Jリーグ 名古屋グランパス×湘南ベルマーレ

f:id:antelopes_7_12_23:20201122110946j:plain

今季のJリーグは佳境を迎えつつある。J1は川崎フロンターレがほぼ優勝を決めている状況だが、グランパスは2位を狙える位置にいる。その中での湘南戦は快勝。ホームゲームでの強さを発揮した。

この試合は丸山選手、中谷選手からのビルドアップの精度が悪く、単発での仕掛けが多かったように思う。守備力が高いオ・ジェソク選手、米本選手、運動量が持ち味の吉田選手、稲垣選手、GKのランゲラック選手。ビルドアップが得意とは言えない選手で、CB陣からの展開が攻撃を安定させる上での生命線(なので固定コンビなのだろうが…)になってくるが、そこをカバーしたのはいつも以上にネガティブトランジションが速く、稲垣選手中心にセカンドボールを回収できたことか。そして本職FWの選手を負傷で欠いた中で前線の選手が流動的なポジショニングで的を絞らせず、守備も怠らなかったことか。

不運とも言える失点があり同点で折り返したが、終始危なげない展開だった(ボール支配率はグランパスが60%、湘南の枠内シュートはわずか2本)後半立ち上がりで2点をとれたことで、ここからは無理をしないイタリア人監督らしい試合運び。前線からのプレスで相手の攻撃の芽を摘む守備と丸山選手のロングボールからサイドのスペースへ相馬選手を走らせる手数を掛けず相手を押し込む攻撃と必勝パターンが確率されてきている。これをロスタイムまで徹底している。交代出場の選手も役割を理解して、ピッチに入っている。

この試合の私的MVPは稲垣選手。3点目は彼の良さ、チームの目指すところが凝縮されていた。

 

この勝利で2位も現実的なものとなってきた。各チーム消化試合数に差があり、星勘定がしにくい部分はあるが、トップ6に入れれば上出来なシーズンだと思っていたので、フィッカデンティ監督就任から1年ほどで成熟してきたチームにはただただリスペクト。

残り4試合全て土曜日開催、過密日程から解放され、若手や出場機会が少ない選手の抜擢は非現実的だが、来季のACL出場を視野に入れ、試していく必要はある。この試合の交代2人目は石田選手でも良かったのではないか。もしくは前半で負傷しキック精度を欠いたマテウス選手を休ませても良かったのではないか。丸山選手もしくは中谷選手を休ませることは出来なかったか。宮原選手を広島時代の本職であるボランチで試すことは出来なかったか。あの試合展開なら残り20分、せめて10分で何か新しいことを出来たと思う。

ACL出場となれば海外への移動含めてタフな戦いを強いられるが、この世界情勢下でグランパスの経営も例外ではなく、優勝した2010年のような大型補強は到底望めない。目先の勝利を追究して、来季以降の戦いも考えて、若手育成も求められる強化部・コーチングスタッフの仕事の難しさは分かるが、継続的に強いチームを見たい。何より今季の過密日程を闘い続けている選手たちが来季以降も活躍して欲しいので…

 

f:id:antelopes_7_12_23:20201122110911j:plain

幻のハンドボール初観戦

今秋愛知県稲沢市にオープンした豊田合成記念体育館(通称エントリオ)最大収容人員は3,500人の中規模施設で、正式名称の通り豊田合成の福利厚生施設ですが、観客目線でも非常に高評価を得ている施設です。建設中の段階から期待度が高く、私も一度行ってみたいと思っていました。

バレーボールVリーグ男子のウルフドッグス名古屋、バスケットボールBリーグ3部(B3)の豊田合成スコーピオンズハンドボールJHL男子の豊田合成ブルーファルコンがホームアリーナですが、バレーボールだとややチケット代がお高く、B3リーグは1月開幕。1,000円で国内トップレベルのチームが観られるハンドボールに。

※次回ホームゲームから値上がりする模様で、ヨカッタヨカッタヽ(^。^)ノ

f:id:antelopes_7_12_23:20201114151803j:plain

また対戦相手のジークスター東京はIT企業が新設したチームで(JHL男子では結構久しぶりの新規参入らしい)、これまでのスポーツ界にはない取り組みをしていて、強豪の大崎電気トヨタ車体から日本代表選手も加入していて、ミーハー心を揺さぶられたのもありますwだってENEOSトヨタ自動車桜花学園出身の主力選手が来季アランマーレ秋田に移籍とか考えにくいですもんw

 

という感じで楽しみにしていて、迎えた当日。

JRの駅すぐそばにありますが、我が家は私鉄沿線ってのと運動も兼ねて、あと行きたいところもあったので、私鉄で。道中に有名な神社。七五三参りの時期ですね〜!

f:id:antelopes_7_12_23:20201114151835j:plain

そこは足早に通り過ぎて(笑)、第一目的地へ。

f:id:antelopes_7_12_23:20201114151904j:plain

ネットでの評価も高いお店だけあって、開店間もないのにお客さんはいっぱい。そして評判通りの逸品でした。と堪能していたところ。。

f:id:antelopes_7_12_23:20201114151946j:plain

 

f:id:antelopes_7_12_23:20201114152008j:plain

このご時世仕方ないことだし、観戦者側はそれを覚悟の上でチケット買ったり予定なし組んだりしないといけないですが、どこにもぶつけられない残念な気持ちに…ニワカファンがこう思うので、関係者の方の無念さは計り知れません。

ここまできたのでとりあえず会場周りにはいってみようと回遊してきました。

ホントに駅前、そして良さげなオーラ!施設内には誰でも利用できるコンビニとカフェがあって、コンビニには3チームのグッズも売ってました。ロビーをすこーしだけ覗いてみましたが、広々としていて、入退場時の人の動きもコントロールしやすそうでした。

f:id:antelopes_7_12_23:20201114152050j:plain

f:id:antelopes_7_12_23:20201114152112j:plain

レイアウト図見るとロビーは西側エリアの中央にあるので、どの方位にも行き来しやすそうです。また駅から近い側にロビーがあり、反対側(東側)に関係者入口や駐車場があるのもポイント高いと思いました。

f:id:antelopes_7_12_23:20201114153255j:plain

周りを歩いてると中で試合観たかった想いが強くなりましたが、仕方ないです。徒歩5分ほどのショッピングセンターをブラブラしてから、帰りも私鉄駅まで歩いて帰りましたよ。

今シーズン中に再チャレンジしたいです、今日の代替試合は料金据え置きでお願いしたいです(無観客試合になってしまうかもだけど…)

 

アイシン精機安城市内にシーホース三河がメインで使う新アリーナを建設予定とのことですが、エントリオのような雰囲気でキャパは2倍かな?3倍かな?

