たまーに当ブログでも取り扱うサッカーのお話しです。元々サッカー好きではありますが、ミーハーで単純なのでWEリーグ開幕を機に女子サッカーにも目を向けて、INAC神戸レオネッサ(以下INAC)にあっさりハマっております(笑)
そのINACが(ネガティブな意味で)話題を提供してしまった。メリークルシミマスですね。。
【アカデミー】本日の神戸戦は2-1で勝利しました。
— 日テレ・東京ヴェルディベレーザ公式💚⚽️12.29(水) 千葉戦🥜13:00@アース群馬 (@tokyo_beleza) 2021年12月25日
WEリーグ前半を首位で折り返す神戸を相手に拮抗した試合展開の中、後半 #土方麻椰 選手のゴールで先制するも相手に押込まれ同点。それでも粘り強くチャンスを狙っていた終了間際に #樋渡百花 選手の勝ち越しゴールで勝利しました。#beleza #menina pic.twitter.com/elkEf9J3jl
これ確かに結構衝撃的なことですよね。個々の能力値の合計が結果に反映されやすく、番狂わせが起きにくいとされるバスケでは考えられないこと。実際皇后杯を振り返ってもENEOSは高知中央高、トヨタ自動車は岐阜女子高と今行われてるウインターカップにも出場している全国屈指の強豪校に危なげなく勝利している。男子サッカーでもJ1クラブが高校チームに敗れることはさすがにありえないが、女子サッカーだとカテゴリーでフィジカル差がそこまでなく、クラブチームだと中高生でもスキルや戦術眼もかなり高いようでそうしたところが今回の番狂わせの一因だろうか。
もう少し掘り下げて考えていきたいが、今回は番狂わせを演じたチームについて軽く紹介を。
日テレ・東京ヴェルディメニーナ(以下メニーナ)は女子サッカー界の名門日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下ベレーザ)の下部組織で中1〜高3の選手が所属している。皇后杯のような年齢制限がない大会には当然高校生が多く起用されるが、能力が高ければ中学生の飛び級もある。そこを活発にするために以前はU-15と18で分かれていたチームを統合したようだ。
しかし皇后杯と時を同じくしてU-15の全国大会も行われていた。
これも踏まえて、番狂わせの要因を分析していきたい。なお私はハイライトと公式記録しか見ていないため、かなりの憶測や想像、一般論の部分があり、普段のブログよりもさらに覚え書き程度の内容です。ご了承のほどを(笑)
- スカウティング
- コンディショニング
- モチベーション
- メンタル
試合に臨むにあたって様々な要素が求められる。技術、フィジカル、戦術、戦略。このあたりは中長期的な積み重ねもあるが、目の前の試合に向けて必要なことはリストで挙げた4点だと考える。
まずスカウティング、これはINACには不利だった。ネット配信で様々な試合が見られるご時世だが、さすがに中高生の試合はなかなか見られない。しかもU-15の大会が重なっており、出場選手の予想すら困難。対してトップカテゴリーは容易に試合を見ることができるし、秋に対戦したベレーザの選手から特徴等を聞くこともできる。このあたりは男子サッカー天皇杯でサンフレッチェ広島を撃破したおこしやす京都のアナリストも仰っていました笑笑
コンディショニング、これもINACとしては不可抗力の部分があり、辛いところだっただろう。今般の社会情勢に振り回され、12/4に開催予定だったリーグ戦が延期され、皇后杯は約1ヶ月ぶりの試合だった。日本代表の欧州遠征に参加した選手は帰国後2週間の隔離を強いられ、隔離明けから10日ほどで試合を迎えた。
と色々と敗因は考えられるが、トップリーグで首位を快走するチームが中高生混合チームに負けることはよろしくない。この試合に対するモチベーション、メンタルでメニーナと差があったのではないだろうか。
(試合前日にファンから差し入れられた生菓子を食べてSNSで和気あいあいとした姿を披露するチームからはドーピング含めた危機管理やコンディション調整の意識が感じられず、翌日の試合に絶対勝つという意気込みも感じられなかった)
