Tokyo2020 5人制女子日本代表 ×ナイジェリア

🇯🇵日本102-83ナイジェリア🇳🇬

スタートからゾーンディフェンスを敷いたナイジェリア。落ち着かない日本のオフェンスを尻目にサイズと長い手足を活かしてディフェンスのギャップを付いて、ショートコーナーなどミドルレンジを攻略してきた。

しかしすぐにゾーンディフェンスにアジャストした林選手が3本、髙田選手が1本3ptシュートを決めて攻略すると、得意のオールコートプレスから町田選手→髙田選手で得点。3ptシュートだけではよろしくないと思っていた矢先のファストブレイクからの得点。ナイジェリアはこのやられ方は絶対にしたくなかったのだろう。4点ビハインド・前半残り時間は14分半あったが、すかさずタイムアウトを取った。

流れを変えたかったナイジェリアだったが、ホーバスHCが巧みな采配。3ptシュートを演出していた町田選手から宮崎選手に交代し、揺さぶった。するとタイムアウト明け最初のオフェンスで赤穂選手がベースライン際を切り込んでバスケット・カウント。さらには宮澤選手が連続得点。ナイジェリアは捕まえどころがなくなり、1Q終盤で日本が完全に主導権を握った。

ナイジェリアがマンツーマンディフェンスに変えた2Qはさすがにシュート確率が落ちた。徹底的にインサイドへボールを集めるナイジェリアのオフェンスペースが上がり、日本はアウトサイドでの単調なパス回しが増えた。その中でも髙田選手中心にインサイドをタイトなディフェンスで締めて、3ptシュートやファストブレイクからの失点は許さずなんとか粘った。日本らしからぬターンオーバーもあり、1ポゼッション差まで迫られた場面もあったが、本橋選手が得意のワンステップシュート、アシスト、3ptシュートで自らのミスを挽回しフランス戦での負傷の不安を払拭した。林選手の3ptシュートも再び決まり出し(ワンハンド絶対論者も驚いたことだろうw)、赤穂選手、長岡選手のハッスルプレーもあり、15点リードで折り返した。

 

3Qは宮澤選手の復活祭。試合トータルで林選手は7/11、宮澤選手は5/8。アメリカ戦でほぼダブルダブルの活躍を見せた町田選手はこの日は0pt。ゲームメイクに徹して、オフェンスを安定させたと思っていたら、なんとなんと15ast。これは五輪記録らしい!しかも20分でこのアシスト数は驚愕でしかない!!

シューター陣が目立っていたが、攻守に躍動感溢れるプレーを見せていた赤穂選手の活躍も素晴らしかった。

ナイジェリアは1Qタイムアウトの日本の変化に対応出来なかったことが尾を引き、3Q終了時点で27点差。髙田選手などプレータイムが長かった選手を休ませられたことは中1日での試合となる決勝Tを考えると好材料

4Qは本橋選手・宮崎選手が5分ずつ、三好・東藤・馬瓜・オコエは通して出場。やや得点は伸びなかったが、馬瓜選手が果敢にトップからディフェンスを切り裂き、得点や相手ファールを誘うプレー。東藤選手も負けじとドライブでのアタックを見せた。五輪に入ってからやや低調だった三好選手の3ptシュート、100点ゲーム達成となるオコエ選手の3ptシュートの場面ではチームの雰囲気の良さも感じさせた。

 

トラップディフェンスと3ptシュート(2ptと3ptが19/39と全く同じは驚異的なスタッツ)、12人全員出場・全員得点(ではないけど15astの町田選手は20ptくらい獲った価値あり)。1on1を仕掛ける場面も増えるなど3ptシュートが高確率でもそこに依存はしないオフェンス。日本の目指す形を100%に近いくらい表現できた試合ではなかったか。

MVPは宮澤選手、もっというとメディカルスタッフなど彼女の復活をサポートした方々に。3月のWリーグプレーオフ、6月のポルトガル戦は誰がどう見ても肩が重かった。五輪に入ってからもシュート確率こそ上がっていたが、肩をかばうように放つシュートはどこかぎこちなく、そして痛々しかった。3日前までその状態だったのがナイジェリア戦では100%ではないにしてもあのアースの復活を感じさせた。万全には程遠い宮澤選手を使い続けるホーバスHCには疑問しかなくて散々言ってきたけど、掌返します。宮澤選手もスタッフも皆偉大です。