噂されてる三河安城駅付近なら新幹線駅近く(こだましか止まらないけど)、付近に小売店や飲食店、ホテルも多くて、エントリオよりも周囲が賑やかなので、期待が膨らみますね〜Vリーグも規模拡大してるし、トヨタ車体デンソーもアリーナ作っちゃえばいいのにとか妄想も膨らみますw

 

自分が観戦予定の試合で中止になったのは初めてでした。もし県外遠征だと無念さが強くなるので、やっぱり今季は遠征はなしですかね…行きたいところはありますが……

行くのならもしも時のためのプランBは考えておかないとですね。

 

その前に中止の可能性があると判明した時点でアナウンスはしてほしいです。感染の疑いがある方のブライバシーへの配慮とかセンシティブな問題は色々とあるでしょう。アナウンスするタイミングは難しいとは思いますが、各スポーツ団体で連携取ったりして、ベターな方策を作ってもらえればと思います。

 

ここ半月くらいで感染者が増えてきました。神経質になりすぎる必要はないですが、手洗い・うがいをしっかりするのと↓を気をつけようと自分は思っています。

 

 

女子日本代表が今年度初の強化合宿開催

f:id:antelopes_7_12_23:20201106223847j:plain
 女バスヲタの皆様、中断期間を如何お過ごしでしょうか?

今月末の皇后杯は無観客での開催となってしまい、ファン的には実戦が1ヶ月以上(東地区ファンは2ヶ月?)空くことに。皇后杯はアマチュアチームも参加しているので致し方ない対応かと思います。ファイナルラウンドを観られることを願いましょう。

 

さて5人制・3人制の代表メンバー発表と強化合宿開催、Wリーグオールスター開催の発表と明るいニュースもありますね。今回は両代表のメンバーについて考察していきます。

 

まずは5人制から。

今季のWリーグで活躍してる選手がほぼ選ばれています。年齢、実績、所属チームの順位等関係なく純粋に活躍している選手が選ばれています。これは全選手励みになることでしょう。努力して結果を出せば東京五輪への道が拓けるのだから。

8月のBASKETBALL ACTIONの時に発表されたメンバーから8選手が追加された。小菅、内野、根本、小池、宮崎、水野、梅木、東藤の8選手(のはず)。合宿参加は発表された全員ではなく21選手。渡邉、本川、林、加藤、永田、中田、梅沢、宮下の8選手(のはず)3x3代表の合宿に参加している選手もおり、林選手はリーグ戦で欠場した試合もありコンディションが万全ではないのかもしれない。宮下選手も今季プレータイムが短めなのはコンディションの問題なのかなと思いつつ、昨季の采配が(自粛)1チームあたりの選出人数に制限設けてたりとかこのご時世なので色々あるのでしょう。人生色々です。なので采配も色々です←

 

メンバーを見渡すと東地区の選手が多いなぁと思いましたが、15/29(合宿参加は12/21)なので、思い込みでした(笑)ただ追加されたPGに関してはホーバスHCの色が出ていますし、本橋選手、町田選手に続く3番手を決め兼ねてる感が伝わってきます。

そして三好選手への信頼度は2年前から一貫して高くないんだなぁと…昨夏二刀流から卒業し、5人制代表はPG2人で中国遠征やさいたまでの強化試合を行ないました。そしてアジアカップ前に急遽渡邉亜弥選手がPGとして招集されたのですが、おそらくホーバスHCとしては三好選手を3番手として置いておきたかったと思います。しかし三好選手は「(3人制でも競争はあるが)選ばれたら主力」と考えて、3人制でWリーグ開幕2週前まで国際大会に出場していました。ところがホーバスHCの信頼厚い選手の引退等もあり、3番手PGが定まらなかったことから再び二刀流に。今回の合宿では5人制に参加しています。

正直ですね、代表活動においては3人制に専念して欲しかったですよ…(3人制の方がむしろ競争激しいかもしれないけど、選ばれたら主力って言ってたじゃないですか……)今季3pt成功率は低いですよ…でもそれは西地区だからですよ…三好選手の実力はホーバスHC始めコーチングスタッフの皆さん充分把握してると思うんですよ。。三好選手レベルの実力者を選ぶなら同ポジションの選手をもっと絞り込んだ上で競争させてほしいし、信頼できないのならキッパリと選ばないでほしいと思います。上手く言えないし、本人としては合宿に参加するということは5人制での五輪出場を目指してるのでしょうが、なんか2年間同じことの繰り返しでモヤモヤしますね……

しかもこれだけニューフェイスを試してるのに今季大活躍してる安間選手が選ばれていないのは(´-`).。oOって心境ですが、まあここはジャパニーズスタイルとヨーロピアンスタイルの違いと考えるしかないんですかね。能力高くて活躍してる選手が全員選ばれるわけではないし。

ただ今回ACとして参加してる藪内氏が指揮を執った一昨年のアジア大会(B代表)に出場しており、ホーバスHCも全くのノーマークではないはず。「ヤナギサワァ、タマーダァ、マァァキ!」みたいなサプライズもあるかもしれないので、淡い期待は持っておきます*1

※吉田さんはどうするんですかね…迷うのは分かるし、お酒を楽しむのもいいけど、Wリーガーはシーズン真っ只中だし、復活を期待しているpure soulなファンもいるだろうから、ああいう投稿はしない方が良いと思いました。まあここまでくると復帰しても代表は厳しいと思いますが…あれだけのレジェンドなので有終の美を飾ってほしかったですね。。

吉田亜沙美から子どもたちへメッセージ。「活動が再開した今、バスケを楽しんで、目標を持ってほしい」 | バスケットボールキング

PG以外でもどういう起用法を思い描いているか読めないとか今ここで招集?とか思う選手は何人かいますが、そういうのも含めて代表ですよね。ファンはそれをああだこうだ語るのが楽しみの一つでもあるのです(笑)

 

 

続いて3人制。

昨夏以降10選手に絞り込まれて、合宿や大会参加をしていたが、宮下選手が5人制に回り(今回はどちらの合宿にも参加していない)、三好選手、内野選手は今回5人制に。また伊集さんが昨季限りで現役引退。継続の6選手と3人制初挑戦の選手も含む6選手が新たに選ばれて、12選手で合宿が行われている。

  • 篠崎澪 
  • 田中真美子 
  • 西岡里紗 
  • 小笠原美奈 
  • 永田萌絵
  • 岡田英里 
  • 中田珠未 
  • 平末明日香 
  • 馬瓜ステファニー 
  • 山本麻衣 
  • 野口さくら 
  • 平下愛佳

いやぁこちらは異論なし、パーフェクトですね〜!(あえて言うなら奥山選手も…と思ったりしますが、ENEOSから選ばれてるので仕方ないですね)

中心となって選考しているのはロイブル氏なのか長谷川氏なのか大神氏なのか分からないけど、見る目ありすぎますね〜(Wリーグ西地区開幕戦で長谷川氏と東野技術委員長は見ましたが) 

半年ほど前に当ブログでピックアップした選手が選ばれてるのも嬉しいですし、私の見る目もあるんだなと自信になります(何様)