↑は競技も違う他チーム、しかも今シーズンこれまで負けを知らなかったINACとは真逆に近いチームの話だが(笑)、こういう緩んだ空気感があったのかもしれない。中高生に負けるわけがないという気持ちはなかったか。相手には既にWEリーグデビューし得点まで決めているくらいの実力者がいることは分かっていたか(大山愛笑選手は澤穂希二世と呼ばれている要注目選手です!)内容も突き詰めて中3日で迎える準々決勝に良いムードで臨む、日本トップチームの貫禄を見せつけるという意識はあったか。
メニーナはクラブとしてU-15の大会も皇后杯も獲りにいくという強い意志を選手たちに示して戦っていたように感じる。
(姉の敵は、妹が討つはややシュールな感もありますが…苦笑)
【アカデミー】明日は、2年連続の皇后杯姉妹対決に向け、 #日テレ・東京ヴェルディメニーナ はヤンマースタジアム長居でINAC神戸レオネッサと対戦します。
— 日テレ・東京ヴェルディベレーザ公式💚⚽️12.29(水) 千葉戦🥜13:00@アース群馬 (@tokyo_beleza) 2021年12月24日
リーグ戦での姉の敵は、妹が討つ。
WEリーグ無敗の相手に全力で挑んできます。
準々決勝進出を目指し、大阪に乗り込んできます!#menina pic.twitter.com/y0hYLPDjjj
試合を決めたメニーナの2点目からも両チームの意識が感じられる。INAC・伊藤選手のバックアップはあまりにも軽率でリスキー。同格以上の相手ならあのパスは出来ない。そのバックパスを奪ったメニーナ・樋渡選手へのINAC三宅選手の対応もよくない。カバーに入った西川選手含めてイエローカード覚悟で阻止すれば回避できた失点だろう。三宅選手も西川選手もそれまでにイエローカードを貰っていないし、彼女たちのレベルであればレッドカードにはならない止め方は出来るはず。心のどこかに樋渡選手がシュートまでは持ち込めない、山下選手(INACのGK)なら止めてくれるという慢心はなかったか。
対する樋渡選手は味方の上がりを待つことなく一心不乱にゴールへ向かっている。その積極果敢な姿勢が決勝点に繋がった。勝負を決めるのは結局はメンタルなのだろう。
中高生相手のやりづらさ、一発勝負の怖さ等もあるが、サッカーだけでなく女子スポーツは大会数も試合数も少ない。ハーフタイムで2枠使うに留まった選手交代等監督采配も含め、1試合1試合を大切にし、常に貪欲に勝ちにいく姿勢を見せないことにはファンは増えない。どんな内容だろうがどれだけ苦戦しようがトーナメント大会であれば勝てば次に進める。勝てば(良くも悪くもだが)話題にならない。
とああだこうだ言ったが、監督も選手もクラブ幹部も不甲斐なくて悔しいに違いない。
ここで立ち止まるわけにはいかないので、明日は早速ミーティングです。表紙だけしかお見せできませんが、社長の私ができることは「考え方」「進むべき方向」の一致を図ること。勝負に負けはつきものだけど、昨日のショックを払拭する方法はたった一つだけです。そこに一番近いところにいるのですから。 pic.twitter.com/Bg4MTRhrce
— Takashi YASUMOTO (@INACKobe83) 2021年12月26日
この負けが覆ることはないので、WEリーグ初代女王に向けて邁進するのみ。ハイライト動画内のコメントにもあるように「リーグ優勝してもメニーナに負けたチーム」という辛辣な指摘を打ち消すくらい攻守に無敵なチームを作り上げてほしい。5月にINACすげぇな!女子サッカー楽しいな!と多くの人が思ってくれるチームになっていることを期待している。それだけのポテンシャルがあるチームであることはWEリーグを何試合か見たことある人なら理解していただけるはずだ。
PS
メニーナは続く準々決勝でも大宮アルディージャVENTUSに4-0で快勝した。
INACのモチベーションとかメンタルというよりは日本女子サッカーの育成年代のレベルが高く、プロのレベルが…という話かもしれない。大宮×メニーナの一戦はテレビ中継があったので私も見たが、パスの強さ・スピード、守→攻の切り替えの速さがメニーナの方が2段階くらい上だった。
WEリーグクラブとしてはこれを重く受け止めるとともに、ダイヤの原石たちの育て方も考えていかなければならない。