Wリーグ 18-19 トヨタ×デンソー

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

スポーツ界でよく言われるこの格言が身に染みる週末だった。

今季初黒星を喫したトヨタ紡織との2戦目以降苦戦が続いているが、デンソーとの戦いはさらに厳しい戦いとなった。

土日とも試合の入りは決して悪くないが、ミスが多く、イージーシュートも落とし、だんだんと相手ペースとなり、ビハインドで折り返す展開を強いられた。

オフェンスでは選手たちの足もボールも動かなくなり、強引なシュートが多く見られた。

ディフェンスではトランジション対応を出来ておらず、マークの受け渡しも悪いため、中・外問わずオープンで打たれることが多く、髙田に思うようにやられ続けた。

日をまたいでもディフェンスに改善が見られないのは非常に気掛かりだ。

その悪い状況下で土曜日の1戦目は馬瓜ステファニー、エブリンが半ば強引にアタックし、相手インサイド陣のファールトラブルを誘い、流れを手繰り寄せた。

そこから栗原、近藤の外角シュートが決まり始め、PG陣にも積極性が生まれた。

馬瓜姉妹の奮闘により長岡のファールトラブルもカバーすることができた。

その意味でエブリンの復帰はチームに大きなものをもたらしたが、後半チームとして修正できたとは思えず、不思議な勝ちである。

日曜日は入れ替わるようにステファニーが欠場。

栗原、近藤もプレータイム制限を設けているのか長くコートに立てず、他のベンチメンバーも思うようなプレーが出来ない中で敗れた

妥当な敗戦である。

富士通戦含めて連敗してもおかしくない状況で終盤巻き返して2勝していることを考えると底力はあるチームであることは証明されている。

流れが悪い中でダメージを最小限に食い止められるチームになることが常勝チームに求められる

その意味ではPGは山本を中心にローテーションし、三好はSGポジション起用の時間を増やし、より自由を与えた方がいいのかもしれない。

(水島復帰後は頭を悩ませることになると思うが)

バスケットLIVEでの中継の各解説者も毎週「ルーキーとは思えない選手」と評しているが、そういうことを言うのがナンセンスなくらい規格外な選手だと思う。

トリノスHCの采配に関して気になることも。

けが人が多く、やり繰りが難しい中で富士通戦で結果を出した安間をデンソーとの2戦ともスターターで起用。

2戦目の後半開始時に三好ではなく山本を起用したことは評価できる。

また苦渋の策ではあると思うが、3ガードも使うなど柔軟な一面も見せたが、インサイドは長岡への高負荷が気掛かりだ。

脇、出水田の活かし方を模索してもらいたい。森の復帰も待たれる。

22試合の短期決戦となるレギュラーシーズンにおいて早くも3敗目となったが、あくまで目標はタイトル獲得

最後にデンソーについて。

11/3のバスケットLIVE配信ではOGでもある小畑氏に「バスケットは5人でやるもの」と手厳しい評価を受けていたが、小嶋ヘッドコーチに指揮権が戻り、原点回帰が出来たような雰囲気がある。

オコエが変わらず不調なのは気掛かりだが、髙田を中心にインサイドを攻めて点を取る・そのために全員がハードワークするということが徹底されているように思う。

カミノスコーチが実質指揮していたころはチームとしての戦い方があいまいだったので、徹底されればデンソーは強い。

ただベンチメンバーが心もとなく、トヨタ以上に若手育成が課題だろう。

そして両チームとも今JX-ENEOSと試合したら完敗するだろうが、打倒絶対王者の一番手に名乗りを上げるのはどちらか。

はたまた現在2位の三菱電機か。

2週間リーグ戦は空くが、12月からまた注目していきたい。