篠崎選手だけ年齢離れてるのが気になったりしますが忍者なので問題ないですよね笑笑

新たに加わった選手は4人が昨夏のユニバーシアードに出場していた選手やその世代で、2人は愛知県の高校で大活躍して、Wリーグ入りしたエリート中のエリート。不完全燃焼に終わったユニバーシアード組と高卒組のフレッシュオールスター楽しみですね(違)紅白戦の様子を是非とも配信してほしいです。投げ銭しますから←

 

ここからは真剣なんですが、どこを重視するかで選手の組み合わせは変わってきますよね。スピードやスキルなのかフィジカル・パワー・サイズなのか2ptシュートなのか。U23W杯では4選手の特長が見事に噛み合い優勝しましたが、三好選手、篠崎選手らが出場していたウーマンズシリーズでの強豪国との対戦当たり負けしてしまい、2ptの精度も上がってこない試合が多かったように思います。

コンタクト勝負で対抗できて、かつ2ptも打てる、その上でスピードも必要というわけですかね。山本選手はMVPでFIBAもよくピックアップしてくれるスタープレーヤーで、3x3の場合五輪出場には個人ポイントも絡んでくるので、一歩どころか三歩くらいリードしてる存在ではあります。自粛期間で肉体改造して、ワンハンドシュートも習得したりしてますが、サイズの面でどうなんだろと思うことも。うーん、でもやっぱりポイントとか関係なく経験って重要なので山本選手は入ります確実に。

 

ってことで今回の12選手から選ぶとすると…

山本 平下 馬瓜 田中 の組み合わせですかね。

 

平下選手は3人制未経験ですが、普段のチーム練習でやってるはずなのですぐに馴染めます!加速力ハンパないし、シュート上手くて、動じないメンタルもあって、3人制向きすぎます。センターポジションでは西岡選手が経験値では一番ですが、外からのシュート力のなさがウィークポイント。所属する三菱電機の戦術、ロスター構成との兼ね合いで外から打つ機会がないのも辛いところ(今季の3ptは0/0)田中選手は今季打ち始めて5/20、外を警戒されることによってドライブインから得点したりファールをもらうことも増えてきました。西岡選手と比べてサイズでは劣りますが、そこは平下選手でカバーです。

 

今回加わった他の選手たちも既存の選手を脅かしてほしいし、合宿で得た経験や成果をチームに持ち帰って、パワーアップした姿を見せてほしいです。また平下選手は今回の代表ではガード登録になってますが、今後5人制でPGやったりしたら日本基準だと超ビッグガードであり、ワクワク感が止まらないですね〜

 

って平下選手含め実際誰が3人制適性高いとか見てみないと分からない。ウーマンズシリーズとかあるわけじゃないので、やっぱり紅白戦の様子を配信してください!お願いします!!

*1:o(´∀`)o

勝手に西地区前半戦アウォード

※お前が選ぶベスト5だけサクッと見たいって方はだいぶスクロールしてください←前振りが長いですw

 

未曾有の事態により、2地区制で争われている今季のWリーグ。5月に一度は例年通りの方式によるスケジュールが発表されており、選手やコーチも想定外の地区制導入だったかとは思うが、試合を重ねるごとに地区ごとの特色がハッキリしてきて、興味深い。

東地区は一言で表すならば日本女子のスタイル、スマートな戦いが多い。日本代表のホーバスHCが元ENEOS、今季就任した日立ハイテクの内海HCは元ENEOS、日本代表のHCである。日本代表のPG町田選手が司令塔として君臨する富士通は緻密なモーションオフェンスを仕掛けてくるチームだ。これらの3チームに対して東京羽田、新潟は歯が立たず、シャンソン化粧品も戦力不足から厳しい前半戦。点差が開く試合が多かったのは残念なところだった。

一方の西地区はトヨタ自動車が一昨季からスペイン人、デンソーは昨季からセルビア人が率いて、欧州のスタイルが取り入れられている。近年欧州では男女似通ったバスケスタイルだと言われているらしい。確かに国際大会を見るとスペインやベルギー、セルビアなどはBリーグのチームかと思うくらいの戦い方をしてくる。いくら欧州人が率いようとサイズで劣る日本の女子チームが欧州の模倣は出来ないが、モンデーロHCが就任当初掲げていた日本と欧州の良いところを組み合わせたスタイルがトヨタ自動車デンソーも出来つつある。先日のトヨタ自動車×デンソーBリーグファンや女子バスケのプレー強度や迫力に物足りなさを感じている人でも満足できる試合だったと私は思っている。そのレベルに対抗するためトヨタ紡織は齋藤選手、飯島選手らが個の能力を磨き、三菱電機は見崎選手、永井選手が台頭してきた。上位4チームの対戦だとディフェンスのインテンシティが双方高く、格闘技感があって、個人的には見応えがある(アイシンAW、山梨も追いつき追い越せで頑張ってほしい)

 

という具合に東地区と西地区では特徴やチーム間の実力差が異なる中で個人成績はほとんどの項目で上位3人を東地区の選手が独占している。セ・リーグパ・リーグでまとめて最多勝首位打者を決めるようなもので、おかしな話なので、各項目西地区のベスト3をまとめてみた。

 

得点

  1. 髙田真希 16.60pt
  2. 渡邉亜弥 16.50pt
  3. 馬瓜エブリン 16.10pt

 

アシスト

  1. 安間志織 5.90
  2. 川井麻衣 5.50
  3. 渡邉亜弥 4.90

 

リバウンド

  1. 馬瓜エブリン 8.20
  2. 髙田真希 7.90
  3. 赤穂ひまわり7.70

 

ティー

  1. 水野菜穂 2.50
  2. 安間志織 2.40
  3. 齋藤麻未 1.90

 

ブロックショット

  1. 西岡里紗 1.70
  2. 髙田真希 1.20
  3. 小菅由香 1.10

 

フィールドゴール成功率

  1. 馬瓜ステファニー 60.29%
  2. 赤穂ひまわり 59.04%
  3. 西岡里紗 55.00%

 

3ポイントシュート成功率

  1. 安間志織 48.00%
  2. 加藤瑠倭 38.71%
  3. 梅木千夏 36.36%

 

フリースロー成功率

  1. 齋藤麻未 91.67%
  2. 河村美幸 88.00%
  3. 渡邉亜弥 86.49%

 

3ポイントシュート成功率ランキングを見ると西地区のディフェンス強度の高さが垣間見える。三好選手、根本選手といった代表クラスの名シューターの成功率が上がっていない。昨季リーグ1位の梅木選手や内堀選手がここにきてランキングを上げてきたが、それでも36%ほどに留まっている。その中で西地区トップは安間選手。年々外からのシュートの安定感は増しているが、それでもトヨタ自動車において外を一番警戒されるのは三好選手。乗せてはいけない選手を封じた結果、安間選手がオープンで沈めているのだろうか。それも素晴らしいことだが、試投数が多い選手が上位に名を連ねていないとなるとディフェンスが優っているのかなと思う。

 

という長い長い前振りを経ての発表です。

 

MVP

f:id:antelopes_7_12_23:20201102192905j:plain

安間志織トヨタ自動車 #15)

