アンテロープス昨季の課題と今季の展望

17-18シーズンは3位だったトヨタ自動車アンテロープス

一言で表すならば、駒を活かしきれなかったシーズンではなかったか。

日本代表3選手が移籍加入し、レギュラーシーズンではJX-ENEOSに勝利を奪った。

しかし皇后杯はそのJX-ENEOSに準決勝で完敗。

プレーオフではセミファイナルでデンソーに力負け。レギュラーシーズン含め4回の対戦で1勝に留まった。

3位決定戦では劇的な勝利で大神雄子氏の有終の美となったが、戦力を考えれば不本意なシーズンであったことは間違いない。

私はセミファイナルのあとに当ブログでたっぷりと記事を書いたが(笑)、改めて課題を検証していきたい。

①タイムシェアにこだわりすぎていなかったか?

ベック元HCといえばまずここを語らなくてはならないだろう。

私はベック氏のスタイルを踏襲した伊藤拓摩氏が率いるアルバルク東京Bリーグ1年目の試合をよく見たが、トヨタアンテロープス同様選手を頻繁に入れ替える。

一部の選手はコートに立つたびにポジションが異なることがある。

例えばトヨタアンテロープスだと長岡は3〜5番までこなしていた。

常にフレッシュな選手がコートに立っているメリットはあるが、選手個々が特長を100%出せていたか・本来持つ連携が発揮できていたか疑問が残る。

タイムシェアは当然必要だが、それありきで試合の流れや選手の適性等を無視して行なっていてはならない。

トリノスHCの選手起用はいかに。

②ミドルエリアでのディフェンス

トヨタは3ptライン付近で全員がしっかりディナイして、ペイントエリアへボールを入れさせないディフェンスを採っていた。

しかしこのラインを攻略されると縦関係の2対2のシチュエーションを作られ、イージーバスケに持ち込まれる場面が散見された。

バックコート陣のアグレッシブさを活かしたディフェンススタイルだったのだろうが、JX-ENEOSデンソーを相手にするにはインサイドを強固にする必要がある。

トリノスHCがどういうディフェンスのシステム、戦術を立ててくるだろうか。

③オフェンスがアウトサイドに偏重

スクリーンでズレを作り、ボールもよく動かして、外で仕留めるオフェンスが主だった。

流れが悪くなるとペイントエリアを攻略出来ず、外一辺倒になる時間帯も多くあった。

トヨタインサイドJX-ENEOSデンソーと比べて得点力で劣る面は否めないが、ペイントタッチの回数が少ない印象があった。

④速い展開が少ない

③で述べた特徴があるので、速い展開が少ないのは仕方がないのかもしれないが、もっと出していきたいところ。

スピードに長けた選手はいるので、それをトリノスHCがどう引き出していくか。

これらを踏まえると

・馬瓜エブリン、長岡のポジション、役割がどうなるか

・馬瓜ステファニーがインサイドのスターター争いに割って入れるか

・PGのプレータイム配分、2ガードは使うのか

といったところを注目していきたいと思っている。

個人的にはエブリンはSF、長岡はPFに基本固定したうえで、2人を柱としてクラッチタイムでは勝負してほしいと思っている。

そしてトヨタの、日本のエースへと育ってもらいたい。

手足が長く、フィジカルも強いステファニーの成長はインサイド強化の上で欠かせないだろう。

PGは経験で言えばキャプテンにも就任した三好が軸になってくるだろうが、早い展開を増やしたいのであれば安間のプレータイムが伸びてくるだろう。

また山本はルーキーながら度胸満点で、一番PGらしいPG。

Wリーグの水に慣れれば、山本が一番手となる可能性も十分考えられるし、山本がコントロールする三好もしくは安間とのツーガードの時間を増やすことも出来るのではないか。

山本・安間・エブリン・長岡・ステファニー の共演が実現したら、まさに驚くような魅力あるバスケが見られるかもしれない。

(個人的に特に推している選手が含まれていないですが...笑)

スペインで豊富な女子の指導経験があるヘッドコーチ。

昨季加入した日本代表3選手も2シーズン目を迎え、完全に溶け込んだことだろう。

レジェンド大神雄子氏は引退したが、その分各選手がさらに責任感や自覚を持ってコートに立つと期待している。

今年のトヨタ自動車アンテロープスにはワクワク感しかない

(と言いたいところだが、レギュラーシーズンが22試合しかないので、スタートダッシュに失敗しないか不安もあります/苦笑)