 

ヲタクには満足感しかなかったが、試合後の選手たちは先を見据えているようだった。目標は金メダルだから当然とも言えるが、あの表情を見たら期待しか抱かなかった。三好選手、長岡選手が強化試合で見せていたプレーを取り戻し、夢を実現してほしい(うちの子贔屓)

 

1つ苦言を呈するとすれば1Qの締め方か。10点差はあったが、上手くファールを使って守れなかったか。残り24.3秒もしくは10.8秒のところでファールさせたくない選手を下げて、東藤選手などディフェンス力の高い選手を入れることはできなかったか。林選手が当たっていた1Qなので最後だけ三好選手を入れても良かった。解説の萩原氏も「前から当たってきてるので気をつけたいですね」と仰っていたが、案の定やられた。1ポゼッション1ポゼッションをもっともっと大切にしてほしい。最後の24.3秒で点をとる・絶対に点をとられない、どちらのメッセージ性も感じ取ることが出来なかった。

 

 

Tokyo2020 5人制女子日本代表 ×アメリカ

🇯🇵日本69-86アメリカ🇺🇸

アメリカは色々ととにかく凄いが、中でもシュートが上手い。日本も3Q半ばまでは付いていけたが、高い・大きいだけではなく基礎レベルの高いアメリカが何枚も上だった。

日本の得点パターンは主に3pt、合わせ(バックドア中心)、PGのドライブ。インサイドで身体をぶつけあって得点を狙うことは少なかった。アメリカも後半になると日本の形に対応し、林選手のマークを厳しくしてきた。町田選手のチェンジ・オブ・ペースは試合通してお見事だった。9pt・11astでターンオーバーわずが1はすごすぎて言葉も出ないが、アメリカとしては3ptシュートが得意ではないことを把握した上でやらせていた側面も否定できない。オープンなら3ptシュートを決めてくる、林選手にキックアウトされると決められる。なら町田選手のドライブからの得点は捨てるという判断か。

こうなると日本の得点は伸びない。アメリカはシュートセレクションが悪い時間帯もあったが、すぐに修正できていた一方、日本は自分たちのバスケが出来ない時間帯を打開する策が乏しく、そういう選手も不在。ホーバスHCはこう言っているが、国際試合で3ptが16/40とか無理があるんですよ…相手が同格程度であっても3ptシュートって水物であって、確率が悪い時にどうするか。3ptシュートが入らないと難しいではなく、入らない時のオフェンスバリエーションが必要。良い意味で戦術を壊す選手も時には求められる。

ディフェンスはアメリカのターンオーバー17が示すとおり、オールコートプレスがアメリカに対しても効果を発揮した。あれだけ身長差がありながらあっさりセカンドチャンスを決められる場面も少なく、チームでゴール下のディフェンスを徹底できていた。ただ後半はいなされる場面が増えてきた。前のめりになりすぎる場面も多く、アメリカはイージーバスケットで得点。大きな相手がボール回ししている時の守り方に課題。

今日本が持っている力は出し切ったと思うし、他のどの国にも勝てる力はある。Bリーグファンなど普段女子バスケを見ていない人にも魅力は伝わったと思う。

ただアメリカと再戦して勝てるか・金メダルを取れるかとなるとニの手・三の手が必要。まずはもっとインサイドで勝負していかないと……長岡選手、東藤選手に期待したい。

Tokyo2020 3x3日本代表は男女とも準々決勝で終戦

女子 🇯🇵日本14-16フランス🇫🇷

予選リーグ後半から調子を上げてきたフランスが日本をみっちりとスカウティングし、アメリカが待つ準決勝に駒を進めた。

日本は2ptシュートが0/5、山本選手は2ptに終わった。2ptシュートのアテンプトすら少なく、山本選手のスピードも封じられると厳しい。その中でも篠崎選手のドライブは脅威を与えていたと思うし、いつもどおり相手にファールを重ねさせることはできていた。