スピードとトリッキーなプレーが魅力ある選手だが、以前は時に強引すぎるプレーも見られた。今季はプレー判断が格段に向上。ドライブにしてもコース取りがよく、イージーレイアップでの得点が増えたように思う。その結果がスリーポイントシュートとアシストで西地区1位、スティールでも同2位ではないか。文句なしのMVP(だと思っている)

 

ベスト5

安間志織

 

f:id:antelopes_7_12_23:20201102192931j:plain

本川紗奈生デンソー #6)

4人は素直に決められたが、最後の1人で迷った。10試合トータルの個人成績でいえば東藤選手、渡邊選手(三菱電機)、宮下選手。キャプテンとしてどんな試合展開でも気持ちを切らせることなく得点を奪いにいき、リバウンドやルーズボールに喰らいつき、チームを支えた水野選手(山梨)も捨てがたかったが、トヨタ自動車戦、トヨタ紡織戦で強烈なインパクトを残した本川選手に決定。得点・アシストだけでなくPG的な役割も担い、チームを牽引。髙田選手のチームというイメージが強いデンソーに新たな風を吹き込んだ。

 

赤穂ひまわりデンソー #88)

※写真がないのは不覚…(次の写真にコッソリと写ってはいますが…スミマセン。。)

姉さくら選手、双子の雷太選手(千葉ジェッツ)は巧い・賢いイメージがあるが、ひまわり選手ってどういう身体の構造してるんでしょうね。以前はメンタル的にひ弱で、身体能力を活かし切れてないイメージだったが、今ではWリーグ屈指のアスリート能力で相手を苦しめまくってます。ここも文句なしでしょう。首位がデンソーだったらひまわり選手がMVPです。

 

f:id:antelopes_7_12_23:20201102192951j:plain

馬瓜エブリントヨタ自動車 #0)

得点力のある選手が揃っているものの、確固たるエースは不在だったトヨタ自動車。今はエブリン選手と多くの人が認めるだろう。得点が西地区3位、リバウンドは同1位。デンソーとの大一番でも結果を残した。あとはプレーオフ、代表の公式戦などさらにプレッシャーがかかる試合でも動じないメンタルを。妹のようなちゃらんぽらん(桜花学園井上先生談)さを時には試合で出してもいい。

 

f:id:antelopes_7_12_23:20201102193016j:plain

髙田真希デンソー #8)

正直なところ髙田選手や渡嘉敷選手は殿堂入りにしたいですが、脅かす選手がいない。絶対的な存在。インサイドでの強さは言うまでもなく、年々重要性が増しているストレッチ4の役割も担っている。3年前のアジアカップではほとんど打っていなかった記憶だが、今では長身ながらアウトサイドシュートが得意なシューターに分類しても差し支えないレベルだと思う。身体能力の衰えも全く見られない、どころかむしろ進化している印象。このブロックショットなんかハシーム・サビート・マンカかと思うくらいです(・。・)本人のモチベーションが続けばあと5年、いや10年日本代表のインサイドに君臨し続けそうだ。

 

ベスト6thマン

f:id:antelopes_7_12_23:20201102193035j:plain

畠中春香デンソー #17)

6試合終えた時点では右に写っている山本選手だったが、以後4試合は本来のパフォーマンスを発揮できなかった(随所に凄みは見せていたが)6thマンは中継ぎ投手のような安定感が必要な立ち位置であり、畠中選手を選出。彼女こそまさにストレッチ4タイプだが、それだけでなく、スクリーン、ボックスアウトなど縁の下の力持ちとして貢献度は高かった。髙田選手やひまわり選手が輝くのも畠中選手のような渋い選手がいてこそ。サッカー日本代表元監督のトルシエ氏は「完璧なチームとは、8人の明神と3人のクレイジーな選手で構成される」と明神選手の貢献度の高さを称えていたそうだが、畠中選手もそういう選手だと思います(伝わりにくいですねスミマセン←)

 

ベストディフェンダー

赤穂ひまわり

リバウンド、スティール、ブロックショット…どこから出てきた?!と驚くことの連続。壁となって立ちはだかった。彼女がいなければデンソーは毎試合10失点くらい多いと思う。10は大げさかな(笑)でも5は彼女で防いでると真剣に思う…

 

新人王

平下愛佳トヨタ自動車 #14)

9月の4試合ではセンセーショナルな活躍を見せた平末選手はその後プロの壁にぶち当たっているが、平下選手は良い意味でルーキーらしくなく、安定したパフォーマンスを披露した。ポーカーフェイス、動じない、常に求められるプレーが出来る。メンタルが強いというと女子バスケでいえば大神さんのようなタイプを思い浮かべる人が多いと思う。勿論強いでしょうが、一番強いのって平下選手とかサッカーの遠藤保仁選手とかみたいなタイプだと私は思う。ショットクロック残り少なくても飄々とミドルシュートや3ptシュートを決める姿はベテラン選手の風格すら漂う。一方でリバウンドをとって一気にフィニッシュまで持ち込む姿はエネルギッシュそのもの。スター軍団トヨタ自動車で高卒1年目からこれだけ活躍できるとは末恐ろしい選手である。ポジションも特長も違うが、岡本選手(ENEOS)のようにどんなスターが入ってきてもチームに必要とされる選手になっていくと思います。

(井上先生これからもトヨタ自動車へ逸材を送ってください。でもアイシンAWにもお願いします。その2チームだけでお願いします)

 

MIP

f:id:antelopes_7_12_23:20201102193221j:plain

上長美菜アイシンAW #37)

小川・桜木体制で確固たる地位を築いた大卒3年目のコンボガード。ハートと体幹が強く、タイトなディフェンスが敷かれていてもこじ開けるようなドライブと強く速く鋭いパスで打開していく。チームは開幕戦に勝利したあと9連敗を喫したが、コートでもベンチでも味方を鼓舞する姿勢には見ているこちらも勇気づけられた。

 

さて月末までどう過ごしましょうか…

他のスポーツ観に行こうかなと思いつつ、3,500円で3試合堪能できて、どの試合にも好きな選手がいるWリーグと2,500円くらいで1試合で特別好きなチームも選手もいない他のスポーツで比べるとコスパ悪すぎて躊躇ってます←

どなたかコスパの良いオフの過ごし方を教えて下さいw

 

 

 

 

Wリーグ西地区第7週レビュー

バスケットボールは番狂わせが少ないスポーツだと言われている。サッカーと比べると1/4ほどのコートサイズの中で5人の選手たちが1on1の局面を打開して点を取り合うスポーツであり、個々の能力が反映されやすい。WリーグでもENEOSの試合を見ると毎回感じることだが、今週の2カードでもそれを痛感させられた。

f:id:antelopes_7_12_23:20201102174401j:plain

トヨタ自動車アンテロープス×アイシンAWウィングス

2試合ともアイシンAWが完敗。ほとんどの時間帯でトヨタ自動車が15点以上の差を保っていた。アイシンAWにも能力の高い選手は揃っているが、トヨタ自動車とは根本的に違った。それは主に以下の通りだと思った。

