えて1点でもリードしていればOKというのが基本的な考え方としてあると思う。前半は多めに交代し、タイムシェアを徹底。game1でトヨタ紡織が佐坂選手を投入した中でデンソーは髙田選手も赤穂さくら選手もベンチ。パワー負けしそうだが、スクリーンに長けた森選手、外からの得点力も高い畠中選手で佐坂選手をペイントエリアから押し出した。この采配はお見事だった。

本川選手の負傷も近藤選手、篠原選手らでカバー、game1での稲井選手のファールトラブルは昨シーズンほぼ出番がなかった高卒2年目の髙橋選手が補って余りある大活躍。3Qのバスケットカウントは圧巻だった。強心臓とスピードでガンガン仕掛ける姿勢は好印象、今後が楽しみな選手。

こうしてベンチメンバーが活躍できたのも前半から起用しているから、もっといえば日頃から全員で戦い抜くためのトレーニングをしているからだろう。

一方のトヨタ紡織はgame1の4Q序盤で立て続けにタイムアウトを請求するも立て直せず。game2ではインサイド陣が相次いでファールトラブルになったあとの対応が後手。その中でマルコビッチHCは髙田選手、赤穂さくら選手、赤穂ひまわり選手を長く起用し、インサイドを攻め立てた。稲井選手、負傷の本川選手に代わってスタメン起用された近藤選手も含めスタメンのプレータイムが長めだったが、次の試合は6日後、11月の対戦相手も考慮したのだろうか。1試合40分だけでなく、2試合80分、さらにその先も見据えたトータルマネージメント、采配経験の差がモロに出た。

 

  • 大黒柱・髙田真希の存在感

タイムシェアはしていても色んな選手が活躍していてもこのチームの中心は髙田選手。中から・外から欲しいところで必ず決めてくる。落とせないリバウンドを死守する。流れが悪い時はコート上の選手を集めてハドルを組む。五輪後は見ない日はないというくらいにしょっちゅうTV番組に出演していて、充分な練習が出来ているのか不安になるほどだったが、何のその。むしろスケールアップしているようにすら見える。

 

  • ディナイディフェンス

鬼気迫る勢いでディナイディフェンスをして3ptラインより内側に入れさせず、スティールからイージーバスケで得点を重ねる姿は他チームからすると脅威でしかない。特に篠原選手のナイスディフェンスが目立った。

 

昨シーズンは充実の戦力を活かし切れず、プレーオフには進むも西地区上位3チームには未勝利に終わったトヨタ紡織もポテンシャルの高さは感じさせてくれた。

昨シーズンは怪我に泣いた佐坂選手が攻守にパワフルなプレーを披露。外からのシュート精度も高く、大学時代はライバル校の監督だった日本代表恩塚HCのお眼鏡にかなうかもしれない。佐坂選手と同じく大卒2年目の平末選手はPGとしての仕事が整理され、知花HCが坂本選手との使い分けも上手くしている。

飯島選手、髙橋選手もシックスマンとして貢献度が高く、あとは4強からの勝利の味を一度知れば一気に突き抜けられるチームだと思う。

2試合とも10点以上の差がついてしまったが、そこまでの差はなく、経験あるのみだ!