五輪予選ではフランス、五輪本大会予選リーグでは日本が勝っており、両チームの差はごくごく僅か。次対戦したら日本が勝つと思うが、大舞台で勝てなかった事実は受け入れるしかない。選手たちはその僅かな差を突き詰めて、今後Wリーグ、日本代表でさらに逞しくなった姿を見せてほしい。

堂々と立ち向かったことは誇りに思ってほしい。選手たちは大柄な相手が揃う強豪国相手に互角の戦いをしてくれた。コーチングスタッフは強みと弱みを見極め、世界で戦えるチームを作り上げた。

しかし協会のお偉方には言いたい。他競技では出来ていること、もっと言えば5人制男子はフィリピンから帰国後すぐに東北で強化試合をしているのに3x3女子は五輪予選から帰国後2週間ホテル隔離を強いられたのか。五輪予選後FIBA主催の公式大会に参加している国もある中で、5人制代表強化試合の会場での壮行会等もなく、表舞台に出ることがないまま五輪を迎えた。

五輪予選後の7週間を有効に使えていたらスタミナ切れする試合はなかったかもしれない。ベスト4に進めたかもしれない。ここまで進めれば、あのように泣き崩れて終わることにはならかったと思う。そう考えると非常に恨めしい。

 

男子 🇯🇵日本18-21ラトビア🇱🇻

予選リーグ最終戦でいくつもの勝ち上がり条件をクリアし、決勝Tに進んだ男子代表。富永選手の決定力の高さなど見ていてワクワクする部分はあったが、チームとしての経験不足は拭えず。またしても勝てそうな勝てず、大会を終えた。

男子に関してはこの4選手が果たしてベストだったのか。ロマン溢れる富永選手だが、ディフェンス力、経験に疑問。38歳のブラウン選手はスタミナ面に難があった。サイズがあるわけではなく、3x3経験も少ない。例えばルーク・エヴァンス選手など他にも3x3に取り組んでいる帰化選手は何人かいる。落合選手は先駆者で3x3を知り尽くしている選手だが、彼の特長が活きるメンバー構成ではなかったように思う。

 

 

男女とも自国開催で採用された新競技だからチームを編成した感が強く、5人制とのサポート体制の大きな違いがあったように思う。

そういう環境下でメダル獲得こそならなかったものの、3x3の魅力はこの五輪を通して日本国民に伝わったと思うし、元からバスケに興味があった人は今までは知らなかった選手の名前等を覚えたと思う。これを今後に繋げていけるか。協会には大きな使命が課せられた。

  • 競技力向上において

試合ではコーチが指示を出せないので自分たちで考えてプレーする力が身につく。5人制だとメンバー入りしてもベンチを暖める時間が長い選手も多いが、3x3なら皆ほぼ均等にプレータイムがある。スペースの使い方、P&Rなど2メンゲームのクオリティアップ等々レベルアップできる要素が揃っているが、育成年代でもトップカテゴリーでも3x3を軽視しているチームが多いように思う。上手く活用すれば選手個々のスキルが上がり、日本バスケ全体の底上げができるのではないか。

 

  • 興行として

国内には3x3 EXEというセミプロのリーグがあるが、五輪に出場した選手やここ2,3年で代表候補に選ばれた選手はほとんどがBリーグ(男子)、Wリーグ(女子)のチームに所属している。

男子の場合、富永選手はアメリカの大学に在学中、落合選手はBリーグのチームに所属はしているが、3x3の活動を優先している。また保岡選手、杉浦選手などはBリーグのシーズンオフにEXEのチームに籍を置き大会に出場している。しかし彼らは率直なところBリーグのトップレベルの選手とまでは言えない。女子は2015年アジアカップ出場の篠崎選手、2019年の強化試合に出場している馬瓜選手など5人制代表に選ばれるだけの実力がある選手が3x3代表に名を連ねている。選手のレベルは高いが、彼女たちは3x3の国内大会には出場していない。馬瓜選手、山本選手、永田選手、平下選手のユニットでEXEとは別の国内大会に一度出場しているが、フィジカル差がありすぎて、ディフェンスをつけてのシュート練習や連携確認程度にしかならなかった。本気でやると相手を怪我させてしまうからだろう。要は男女とも五輪のイメージをもって見ると力量差が大きすぎるのだ。