  • フィジカルの強さ
  • ディフェンス強度
  • パススピード

Wリーグでプレーするには狭き門であり、皆エリート中のエリート。アイシンAWの選手も聖カタリナ学園など名門校出身選手が揃っており、企業チームであれば練習環境も整っているはずだが、トヨタ自動車アイシンAWの選手では学生時代も含めたフィジカルトレーニングの質量が違いすぎるのではないか(アイシンAWの選手全員がフィジカルで劣るわけではないが)。リング下での肉弾戦で圧倒された。ペイントエリアに侵入する前の段階でもトヨタ自動車の寄せが早く、トラベリングやダブルドリブル、ボールファンブルが相次いだ。頼みの3ptシュートの形をなかなか作れず、レイアップに持ち込んでも最後の最後のところで身体の軸がブレて決めきれない。2試合とも前半はトヨタ自動車の出来が決して良かったとは思えず、アウトナンバーからあっさりファストブレイクを決められたり、オーバーヘルプからの失点などこのチームではあまり見られないシーンもあった。それでもアイシンAWはファールで止めざるを得ない場面が多く、FTを多く与えてしまった。FT高確率の選手も多いトヨタ自動車にとっては望むところ。宮下選手、近平選手が早々にファールトラブルでベンチに下がり、ディフェンス強度は下がり、結果トヨタ自動車は力強いパス、ドライブから作り出したオープンでの3ptシュートを確実に沈めて、点差を広げていった。game2ではファールは減ったが、その分ディフェンスはよりソフトになってしまい、2Qの後半5分以外はトヨタ自動車がワンサイドでゲームを進めた。要は2試合とも同じような展開である。

アイシンAWはベンチワークでも世界の名将相手に対抗できなかった。全選手を育てたい・特定の選手に負担、疲労を集中させたくないという思いは強く感じる。トヨタ自動車のパワフルさに対抗するためディフェンスと飛び込みリバウンドで力を発揮する北川選手を2試合ともスタメン起用するなど策は見られたが、タイムシェアにこだわりすぎて、この試合を勝ちにいくとか全力で潰しにいくという姿勢が感じられなかった。格上と対戦するのだから玉砕覚悟で臨めばいいし(実際玉砕された...)、体力温存とか後半に備えてとか考えている場合じゃない。小川HCも桜木TAも優しすぎる。よく優しいコーチのことを「お父さんのような雰囲気」と表現されることがあるが、私が思うに親戚のおじさん、同級生のお父さんのような見守り方かなと(笑)game1だと上長選手、game2だと梅木選手、前半からもっと使っていけばいいと思う。3週間試合が空くのだからある程度は無理させてもいいはずだ。どこまで無理させるか、シチュエーションに応じた選手の最適な組み合わせなど決断ができないからこその無難なタイムシェアだと感じてしまった。

という具合に大きな実力差を感じてしまったが、両チームとも若手選手やこれまでプレータイムに恵まれなかった選手たちの活躍が見られた2試合でもあった。

game1ではディフェンスでのミスを取り返すべく難しい体勢からのミドルシュートを決め、game2ではチーム最後の得点を決めるなど与えられたチャンスで集中力を保って戦っていた西澤選手。

game1ではファールを取られて悔しさのあまり思わず床をドン!としてしまいテクニカルファールを取られてしまった脇選手。私的感情だとそのくらいは…と思ってしまうが、審判の真後ろだったので、異議と取られてしまったのだろうし、当然褒められた行為ではない。ただそのくらいの気持ちを持って強豪チームの中でプレータイムを獲得していこうという強い気持ちの表れ。直後にチームメートは皆慰めていたし、game2で脇選手が得点を決めた時にはルーキーの初得点のように皆が喜んでいた。共存共栄して競争してチーム力は高まっていくのだと思う。

アイシンAWでは三間選手、江良選手の活躍が光った。三間選手はgame1で27分出場・11得点(うち3ptシュート1本)・9リバウンド。game2ではスタメン起用され、34分出場・10得点・9リバウンドの大活躍だった。高卒3年目だが、過去2季では計19試合出場で平均プレータイムは5.6分に留まっていた選手が白選手、濱口選手の移籍により手薄となったインサイドでチャンスをものにしつつある。終始相手ペースではあったものの、トヨタ自動車のインテンシティは常に高く、その中でのこの結果は自信になったに違いない。合わせからの得点、リバウンドは確実にチームの力となっており、game1でトヨタ自動車とリバウンドがほぼ互角だったのも三間選手の力に他ならない。スクリーナーとしても機能していたが、課題はディフェンス面でのステップワークか。game2ではそこを突かれて、エブリン選手に得点を量産された。後半戦に向けて機動力強化を図っていきたい。

江良選手も2試合で14得点。game2では前日の頭部負傷により欠場を余儀なくされた上長選手に代わってベンチからの出場でエネルギッシュにプレー。スティールからの得点は追い上げの予感を抱かせた。派手さはないがプレー判断がよく、オフェンスのリズムを作れるので、上手く使ってあげてほしい選手である。梅木選手は前週の試合で激怒していた米谷選手とのコンビネーションで得点を決め、大差がついても気持ちを切らすことなく、1on1を仕掛け、得点を狙っていた。ベンチも暗くなることなく盛り立てていた。

9連敗、勝敗だけ見れば昨季と変わらないが、選手の充実度は全然違うと思う。8月に難しい時期を過ごし、9月はコンディションが上がっていない選手が多かったが、皆上向きで、中断に入るのが惜しいくらいだが、その期間にフィジカル強化は必須。そしてベンチワーク。後者に関しては10試合で戦力の見極めは出来たはず。相性の良い組み合わせ、バランスが崩れる組み合わせなども把握できたはず(近平選手と三間選手の併用はオフェンスを重くした)実業団の強豪・紀陽銀行と対戦する皇后杯は勝ち上がればシャンソン化粧品。試合を重ねるごとに二頭体制のデメリットも出始めてきているが、今一度指示系統やコーチ陣の役割分担をハッキリし、非情な決断もして、勝ちにいくアイシンAWを見たいものだ。

 

トヨタ紡織サンシャインラビッツ×デンソーアイリス

こちらのカードは実力伯仲、特にgame2に関してはトヨタ自動車×デンソーgame1に続く今季の好ゲームだと思う。2試合ともロースコアだが、双方ディフェンス力が高いのでそうなった。イージーシュートを外していたからではない。

結果としてデンソーが2勝した。トヨタ紡織の中野選手、飯島選手の活躍ぶりには驚かされた。それ以上に本川選手の決定力とひまわり選手のオフェンスリバウンド。ここが勝負のポイントだったか。トヨタ紡織も強烈な個が組み合わさったチームだが、本川選手、ひまわり選手には及ばなかった。

個の能力で押し切った格好だ。game2に関しては試合毎でプレータイムが偏る中川HCの悪癖も最後に踏ん張れなかった要因の1つではあるだろうが、それが霞むくらい本川選手、ひまわり選手は強烈だった。

