水島沙紀引退

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2016年秋Bリーグが開幕した。高校生以降バスケットボールとは全く無縁だった私がBリーグに夢中になった。ルールを覚え、選手を覚え、チームを覚え、アリーナに通った。

Bリーグ1年目のシーズンオフ。昔から応援していたJリーグ名古屋グランパスはこの年クラブ史上初の2部リーグ降格、2部でも苦戦を強いられている中で私はぼんやりとDAZNを見ていた。そこで目にしたのは衝撃のハイライト映像だった。

 

上手い、速い、カッコいい、美しい、かわいい。

それまで女子バスケは見たことがなかったが、一瞬で魅了された。この決勝のフルタイム映像を見た。水島選手のことを調べるとグランパスと同じトヨタ自動車のチームに所属している。背番号は代表と同じ7番。当時のグランパスで一番好きな選手も7番だった。私が以前所属していた草野球チームやフットサルチームでは7番をつけていた。

勝手に運命を感じて(笑)、水島選手とアンテロープスを注目するようになった。

 

とはいってもそのシーズンはBリーグJリーグが中心だったが、アルバルク東京の試合を観に行ったら、近くの席にアンテロープスの選手がいた。

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娘を利用して、写真を撮らせていただきました(笑)娘は突然パパに連れて行かれて知らないお姉さんの膝の上に座らされ、ポカンとしていたが、パパはお二人の笑顔に大満足(笑)満足しすぎて、上で他の選手たちもポーズ取ってくれていることに気がついたのは数時間だった(笑)

 

そしてアンテロープスの試合を初観戦。男子とは一味も二味も違う速さと戦術遂行力の高さに見惚れた。チームの一体感や元気の良さ・明るさにも魅力を感じた。
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初観戦のくせに出待ちまでして(笑)、写真をお願いしたら(その時は娘いなかったけど)ものすごく優しくて感じがよく、水島選手とアンテロープスのファンになった。

このあとベックHCが突然退団したが、引退を控える大神選手のためにむしろ団結力は高まってるようだった。

 

プレーオフ大阪ラウンドはジェットコースターに乗っているかのような二日間だった。

セミファイナルは悔しい逆転負けだったが、アンテロープスへの想いは強まった。悔しい結果だったからこそそうなったのかもしれない。水島選手はスピードやシュート力だけでなく、ディフェンス力の高さも知ることが出来た。また感情表現豊かで、チームメイトへの気遣いも常にしていて、TV観戦だったが、非常に良い気分になれた。

翌日の3位決定戦。今度は前半から主導権を握られ、劣勢を強いられた。危機を救い、大神選手に花道を作ったのは前半で負傷し、ベンチにいる時間が長かった水島選手。

この日ほど現地に行きたかったと思ったことはないが、それでも映像で感動的な試合を見ることが出来た。この日を境に私のスポーツ観戦に関する最優先がアンテロープスと水島選手になった。

 

スペインW杯、グループステージ最初の2試合はスタメン出場でらしさも充分出せていたと思うが、その後の2試合はベンチスタート。不完全燃焼の大会だったと思うが、だからこそ今後の代表戦であの輝きを再び見たいと思った。アンテロープスの水島選手をより応援していこうと思った。

 

アンテロープスは2018-19シーズンからスペイン人HC体制となった。他にも代表選手も多く、満足なトレーニングは出来なかっただろうが、水島選手は輝いていた。

迎えた豊田開催、ファールトラブルで前半はプレータイムが少なく、いざ後半と思ったら、ハッスルプレーが仇となり、負傷退場…ベンチ横で治療を受ける姿を正面から見ていたので、非常に辛かった。試合に集中出来なかった。

翌週も愛知県での開催で観に行ったが、水島選手は会場に来ていなかった。白熱した試合展開で非常に盛り上がったが、水島選手が居ないのは何だか寂しかった。その後も欠場が続き、チームは波に乗り切れず、私の気持ちもややトーンダウンしてしまっていたが、一方でこんなこともあった。

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ミッドウィーク午前中のショッピングセンターはお客さん少なく、水島選手・ヒル選手目当てで来店してたと思われる人は数名。たっぷりお話しさせてもらうことができた。水島選手との一番の思い出はこの時かもしれない(笑)

 

年明けに復帰、豊田での三菱戦は負傷欠場し会場にも来ていなかった時に披露された紫ユニフォームを再度着用したため、水島選手のこのユニフォーム姿を初めて見ることが出来た。私はこのユニフォームが大好きで、試合開始前の時点でだいぶ嬉しかった。
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試合ではThis is 水島沙紀なプレーを見せてくれ、復活を印象づけた。渡邉選手とのマッチアップは見ているこちらも緊張してくるくらいで見応えたっぷりだった。その後の対戦でも水島選手と渡邉選手のマッチアップがトヨタ自動車×三菱電機の試合を見る上で一番楽しみだった。

新シーズンではこのマッチアップが見られないと思うと寂しいけど、THCUのスーパーカートリオなど大卒ルーキーに注目します。

※復活を遂げた三菱戦では試合後サイン会へ。10月の試合時に各選手からサインを頂いたものの、負傷した水島選手は参加出来ず。3か月越しで全選手のサインが揃った。それも嬉しい出来事だった。f:id:antelopes_7_12_23:20200423215544j:image

 

プレーオフに関してはあまり多くを語りたくありません。。。激闘、死闘、手に汗握る熱戦、一進一退の攻防。好ゲームを語る上でこういうフレーズがよく使われるが、言葉では言い表せない闘い。好きなバスケを見ているのに大好きなチーム・選手を応援しているのに途中から辛くて息苦しかった。スポーツ観戦をしていてこういう心理になったのは初めてだった。

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そのシーズン限りで水島選手と同い年で、同じく大卒の落合里泉選手、川原ゆい選手が引退した。2019年度の日本代表合宿に当初は参加していた水島選手は早い段階で選外となった。私はずっと代表復帰を期待していたが、夏になっても選ばれることはなかった。

 

その状況下でのサマーキャンプでは圧巻のパフォーマンスを見せた。開幕後も走り続けた。三菱戦ではgame1で鼻骨を骨折してフェイスガードを着用してのプレーを強いられ、ディフェンス面ではややらしくない面もあったが、チームにエナジーを与え続けた。

他チームのファンからも高い評価が多かったが、結局代表復帰は果たせなかった。年明けには永田萌絵選手の加入が発表された。引退の可能性もあるかもと思い始めた。

 

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結果的にシーズン最終戦となってしまったアイシンAW戦。輝きは増していたように思う。引退するなんて勿体なさすぎる。もっともっと輝ける選手。永田選手や平下選手と切磋琢磨して更に上を目指せる選手。

ましてやあの痺れるプレーオフを戦うことなく、中途半端に終わったシーズンで引退とは悲しい。でもそれは水島選手が決めたこと。なら第二の人生も応援していきたい。

 

新シーズンアンテロープスの試合を観に行っても水島選手がいないだなんて想像出来ない。チームメイトも言っているようにアップの時とか試合中のベンチとか寂しくなる。寂しいけど、水島選手がアンテロープスや日本代表で残した功績は色褪せないし、いつまでも語り継いでいきたい。

自分にキッカケを与えてくれた選手以上に好きになる選手は出てこないと思うけど、また新たな楽しみを見つけて、これからもアンテロープスを応援していきたいと思っている。

バスケは繋がってる、バスケに終わりはない

 

セナさん本当にありがとうございました。セナさんのおかげでここまでバスケが好きになりました。そしてお疲れさまでした。