BリーグWリーグのチームが3x3チームも保有すればシーズンオフに選手を強化できて、本来露出が減る時期の‘ネタ’を作ることも出来る。またBリーグは契約選手枠が少ないが、3x3チームをセカンドチーム的な位置付けで保有すれば通年で育成・強化の場を作れて、けが人が出たときなどリスクマネージメント(追加登録、トレーニングパートナー)としても有効ではないか。BリーグWリーグのチームに所属している3x3メインの選手がいても構わないと思う。

よりレベルの高い選手が参戦すれば興味を持つ人は多いに違いない(HPが見にくいということはさておき…)

 

  • バスケ普及の観点から

Bリーグ開幕以降借り手がいない倉庫を改装したコートなどプレーできる場は増えているようだが、五輪で3x3が話題になったことでその傾向は加速していくかもしれない。ただ現状のままだとフットサルのように競技人口は多くても、国内トップリーグの人気はイマイチという状況が生まれる可能性は否定できない。若年層(特に小中学生)の競技者を増やし、彼らの憧れの場としてNBABリーグWリーグだけでなくEXEも含まれるような取り組みが必要だろう(私には具体案が思い浮かばないが……)

 

3x3の強化・発展からは話が逸れます。

男子3x3代表選手は前述の通り、Bリーグのトップレベルとまでは言えない。また男子5人制は強化試合が地上波生中継されるなど話題を集めているが、中心選手は海外組。現地観戦することは難しく、配信サービスも決して安いとはいえず、ハードルが高い。馬場選手のオーストラリアNBLに至ってはよく分からないサイトでしか見られない…苦笑

一方女子は3x3も5人制も全選手がWリーグのチームに所属している。アメリカに勝つ、メダル獲得など話題性を作れればWリーグの可能性は更に膨らむのだ。配信の質向上、試合前後のイベント充実など今のうちに是非お願いしたいところです。

 

あと2点ほど。

  • 3x3女子代表選手の今後の目標

篠崎選手は最初で最後の五輪と公言しており、5人制含めて実質代表引退となるのだろうが、他の3選手が3x3でパリ五輪を目指すのか5人制代表入りを目指すのかは気になるところ。個人的には3x3でリベンジしてほしいと思う半面、コントロール能力が高いPGもピュアセンターも人材難で、スーパーサブ的な存在も欲しいので5人制代表を目指してほしい気持ちもある。スキルアップのための二刀流はありだと思うが、今シーズン終了時には大目標は定めておくべきだろう。次の五輪は3年後だ。

 

  • 五輪の過密スケジュールはどうにかならないか

今回は新種目で競技団体側の意向が通りにくい背景はあったかもしれないが、1日2試合を5日連続でこなすスケジュール(予選リーグ上位2チームは4日目は1試合のみ)は次回以降の改善はマスト。1日は休養日が必要だし、予選リーグ最終戦と準々決勝は別日にしないと2位に入れるかどうかのチームは心の準備が難しい。

もっとも次回以降も採用されるか、採用されたとして参加国がいくつかも分からないが、殺人的スケジュールだけは解消してもらいたい。

 

Tokyo2020 3x3女子日本代表 Day4

🇯🇵日本20-18アメリカ🇺🇸

ドルソン選手がパワフルなインサイドプレーで得点を稼ぎ、グレイ選手は篠崎選手のように縦横無尽にかきまわす。日本は手も足も出ない状態で2分半ほど経過。大敗も覚悟したが、山本選手の2ptシュート、篠崎選手のスティールからステファニー選手がシュートファールをもらう。この3プレーで日本が流れを手繰り寄せた。

全4選手がWNBAチーム所属、今大会6連勝中、6試合終えた時点でファール数が一番少なかったアメリカをオーバーファールに追い込むなど最強国相手にも自分たちの特長を最大限に発揮して勝利した。

日本のスピードを活かしたオフェンスと相手のメンタルを削る粘り強いディフェンスが出来れば勝てないチームはないことが証明された。あとはコンディションを整えて、決勝まで突き進んでほしい。

 

 

 

Tokyo2020 5人制女子日本代表 ×フランス

🇯🇵日本74-70フランス🇫🇷

どんなスポーツでも勝敗を分けるターニングポイントがあると思うが、それが分からないくらいこの試合は流れが目まぐるしく変わった。バスケをあまり見たことがない人にも面白みが伝わったのではないだろうか。ボクシングの村田諒太選手も圧倒的に面白かったとのこと。