 

チームとしてのポテンシャルはトヨタ紡織の方が上だと感じた。両チームとも特長が明確な能力の高い選手が揃っている。トヨタ紡織は各ポジションに期待の若手がいる一方で、デンソーインサイド陣の平均年齢の高さとスタメンの固定化が気掛かり。PGに関しては稲井選手・笠置選手でタイムシェアし、渡部選手が大ベテランかのごとく(実際は大卒2年目だが 笑)悪い流れを断ち切る。しかし他のポジションに関してはシックスマンの近藤選手、畠中選手含め凄すぎる選手・戦況に応じて的確なプレーが出来る選手が揃っていて、割って入ることが出来ない状況。正直1,2シーズンの間で優勝出来ないと…と思ってしまうが、そこは歴戦の名将の手腕に期待か。

指揮を執った4試合は上位チーム相手だったこともあり、リアリストに徹したが、今後は若手の見い出されていなかった能力を引き出すことだろう。来季は他チームで燻っていた才能あるを引き抜き、開花させているかもしれない。シーズン中も欧州との行き来があるのは懸念材料ではあるが、ヴクサノヴィッチAHCもいるので、些細なことかもしれない。

 

選手だけでなくコーチもライバルから刺激をもらって、競争して、より良いチームを作り上げる。その中でコーチも育てて、永続的な強化に繋がっていってほしいと願っている。

f:id:antelopes_7_12_23:20201102174343j:plain

 

 

Wリーグ西地区第6週game2

山梨クィーンビーズ×トヨタ紡織サンシャインラビッツ

山梨はアイシンAWと対戦した開幕週は1勝1敗だったが、その後は勝てていない。西地区全体の傾向ではあるが、3p成功率が上がってこず、得点50以下の試合が多い。昨季と比べてリバウンドは改善されており、フィジカル負けしている印象もないだけにいかに3ptを打てる形を作り出すかにかかっているのではないだろうか。

トヨタ紡織はgame1同様飯島選手が大活躍。中野選手もブレイクの予感を漂わせている。齋藤選手は昨季の輝きを取り戻し、平末選手も周囲との連携が上がってきた。更には髙橋選手が初出場、大橋選手は初得点。

f:id:antelopes_7_12_23:20201026202845j:plain

次戦で当たるデンソーの試合をコーチ・選手が視察していたが、タレントが噛み合えばデンソーに連勝することも可能なチームだ(昨季も同時期に対戦し、トヨタ紡織が連勝している)

 

トヨタ自動車アンテロープス×デンソーアイリス

両チームとも昨季から大きな変化はない。トヨタ自動車は水島さんが引退したが、コーチは全員継続。デンソーは昨季所属の全選手が継続の上で2選手が加わり、マルコヴィッチHCは一週間前に合流した。

いくら名将対決といえどgame1でお互いがかなり策を出し、game2の特に後半は肉弾戦・死闘の様相が色濃くなっていった。

f:id:antelopes_7_12_23:20201026145244j:plain

トヨタ自動車が10点以上リードしている時間帯が長かったが、見ているこちらとしては残り30秒までセーフティリードとは感じられなかった。今季は比較的落ちついていたモンデーロHCも前半からテクニカルファールを宣告されるなどヒートアップしており、苛立ちや焦りが感じられた。

f:id:antelopes_7_12_23:20201026205503j:plain

勝負を分けた一番のポイントは3ptシュートか。トヨタ自動車は三好、山本、平下の3選手で1/6で、デンソーとしては警戒すべき選手は抑えられていたが、エブリン選手、長岡選手で5/8。フォワード陣を捕まえきれなかった。

一方のデンソーはgame1に続き試投数自体が少なく、インサイドでシュートするためのセットプレーに偏ってしまった。結果髙田選手、ひまわり選手は36分プレー。トヨタ自動車もスタメン全員が2ケタ得点を挙げたものの、ベンチメンバーの得点は少なく、エブリン選手が37分プレーするなど決してタイムシェアが出来ているとは言えない試合だったが、僅かな心身のスタミナの差がデンソーが追いつけそうです追いつけない要因としてあるだろう。

トヨタ自動車ファンの私としては勝ち試合が見られたので満足だが、試合の質としてはgame1の方が高かった。またこれまでは両チームとも多彩なオフェンスを見せていたが、このカードでは苦しくなるとトヨタ自動車はエブリン選手、ステファニー選手、デンソーは髙田選手、ひまわり選手に頼りっきりになってしまうことが多かった(ゾーンディフェンスを敷くタイミング、本職PGがいないビッグラインナップなど興味深い面もあった)試合終了直後の様子だとロスタイムに追い付かれたトヨタ自動車と何とか追い付いて勝ち点1を得たデンソーのような画である。

f:id:antelopes_7_12_23:20201026205516j:plain

f:id:antelopes_7_12_23:20201026144320j:plain

両チームとも西地区優勝が目標であり、負けられないのは言うまでもないが、強豪との対戦でもこれまでやってきたことを出せないとENEOSの背中はまだまだ遠い。リーグ前半戦はもう2試合ある。その後には皇后杯も控えている。名将たちが今後どうタクトを揮うか期待感しかない。

 

 

アイシンAWウィングス×三菱電機コアラーズ

ロースコアゲームとなったgame2。アイシンAWはgame1で手応えを掴んだ三間選手がスタメンで出場。リバウンド争いで互角の戦いとなり、3ptを打たれてもセカンドチャンスを渡すことも減った(三菱電機の成功率も低かった)。宮下選手のディフェンス、リバウンドでの負担も減り、オフェンスへの貢献度は上がった。40分トータル、さらにいえば20試合、来季を考えたチームマネージメントをする上でタイムシェアは必要だが、どうしても2Qでの失速が目立つ。タイムアウトの遅さなども含めてコーチ陣の課題だが、後半でチームの土台が固まった感がある。原点回帰といえばそれまでだが、機動力重視で3Qスタート時は梅木・上長・加藤・宮下・近平の5選手を配する開幕週に近い形にした。

ドライブでのペイントアタックと強く・速いパス回しでオフェンスのテンポは上がり、良い形での3ptシュートも増えた。高さでは分が悪いが、選手たちの目の色は明らかに変わり、常にボールに喰らいついていた。

実際後半だけで見るとアイシンAWが34-25であり、尚更2Qの失速が悔やまれる。次週の対戦相手を考えると前半でもう少し無理をさせても良かったのかもしれない。

一方で2Qの点差は大きくのしかかり、残り4分の段階で15点のビハインドがあり、選手たちは意地を見せた。後半フル出場の上長選手、クラッチタイムで得点を量産した梅木選手には鬼気迫るものを感じた。残り3分以降での細かい選手交代も評価すべきポイント。特に残り18秒からのディフェンス時の交代は的確でラストオフェンスの時間も作り出せた。そこまでは素直に称賛しかないが、どうしても最後のところが解せない。

実質3ptシュートしか選択肢がないシチュエーションでシュート力のある選手を多く配するのは当然だが、絶対的エースである宮下選手を外してまでこの試合2分半の出場でシュート0だった米谷選手を送り込んだ意図は何だったのか。宮下選手も充分シュート力はある選手で、この試合の3ptも2/3。そして3ptを打てずに試合終了。シュートが入った/外れたは結果論でしかないが、3ptを打つことが出来なかったのは采配ミス、シチュエーションに応じた練習の不足としか言えない。

また巻き戻しになってしまうが、前半の最後も勿体なかった。3点しか取れていなかったクォーターの最後に何とか2点取れたのに、ディフェンスを引き締められず、ブザービーターの3ptシュート。1ポゼッションの積み重ねがバスケであり、一つ一つの事象に言及しすぎるのはよろしくないのは分かっているが、これは本当に勿体ないとしか言いようがない。自陣からとりあえず放り投げたシュートが決まったわけではないのだから…

こういう試合をモノにするのが三菱電機の強さでもあるが、三菱電機も苦労を重ねて一昨季ファイナルまで進んだ。レギュラーシーズンのトヨタ自動車戦では2試合とも接戦を落としたが、経験を糧にセミファイナルでリベンジを果たした。昨季まで所属していた濱口選手に洗礼を浴びせられた格好となってしまったが、この試合がアイシンAWにとって転機となることを願ってやまない。

負けが続いても選手たちの活気は失われていない。コミュニケーションもよく取れている(タイムアウトの時のコーチ陣の腰の重さはどうにかしてほしいが…その分作戦を練る時間が減るわけで……)試合後には梅木選手、上長選手、宮下選手がコート上で話し込んでいた姿にはこのチームの未来を感じた。

f:id:antelopes_7_12_23:20201026205123j:plain

f:id:antelopes_7_12_23:20201026205209j:plain

f:id:antelopes_7_12_23:20201026205224j:plain

f:id:antelopes_7_12_23:20201026205238j:plain

f:id:antelopes_7_12_23:20201026210153j:plain

山梨、三菱電機は前半戦を終え、残り4チームも次で一区切り。以下完全な願望です。

順当にいけばトヨタ自動車が連勝だろうが、アイシンAWが9連敗で前半戦を終えるのは辛いので、1つ勝ってほしい。絶対に勝てない相手ではない。2試合とも手応えある内容にしようとか考えず、どちらか1試合遮二無二勝ちにいってほしい。トヨタ自動車は1つ負けて、デンソーが連勝しても得失点差で首位ターンできる(そうですよね?)デンソーも1つ負けるかもしれないし。

と今から星勘定したところでもう2回ずつ対戦があるんですけどね(笑)

 

しかしこの試合数の少なさは何とかならないのかなぁと思います。三菱電機の川井選手も仰ってましたが。試合することが一番レベルアップに繋がるだろうし、日々の練習の成果を出す場がこれだけしかないというのは残念です。

代表の国際大会が増えてきて(今はこの情勢下なので出来ないけど)スケジュール調整が難しく、企業スポーツならではの事情や会場、審判の確保など課題は多いのだろうが、Bリーグは60試合もやってるのに、何だかなぁと思います。

Wリーグ西地区第6週game1

いつもは土日に試合見て、月か火で更新してますが、今日のトヨタ自動車×デンソーが予想してた通り、というか予想を更に上回る好ゲーム。だいぶ長くなりそうなので、早めに更新しておきます(笑)

 

先に他の2カードについて少し。

山梨クィーンビーズ×トヨタ紡織サンシャインラビッツ

両チームともディフェンスは素晴らしいが、5人の連動性あるオフェンスが少ない。トヨタ紡織は新加入選手の融合が上手く進んでおらず、豊富な駒を生かしきれていない。山梨は若原選手、富田選手が負傷によりベンチに下がる時間帯があったことも響いた。当然スカウティングもされ、相手の良さを消す戦い方になっている側面もあるだろうが、その中で飯島選手の活躍が光った。ロスターのバランスは非常に良いだけにシェフのサジ加減次第だ。

 

アイシンAWウィングス×三菱電機コアラーズ

三菱電機がハードなディフェンスでアイシンAWのタフショットを誘発して序盤から優勢に試合を進めた。ディフェンスの安定に加え、リバウンドでも分があるためアーリーオフェンスに繋げやすく、セカンドチャンスも拾える。トランジションを早くし、思い切って3pt、ミドルシュートを打てる(根本選手の3ptは2/12)。こうして手堅く得点を重ねていった。点差が詰まることはあったものの危なげない勝利だった。

アイシンAWは試行錯誤な選手起用が続く。開幕後2度のバイウィークを経ての7試合目だが、14選手中9選手にスタメン出場経験があるなど定まらない。競争原理が働いていることは良いが、選手ごとの役割などそろそろハッキリさせるところはハッキリさせないといけないだろう。個人的にはこの試合でも攻守にエナジーを出していた上長選手はもう少しプレータイムがあっても良いと思うのと現状では大エース・宮下選手の良さも発揮し切れていないのが勿体ないと思うところ(それでも19得点だが)。また相手にアジャストされたときのプランB、Cがないのも気になる。一度崩れると巻き返せないチームになってしまっている。

選手たちの勝利を求める姿勢、チームの一体感などは失われていない。11分出場で4リバウンド・きれいな合わせからの得点も記録した三間選手の存在はポジティブな要素たが、とにかく結果が欲しい。

 

トヨタ自動車アンテロープス×デンソーアイリス

両チームとも最初から最後までディフェンス強度が高い。特に3ptを打たせないディフェンスを徹底しており(トヨタ自動車5/17、デンソー1/7と試投数、成功数とも低調で最後まで進んだ)、それでいて点数も入る。見応えたっぷりで、緊張感高まる試合となり、序盤には馬瓜ステファニー選手、終盤には赤穂さくら選手とFT成功率の高い選手が2本連続で落とすなどプレーオフを見ているだった。

というのがザックリとしたレビューで、以下掘り下げていく。

トヨタ自動車は大きくて強くて速いデンソーのウィングにどう対抗するかと思っていたが、安間・三好・馬瓜エブリン・馬瓜ステファニー・長岡の5選手がスタメンと正攻法できた。その中で自らディフェンスは得意ではないと語る三好選手が本川選手をシャットアウト。ディフェンスでリズムを作ると三菱電機戦・山梨戦で不調だった3ptをソーシャルディスタンスを保ちながら仕留めて、流れはトヨタ自動車に。その後は両チームとも3ptを打つ場面を作り出すこともファストブレイクに持ち込むことも難しい状況だったが、トヨタ自動車インサイド陣のパワーを活かして積極的に仕掛けた。ディフェンスではダブルチームも織り交ぜて、コーナーに追い込むディフェンスで、ショットクロックオーバーを誘発。そのハードなディフェンスにデンソーの得点が止まる時間帯もあったが、オフボールの動きを活発にし、カットインからの得点で食らいついていった。名将たちの采配もさすがの一言。トヨタ自動車がディフェンス強度を維持するため平下選手、永田選手を投入するとデンソーは近藤選手、森選手とベテランで対抗。永田選手はディフェンスに追われた感もあったが、平下選手は3ptを2本決めるなど攻守にエネルギッシュなプレーを見せ、読みの鋭いディフェンスもあり、バスケIQの高さを印象づけた。