それだけ伝わる力がある試合だったので、ああだこうだ語る必要はないと思いつつ、あえてターニングポイントを語るとすると1Qでフランスの高さにやられて点差が開いても理想とする速い展開のオフェンスが出来なくても焦れず、3Qの町田選手、クラッチタイムの長岡選手など決めるべきところで3ptシュートを決めたことか。

ディフェンスからリズムを作って、グルダ選手封じなどリバウンドでも互角だったこと。ディフェンスが崩れなかったことが後半の髙田選手爆発にも繋がっていると思う。

そして先発ピッチャーを引っ張りすぎる的な選手起用も多いホーバスHCがタイムシェアを徹底し、途中出場の選手やコートに戻ってすぐの選手が結果を出したこと。これまで代表戦では記憶にないくらい躍動していた馬瓜選手のドライブイン、物怖じしない東藤選手、一度町田選手を休ませるために送り込まれたであろう宮崎選手が試合を決定づけるプレーをした。チーム一丸の全員バスケで制した。

 

フランスはストロングポイントを強調するがあまりグルダ選手一辺倒なオフェンスになってしまったか。日本としてはインサイド陣のフィジカルの消耗はあったにせよ守りやすかったのではないか。セルビアのマルコビッチHCやスペインのモンデーロHCならこういうとき日本をどう攻略するかと考えてしまうWリーグヲタクだが、決勝Tで対戦があることを期待している。

 

課題としては両チーム合わせて最長の36分出場だった髙田選手の負担軽減。決して調子が良いとは思えない中で大きな仕事をやってのけるあたりはさすがの一言だが、4分の出場に留まったオコエ選手に期待。緊張から解き放たれて6,7月の強化試合で見せていたプレーを取り戻せるか。

気負いすぎなくらい積極的に得点を狙いにいっていた本橋選手は偶然のバッティング的なまさかのアクシデントに見舞われた。軽傷であることを願いたい。

宮澤選手の肩は1年2年経っても治らないと思えてしまうくらい深刻そうに見えるが、経験豊富で勝ち方を知っている選手。この試合のように15分ほどインサイドの繋ぎ役として起用すれば貢献してくれるはず。3ptシュートは見せ球としてしか使えないだろう。

 

コーチ陣が選手のコンディション、戦況を見極め、ギャンブル采配をしなければアメリカとも好ゲームを演じられるかもしれない。期待が大きく高まった東京五輪初戦だった。

Tokyo2020 3x3女子日本代表 Day3

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🇯🇵日本12-15中国🇨🇳

ROC戦、フランス戦とは異なり日本ペースで進んだ立ち上がりだったが、4分ほど経過してから日本に疲労の色が見え始めた。特に馬瓜選手の動きが重く、山本選手もアウトサイドシュートを放つ際、肩に錘が乗っているかのように硬いフォームだった。

その中でもショットクロックギリギリでのディープ2ptシュートを決めた山本選手、2ptシュートでファールを貰いFTも手堅く決めた馬瓜選手、阿修羅のごとくドライブでのペイントアタックを繰り返した篠崎選手、ゴール下でのディフェンスでファイトした西岡選手。皆要所要所で特長は出したが、中国のハードなディフェンスに苦しめられ、敗戦となった。

 

🇯🇵日本22-10イタリア🇮🇹

負けたあとの修正・対応が素晴らしい。3時間休んだだけでは回復なんてしないだろう。むしろ疲労は蓄積されているのではないか。実際立ち上がりから目に見えて動きは重かった。本来なら難なく決められるようなシュートを外す。リバウンドへの一歩が出ない。その中で相手にオフェンスを始めさせない粘っこさ、アグレッシブなディフェンスとそこからの速いオフェンスを各々が徹底遂行し、コミュニケーションと笑顔も取り戻した日本は篠崎選手の2ptが決まると主導権を握り続けた。一方イタリアは途中からイライラ立ちを隠せず、点差は広がっていた。日本の選手のハートの強さには脱帽だ。中でも山本選手の柔道かと思うくらいのファイトぶりには驚愕した。

ハードスケジュールでの大会、1日くらい旧曜日があってもとは思うが、それはどこの国も同じ。コンディションが悪くても休めない、メンバー入れ替えが出来ないのも同じ。気象条件も試合スケジュールも変えられない。

日本の戦術・技術はどこが相手でも通用するのは今大会を見ていて分かったが、ここからはまさに闘い。戦いではなく闘い。2位以上での通過は難しいかもしれないが、目先の試合に勝つのみ。

そして選手をどれだけリカバリーさせられるか。コーチングスタッフ含めた総力戦だ。

 

男子は通算1勝5敗、予選リーグ突破は最終戦勝利の上で他の試合の結果待ち。いかに切り替えを速くするかがポイントとなる競技において過剰なファールアピールや不必要なダンクシュートはやめてほしい。戦術、技術以前に勝つために必要なことを徹底してほしい。

Tokyo2020 3x3女子日本代表 Day2

game3 🇯🇵日本19-10🇲🇳

モンゴルが日本ディフェンスのマークのズレをついて、ゴール下で2連続得点。日本は前日のROC戦同様入りが悪かった。ただこの試合では足は動いていた。むしろ動きが良すぎてオーバーヘルプになっている感があったくらいだ。

篠崎選手、馬瓜選手は中でも外でも特長を発揮できており、西岡選手も献身的なプレーでチームの屋台骨となっている。気掛かりは山本選手か。ドライブやディフェンスでの動きは抜群で存在感は十二分に発揮しているが、外でボールを受けたときのシュートフェイクなど相手を外す動きにキレを欠いているように思う。

どこか敏捷性など一瞬の動き出しに必要な部位に痛みを抱えているのかと思っていたら残り2分頃で不可解なファール判定から気持ちをコートにぶつけたのか世界の山本が本領発揮。
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ファール後のオフェンスで光速カットインから得点。オフボールの動きで相手ディフェンスを手玉に取ってクイック2ptシュート。

もう心配はいらないだろう。

 

チームとしてはノックアウト勝ち出来ず、最後に2ptショートを決められてしまい、クローズがよろしくなかったが、強敵フランス戦に向けて今一度気を引き締めるキッカケになったのではないか。

 

 

game4 🇯🇵日本19-15フランス🇫🇷

5月の五輪予選で敗れるなどこれまで苦杯を喫してきたフランスに会心の勝利。4人がそれぞれ特長を出し、チームとしての戦い方も完璧だった。予想通り(希望通り?笑)フランス戦にきっちりと仕上げてきた。

この試合も出だしは決して良くなかった。サイズのある相手にやや強引なオフェンスが目立ち、ブロックされ続けた。ディフェンスでは珍しくファールが先行。その状況で闘魂注入したのが篠崎選手。ドライブ、2ptシュート、ボックスアウトなど攻守に躍動。この五輪に賭けるチーム最年長の気持ちが他の選手にも乗り移った。バスケの神様をも味方につけた。馬瓜選手の神の手ショット、膠着状態での西岡選手のミドルショット、そしてまだ完全とは言えないものの世界の山本が本領発揮。得意の小気味いいステップからのクイックシュート、針の穴を通すアシスト、それらを警戒させてのミドルショット。こうなると皆がノリノリだ。豊富なスタミナがあり、他国には慣れない気候条件も味方につけ、日本は最後まで落ちないパフォーマンスを見せた。

 

男子はこの日は勝利できず、通算1勝3敗となった。選手個々で見ると能力は高いが、富永選手、ブラウン選手の3x3経験不足と即席チーム感がモロに出てしまっている格好。タフショットの多さ、相手に2ptを簡単に打たせてしまっている守り方が気になった。

 

 

予選リーグは残り3試合。女子はアメリカに勝てば1位通過もあり得る。相当に強い相手だが、チーム力としては断然日本が上。フランス戦残り5分以降の戦いを10分通して出来れば十二分に勝機はある。

2位以上での決勝T進出は極めて厳しくなった男子。残り3試合でチームケミストリーを上げ(本来五輪本番でそれではダメだが…)、準々決勝でベストパフォーマンスを発揮してほしい。

 

5人制も始まったバスケットボール競技。色んな競技を見たいが、ここからはバスケ中心に見ていくことになるだろう。