デンソーも森選手はプレータイムこそ少なかったものの近藤選手とのコンビネーションで得点を決めるなど前半を引き締めた。大一番・点差も開いていない中でルーキーを使うモンデーロHC、先々週移籍後初出場は果たしたもののガベージタイムでのプレーに留まった森選手を起用するマルコヴィッチHCも勝負師。采配の意図を推理するだけでも面白い試合だった(稲井選手の髪型が試合途中でお団子からポニーテールに変わったことは幻惑作戦とかHCの意図はないと思います←)

こうして前半は38-34のトヨタ自動車リードで折り返した。

 

両チームともタイムシェアをし、主力のバイタリティを維持し、後半もハードなディフェンス。探り探りのオフェンスで得点ペースはやや落ちた。トヨタ自動車インサイドでコツコツと得点を稼いでいたが、デンソーが前半は封じられた本川選手を中心に仕掛けてきた。トヨタ自動車のお株を奪うスローインからの速いオフェンスでトヨタ自動車インサイドをかき乱したかと思えば、一転チャンスメーク役に回った。45度からのアシストで髙田選手が得点を量産し始めて、トヨタ自動車はファールも嵩んでしまった。とは言っても安間選手が3ptを決めた時にはこの日最大の(たぶん)10点差があり、どちらかというとトヨタ自動車ペース。

ここからは策の打ち合いです。トヨタ自動車が山本選手、平下選手を投入するとデンソーは笠置選手、篠原選手、畠中選手。近藤選手含め外からのシュート力があるラインナップにするとトヨタ自動車は永田選手を投入したが、ハマったのはデンソー。髙田選手、本川選手を休ませられただけでなく、インサイド流動性を生み出した。こうしてデンソーが流れを手繰り寄せるまでいかないものの、掴みかけつつある中でマルコヴィッチHCが思い切った采配に打って出た。前半プレータイムがなかった渡部選手をコートに送り出した。しかも笠置選手とのツーガードではなく1人でコントロールする形での起用とは大胆そのものだったが、ファーストプレーで期待に応えた。臆せずアタックしたことが近藤選手の3ptに繋がった。デンソーにとってはこの日唯一の3ptだったが、非常に貴重なものになった。ここが第1のターニングポイント。この直後にタイムアウトを取り、スコアとしてもトヨタ自動車がリードしていたが、流れは完全にデンソー。コントロールが安間選手と山本選手で目まぐるしく変わって不安定になるなどモンデーロHCの采配が後手を踏む中で平下選手、永田選手は仕掛けてはいるもののどこか怖気づいていた。永田選手はディフェンスでも本川選手に翻弄された。もう少し早く栗原選手を投入しても良かったのかもしれない。

 

4Qもトヨタ自動車のリードが続くが、何となくデンソーペース。長岡選手が負傷により一度ベンチに下がったこともあり、選手のやりくりがより難しくなった。長岡選手は治療を終えて戻れそうな雰囲気だったが、残り5:30ほどのタイムアウト明けには山本・三好・栗原・エブリン・ステファニーという見慣れないラインナップを敷いた。これも駆け引きの一種なのだろうか。ただデンソーはファールトラブルでベンチに下がっていたひまわり選手はじめ皆体力が残っており、トヨタ自動車としては辛かった。

そして第2のターニングポイントは残り4:23からの展開。さくら選手がFTを2本落として、トヨタ自動車はパス回しから栗原選手が3ptを放つも決まらず。デンソーがリバウンドを拾い、本川選手→ひまわり選手で電光石火の得点。ここでデンソーが逆転(してたらしい笑)その直後にトヨタ自動車もステファニー選手がスピンムーブからバスケットカウントを獲得し、FTも決めているが、この日ほとんど見られなかった鮮やかなファストブレイクはダメージを与えたのではないか。

その後長岡選手が戻り、痛みを感じさせないプレーを見せたが、FTを2本とも外した。次のポゼッションでデンソー髙田選手がFTを1本決め、2本目は外すもセカンドチャンスを決めて、71-68。このポゼッションでデンソーが実質初めてのリードにして勝負あり。

※実質初めてじゃないけど、まぁそんな感じです。第3のターニングポイント。

トヨタ自動車にもその後チャンスはあったが、選手たちが疲労困憊。残り20秒で髙田選手がキープしているところでファールゲームにいくべきだったが、その判断が出来る力が残っていなかった。

トヨタ自動車としては一昨シーズンのSFgame3を思わせるやり切れなさが残る最終盤だったが、今シーズンのWリーグベストゲームであることに異論を唱える人はいないと思う。90分ほどで終わってしまうことも多いWリーグの試合において次の試合の開始が5分遅れるくらいなので、映像もスタッツも見なくても好ゲームであったことは分かっていただけるだろう。私もトヨタ自動車が負けはしたものの非常に見応えのある試合で楽しかった。

 

最後にスタッツを元に考えたい。

○3pt

○FT

○ファール数

○ターンオーバー数

 

ファールは両チームともWリーグ基準だと多めで、3ptはデンソーは1本しか決められていない。しかし勝ったのはデンソー

4Qでターンオーバーが増えたこと、FTを2本とも外すシーンが複数あったこと、シュートファールをもらったときにバスケットカウントまで持ち込んだ回数が少なかったことが敗因だろうか。

 

そしてプレータイムの比較。

  • 三好選手 31分
  • 安間選手 33分
  • ステファニー選手 36分
  • 山本選手 6分
  • 永田選手 8分
  • 平下選手 9分

 

  • 稲井選手 24分
  • 本川選手 29分
  • 髙田選手 33分
  • 笠置選手 13分
  • 近藤選手 18分
  • 畠中選手 19分

主力に余力を残しつつ、PGでゲームに変化をつけ、ベテランが流れを食い止めたデンソーと職人たちを前にして若手が勝負所でアグレッシブさを出せなかったトヨタ自動車の構図か。

この試合のMVPは非常に迷うところだ。普通に考えれば25得点の髙田選手だが、インパクトでいえば7アシストの本川選手。プレータイムは短いが、渡部選手の活躍も見逃せず、渡部選手を投入したマルコヴィッチHCがMVPということでお願いします。

そのマルコヴィッチHCがWリーグを肌で感じ、game2はさらに色んな手を打ってくるだろう。トヨタ自動車としては絶対に連敗は出来ない。game1でDNPだった選手が一転スタメンで起用されても両指揮官だと何ら不思議ではない(西澤選手が見たいけど、終始ジャケット羽織ってたから、今週は欠場かな…)更に白熱するであろうgame2絶対に見逃せない。今季ベストゲームを1日で更新してほしい。